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第一章
53、チーム結成⑤
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ユキも嬉しそうにしっぽを振っている。
うん、相変わらず、うちの子可愛いわ。
「それではチーム編成の資料を持ってきます」
「おう、頼むぞ」
「何言っているんです。あなたも行くんですよ」
「はぁ?なんでだよ?」
「二人で交流させてあげて下さいよ。今あったばかりですよ」
「それもそうだな」
アキラさんとグランツさんはそういうと部屋を出て行った。
俺とユキとエドワードさんだけにされた。ユキは楽しそうにしっぽを振っている。
改めて自己紹介でもすればいいのかな?
「えっと~、これからよろしく」
「僕の方こそよろしくお願いします」
「ああ、もう一度自己紹介しとくわ。俺はヒューマン族のマコト・モモセ、この子は俺のパートナーで天狼のユキ」
≪ユキだよ≫
「僕はハーフエルフのエドワード・グレイスです」
「俺たちはここに来てまだ半月程なんだ」
「そうなんですね。僕は二ヶ月ほどここを離れていましたがいい所でしょ」
「そうだな。それはそうと、普段からそんな話し方なのか?」
「え?」
「いや、チームを組むならくだけた話し方でいいんだぞ。実際、俺はくだけているし、俺のことはマコトでいいから」
「あ!うん、ありがとう。僕はエドでいいよ」
「ああ」
エドはちょっと照れくさそうな顔をしている。
今まであんまり親し相手がいなかったような感じだ。ハーフエルフと言うのは全員そうなのか?
でも、悪い相手ではないってみんな言っているからエド自体が距離感を掴めていないだけなんだろうな。
そういえばチームを組むならチーム名がいるような、何がいいだろう?
「エドはいいチーム名って思いつく?」
「チーム名?うう~ん、すぐには思いつかないなぁ」
「だよなぁ~」
≪マコトとエドとユキ!≫
「うん、それだと他の人が入った時に困るだろ」
「そうだね。でも、僕がいるのに入ってくれる子っているかなぁ?」
エドは少々自傷気味な発言がある。これは少しずつ矯正していこう。何も生まれですべてが決まるわけではないと思うのだ、俺は。
なにせ、間違いで人生変えられてしまったぐらいだからな。
何かいいチーム名はないかなぁ。
「できれば縁起のいい言葉がいいけど、そういうのに疎いんだよなぁ」
「そうだなぁ~」
俺たちはああでもないこうでもないと、頭をひねり出していたが何も思いつかなかった。
エドは念願のチーム結成だったため、結構真剣だ。
どうやらハーフエルフは同族ぐらいしかチームを結成できず、このあたりにハーフエルフがいなかったのでチーム結成は不可能だと諦めていた夢だったらしい。
ん?念願?不可能…夢がかなう。
「……ブルーローズ」
「え?」
「俺のいた所ではブルーローズと言う花があってその花言葉が『夢がかなう』なんだ。そのローズと言う花の種類にはもともと青の色素がないから、ブルーつまり青い花は咲かないってことで『不可能』って花言葉だったんだが、多くの人の努力でやっと青い花、ブルーローズが咲いたんだ」
「だから『夢がかなう』っていう花言葉。花に意味のある言葉があるとは思わなかった」
「俺も興味はなかったんだが、昔なじみのヤツが一時期はまって覚えちまうぐらい聞かされたんだ」
そう、当時付き合った彼女がそう言うのにはまっていて本を片手に教えられた。いい思い出だわ。いや、当時は結構うんざりするぐらい聞かされたが。
「いい意味だね、それにしようよ。ブルーローズ」
「エドがいいならそれで」
「でも、ローズかぁ。聞いたことないなぁ」
「俺もこっちに来てからは見てないし、どこにでも咲いているような花じゃなかったしなぁ」
「そうなんだ。もし見つけたら教えてね」
「ああ、そうだな。その花は基本的に赤が多いんだ。赤・白・ピンクに黄色って感じにな」
「そうなんだ」
どうやら俺たちのチーム名は決まったらしい。
なんか共通の物が欲しいなぁ、俺たちがチームだって証、何か作ってみようかなぁ。
うん、相変わらず、うちの子可愛いわ。
「それではチーム編成の資料を持ってきます」
「おう、頼むぞ」
「何言っているんです。あなたも行くんですよ」
「はぁ?なんでだよ?」
「二人で交流させてあげて下さいよ。今あったばかりですよ」
「それもそうだな」
アキラさんとグランツさんはそういうと部屋を出て行った。
俺とユキとエドワードさんだけにされた。ユキは楽しそうにしっぽを振っている。
改めて自己紹介でもすればいいのかな?
「えっと~、これからよろしく」
「僕の方こそよろしくお願いします」
「ああ、もう一度自己紹介しとくわ。俺はヒューマン族のマコト・モモセ、この子は俺のパートナーで天狼のユキ」
≪ユキだよ≫
「僕はハーフエルフのエドワード・グレイスです」
「俺たちはここに来てまだ半月程なんだ」
「そうなんですね。僕は二ヶ月ほどここを離れていましたがいい所でしょ」
「そうだな。それはそうと、普段からそんな話し方なのか?」
「え?」
「いや、チームを組むならくだけた話し方でいいんだぞ。実際、俺はくだけているし、俺のことはマコトでいいから」
「あ!うん、ありがとう。僕はエドでいいよ」
「ああ」
エドはちょっと照れくさそうな顔をしている。
今まであんまり親し相手がいなかったような感じだ。ハーフエルフと言うのは全員そうなのか?
でも、悪い相手ではないってみんな言っているからエド自体が距離感を掴めていないだけなんだろうな。
そういえばチームを組むならチーム名がいるような、何がいいだろう?
「エドはいいチーム名って思いつく?」
「チーム名?うう~ん、すぐには思いつかないなぁ」
「だよなぁ~」
≪マコトとエドとユキ!≫
「うん、それだと他の人が入った時に困るだろ」
「そうだね。でも、僕がいるのに入ってくれる子っているかなぁ?」
エドは少々自傷気味な発言がある。これは少しずつ矯正していこう。何も生まれですべてが決まるわけではないと思うのだ、俺は。
なにせ、間違いで人生変えられてしまったぐらいだからな。
何かいいチーム名はないかなぁ。
「できれば縁起のいい言葉がいいけど、そういうのに疎いんだよなぁ」
「そうだなぁ~」
俺たちはああでもないこうでもないと、頭をひねり出していたが何も思いつかなかった。
エドは念願のチーム結成だったため、結構真剣だ。
どうやらハーフエルフは同族ぐらいしかチームを結成できず、このあたりにハーフエルフがいなかったのでチーム結成は不可能だと諦めていた夢だったらしい。
ん?念願?不可能…夢がかなう。
「……ブルーローズ」
「え?」
「俺のいた所ではブルーローズと言う花があってその花言葉が『夢がかなう』なんだ。そのローズと言う花の種類にはもともと青の色素がないから、ブルーつまり青い花は咲かないってことで『不可能』って花言葉だったんだが、多くの人の努力でやっと青い花、ブルーローズが咲いたんだ」
「だから『夢がかなう』っていう花言葉。花に意味のある言葉があるとは思わなかった」
「俺も興味はなかったんだが、昔なじみのヤツが一時期はまって覚えちまうぐらい聞かされたんだ」
そう、当時付き合った彼女がそう言うのにはまっていて本を片手に教えられた。いい思い出だわ。いや、当時は結構うんざりするぐらい聞かされたが。
「いい意味だね、それにしようよ。ブルーローズ」
「エドがいいならそれで」
「でも、ローズかぁ。聞いたことないなぁ」
「俺もこっちに来てからは見てないし、どこにでも咲いているような花じゃなかったしなぁ」
「そうなんだ。もし見つけたら教えてね」
「ああ、そうだな。その花は基本的に赤が多いんだ。赤・白・ピンクに黄色って感じにな」
「そうなんだ」
どうやら俺たちのチーム名は決まったらしい。
なんか共通の物が欲しいなぁ、俺たちがチームだって証、何か作ってみようかなぁ。
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