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第二章

38、Cランク昇格試験①

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 本当に3日なんてすぐだった。
 家具は設置したけど、まだだった魔導コンロなどを俺たちの居住空間に運び込んで設置したり、旅のための食料などを買い込んだり、防具の調整をしたりしていた。
 何せ、みんながくれた防具は俺たちが店に行って合わせたものではないのでちょっとした誤差がある。
 そういうのを放置しているといざって時に不具合が起きかねない。
 なので、防具屋に行って調整してもらった。微調整なので1日もかからなかったけど。
 実はあの後更に2つほど魔導冷蔵庫を足すはめになった。
 いくらアイテム袋があるとはいえそこにばかり仕舞っていたら他の面子が取れない。
 そして、魔獣組がよく食べる、よく食べる。
 おやつだなんだと作り上げたら上げただけ食べるので、これはまずいと思い、急遽増やした。
 それによりルールが出来た。
 1つは食材入れだからいいんだけど、後の2つは各人の陣地を決めた。
 と言っても、簡単に俺・ユリウス・レイ・グランで1つ、エド・ガイ・ユキ・シエルで1つという形だ。
 実はこれ、子供組のおやつをまとめて入れていたら際限無く食べていたのでストッパーが必要になった。
 そうしたらシエルがそれをかって出てくれたのだ。
 責任感のあるシエルにより管理され、大人組は自分の気に入ったものを小分けにして、自分のスペースを自然と決めて配置するようになったのだ。
 なんとも不思議な光景だった。
 慣れたら楽なんだよね、これって。
 子供組のは入れておくとシエルがかってに振り分けてくれるし。
 こうして日々は過ぎた。

***

 Cランク昇格試験は他のチームと組んであるミッションをクリアするというものだった。
 そして、俺が組む相手は以前俺をつけていた『ギルディアス』となった。
 まぁ、知らない相手より良いという事でなった。
 あるミッションというのは特定モンスターの討伐だ。
 今回は草原に生息するレッドボアだ。

 これは前に狩ったグランドバイソンより厄介らしい。
 まぁ、そうだよな。
 向こうは単体、今度は団体だ。
 例えば、単体の危険度が同じでも集団になれば段違いにはねあがる。

 俺は今、ギルドで『ギルディアス』の面々と対面している。
 これから試験なんだよ。


「という事でよろしく」
「こちらこそ。でも、よく私たちと行こうと思ったわね。他にも希望者いたでしょ?」
「まぁ。ですが、知らない人より知っている人の方がみんなが・・・・納得しますので」

 俺はそう言うと後ろを見た。
 俺の後ろにはエドたちがいる。
 実は俺の相手を決めるのにエドたちが口を出したらしい。

 俺が旅の準備をしている間にギルドに来てはアキラさんたちに聞いていたらしい。
 相手を聞いてはダメ出ししていたらしく、ギルマスから直接呼び出しを食らったのが昨日の事だ。

 勿論、全員お説教した。
 なので、俺自身が知っていて、アキラさんで制御可能なギルディアスに白羽の矢がたったのだ。

 この話は周りも知っている。
 それは当たり前だろう、ギルドでやらかしているので知らないのはこの数日ギルドに来ていなかった者だけだ。
 まぁ、それは俺ぐらいらしいから冒険者はみんな知っている事になる。
 なので、苦笑された。

「それもそうね」
「はい。よろしくお願いします」
「こちらこそ」

 そう言うことで俺たちは草原に向かうことにした。
 ちゃんとエドたちに釘を指して。

「エド、ユリウス、グラン、シエル、レイ、ガイ。行ってくるけど、大人しくしていてくれよ。もし、約束を破ったら」
「や、破ったら?」
「しばらく、口きかないからな」
「「「「「「っっ!!!」」」」」」
「分かったな」
「「「「「「はい」」」」」」

 うん、これで大丈夫だろう。
 昨日も大分お説教したしな。
 しゅーんとしているからあれだけど、これを甘やかすと後々大変になりそうだからそのまま向かうことにした。
 ユキ?ユキはユリウスに任せている。後、さっきのにユキの名前がなかったのはただ単にユキがいつも俺と行動していたからだ。


***

 という事で草原に着いた。
 見渡し限りの……真っ赤な丘がたくさんある……。
 あれ?

「ええ~。何この多さ」
「……繁殖期だからって」
「ここまで多いのは珍しいわ」

 ああ、繁殖期だったんだ。
 こういう時って結構凶暴化するもんでしょ?
 大丈夫なの?

「さぁ、文句言わないで始めるよ!」
「「「はーい」」」
「了解」

 このチームリーダーのエレンさんの号令で狩りが始まった。
 今回の試験は連携がちゃんととれるかって試験なんだよ。
 だから、他のチーム、それも同ランクのメンバーと言うのが条件なんだよね。

 俺たちはある群れにあたりをつけて風下に待機した。
 鼻が良いんだよね、このモンスター。
 でも、同じモンスター同士でも群れが違えば真っ先に逃げるらしい。
 別の群れが襲われてる間に逃げるなんて、確かにその方が種としては正解なんだろうが。

「じゃあ、あの群れを狩るよ」
「「「おう」」」
「それで、どういう風に?」
「まずは間引きだね。威嚇で矢を放つ」
「すると案外一・二匹になるんだよね」
「そうか。なら、頼みます」
「ええ」

 ここで威嚇するのは弓も使えるエレンさんだ。
 エレンさんが矢をいると目をつけた群れのドン真ん中に刺さった。
 狙いドンピシャだわ。
 驚いたレッドボアたちは散り散りに逃げた。
 たった一頭を残して。

「おお!本当に一頭だけ残った」
「まぁね。あれがこの群れのボスだったわけだわ」
「ボス?」
「そう、群れの子を逃がすためにボスが残るわけ」
「つまり、あれがあの群れで一番強いってわけ」
「ということで、気を引き締めてね!」
「「「「おう!」」」」

 びっくりだわ。
 残るのが一・二匹なのはそういうわけなんだ。
 では、気を引き締めて行こうか!

 レッドボアはこちらに向かって突進してきた。
 それを盾役のアラン君がとめた。

 彼、結構細身のに耐久力凄いわ!
 勢いで少し下がっただけなんだから本当に驚く。
 まぁ、これがスキルの力なのかな。

 さて、アラン君が抑えてくれてる間に行きますか!

 俺は右横から、もう一人の攻撃役のグリーン君は左横から攻撃していった。その間、魔法使いのユリシヤ君は詠唱中だ。護衛にはエレンさんがついてる。

 俺とグリーン君が攻撃を加えていく間、レッドボアの頭上に火の球が出来た。

 それが完全にできるのを見計らって、アラン君や俺にグリーン君は俺たちの攻撃で咆哮しているレッドボアから距離をとった。

「いきますよ!火の球ファイヤーボール!!」

 火の球は見事命中した。
 だけど、これで絶命とはならなかった。

 その体は焼けて煙が出ており、咆哮しながら、こちらを見ていた。
 眼だけは異様にギラついていた。

 これが群れをおさめるボスの様だ。

 決して他のには手を出させないという思いだけでそこに立っている。
 本当は立っているのも難しい程だ。致命傷であり、すでにその命の灯火を消していてもおかしくない状態だ。

「ちっ!倒せたと思ったのに!」
「泣き言を言わないの!もう一回…」
「待って下さい」
「マコトさん?」
「どうしたんだよ。これはお前の」
「ああ、だから最後は俺に任せて欲しいんです」

 四人は困惑した感じだった。
 でも、分かるんだ。
 俺にはこいつがどうしようしているのか。
 俺は武器を仕舞いながらレッドボアに近づいた。俺が武器を仕舞ったのでアラン君やグリーン君にユリシヤ君は慌てていた。
 それをエレンさんが制止ながら成り行きを見定めようと鋭い目で見ていた。

「もう眠れ。誇り高き群れの長よ」
「ブルルル!」
「確約しよう。これ以上の深追いはしない。お前の命だけだ」
「ブルル」
「こちらも生きていく為に糧は必要だ。だから、俺たちは今日、お前の命1つで終わらせる。これ以上の深追いはしない」
「ブ、ブルルル……」
「ああ、約束だ」

 俺には向こうの言葉はちゃんとは分からなかったが、レッドボアには俺の言葉が伝わった。
 その証拠にあれだけギラついていた目は穏やかになり、閉じられ、群れを護る意志だけで立っていたその巨体はゆっくりと倒れていった。

「ありがとう、誇り高き群れの長よ。俺たちはお前の命を糧に明日を生きる。眠れ、安らかに」

 俺はその毛並みを撫でた。
 そんなやり取りを見たエレンさんたちは驚いていた。

「言葉だけであのレッドボアを倒した…」
「…違うわ」
「え?」
「あれはあのレッドボアの気持ちを汲んだだけよ」
「気持ちを?」
「ええ、あのレッドボアは群れの長として群れを逃がすために致命傷を受けながらも立っていたのよ」
「致命傷を受けながら」
「ええ、群れを護るというその意思をマコトさんは汲んだ。あのレッドボアはそれを信じて逝ったのよ」
「スゲー」
「ええ、本当に凄いわ。他の冒険者ならさっきの私たちのように攻撃していたでしょうね」
「だよね」

 そんな事が話し合われているなんて俺は気づかなかった。
 その時の俺はレッドボアの毛並みを撫でていた。
 そして、暫くするとアイテム化が行われた。
 それは牙に毛皮に肉だった。

「マコトさん」
「ああ、これ1体で良かったよな」
「ええ、帰りましょう。討伐証明は牙です」

 エレンさんは特に何も言わなかった。
 俺はそれに感謝した。
 証明が牙なら他のは自分たちで分配してもいいので話し合った。

「そっかぁ~。他のアイテムはどう分配する?」
「こちらとしては肉が欲しいですね。食べ盛りのもいますので」
「そうか。俺としてはこの毛皮が欲しいんだがいいか?」
「ええ、構いませんよ。では、安全な城門の中に戻りましょうか」
「はーい」

 俺たちはお互いの分配分はそれぞれ確保した。
 この毛皮で何か仕立てたい。
 これは記念なんだ、俺が誇り高きレッドボアの長と対峙した。

 城門を通りすぎ、ギルドに向かっているとエレンさんから話しかけられた。
 それは今回の報酬の話だった。

「ちょっといい?」
「はい、何ですか?」
「これは試験だけど、ちゃんと報酬が出るの。私たちはマコトさんの監督役も兼任なのでその追加分もあるから、半々ではなく、マコトさんが三分の二で」
「え?ですが」
「良いのよ。追加分を合わせるとマコトさんより収入高くなるから取りすぎになるの」
「解りました。そう言うことなら受けとります」
「ええ、そうして」

 俺たちがギルドに戻るとエドとガイが飛び付いてきた。
 俺はなんとか踏ん張った。

「「お帰り!」」
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
「「お疲れさまでした」」
「無事で何よりだ」
「ああ、ただいま」

 まさかの出迎えにびっくりしたが嬉しいものだ。
 後ろの方でエレンさんたちが苦笑していた。

 ギルドに入るとすぐに受け付けに向かった。
 そこにはやはりアキラさんがいた。

「お帰りなさい、マコトさん、ギルディアスの皆さん」
「「「「ただいま帰りました!」」」」
「ただいま、アキラさん」








    
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