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第一章
47、つけてくる者④
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三人が逃げないか見張る意味を込めて展開していた『気配察知』にまっすぐこっちに向かう気配が四つあった。一つはアキラさんだった。いや、認識しているからか名前が出てた。
「アキラさんが来た」
「アキラ坊もだいぶ心配しているみたいだったからなぁ」
「なんか恐縮です」
「マコト坊がいい子じゃから、みんなが力になってくれんじゃよ」
「はい」
そんな話をしているとどうやらしっかりと鉢合わせしたらしく、俺をつけていた三人は捕まった。
キルトさんのご厚意というか、キルトさんも心配していたらしく、店をいったん休憩して場所を貸してくれた。ついでに一緒にいる。
捕まった三人は思ったより若く、十代な感じだ。
いや、そんな恨めしい顔されても、俺にどないしろっていうんだよ。君たちが先に俺の後をつけてきたからこうなったんでしょ。
「全員、冒険者登録されていますね」
「ですね、Cランク冒険者チーム『ギルディアス』のメンバーです」
「お前たち、なんでマコトをつけていたんだよ」
「「「…………」」」
「言う気はないと」
だんまりを決め込んだ三人にアキラさんについてきた三人の冒険者は肩をすくめた。その三人は以前の違法ブローカー事件でも一緒にいた面々だった。
お世話になります。
俺は当事者なのにどこか他人事だ。なぜかって、それは俺以上に怒っているアキラさんとキルトさんの気迫に押されているからだよ。
仕方ないので俺は静観しています、ご愁傷さま。
「前回同様お世話になります」
「いやいや、災難だったな」
「ハッハッハ、理由が分からないから何とも言えませんが」
「つけられた以外の被害はなかったのか?」
「ええ」
「幸いってところか、アキラさんがあいつらのチームリーダー呼んでるから少し待っておけよ」
「はい」
俺は鬼気迫る二人と蛇に睨まれた蛙のようになっている三人をしり目に一緒に来ていた冒険者たちと話をした。その過程で三人と自己紹介した。この人たちは緊急事態なんかの時によく動くAランク冒険者チーム『ガーディアンズ』のメンバーで見た目優しそうな槍使いのクライスさん、目元の傷が印象的な両手剣の使い手のビリーさん、そしてチームリーダーで魔法と片手剣を使う頼りがいのあるリュウイチさん。
何でここってたまに日本の名前があったりするんだろう?まぁ、おかげで俺の名前も普通に通ってしまうんだけどな。
そうしていると一人の女性が入ってきた。
そうすると俺をつけていた三人の顔色が変わった。確実にヤバいって顔になっている。おいおい、その変わりようはだめだろう。
なるほどこの女性が君たちのチームリーダーってことか。
「うちのメンバーがご迷惑かけました」
「いえいえ」
「まったく、なんでこんな事を!」
「だって、リーダーとアキラさんが」
「「私たち?」」
ん?なんか巻き込まれたのか?そんな感じがする。
キルトさんやリュウイチさんたちも互いに顔を見合わせてから肩をすくめた。
「私たちがどうしたのさ」
「そいつの話をしていたじゃないか!」
「チームに入れたいって」
「だから見極めようと」
「「はぁ~~~~」」
二人は深いため息をついた。まぁ、二人だけじゃなく俺たちも項垂れたんだがな。
どうやら二人が話していたのをまた聞きしてこうなったらしい。
「それで何の話をしていたんですか?」
「マコトさんの素材採取の腕はいいって」
「そんなにいいなら、一度一緒に行ってみたいって」
「ですが、マコトさんはまだEランクですよ」
「ためしで一緒に行ってもいいかなぁって勝手な話をしていたの。もちろん、ソロでやってるあなたを急に一緒にっていうのは無理でしょ。だから、Cランク昇格のテストの時に引き合わせてもらえないかってお願いしたの」
「実はマコトさんと一緒に仕事がしたいって人が増えてて、Cランク昇格テストの引き合わせ申請が増えていまして」
「ああ、うちはメンバー全員がAランクだからできないが、Cランク冒険者がいるチームはそんな話をしていたな」
「え?」
俺は驚いた。確かに俺はユキとソロでやっている。ユキは俺のパートナーだから冒険者でないのでチームとは言えない。
だから俺たちはのんびり自分のペースでやってた。
一体なんでそんなことになっているんだ?
「アキラさんが来た」
「アキラ坊もだいぶ心配しているみたいだったからなぁ」
「なんか恐縮です」
「マコト坊がいい子じゃから、みんなが力になってくれんじゃよ」
「はい」
そんな話をしているとどうやらしっかりと鉢合わせしたらしく、俺をつけていた三人は捕まった。
キルトさんのご厚意というか、キルトさんも心配していたらしく、店をいったん休憩して場所を貸してくれた。ついでに一緒にいる。
捕まった三人は思ったより若く、十代な感じだ。
いや、そんな恨めしい顔されても、俺にどないしろっていうんだよ。君たちが先に俺の後をつけてきたからこうなったんでしょ。
「全員、冒険者登録されていますね」
「ですね、Cランク冒険者チーム『ギルディアス』のメンバーです」
「お前たち、なんでマコトをつけていたんだよ」
「「「…………」」」
「言う気はないと」
だんまりを決め込んだ三人にアキラさんについてきた三人の冒険者は肩をすくめた。その三人は以前の違法ブローカー事件でも一緒にいた面々だった。
お世話になります。
俺は当事者なのにどこか他人事だ。なぜかって、それは俺以上に怒っているアキラさんとキルトさんの気迫に押されているからだよ。
仕方ないので俺は静観しています、ご愁傷さま。
「前回同様お世話になります」
「いやいや、災難だったな」
「ハッハッハ、理由が分からないから何とも言えませんが」
「つけられた以外の被害はなかったのか?」
「ええ」
「幸いってところか、アキラさんがあいつらのチームリーダー呼んでるから少し待っておけよ」
「はい」
俺は鬼気迫る二人と蛇に睨まれた蛙のようになっている三人をしり目に一緒に来ていた冒険者たちと話をした。その過程で三人と自己紹介した。この人たちは緊急事態なんかの時によく動くAランク冒険者チーム『ガーディアンズ』のメンバーで見た目優しそうな槍使いのクライスさん、目元の傷が印象的な両手剣の使い手のビリーさん、そしてチームリーダーで魔法と片手剣を使う頼りがいのあるリュウイチさん。
何でここってたまに日本の名前があったりするんだろう?まぁ、おかげで俺の名前も普通に通ってしまうんだけどな。
そうしていると一人の女性が入ってきた。
そうすると俺をつけていた三人の顔色が変わった。確実にヤバいって顔になっている。おいおい、その変わりようはだめだろう。
なるほどこの女性が君たちのチームリーダーってことか。
「うちのメンバーがご迷惑かけました」
「いえいえ」
「まったく、なんでこんな事を!」
「だって、リーダーとアキラさんが」
「「私たち?」」
ん?なんか巻き込まれたのか?そんな感じがする。
キルトさんやリュウイチさんたちも互いに顔を見合わせてから肩をすくめた。
「私たちがどうしたのさ」
「そいつの話をしていたじゃないか!」
「チームに入れたいって」
「だから見極めようと」
「「はぁ~~~~」」
二人は深いため息をついた。まぁ、二人だけじゃなく俺たちも項垂れたんだがな。
どうやら二人が話していたのをまた聞きしてこうなったらしい。
「それで何の話をしていたんですか?」
「マコトさんの素材採取の腕はいいって」
「そんなにいいなら、一度一緒に行ってみたいって」
「ですが、マコトさんはまだEランクですよ」
「ためしで一緒に行ってもいいかなぁって勝手な話をしていたの。もちろん、ソロでやってるあなたを急に一緒にっていうのは無理でしょ。だから、Cランク昇格のテストの時に引き合わせてもらえないかってお願いしたの」
「実はマコトさんと一緒に仕事がしたいって人が増えてて、Cランク昇格テストの引き合わせ申請が増えていまして」
「ああ、うちはメンバー全員がAランクだからできないが、Cランク冒険者がいるチームはそんな話をしていたな」
「え?」
俺は驚いた。確かに俺はユキとソロでやっている。ユキは俺のパートナーだから冒険者でないのでチームとは言えない。
だから俺たちはのんびり自分のペースでやってた。
一体なんでそんなことになっているんだ?
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