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竜親、町興し編
六十六話、話し合い③
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「ああ、帰ってきたわね」
「早いですな」
「最速で行ったのかしら?背中にコボルドやダークエルフを乗せてるけど、今にも落ちそうだわ」
「あ、落ちた」
「おい、大丈夫か?」
ソーガとガントが止まると力が抜けたみたいね。
その場に転がって荒い息をしているわ。
これはさすがにお説教ね。
オーガの里長さんたちが心配そうに見に行っている。
「ゼェ~、ゼェ~、ゼェ~」
「…だ、大丈夫、で、す」
「いや!大丈夫じゃなかろう!」
「ガント!ソーガ!人を乗せてるときは?」
「ゆっくり」
「です」
「反省しなさい!」
「「はい」」
本当に反省して欲しいわ。
私たちのやり取りを見てオーガの里長さんたちは苦笑しているわ。
だんだん呼吸が落ち着いてきたコボルドとダークエルフはなんとか上半身を起こして、驚いていた。
まぁ、そうよね。
ソーガとガントが私に怒られて隅でしょんぼりしてるんですものね。
かわいいけど、許さないからね!まだ……。
「あの妖狼族が」
「やはり、凄いな」
「ああ」
しばらく反省させた。
ようはコボルドとダークエルフが持ち直すのを待っていただけなんだけどね。
二人とも持ち直したから、話を聞きましょう。
「それで、どうだったの?」
「ダークエルフの土地も毒で汚染されていた。長いこと離れていた分、木々にも影響が出ている」
「そう、それは問題ね」
「ティア様、あれは浄化できるのだろうか?」
「私が見たわけではないからなんとも言えないけど、可能性はゼロではないはずよ」
「そうか。そうであって欲しい。あんな土地はみたくない」
「分かったわ。また、あとで検討するわ」
「ああ」
やはり土地がダメになっているのね。
やり方はたぶん大丈夫だと思うけど、問題は木々よね。
≪ああ、不味いだろうのぅ≫
ドラグーン?どう言うこと?
≪森の木々はドライアドたちに繋がっておる。あれらは優しいが怒らせる不味い≫
人間たちが悪いのに、ダークエルフのせいになるかしら?
≪そこは話し合ってみないとわからんがのぅ。まぁ、賢い連中だから大丈夫じゃろう≫
そうならいいけど。
まぁ、この問題は後回しね。
問題が多すぎて困るわ。
次はゴブリンたちのことね。
私はコボルドとガントの方を向いた。
「それで?」
「結論から言うとゴブリンは生きていた」
「おお!」
「なんと?!」
「だが、土地が汚染されており、まとまに食うものもなく、動ける者がいないんだ。運ぶことは出来ないだろうか?」
「それは可能よ。荷車を用意すればいいわ」
「だが、ゴブリンたちは奥まった所に身を潜めている。あれでは荷車を距離のある場所に停めなくてはいけない」
「そうね、運ぶにも人手がいるわね。ちょっと考えさせて」
「わかった」
とりあえず、人手がいるなら招集しないと。
大体動けると言えば、ここにいるコボルドとオーガとリザードマンに私たちだけね。
と言っても私たちにできることは少ないわね。なんせ、連れてきているのが狼たちだけだものね。しかも少数。
ここはコボルドを中心に行ってもらう方がいいわね。
リザードマンやオーガでは警戒されちゃうわ。
あとは荷馬車を用意してもらわないとね。
「荷馬車はオーガで用意できる?」
「可能だ。2~3台は出せる」
「なら、3台でよろしくね。行くのはコボルドを中心にしてもらえるかしら?人数はそうね。コボルド12人、オーガ6人、リザードマン6人で足りるかしら?」
「それで足りると思う。ティア様」
「なぜ、コボルドを中心に?」
「オーガやリザードマンだけで行ったら警戒されるわ」
「確かに。それでは選出しよう」
「頼むわね。ガント、道案内は頼んだわよ」
「ああ」
とりあえず、これでゴブリンたちはどうにかなるかな?
ゴブリンたちには悪いけど、ダークエルフたちと一緒に私の方で預かることにしましょう。うちにはゴブリンたちが最初からいるから大丈夫だろうし。
「選出でき次第向かわせることにしよう」
「そうね」
「それでは私たちは一度一族のもとに」
「ええ、よろしくね」
さて、これで誰もいなくなったわね。
少し、この人間たちとお・は・な・しをしましょうか。
え?怖い?そんなことないわよ。
まぁだ、殺さないわ。
私は距離を開けたところにまた足場を作った。
「ねぇ?」
「てめぇ~!」
「な、何の用よ?!」
「あなたたちにはたくさん世話になったからね。お礼をしないとね」
「ひっ!」
「甘いのよ、自分の手を汚さないで、覚悟もなくやるのが」
「な、なんだと!」
「魔物はすべて討伐すればいい何て思ってたの?馬鹿じゃない?それで魔物に捕まってたら世話ないわ」
「ぐぐぐっ」
大分悔しそうにしているけど、腹立たしいのは私たちよ。こんな身勝手な人間相手に仲間を傷つけられたと思うと怒りで腸が煮えそうよ。
≪ティア≫
だって、そうでしょ、ドラグーン。
どれだけ多くの無害な魔物たちが虐殺されたと思うの!
≪分かっておる、分かっておるとも。じゃがな、ティアまでもが怒りに囚われてどうするのじゃ≫
そうね、ありがとう。我を忘れるところだったわ。私の家族にもゴブリンたちがいるから熱が入ったみたい。
≪気持ちはわかるがな、あまり威圧するな、話ができんぞ≫
ええ、分かったわ。
そういうことで気持ちを切り替えて話をしましょうか。
やだ、なに怯えてるのよ。自分たちが引き起こしたことでしょう。
「あなたたちに恨みのある子たちは多いでしょうね。因果応報、自分たちが仕出かしたことなんだから腹をくくりなさい」
「っっ!」
お話にはならなかったなぁ。
まぁ、それは私のせいだけど、いい感じに脅せたから良しとしとこうかしら。
そうしているとみんなが帰っていたわ。
「早いですな」
「最速で行ったのかしら?背中にコボルドやダークエルフを乗せてるけど、今にも落ちそうだわ」
「あ、落ちた」
「おい、大丈夫か?」
ソーガとガントが止まると力が抜けたみたいね。
その場に転がって荒い息をしているわ。
これはさすがにお説教ね。
オーガの里長さんたちが心配そうに見に行っている。
「ゼェ~、ゼェ~、ゼェ~」
「…だ、大丈夫、で、す」
「いや!大丈夫じゃなかろう!」
「ガント!ソーガ!人を乗せてるときは?」
「ゆっくり」
「です」
「反省しなさい!」
「「はい」」
本当に反省して欲しいわ。
私たちのやり取りを見てオーガの里長さんたちは苦笑しているわ。
だんだん呼吸が落ち着いてきたコボルドとダークエルフはなんとか上半身を起こして、驚いていた。
まぁ、そうよね。
ソーガとガントが私に怒られて隅でしょんぼりしてるんですものね。
かわいいけど、許さないからね!まだ……。
「あの妖狼族が」
「やはり、凄いな」
「ああ」
しばらく反省させた。
ようはコボルドとダークエルフが持ち直すのを待っていただけなんだけどね。
二人とも持ち直したから、話を聞きましょう。
「それで、どうだったの?」
「ダークエルフの土地も毒で汚染されていた。長いこと離れていた分、木々にも影響が出ている」
「そう、それは問題ね」
「ティア様、あれは浄化できるのだろうか?」
「私が見たわけではないからなんとも言えないけど、可能性はゼロではないはずよ」
「そうか。そうであって欲しい。あんな土地はみたくない」
「分かったわ。また、あとで検討するわ」
「ああ」
やはり土地がダメになっているのね。
やり方はたぶん大丈夫だと思うけど、問題は木々よね。
≪ああ、不味いだろうのぅ≫
ドラグーン?どう言うこと?
≪森の木々はドライアドたちに繋がっておる。あれらは優しいが怒らせる不味い≫
人間たちが悪いのに、ダークエルフのせいになるかしら?
≪そこは話し合ってみないとわからんがのぅ。まぁ、賢い連中だから大丈夫じゃろう≫
そうならいいけど。
まぁ、この問題は後回しね。
問題が多すぎて困るわ。
次はゴブリンたちのことね。
私はコボルドとガントの方を向いた。
「それで?」
「結論から言うとゴブリンは生きていた」
「おお!」
「なんと?!」
「だが、土地が汚染されており、まとまに食うものもなく、動ける者がいないんだ。運ぶことは出来ないだろうか?」
「それは可能よ。荷車を用意すればいいわ」
「だが、ゴブリンたちは奥まった所に身を潜めている。あれでは荷車を距離のある場所に停めなくてはいけない」
「そうね、運ぶにも人手がいるわね。ちょっと考えさせて」
「わかった」
とりあえず、人手がいるなら招集しないと。
大体動けると言えば、ここにいるコボルドとオーガとリザードマンに私たちだけね。
と言っても私たちにできることは少ないわね。なんせ、連れてきているのが狼たちだけだものね。しかも少数。
ここはコボルドを中心に行ってもらう方がいいわね。
リザードマンやオーガでは警戒されちゃうわ。
あとは荷馬車を用意してもらわないとね。
「荷馬車はオーガで用意できる?」
「可能だ。2~3台は出せる」
「なら、3台でよろしくね。行くのはコボルドを中心にしてもらえるかしら?人数はそうね。コボルド12人、オーガ6人、リザードマン6人で足りるかしら?」
「それで足りると思う。ティア様」
「なぜ、コボルドを中心に?」
「オーガやリザードマンだけで行ったら警戒されるわ」
「確かに。それでは選出しよう」
「頼むわね。ガント、道案内は頼んだわよ」
「ああ」
とりあえず、これでゴブリンたちはどうにかなるかな?
ゴブリンたちには悪いけど、ダークエルフたちと一緒に私の方で預かることにしましょう。うちにはゴブリンたちが最初からいるから大丈夫だろうし。
「選出でき次第向かわせることにしよう」
「そうね」
「それでは私たちは一度一族のもとに」
「ええ、よろしくね」
さて、これで誰もいなくなったわね。
少し、この人間たちとお・は・な・しをしましょうか。
え?怖い?そんなことないわよ。
まぁだ、殺さないわ。
私は距離を開けたところにまた足場を作った。
「ねぇ?」
「てめぇ~!」
「な、何の用よ?!」
「あなたたちにはたくさん世話になったからね。お礼をしないとね」
「ひっ!」
「甘いのよ、自分の手を汚さないで、覚悟もなくやるのが」
「な、なんだと!」
「魔物はすべて討伐すればいい何て思ってたの?馬鹿じゃない?それで魔物に捕まってたら世話ないわ」
「ぐぐぐっ」
大分悔しそうにしているけど、腹立たしいのは私たちよ。こんな身勝手な人間相手に仲間を傷つけられたと思うと怒りで腸が煮えそうよ。
≪ティア≫
だって、そうでしょ、ドラグーン。
どれだけ多くの無害な魔物たちが虐殺されたと思うの!
≪分かっておる、分かっておるとも。じゃがな、ティアまでもが怒りに囚われてどうするのじゃ≫
そうね、ありがとう。我を忘れるところだったわ。私の家族にもゴブリンたちがいるから熱が入ったみたい。
≪気持ちはわかるがな、あまり威圧するな、話ができんぞ≫
ええ、分かったわ。
そういうことで気持ちを切り替えて話をしましょうか。
やだ、なに怯えてるのよ。自分たちが引き起こしたことでしょう。
「あなたたちに恨みのある子たちは多いでしょうね。因果応報、自分たちが仕出かしたことなんだから腹をくくりなさい」
「っっ!」
お話にはならなかったなぁ。
まぁ、それは私のせいだけど、いい感じに脅せたから良しとしとこうかしら。
そうしているとみんなが帰っていたわ。
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