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物語1
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大学卒業の時、就職した会社は大手町にある大きな会社で、社員数二千五百人も居る大手商社だった。大手町のビル一棟と大阪・九州とニューヨーク・シドニー。デリとロンドンに支社が有り様々な輸出入から、自社開発の製品等を扱う、総合的な会社だった。
私は、大手町本社の総務部第一課に勤務した。
毎朝満員電車に揺られ、金町駅からおよそ三十五分で大手町の会社までの通勤だ。幸か不幸か痴漢の被害に遭ったことはないが、毎朝西日暮里までの寿司詰の電車で痴漢が多発し、私は出来るだけ男性のそばには乗らないように工夫した。でもあのすし詰め状態には苦労した。
否が応にも、男性と身体が密着してしまう。夏には薄着のブラウスを通し、相手の生暖かい体温が伝わる。気持ちの悪いその感覚を、我慢して毎日通勤した。
オフィースでも一通りの挨拶を交わし、上司から言いつかった仕事をこなし、夜終業と同時に友達とパラーでお好みの話しに花を咲かせ、楽しい毎日を過ごしていた。
でもそれも長く続かなかった。新しく入ってくる後輩の娘達の図々しさが目立ち、年下のくせにいろいろ生意気なことを言う。
そんな後輩社員の、横柄な態度に腹を立っていた。それに契約社員や派遣社員の、無責任な仕事にも腹が立った。コピーも禄に出来無いし、書類を留めるにしてもキチンと出来てない。
私が何度やり直したのか解らない。でも「ごめんなさい」の一言も無く、何かというと給与が安いとか、有給が無いとか不平不満ばかり言う。
そんな横柄な態度だから、「お前は派遣社員なんだ」と言ってやりたかった。
入社して何年位経っただろうか?ちょっとしたこぼし事で、上司と不倫関係になってしまった。
私の家の最寄り駅はJR金町駅、都営地下鉄の千代田線が主な鉄道だ。
JR金町駅は千代田線しか止まらない。南口には京成線の金町駅があり、お隣は寅さんで有名になった柴又の駅がある。一日の乗降客は約十一万人の人々が行き交い、最近東京理科大やマンションが多数出来たので、もっと増えたかも知れない。
ある日仕事からの帰りに、駅から家に帰ろうとバス停の側を通った時、総務部の風間課長と偶然に会った。
「あれ横井くん君も金町?」課長もそう驚いていた。
「えー、あたし水元公園の近くです、課長は?」
「おれは東水元五丁目、君より遠いな、まだ終バスまで時間があるから少し話でもするか?」
実はその時、会社の人間関係でうまくいってなく、誰かに話を聞いて貰いたいと思って居たのだが、親には心配を掛けるので言えないし、大学時代の友建ちには見栄があり話せない。
誰か私の事を解ってくれる人は居ないかな?居たらこぼしたかった。
課長は私達女性社員の、もめ事を見ていたらしいのだが、いくら部下とは言え女の子のもめ事に首を突っ込んだのでは、自分の立場が危なく成る。そう思いながら、見て見ぬふりをしていたのだと言う。
私たちは駅前にある、スターバックスコーヒーに入り、主に私の愚痴話を聞いて貰ったのだが、話が出来れば気も収まる。
(風間課長には気が許せる)そう感じた。でも会社では普通の上司と事務員だった。会社内では噂はすぐ広がる。関わりの無い人たちから、面白、可笑しく噂話しはして欲しくない。
それから二週間位たち、また帰りが一緒になったので、再度私のこぼし事を聞いて貰うことにした。
私もまた社内で、人間関係がうまくいかなく、むしゃくしゃしていた。
課長のおごりだと言うし家も近いし、安心して駅の側の安酒場で飲んだ。
話しは私と同じ部署に居る、男性には人気があるが私達女性には平気でウソをつくし、自分勝手に社内を引っかき回す。そんな女子社員についての不満を聞いて貰った。
課長もその子の事は、気が付いていたらしいのだが、しかし人事部から配属された社員なので、何も言えなかったらしい。
話が合って気を許し、どのくらい飲んだだろう?
口も軽くなり、私の男運の悪さについても、聞いて貰ったのだった。
なんかぶつぶつと過去のことを話しているウチに、課長が優しく慰めてくれた。
(優しい人)と思ったのが運の尽き、気が付いたら一つのベットで目を覚ました。
あとはおなじみの不倫関係だ。
風間課長は四五歳、行動力も積極的で決断力も有ったが、見た目は普通のおじさんでしかなかった。とても若い女の子に好かれるタイプでも無いだろう。
すでに結婚はされていて、奥様と男の子と女の子が一人ずつ居て、充実した家庭のようだったが、課長は私と会う時には、おくびにも家庭の事は話さない。
それより私のこぼし事を聞いて呉れて、優しく慰めてくれた。二度ほどホテルで身体を重ね合わせた時も、とても優しく私を抱いてくれた。
課長との連絡は携帯メールが主なので、周りの社員からは互いの関係を知られる事はない。会社という処は、油断すればすぐ噂話の種になる。だから二人の関係が、ばれないように気を使った。
でもそれも長続きしなかった。
たまたま課長の携帯を見た奥様が、私からのメールが多いことに気づき、課長を問いただしたのが切っ掛けで、私達の関係が表面化した。
課長の奥様が会社にまで来て、私のことを叱責する。それも社員みんなが居る前で言う。そのことで、私と課長の関係が会社の知れる事になった。
不倫問題審議の結果私は首になり、課長は地方へ左遷された。噂話で聞いたが、奥様とは別れたらしい。
私とすれば、ほんの行きがかり上の関係だっただけに、ドジを踏んだ課長が一番悪いと思ったが、会社ではそうは見なかったようだ。
私は課長と切れても、そんなに悲しくはなかった。ただ話し相手がいなくなったのは寂しかった。
でも第三者的に考えると、想えば私も罪なことをした物だと思う。
特に子供達に対し、とても申し訳なかったと思った。
大人の身勝手な行動で、平和だった家庭が壊され、それからの人生が辛い物になった責任は、課長と私の二人にある。二人の子供に恨まれても、仕方ないことをした。
その後は課長とは、会う事はなかった。
私は携帯のアドレス帳から課長の連絡先を削除し、課長も着信拒否機能で連絡出来無いようにした。子供達への責任を感じたからだ。
私はすぐ仕事を探したのだが思う様な仕事はなく、簡単にお金になる飲み屋とか風俗の高給に目が行った。
でもいくら高給でも、身体を売るなんて私はイヤだった。そういう仕事は寮有り、託児所有りなど好待遇で高給なのが魅力的だ。
女性なら風俗の仕事なんて、進んでする仕事ではいないだろう。少なくとも私は嫌だった。
でも厳しい世の中、その高給と魅力的なうたい文句に、シングマザーで子育て中の女性なら、そんな職場でも選ばなければならないのかも知れない。
私はまだ独身だし子供も居ない。だからそういった世界に入らなくて済んだ。これが育ち盛りの子供を抱え、住むところも無いお母さんなら、そんな職場でもその高給に魅せられるのも無理は無いだろう。
正社員の仕事はなかなか見つからない。仕方なくバイトで言いお思いビル掃除の仕事が有った。早速応募したがあちこちの現場に行き、ビルの床やトイレなど掃除する。
一番嫌だったのは、元勤めていた職場に行けと命じられた時だった。
元勤めていた会社に、掃除などの仕事をしに行き、知っている顔には合いたくない。
断ったら「良いよ、お前の代わりならすぐ居る」と、すぐ首になった。
生きていくのは大変だ。両親が生きていたらどんなに心配をかけるだろう。
でもどうしよう。私は風俗なんて仕事はイヤだし、住む家もある。そんな風に悩んでいた時に、たまたま家の側で”アルバイト募集”と言う、ラーメン屋のアルバイト募集の張り紙を見て応募した。
時給は八百二十円、少し安いがそれでも風俗や掃除の仕事よりはまし、またキチンとした仕事に着く間だけの内職。そう思い応募した。
この職場が良い点は家から近く、交通費が掛からない点だ。バイトでは交通費は出ない。
給与が安いのだから、余計な出費は控えたかった。このバイトはご飯を食べていくのに、必要なお金を得るためにしている。特にラーメンが好きというわけでもない。
あれからなんだかんだと、先輩達から叱られたり苦労したりしたが、もう六年が過ぎた。内職と考えていた仕事も、次々に入る新人達に仕事を教えている内に、いつの間にか古株になり、今ではバイト連中を束ねる責任者になっている。
でも責任ばかり押しつけられ、仕事がきつくなっただけだ。時給だって普通のアルバイトより、少し毛が生えたくらいの百円しか高くない九百二十円だ。社会保険も厚生年金も無く全く割に合わない。でも今はこれで頑張るしか無いのが現実だった。
出来れば前の会社で、普通の男性と普通の恋愛をして普通の結婚をして、普通の家庭を築きたかったというのが本音だ。
そうしておけば、一般の主婦のように、毎日近くのスーパーのチラシに目を配り、一円でも安いジャガイモなどを漁って子供達を教育し、普通の暮らしが出来たはず。
それはそれで物足りない生活かも知れないが、今のような不安定な生活よりはズーッとましなはずだ。
このバイトもいつまで続けられるか解らない。出来れば早い内に正社員の就職に付くか、恋のキューピットが誰かすてきな男性の心に、金の矢を刺して呉れれば結婚のチャンスもあるかも知れない。
でもそんなのはかない夢だと諦めていた。神様お願いします。誰かすてきな出会いがありますように!ついそう願っていた。
私は、大手町本社の総務部第一課に勤務した。
毎朝満員電車に揺られ、金町駅からおよそ三十五分で大手町の会社までの通勤だ。幸か不幸か痴漢の被害に遭ったことはないが、毎朝西日暮里までの寿司詰の電車で痴漢が多発し、私は出来るだけ男性のそばには乗らないように工夫した。でもあのすし詰め状態には苦労した。
否が応にも、男性と身体が密着してしまう。夏には薄着のブラウスを通し、相手の生暖かい体温が伝わる。気持ちの悪いその感覚を、我慢して毎日通勤した。
オフィースでも一通りの挨拶を交わし、上司から言いつかった仕事をこなし、夜終業と同時に友達とパラーでお好みの話しに花を咲かせ、楽しい毎日を過ごしていた。
でもそれも長く続かなかった。新しく入ってくる後輩の娘達の図々しさが目立ち、年下のくせにいろいろ生意気なことを言う。
そんな後輩社員の、横柄な態度に腹を立っていた。それに契約社員や派遣社員の、無責任な仕事にも腹が立った。コピーも禄に出来無いし、書類を留めるにしてもキチンと出来てない。
私が何度やり直したのか解らない。でも「ごめんなさい」の一言も無く、何かというと給与が安いとか、有給が無いとか不平不満ばかり言う。
そんな横柄な態度だから、「お前は派遣社員なんだ」と言ってやりたかった。
入社して何年位経っただろうか?ちょっとしたこぼし事で、上司と不倫関係になってしまった。
私の家の最寄り駅はJR金町駅、都営地下鉄の千代田線が主な鉄道だ。
JR金町駅は千代田線しか止まらない。南口には京成線の金町駅があり、お隣は寅さんで有名になった柴又の駅がある。一日の乗降客は約十一万人の人々が行き交い、最近東京理科大やマンションが多数出来たので、もっと増えたかも知れない。
ある日仕事からの帰りに、駅から家に帰ろうとバス停の側を通った時、総務部の風間課長と偶然に会った。
「あれ横井くん君も金町?」課長もそう驚いていた。
「えー、あたし水元公園の近くです、課長は?」
「おれは東水元五丁目、君より遠いな、まだ終バスまで時間があるから少し話でもするか?」
実はその時、会社の人間関係でうまくいってなく、誰かに話を聞いて貰いたいと思って居たのだが、親には心配を掛けるので言えないし、大学時代の友建ちには見栄があり話せない。
誰か私の事を解ってくれる人は居ないかな?居たらこぼしたかった。
課長は私達女性社員の、もめ事を見ていたらしいのだが、いくら部下とは言え女の子のもめ事に首を突っ込んだのでは、自分の立場が危なく成る。そう思いながら、見て見ぬふりをしていたのだと言う。
私たちは駅前にある、スターバックスコーヒーに入り、主に私の愚痴話を聞いて貰ったのだが、話が出来れば気も収まる。
(風間課長には気が許せる)そう感じた。でも会社では普通の上司と事務員だった。会社内では噂はすぐ広がる。関わりの無い人たちから、面白、可笑しく噂話しはして欲しくない。
それから二週間位たち、また帰りが一緒になったので、再度私のこぼし事を聞いて貰うことにした。
私もまた社内で、人間関係がうまくいかなく、むしゃくしゃしていた。
課長のおごりだと言うし家も近いし、安心して駅の側の安酒場で飲んだ。
話しは私と同じ部署に居る、男性には人気があるが私達女性には平気でウソをつくし、自分勝手に社内を引っかき回す。そんな女子社員についての不満を聞いて貰った。
課長もその子の事は、気が付いていたらしいのだが、しかし人事部から配属された社員なので、何も言えなかったらしい。
話が合って気を許し、どのくらい飲んだだろう?
口も軽くなり、私の男運の悪さについても、聞いて貰ったのだった。
なんかぶつぶつと過去のことを話しているウチに、課長が優しく慰めてくれた。
(優しい人)と思ったのが運の尽き、気が付いたら一つのベットで目を覚ました。
あとはおなじみの不倫関係だ。
風間課長は四五歳、行動力も積極的で決断力も有ったが、見た目は普通のおじさんでしかなかった。とても若い女の子に好かれるタイプでも無いだろう。
すでに結婚はされていて、奥様と男の子と女の子が一人ずつ居て、充実した家庭のようだったが、課長は私と会う時には、おくびにも家庭の事は話さない。
それより私のこぼし事を聞いて呉れて、優しく慰めてくれた。二度ほどホテルで身体を重ね合わせた時も、とても優しく私を抱いてくれた。
課長との連絡は携帯メールが主なので、周りの社員からは互いの関係を知られる事はない。会社という処は、油断すればすぐ噂話の種になる。だから二人の関係が、ばれないように気を使った。
でもそれも長続きしなかった。
たまたま課長の携帯を見た奥様が、私からのメールが多いことに気づき、課長を問いただしたのが切っ掛けで、私達の関係が表面化した。
課長の奥様が会社にまで来て、私のことを叱責する。それも社員みんなが居る前で言う。そのことで、私と課長の関係が会社の知れる事になった。
不倫問題審議の結果私は首になり、課長は地方へ左遷された。噂話で聞いたが、奥様とは別れたらしい。
私とすれば、ほんの行きがかり上の関係だっただけに、ドジを踏んだ課長が一番悪いと思ったが、会社ではそうは見なかったようだ。
私は課長と切れても、そんなに悲しくはなかった。ただ話し相手がいなくなったのは寂しかった。
でも第三者的に考えると、想えば私も罪なことをした物だと思う。
特に子供達に対し、とても申し訳なかったと思った。
大人の身勝手な行動で、平和だった家庭が壊され、それからの人生が辛い物になった責任は、課長と私の二人にある。二人の子供に恨まれても、仕方ないことをした。
その後は課長とは、会う事はなかった。
私は携帯のアドレス帳から課長の連絡先を削除し、課長も着信拒否機能で連絡出来無いようにした。子供達への責任を感じたからだ。
私はすぐ仕事を探したのだが思う様な仕事はなく、簡単にお金になる飲み屋とか風俗の高給に目が行った。
でもいくら高給でも、身体を売るなんて私はイヤだった。そういう仕事は寮有り、託児所有りなど好待遇で高給なのが魅力的だ。
女性なら風俗の仕事なんて、進んでする仕事ではいないだろう。少なくとも私は嫌だった。
でも厳しい世の中、その高給と魅力的なうたい文句に、シングマザーで子育て中の女性なら、そんな職場でも選ばなければならないのかも知れない。
私はまだ独身だし子供も居ない。だからそういった世界に入らなくて済んだ。これが育ち盛りの子供を抱え、住むところも無いお母さんなら、そんな職場でもその高給に魅せられるのも無理は無いだろう。
正社員の仕事はなかなか見つからない。仕方なくバイトで言いお思いビル掃除の仕事が有った。早速応募したがあちこちの現場に行き、ビルの床やトイレなど掃除する。
一番嫌だったのは、元勤めていた職場に行けと命じられた時だった。
元勤めていた会社に、掃除などの仕事をしに行き、知っている顔には合いたくない。
断ったら「良いよ、お前の代わりならすぐ居る」と、すぐ首になった。
生きていくのは大変だ。両親が生きていたらどんなに心配をかけるだろう。
でもどうしよう。私は風俗なんて仕事はイヤだし、住む家もある。そんな風に悩んでいた時に、たまたま家の側で”アルバイト募集”と言う、ラーメン屋のアルバイト募集の張り紙を見て応募した。
時給は八百二十円、少し安いがそれでも風俗や掃除の仕事よりはまし、またキチンとした仕事に着く間だけの内職。そう思い応募した。
この職場が良い点は家から近く、交通費が掛からない点だ。バイトでは交通費は出ない。
給与が安いのだから、余計な出費は控えたかった。このバイトはご飯を食べていくのに、必要なお金を得るためにしている。特にラーメンが好きというわけでもない。
あれからなんだかんだと、先輩達から叱られたり苦労したりしたが、もう六年が過ぎた。内職と考えていた仕事も、次々に入る新人達に仕事を教えている内に、いつの間にか古株になり、今ではバイト連中を束ねる責任者になっている。
でも責任ばかり押しつけられ、仕事がきつくなっただけだ。時給だって普通のアルバイトより、少し毛が生えたくらいの百円しか高くない九百二十円だ。社会保険も厚生年金も無く全く割に合わない。でも今はこれで頑張るしか無いのが現実だった。
出来れば前の会社で、普通の男性と普通の恋愛をして普通の結婚をして、普通の家庭を築きたかったというのが本音だ。
そうしておけば、一般の主婦のように、毎日近くのスーパーのチラシに目を配り、一円でも安いジャガイモなどを漁って子供達を教育し、普通の暮らしが出来たはず。
それはそれで物足りない生活かも知れないが、今のような不安定な生活よりはズーッとましなはずだ。
このバイトもいつまで続けられるか解らない。出来れば早い内に正社員の就職に付くか、恋のキューピットが誰かすてきな男性の心に、金の矢を刺して呉れれば結婚のチャンスもあるかも知れない。
でもそんなのはかない夢だと諦めていた。神様お願いします。誰かすてきな出会いがありますように!ついそう願っていた。
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