89 / 105
第二章
28、噂の
しおりを挟む
馬車ができるまで俺たちはクエストをこなしていった。
まぁ、あまり人気のない採取系を主にやっていった。だって、薬草だ何だと普通にお世話になっているものばかりなんだ。やるしかないだろ。
収入は二の次で考えているから効率はよくないかもな。その分、町の人とは仲良くなった。おまけなんかもしてくれる。
いや、うちには美形集団がいるからそこの功績も大きいなぁ~。
そして、今回は珍しく俺たちが絡まれた。
出る杭は叩きたいんだろうが無駄だ。
なんせ、うちの美形集団の大半は魔獣何だからな。しかも、Aランク以上が五人、怖いよな。
それを相手取るのは誰だって嫌だろう。だから、向かってきた相手は大概、グランたちを見て尻尾を巻いて帰っていく。
なんとも平和だ。
そうしてくるとだんだん噂になっていく。
俺がそれを知ったのはユリウスとグランとクエストに行った帰りの門でジャックに言われたからだ。
「……何だって?」
「だから、噂になってるんだよ、お前ら」
「何が?」
「他の冒険者がやりたがらないクエストを率先してやる美形集団って」
「まぁ、うちは俺以外顔面偏差値高いからな」
「偏差値ってのはよく分からんがお前も含まれてるからな」
「うっそだ~」
「主様は美形ですよ」
「ああ、その顔が醜いと言う奴は僻みか、眼が悪い奴だろう」
「お前自身が言うと謙遜か、嫌味だな」
「う、うっそだ~」
俺は半信半疑だったが、周りが頷いているのを見て驚いた。
自分の顔がイケメンなんて信じられない。
毎朝、身だしなみを整えるために鏡チックなものを覗いているが生前と変わらない。
これがイケメンなんて……嬉しい過ぎるだろ。モテるかなぁ~。
俺の考えを読み取ったのか、全員が苦笑していた。ちょっと、恥ずかしい。
「まぁ、マコトが無自覚なのは分かっていたからいいけどな。問題はそこじゃない」
「???」
「クエストでも上ランク冒険者は上乗せをしたりするんだよ、下位クエストをする場合は」
「へぇ~」
「知らなかったのか?」
「興味もなかった」
「何てヤツだよ。エドもそういうヤツだしなぁ。仕方ないのか?」
「まぁ、私たちは主様が望まないことはしないので」
「だな」
ジャックは呆れた。
魔獣のランクも上位であればエドもAランクと上位、唯一違うのがこの俺なのだが、チーム全体のランクは高いので上位もしくは中位ぐらいのクエストをするの一般的らしい。
下位のクエストをするにも上乗せをしてからする。
それなのにブルーローズはそれをしないどころか、率先してして下位クエストをしてくれるので、人気が出ているらしい。
それも含めて叩きに来るみたいだがな。知らんがな。
ジャックとの会話が終わって町中を歩いていると確かに良く話しかけてくれる。
いい町なんだよなぁ、でも、エドにとってはいい思い出が少ないんだろうな。
「主様?」
「エドにとってもいい場所が見つかるといいんだがな」
「だな。あれはここを出たがっている」
「ええ、そうですね」
どんなに噂になってもチーム全員が楽しめる場所でないと意味がないんだけどなぁ。
まぁ、あまり人気のない採取系を主にやっていった。だって、薬草だ何だと普通にお世話になっているものばかりなんだ。やるしかないだろ。
収入は二の次で考えているから効率はよくないかもな。その分、町の人とは仲良くなった。おまけなんかもしてくれる。
いや、うちには美形集団がいるからそこの功績も大きいなぁ~。
そして、今回は珍しく俺たちが絡まれた。
出る杭は叩きたいんだろうが無駄だ。
なんせ、うちの美形集団の大半は魔獣何だからな。しかも、Aランク以上が五人、怖いよな。
それを相手取るのは誰だって嫌だろう。だから、向かってきた相手は大概、グランたちを見て尻尾を巻いて帰っていく。
なんとも平和だ。
そうしてくるとだんだん噂になっていく。
俺がそれを知ったのはユリウスとグランとクエストに行った帰りの門でジャックに言われたからだ。
「……何だって?」
「だから、噂になってるんだよ、お前ら」
「何が?」
「他の冒険者がやりたがらないクエストを率先してやる美形集団って」
「まぁ、うちは俺以外顔面偏差値高いからな」
「偏差値ってのはよく分からんがお前も含まれてるからな」
「うっそだ~」
「主様は美形ですよ」
「ああ、その顔が醜いと言う奴は僻みか、眼が悪い奴だろう」
「お前自身が言うと謙遜か、嫌味だな」
「う、うっそだ~」
俺は半信半疑だったが、周りが頷いているのを見て驚いた。
自分の顔がイケメンなんて信じられない。
毎朝、身だしなみを整えるために鏡チックなものを覗いているが生前と変わらない。
これがイケメンなんて……嬉しい過ぎるだろ。モテるかなぁ~。
俺の考えを読み取ったのか、全員が苦笑していた。ちょっと、恥ずかしい。
「まぁ、マコトが無自覚なのは分かっていたからいいけどな。問題はそこじゃない」
「???」
「クエストでも上ランク冒険者は上乗せをしたりするんだよ、下位クエストをする場合は」
「へぇ~」
「知らなかったのか?」
「興味もなかった」
「何てヤツだよ。エドもそういうヤツだしなぁ。仕方ないのか?」
「まぁ、私たちは主様が望まないことはしないので」
「だな」
ジャックは呆れた。
魔獣のランクも上位であればエドもAランクと上位、唯一違うのがこの俺なのだが、チーム全体のランクは高いので上位もしくは中位ぐらいのクエストをするの一般的らしい。
下位のクエストをするにも上乗せをしてからする。
それなのにブルーローズはそれをしないどころか、率先してして下位クエストをしてくれるので、人気が出ているらしい。
それも含めて叩きに来るみたいだがな。知らんがな。
ジャックとの会話が終わって町中を歩いていると確かに良く話しかけてくれる。
いい町なんだよなぁ、でも、エドにとってはいい思い出が少ないんだろうな。
「主様?」
「エドにとってもいい場所が見つかるといいんだがな」
「だな。あれはここを出たがっている」
「ええ、そうですね」
どんなに噂になってもチーム全員が楽しめる場所でないと意味がないんだけどなぁ。
11
お気に入りに追加
1,344
あなたにおすすめの小説

スキル『箱庭』で国造り~母国を追放されまして~
桜月雪兎
ファンタジー
グラディス王国第2王子として産まれたルーカス・グラディスが13歳で受けた成人の儀式で判明したのはスキル『箱庭』と言うものだった。
しかしスキルは発動せず、役立たずのレッテルを張られたルーカスはどこの国も見捨てた枯れた土地に追放され……そうになったが、ある出来事により、自ら進んでその土地に向かった。
ルーカスはその土地に着くとスキルが発動した。
ルーカスはその土地に国を作ることにした。
これはルーカスの国造りの話。


夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
異世界じゃスローライフはままならない~聖獣の主人は島育ち~
夏柿シン
ファンタジー
新作≪最弱な彼らに祝福を〜不遇職で導く精霊のリヴァイバル〜≫がwebにて連載開始
【小説第1〜5巻/コミックス第3巻発売中】
海外よりも遠いと言われる日本の小さな離島。
そんな島で愛犬と静かに暮らしていた青年は事故で命を落としてしまう。
死後に彼の前に現れた神様はこう告げた。
「ごめん! 手違いで地球に生まれちゃってた!」
彼は元々異世界で輪廻する魂だった。
異世界でもスローライフ満喫予定の彼の元に現れたのは聖獣になった愛犬。
彼の規格外の力を世界はほっといてくれなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる