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物語11
しおりを挟む最近私は朝六時には、目覚まし時計が鳴らなくても目が覚める。歳なのだろうか?
雨だと憂鬱だが、天気の良い日は朝起きて食事の前にポチを連れて、水元公園に散歩に行く。
朝の水元公園は釣りのメッカでもある。
散歩を楽しんでいる人の傍らで、釣り人たちが竿を伸ばし糸を垂らしている。釣れるのだろうか?私は昔でも今でも、見たことが無いが?でも釣り人がいると言う事は、釣れるんだろううね、きっと。
釣り専用の場所も出来たくらいだし、ポチに話しかけたら、ポチも「そうだ」と頷いていた。
散歩が終わりパンとコーヒーで朝食をすまし、ポチに「行ってくるよ」と声をかけ自転車でバイトに出かける。でも最近またポチが元気が無い(なぜ?)とても気になる。ポチは私に取り家族と同じだ。バイトの時間も気になるが、しばらくポチの具合を見ることにした。
いつもなら元気なのに体を丸めてうずくまっているし、何か悪いものでも食べさせた思いは無いが、下痢気味だった。そのうち医者に相談しようと思ったが、ふと大田さんの顔が浮かんだ。(彼なら犬の症状に詳しそう、明日も会えるし、その時聞いてみよう)と思いバイトに出かけた。雨が降っても店は近いので問題は特にない。
店に付き合い鍵でドアを開け、玄関や窓を開けて、開店の支度をする。
アルバイトがちゃんと来るか、店の中やトイレ周りを掃除しているかチェックし、来ない時は電話連絡して叱る。
「もう止めるの?はっきりしてくれないと困るんだけど」つい大きな声になるのは、無責任な奴等を相手に話をする時だけだ。いつもは穏やかに話しているつもりなのだが?
昼時は猫の手も借りたいほど忙しい。先日雇ったおじさんもよく働いてくれる。
おじさんは看板には成らないので、開店前の店前の掃除や調理場で皿洗いとゴミの始末を頼んだ。
良く食べ残しなどが沢山有る。仕方ないと思いつつ、半分は「勿体ないな」と思ってしまうのは、貧乏性なのだろうか?
この職場もあのスケベな社長さえいなければ、良い職場なのだが?私は触られたことはないが、若い娘などお尻をいつも触られる。そのうちセクハラで訴えられるから!
私は社長の奥様から「家の亭主が悪いことしたら、すぐ報告してね」と言われているが、内心は面白くない。そんなスパイの様な仕事はしたくないし、無給だし!
私のシフトは特にきまりは無い。一応土曜と日祝日がお休みで、勤務は朝十時から十九時までの八時間、と決めては有るがそうも言って出る時も有った。勤めの時間のうち休息が六十分。時給九百二十円。このままいつまで勤められるか解らないのだが、今さえ良ければ良いと思うしかない。明日のことなど考えても、他に仕事もないし仕方ないと思っている。
とにかく今はポチなど養っている家族が居る。彼らのためにも不平など言っていられなかった。でも最近のポチに具合には気になった。
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