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第一章
51、チーム結成③
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アキラさんの先導でギルマスの部屋の前まで来た。
アキラさんがノックをすると返事があり、俺たちは室内に入り、アキラさんが部屋の扉を閉めた……いや、カギまでかけてしまった。
なんで密室にするのやらと思っているとさらにアキラさんは近くにあった何かのスイッチを入れた。すると部屋全体が結界でおおわれた。俺が驚いているとギルマスが笑いながら説明してくれた。
「がははは!そんなに驚くな、ここは大事な話をすることが多いからな。音を外に漏らさない為の魔法具を起動させただけよ」
「これは魔法具で『遮音結界』という音の流出防止のための道具です」
アキラさんが説明を補足してくれた。
この球体の照明器具のようなものが魔法具『遮音結界』らしい。これはスイッチ一つで結界を起動できるようになっているようだ。範囲は一室らしくてどんなサイズの部屋でも関係ないらしい。要は密室に出来るなら、東京ドームほどの広さの部屋ですら起動可能ならしい。スゴいアイテムだ。
そして、今回起動させたのは今後の話をする為らしい。
どうやら俺が思う以上にこの話は重大らしい。
アキラさんいわく俺は自身を過小評価しているらしい、そんなつもりはないんだけど。
「とりあえず座れや」
「はぁ」
アキラさんはそのままグランツさんの隣に座った。必然的に俺は俺から見て背を向けている今回の主役の隣に座ることになった。まぁ、アキラさんやグランツさんに言わせれば俺たち二人ともが主役らしいが。
「どうも」
「は、はい」
一応、グランツさんが話をしていたらしくてちょっと戸惑われたけど逃げられなかった。
まぁ、座る距離は放されたけど……何気に傷付くなぁ。
「そろったな、さっきも話したがこいつが今街中で話題のマコトだ」
「マコト・モモセです」
「エドワード・グレイスです」
エドワードさん、たしか種族の問題でソロでやっているって言っていたけど、何だろう?
見た目はエルフっぽいんだよなぁ。長めの先がとんがった耳をしているし。でも、他のチームでエルフってみたよなぁ。ダークエルフってことはなさそうだし。
それにしてもきれいな人だなぁ。エメラルドグリーンの瞳に短めの金髪、色白だし。筋肉ムキムキというわけでなく、ほっそり体系、羨ましい。
そんなことを考えていたら頭の上のユキがごそごそと。仕方ないので膝に下ろした。
エドワードさんはそれを目を見開いて見ていた。驚いたらしい。
「え?て、天狼?!」
「はい、この子は天狼のユキと言います」
≪ユキだよ≫
「ユキちゃんは巡り者なんです」
「あ、ああ。そうなんですね。驚きました」
素直に驚いてくれた。最近は驚くより可愛がられる事の方が多いので新鮮だったりするんだよね、こういう反応。
アキラさんはそれを楽しそうに、微笑ましそうに見ている、なぜ?
待ちきれなくなったグランツさんが咳払いをした。
おかげで俺たちはそっちを見た。ユキに関しては何かを察したらしくお昼寝体勢に入った。要は俺の膝でまるまった。俺はそのままいつもの癖で背中をなぜていた。
「おいおい、話し戻すぞ」
「あ、はい」
「は~い」
「どうぞ、早くしてください」
「お前はなんで俺にだけ冷たいんだ?」
「気のせいです」
いや、気のせいじゃない気がする。俺がそう思っていると隣のエドワードさんも苦笑していたので気のせいではない気がする。
グランツさんはあきらめたのか、それともそこまで気にしていないのか、はたまた慣れきってしまったのか、それともそのすべてか、ため息をついて話を始めた。
アキラさんがノックをすると返事があり、俺たちは室内に入り、アキラさんが部屋の扉を閉めた……いや、カギまでかけてしまった。
なんで密室にするのやらと思っているとさらにアキラさんは近くにあった何かのスイッチを入れた。すると部屋全体が結界でおおわれた。俺が驚いているとギルマスが笑いながら説明してくれた。
「がははは!そんなに驚くな、ここは大事な話をすることが多いからな。音を外に漏らさない為の魔法具を起動させただけよ」
「これは魔法具で『遮音結界』という音の流出防止のための道具です」
アキラさんが説明を補足してくれた。
この球体の照明器具のようなものが魔法具『遮音結界』らしい。これはスイッチ一つで結界を起動できるようになっているようだ。範囲は一室らしくてどんなサイズの部屋でも関係ないらしい。要は密室に出来るなら、東京ドームほどの広さの部屋ですら起動可能ならしい。スゴいアイテムだ。
そして、今回起動させたのは今後の話をする為らしい。
どうやら俺が思う以上にこの話は重大らしい。
アキラさんいわく俺は自身を過小評価しているらしい、そんなつもりはないんだけど。
「とりあえず座れや」
「はぁ」
アキラさんはそのままグランツさんの隣に座った。必然的に俺は俺から見て背を向けている今回の主役の隣に座ることになった。まぁ、アキラさんやグランツさんに言わせれば俺たち二人ともが主役らしいが。
「どうも」
「は、はい」
一応、グランツさんが話をしていたらしくてちょっと戸惑われたけど逃げられなかった。
まぁ、座る距離は放されたけど……何気に傷付くなぁ。
「そろったな、さっきも話したがこいつが今街中で話題のマコトだ」
「マコト・モモセです」
「エドワード・グレイスです」
エドワードさん、たしか種族の問題でソロでやっているって言っていたけど、何だろう?
見た目はエルフっぽいんだよなぁ。長めの先がとんがった耳をしているし。でも、他のチームでエルフってみたよなぁ。ダークエルフってことはなさそうだし。
それにしてもきれいな人だなぁ。エメラルドグリーンの瞳に短めの金髪、色白だし。筋肉ムキムキというわけでなく、ほっそり体系、羨ましい。
そんなことを考えていたら頭の上のユキがごそごそと。仕方ないので膝に下ろした。
エドワードさんはそれを目を見開いて見ていた。驚いたらしい。
「え?て、天狼?!」
「はい、この子は天狼のユキと言います」
≪ユキだよ≫
「ユキちゃんは巡り者なんです」
「あ、ああ。そうなんですね。驚きました」
素直に驚いてくれた。最近は驚くより可愛がられる事の方が多いので新鮮だったりするんだよね、こういう反応。
アキラさんはそれを楽しそうに、微笑ましそうに見ている、なぜ?
待ちきれなくなったグランツさんが咳払いをした。
おかげで俺たちはそっちを見た。ユキに関しては何かを察したらしくお昼寝体勢に入った。要は俺の膝でまるまった。俺はそのままいつもの癖で背中をなぜていた。
「おいおい、話し戻すぞ」
「あ、はい」
「は~い」
「どうぞ、早くしてください」
「お前はなんで俺にだけ冷たいんだ?」
「気のせいです」
いや、気のせいじゃない気がする。俺がそう思っていると隣のエドワードさんも苦笑していたので気のせいではない気がする。
グランツさんはあきらめたのか、それともそこまで気にしていないのか、はたまた慣れきってしまったのか、それともそのすべてか、ため息をついて話を始めた。
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