転移先で頑張ります!~人違いで送られたんですけど?!~

桜月雪兎

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第一章

38、討伐クエスト④

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 俺はこの後の飲みを楽しみにしつつ、鑑定カウンターに向かった。
「マコトさん、お帰りなさい」
「ただいまです、アキラさん。鑑定お願いします」
「はい」
 俺は指輪を渡すとすぐにアイテム袋から採取した物を出した。そうしているとアキラさんが物珍しそうに俺のアイテム袋を見ていた。
 なんだろう?
「アキラさん?」
「あ!すみません」
「いえ、どうかしましたか?」
「いえ、アイテム袋をお使いのようで、どこで購入したのかなぁって思いまして」
「これは作ったんですよ」
「作った?!」
「は、はい。一応、魔法マジック創作師クリエーターのスキルを持ていますので」
「あ、そうでしたね。こういう空間魔法の効いた物は需要の割に在庫が少なくて、私も魔力はあるので便利ですし、欲しいのですがどこにもありませんし」
 アキラさんが興奮したり、しょげたりしているのを見てどうした物かと考えた。別に作るのはやぶさかではないし、アキラさんのことだから誰かしらに吹聴するわけないと思うのであげてもいいのだが、これは俺専用にしているし。
 そうか、同じようなやり方でアキラさん専用のを作ってあげればいいのか!材料はアキラさん自身に用意してもらえれば気兼ねもしないだろうし。
「アキラさん、アキラさんが材料を用意してくれるなら俺作りますよ?」
「え?」
「お世話にもなっていますし、アキラさんの趣味もあると思うので、材料さえ整えてくれれば」
「いいのですか?」
「もちろん」
「あ、ありがとうございます!」
 うん、アキラさんの顔が生き生きしている。本当に欲しかったんだろうな。俺も便利だから用意したぐらいだし。
「ああ、今回も素材状態がとてもいいですね。全部買取でいいのですか?」
「はい、お願いします」
「では、『ラビッティアの討伐』、証明はラビッティアの角で報酬は4000ミール、追加分が23個で4600ミールです。『ホーンギルディスの角の採取』の報酬が3000ミールです。『アルシャスの鱗の採取』ですが素材状態がSなので最良状態採取と言うことで上乗せになります」
「状態ランクオーバーでも取引できるのですか?」
「はい、可能ですよ。もともと素材状態ランクSはなかなか出ないので記載しないようにしているんです。無理な採取をしないためです。先方にも素材状態ランクSが来た時の取引には説明しているので大丈夫です」
「よかった」
「それでは改めて『アルシャスの鱗の採取』の報酬が9000ミールですが、最良状態採取ボーナス上乗せで分が6000ミールです。合計で2万6600ミールとなります。どうぞ」
「ありがとうございます」
 アキラさんは銀貨2枚、銅貨6枚、白銅貨6枚と指輪をトレーに置いて返してくれ、指輪は指に、お金は財布にしまった。
 アキラさんは嬉しそうに話だした。
「本当にマコトさんはいい状態で持ってきてくれるので鑑定してても楽しいです」
「そうですか?」
「はい」
「アキラさんにそう言って貰えるとうれしいです。あ、アキラさん。アイテム袋に必要な物を言っておきますね」
「はい!」
「必要なのはまずは入れ物になる革の袋と紐、魔石は白来夢石、魔石をはめる台座ですね。あとはアキラさん専用にするのでアキラさんオリジナルの紋様を考えておいてください。最後に数滴アキラさんの血が必要です」
「分かりました。マコトさんが作るときに傍にいた方がいいですね」
「そうですね。とりあえずはこの材料を集めてから声をかけてください」
「分かりました」
 アキラさんは忘れないようにすぐにメモを取っていた。
 俺はアキラさんに挨拶して今度は買い取りカウンターで余ったラビッティアの飾り毛と老アルシャスの鱗を買い取って貰った。
 担当してくれたアリアさんが驚いていた。
「老アルシャス、久しぶりに見ましたよ、こんなやりがいのある鑑定は本当に久しぶりです。数は50で素材状態ランクはS。70万ミールですね。ラビッティアの飾り毛は数が43で素材状態ランクはA。これもいいですね。8万6000ミールですね。合計で78万6000ミールですね。」
「え?そんなに?!」
「はい!老アルシャスの鱗なんて貴重品ですよ!これで上質の防具や武器が作れます!ラビッティアの飾り毛を使った衣服は若い子に人気で需要があるんです」
「なんと?!」
 アリアさんは楽しそうに金貨7枚、銀貨8枚、銅貨6枚と指輪をトレーに乗せて渡してくれた。
 俺はおっかなびっくりしながらお金と指輪を受け取り、すべてを所定の位置に戻した。俺は気持ちを切り替えてジャックの待つカルーラの食堂に向かった。
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