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第一章
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翌日、アイリスはリリーシア夫人と共に厨房に入り、ピクニックのサンドイッチを作る準備をした。
ある程度は料理長が用意してくれていた。
ヴァルファス公爵家はアイリスに対して過保護だった。
火を使うもの、切るもの、揚げるものなどはすでに終わらせられていた。
卵は茹でられており、野菜やハムなどは手頃なサイズに切られており、メンチカツなども揚げられてそれぞれが皿に乗せられている。
あとは簡単な混ぜたり、パンに挟んだりの工程だけだった。
「まぁ、こんなに準備をしてくれてありがとう。他の物の用意もあったのに」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「ありがとう」
「はい。アイリス様」
アイリスは嬉しそうに料理長にお礼を言った。
それだけで厨房は笑顔に包まれた。
「それじゃあ、アイリスちゃん。卵や魚の油漬けの用意をしましょうね」
「はい!」
アイリスはリリーシア夫人に教えて貰いながら、卵を潰し、マヨネーズで和えた。
そこに胡椒をふって味を整えた。
次に魚の油漬けもマヨネーズで和えた。
その間に料理長はパンをサンドイッチのサイズに切り、耳の方を切り落とした。
それを見ていたアイリスはふと疑問に思った。
切り落とされた耳はどうするのだろうと。
「パンの端はどうするの?」
「これですか?基本は捨てますね」
「そうなんですか?」
「はい」
アイリスは捨てられると聞いて勿体ないなぁと思った。
何か活用は無いのだろうかと。
そんなアイリスを見てリリーシア夫人はあることを閃いた。
「ねぇ、料理長。そのパンの耳、お菓子にしませんこと?」
「お菓子?」
「そうよ、アイリスちゃん。パンの耳はね、素揚げにして、お砂糖をかけるとお菓子になるのよ」
「ああ、その手がありましたね。では、そうします」
「ええ」
アイリスは捨てられるはずだったパンの耳がお菓子になるなど知らなかった。
気になってみているときつね色に揚げられ、砂糖をかけられたパンの耳はとても美味しそうでアイリスは瞳をキラキラと輝かせていた。
それを見た厨房の全員は微笑んでいた。
「どうぞ」
「良いの?」
「はい。味見です」
「いただきます」
料理長は1つをアイリスに差し出した。
アイリスはそれをふー、ふーと冷ましながら口に入れた。
それはカリカリとしているが固すぎず、砂糖をかけられているので甘かった。
アイリスは初めて食べるパンの耳のお菓子に頬を緩ませた。
「とっても美味しい!」
「それはようございました」
「これもピクニックに持っていきましょうね」
「はい!」
アイリスは嬉しそうに返事をした。
そうして、サンドイッチ作りを再開した。
アイリスとリリーシア夫人は思い思いに具材をパンに挟んでいき、出来上がったものから侍女がバスケットに詰めていった。
他のおかず類は厨房の者たちが作り、別のバスケットに詰められていた。
全てが出来上がり、ピクニックのお弁当が完成した。
「ふふふ、カイルと旦那様の驚く顔が楽しみね」
「はい」
「アイリスちゃんと私が作ったのですもの、絶対に喜んでくれるわ」
「はい!」
アイリスとリリーシア夫人は微笑みあっていた。
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R3/4/5
誤字修正しました。
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ある程度は料理長が用意してくれていた。
ヴァルファス公爵家はアイリスに対して過保護だった。
火を使うもの、切るもの、揚げるものなどはすでに終わらせられていた。
卵は茹でられており、野菜やハムなどは手頃なサイズに切られており、メンチカツなども揚げられてそれぞれが皿に乗せられている。
あとは簡単な混ぜたり、パンに挟んだりの工程だけだった。
「まぁ、こんなに準備をしてくれてありがとう。他の物の用意もあったのに」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「ありがとう」
「はい。アイリス様」
アイリスは嬉しそうに料理長にお礼を言った。
それだけで厨房は笑顔に包まれた。
「それじゃあ、アイリスちゃん。卵や魚の油漬けの用意をしましょうね」
「はい!」
アイリスはリリーシア夫人に教えて貰いながら、卵を潰し、マヨネーズで和えた。
そこに胡椒をふって味を整えた。
次に魚の油漬けもマヨネーズで和えた。
その間に料理長はパンをサンドイッチのサイズに切り、耳の方を切り落とした。
それを見ていたアイリスはふと疑問に思った。
切り落とされた耳はどうするのだろうと。
「パンの端はどうするの?」
「これですか?基本は捨てますね」
「そうなんですか?」
「はい」
アイリスは捨てられると聞いて勿体ないなぁと思った。
何か活用は無いのだろうかと。
そんなアイリスを見てリリーシア夫人はあることを閃いた。
「ねぇ、料理長。そのパンの耳、お菓子にしませんこと?」
「お菓子?」
「そうよ、アイリスちゃん。パンの耳はね、素揚げにして、お砂糖をかけるとお菓子になるのよ」
「ああ、その手がありましたね。では、そうします」
「ええ」
アイリスは捨てられるはずだったパンの耳がお菓子になるなど知らなかった。
気になってみているときつね色に揚げられ、砂糖をかけられたパンの耳はとても美味しそうでアイリスは瞳をキラキラと輝かせていた。
それを見た厨房の全員は微笑んでいた。
「どうぞ」
「良いの?」
「はい。味見です」
「いただきます」
料理長は1つをアイリスに差し出した。
アイリスはそれをふー、ふーと冷ましながら口に入れた。
それはカリカリとしているが固すぎず、砂糖をかけられているので甘かった。
アイリスは初めて食べるパンの耳のお菓子に頬を緩ませた。
「とっても美味しい!」
「それはようございました」
「これもピクニックに持っていきましょうね」
「はい!」
アイリスは嬉しそうに返事をした。
そうして、サンドイッチ作りを再開した。
アイリスとリリーシア夫人は思い思いに具材をパンに挟んでいき、出来上がったものから侍女がバスケットに詰めていった。
他のおかず類は厨房の者たちが作り、別のバスケットに詰められていた。
全てが出来上がり、ピクニックのお弁当が完成した。
「ふふふ、カイルと旦那様の驚く顔が楽しみね」
「はい」
「アイリスちゃんと私が作ったのですもの、絶対に喜んでくれるわ」
「はい!」
アイリスとリリーシア夫人は微笑みあっていた。
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