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「この者たちを牢に入れておけ」
「「「「はい!」」」」
近衛隊の方々がアバント伯爵とナディア様とサリフィア様と第一王子様を牢に連れて行きました。
皆さん、魂が抜けたような状態ですので暴れる事もなく、大人しく連れて行かれました。
ここに残ったのは国王陛下、王妃陛下、アイザック様、フレデリック様、マンサール様、お祖父様、フォルクスと私です。
あとは私の侍女や従者たちにマンサール様についている騎士様たちに国王陛下たちの近衛隊たちです。
王家の侍女さんが紅茶を淹れてくれました。
あまりにも内容が内容だったので、飲み物は遠慮していたのですが、一段落ついたので喉を潤しました。
皆さんが飲んだのを確認してから、国王陛下が私に話しかけてくれました。
「これで全員の罰が決まった。エリアンティーヌ嬢よ、先に申し出ていた望みとは何かな?」
「私の望みは2つ……1つは私がお母様の祖国に向かうことです。もう1つはアバント伯爵家の事です」
「マリリン第一夫人の祖国、ドラゴニス王国か」
「はい。お話を聞いて行ってみたくなりました。お母様の育った国を見てみたいのです」
「そうだな。エリアンティーヌ嬢と我が国の王子との婚約が難しくなった今、一度ドラゴニス王国に戻るのも手ではあるな」
「戻る、ですか?」
「……ああ、そうだったな。密命のため、殆んど説明がなかったのだったな。エリアンティーヌ嬢はアバント伯爵令嬢であると同時にドラゴニス王国の王女でもあるのだよ。彼の国の国籍も、王族籍もエリアンティーヌ嬢は持っているんだよ」
「え?それって良いのですか?」
「ああ、それも両国の取り決めだからな。エリアンティーヌ嬢が我が王家に嫁ぐまでは何かあった時のために二重国籍になっている。産まれる前、マリリン第一夫人が嫁ぐ時から決まっていたことだ」
意外でした。
私は私がアバント伯爵令嬢であることしか知りませんでした。
何かあった時と言うのは今回のようなことでしょうか?
いえ、私が誘拐などされた時に探すために協力しやすいとかの意味もあるのでしょうね。
ですが、私としてはお母様の祖国に物見遊山で行くつもりでしたのでどうしましょう?
これは帰国になるのでしょうか?
ですが、それも良いのかもしれません。
今回の事は私に非がないとしてもかなりの醜聞です。
大規模パーティーで宣言なんてされたので、わりと殆んどの貴族が集まっていましたし。
私がクリスティーナの方を向くと頷かれてしまいました。
クリスティーナたちも一度ドラゴニス王国に行くのを進めているようですわね。
ですが、懸念もあります。
この醜聞がドラゴニス王国にまで届いてしまったら、私は受け入れて貰えないのではないのではと思います。
それにアバント伯爵家はお祖父様とフォルクスだけになってしまいます。
いえ、私としてはフォルクスを連れていきたいのですが、お祖父様を残すのも心配なのです。
お祖父様は領地にいることが多いのであまり接点は殆んどなかったのですが、いつも私とフォルクスを気にかけてくれた方ですので。
お祖父様にはアバント伯爵しか子供はいなかったはずですし、後継者問題になりますよね、フォルクスを連れていっては。
ですが、今回のことでフォルクスも要らない醜聞をデビュー当初に付けられましたので、心配なのです。
私が悩んでいると、お祖父様が優しいお顔で声をかけてくださいました。
「エリアンティーヌ」
「お祖父様」
「エリアンティーヌはフォルクスとドラゴニス王国に行きたいのであろう。行くと良い。アバント伯爵家の事は気にするでない」
「ですが…」
「愚息たちのせいでエリアンティーヌにもフォルクスにも要らない醜聞ができてしまった。それは領地に籠りっきりだったワシにも責任がある」
「そんなっ!」
「エリアンティーヌ。大丈夫だ。確かにワシにはスティーブンしか子供はいなかったが、ワシの弟には三人の息子がおるし、その子供も複数人おる。そちらに継承させればよい」
「してくださるでしょうか?」
お祖父様は私の背を押してくださいますが、このように醜聞がついた家を継いでくださるでしょうか?
私が考えていることなどお祖父様にはお見通しのようでした。
「確かに醜聞がついたがそれはどうにでもなる」
「と言いますと?」
「あの愚息たちはすでに多くの貴族を敵に回してきた。それをどうにかしていたのはマリリン様と我が甥っ子たちだ。その甥っ子たちの誰かが継いでくれるとなれば、繋がりのある貴族たちが手を貸してくれるだろう」
「そうなんですか?」
「ああ、その辺は確約してくれているからな。それに今回のバラモースとエリアンティーヌとの婚約はわりと周りが懸念していたのだ」
「そうだな。こちらにも他の王子にした方が良いと進言があったぐらいだ。皆、エリアンティーヌ嬢の味方だったのだよ。まぁ、それほどまでにバラモースが皆から嫌われていたと言うことだな」
国王陛下がため息をつきました。
そうですよね、我が子が多くの人から嫌われているなど信じたくないでしょうし。
ましてや、王子なのですからね。
それはつまり、支持者がいないことになりますからね。
「バラモースの事もあるからな、王家の方でもアバント伯爵家の後押しはする。だから、エリアンティーヌ嬢は好きにしたら良いよ」
「そうよ。私たちがもっと早く動いてあげていたら良かったのだし、気をきかせて説明してあげていたら良かったのに、ごめんなさいね」
「国王陛下、王妃陛下……」
皆さんが後押しをしてくれます。
私の懸念をなくしてくれます。
ですが、他の方にアバント伯爵家を継承して頂いた後、お祖父様はどうされるのでしょう?
今のように領地に居るわけにはいかないのではないでしょうか?
すぐは引き継ぎなどがありましょうから大丈夫でしょうが、その後はどうなるのでしょう?
大丈夫なのでしょうか?
「エリアンティーヌ、大丈夫だよ。ワシは弟たちとも仲が良いのでな。今でも一緒に過ごしておるから変わらんよ」
「そうなのですか?それなら良いのですが」
「ああ」
そうですね。
では、皆さんの後押しを受けましょう。
後はドラゴニス王国の方が受け入れてくれるかと言う問題ですが残りますが。
そう思っていると、マンサール様が肯定してくださいました。
「エリアンティーヌ様、ドラゴニス王国は何時でも貴女様のご帰還を心より歓迎いたします」
「マンサール様」
「エリアンティーヌ様。私の事はマンサールとお呼びください。現在はアバント伯爵令嬢となっていますが、本来、貴女様は私よりも高位の方です。ドラゴニス王国に向かうのでしたら慣れてくださいね」
「はい。頑張りますわ」
そうですわね。
先程、お聞きしたばかりですのでまだ実感はありませんが、私は大国であるドラゴニスの王族籍にあるのですね。
不思議ですよね。
「では、ドラゴニス王国に行きたいと思います。それともう1つの望みの件ですが」
「アバント伯爵家の事だったな。先程の話でも解決してないのかな?」
「と言うより、私は心配ですのでフォルクスを一緒に連れて行きたいと思います」
「お姉様!」
「勿論、フォルクスが一緒に来てくれるならですが」
私がフォルクスの方を見ますと満面の笑みで答えてくれました。
その笑顔を見れて私は安心しました。
「「「「はい!」」」」
近衛隊の方々がアバント伯爵とナディア様とサリフィア様と第一王子様を牢に連れて行きました。
皆さん、魂が抜けたような状態ですので暴れる事もなく、大人しく連れて行かれました。
ここに残ったのは国王陛下、王妃陛下、アイザック様、フレデリック様、マンサール様、お祖父様、フォルクスと私です。
あとは私の侍女や従者たちにマンサール様についている騎士様たちに国王陛下たちの近衛隊たちです。
王家の侍女さんが紅茶を淹れてくれました。
あまりにも内容が内容だったので、飲み物は遠慮していたのですが、一段落ついたので喉を潤しました。
皆さんが飲んだのを確認してから、国王陛下が私に話しかけてくれました。
「これで全員の罰が決まった。エリアンティーヌ嬢よ、先に申し出ていた望みとは何かな?」
「私の望みは2つ……1つは私がお母様の祖国に向かうことです。もう1つはアバント伯爵家の事です」
「マリリン第一夫人の祖国、ドラゴニス王国か」
「はい。お話を聞いて行ってみたくなりました。お母様の育った国を見てみたいのです」
「そうだな。エリアンティーヌ嬢と我が国の王子との婚約が難しくなった今、一度ドラゴニス王国に戻るのも手ではあるな」
「戻る、ですか?」
「……ああ、そうだったな。密命のため、殆んど説明がなかったのだったな。エリアンティーヌ嬢はアバント伯爵令嬢であると同時にドラゴニス王国の王女でもあるのだよ。彼の国の国籍も、王族籍もエリアンティーヌ嬢は持っているんだよ」
「え?それって良いのですか?」
「ああ、それも両国の取り決めだからな。エリアンティーヌ嬢が我が王家に嫁ぐまでは何かあった時のために二重国籍になっている。産まれる前、マリリン第一夫人が嫁ぐ時から決まっていたことだ」
意外でした。
私は私がアバント伯爵令嬢であることしか知りませんでした。
何かあった時と言うのは今回のようなことでしょうか?
いえ、私が誘拐などされた時に探すために協力しやすいとかの意味もあるのでしょうね。
ですが、私としてはお母様の祖国に物見遊山で行くつもりでしたのでどうしましょう?
これは帰国になるのでしょうか?
ですが、それも良いのかもしれません。
今回の事は私に非がないとしてもかなりの醜聞です。
大規模パーティーで宣言なんてされたので、わりと殆んどの貴族が集まっていましたし。
私がクリスティーナの方を向くと頷かれてしまいました。
クリスティーナたちも一度ドラゴニス王国に行くのを進めているようですわね。
ですが、懸念もあります。
この醜聞がドラゴニス王国にまで届いてしまったら、私は受け入れて貰えないのではないのではと思います。
それにアバント伯爵家はお祖父様とフォルクスだけになってしまいます。
いえ、私としてはフォルクスを連れていきたいのですが、お祖父様を残すのも心配なのです。
お祖父様は領地にいることが多いのであまり接点は殆んどなかったのですが、いつも私とフォルクスを気にかけてくれた方ですので。
お祖父様にはアバント伯爵しか子供はいなかったはずですし、後継者問題になりますよね、フォルクスを連れていっては。
ですが、今回のことでフォルクスも要らない醜聞をデビュー当初に付けられましたので、心配なのです。
私が悩んでいると、お祖父様が優しいお顔で声をかけてくださいました。
「エリアンティーヌ」
「お祖父様」
「エリアンティーヌはフォルクスとドラゴニス王国に行きたいのであろう。行くと良い。アバント伯爵家の事は気にするでない」
「ですが…」
「愚息たちのせいでエリアンティーヌにもフォルクスにも要らない醜聞ができてしまった。それは領地に籠りっきりだったワシにも責任がある」
「そんなっ!」
「エリアンティーヌ。大丈夫だ。確かにワシにはスティーブンしか子供はいなかったが、ワシの弟には三人の息子がおるし、その子供も複数人おる。そちらに継承させればよい」
「してくださるでしょうか?」
お祖父様は私の背を押してくださいますが、このように醜聞がついた家を継いでくださるでしょうか?
私が考えていることなどお祖父様にはお見通しのようでした。
「確かに醜聞がついたがそれはどうにでもなる」
「と言いますと?」
「あの愚息たちはすでに多くの貴族を敵に回してきた。それをどうにかしていたのはマリリン様と我が甥っ子たちだ。その甥っ子たちの誰かが継いでくれるとなれば、繋がりのある貴族たちが手を貸してくれるだろう」
「そうなんですか?」
「ああ、その辺は確約してくれているからな。それに今回のバラモースとエリアンティーヌとの婚約はわりと周りが懸念していたのだ」
「そうだな。こちらにも他の王子にした方が良いと進言があったぐらいだ。皆、エリアンティーヌ嬢の味方だったのだよ。まぁ、それほどまでにバラモースが皆から嫌われていたと言うことだな」
国王陛下がため息をつきました。
そうですよね、我が子が多くの人から嫌われているなど信じたくないでしょうし。
ましてや、王子なのですからね。
それはつまり、支持者がいないことになりますからね。
「バラモースの事もあるからな、王家の方でもアバント伯爵家の後押しはする。だから、エリアンティーヌ嬢は好きにしたら良いよ」
「そうよ。私たちがもっと早く動いてあげていたら良かったのだし、気をきかせて説明してあげていたら良かったのに、ごめんなさいね」
「国王陛下、王妃陛下……」
皆さんが後押しをしてくれます。
私の懸念をなくしてくれます。
ですが、他の方にアバント伯爵家を継承して頂いた後、お祖父様はどうされるのでしょう?
今のように領地に居るわけにはいかないのではないでしょうか?
すぐは引き継ぎなどがありましょうから大丈夫でしょうが、その後はどうなるのでしょう?
大丈夫なのでしょうか?
「エリアンティーヌ、大丈夫だよ。ワシは弟たちとも仲が良いのでな。今でも一緒に過ごしておるから変わらんよ」
「そうなのですか?それなら良いのですが」
「ああ」
そうですね。
では、皆さんの後押しを受けましょう。
後はドラゴニス王国の方が受け入れてくれるかと言う問題ですが残りますが。
そう思っていると、マンサール様が肯定してくださいました。
「エリアンティーヌ様、ドラゴニス王国は何時でも貴女様のご帰還を心より歓迎いたします」
「マンサール様」
「エリアンティーヌ様。私の事はマンサールとお呼びください。現在はアバント伯爵令嬢となっていますが、本来、貴女様は私よりも高位の方です。ドラゴニス王国に向かうのでしたら慣れてくださいね」
「はい。頑張りますわ」
そうですわね。
先程、お聞きしたばかりですのでまだ実感はありませんが、私は大国であるドラゴニスの王族籍にあるのですね。
不思議ですよね。
「では、ドラゴニス王国に行きたいと思います。それともう1つの望みの件ですが」
「アバント伯爵家の事だったな。先程の話でも解決してないのかな?」
「と言うより、私は心配ですのでフォルクスを一緒に連れて行きたいと思います」
「お姉様!」
「勿論、フォルクスが一緒に来てくれるならですが」
私がフォルクスの方を見ますと満面の笑みで答えてくれました。
その笑顔を見れて私は安心しました。
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