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2.公共交通
遅い春の行楽
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新会社の決定とともに、説明会の日程も決まった。招かれている手前、当日の身の振り方を悩ましく思う佐良である。こういう時にありがたいのは、古くからの女友達との語らいであり、遊行だろう。遅い春の行楽は、毎年恒例ではあるが、今回はごく近所で済ませることになった。丸町の隣の温泉宿で女将をしている市ノ瀬すずも仲間の一人ではあるが、その一泊を自分のところで、というのは思いがけなかったようで、その日も宿のあれやこれやばかりを話している。
「まぁまぁ、おすずさん、大したお客じゃないんだから、気負わなくてよくてよ」
「宿の者としてはそういう訳に行かないわ。ちゃんとおもてなしさせてもらわなきゃ」
「それじゃ羽伸ばせないじゃない?」
「たまには客の立場になってみるのもいいかも知れないって思ったけど、どうしてもね。かえって皆に気遣わせちゃうから」
二人は乗客の少ないバスに揺られ、かつて沿線の一大拠点だった繊維工場の跡地をめざしていた。もう一人の仲間、小浦七見の住所地だが、行楽ついでにまずは当地を案内したいという申し出が本人からあったため、斯様な行程になっている。庄の車から眺めるのと違い、高さがあるバスからの風景は見応えがある。佐良は話半分で、さっきから遠くを見ていた。
「あら? いつの間にかずいぶんと整地して」
「あ、もう着くわね」
かつての殷賑は見る影なく、そこには漠々とした敷地が拡がっているばかりだった。ただ、その敷地の向かい側の沿道には少なからず郊外型の商店などが軒を連ねているため、寂れた印象はない。七見は、そんなアンバランスな一帯にある停留所で二人を待っていた。
「佐良さん、すずさん、お久しぶり」
「相変わらず、若々しくて結構なことね」
「オホホ」
すずと七見はそのまま何やら話しながら歩き始め、佐良は少し遅れてついていく。向かう先はよくわからないが、かつての線路跡に沿うように今は歩いている。
車窓からは見えなかったが、敷地の一角には大きな看板が掲げられていた。七見がまず案内したかったのはここのようだった。
「どう? 大学が来るって言うの。耳寄りでしょ?」
情報通を自負する七見らしい一幕だが、そのために呼び出された方は呆気にとられるしかない。だが、これには相応の理由がありそうだ。
「七見ちゃん、あなたこの件と何か関係でもあるの?」
「お二人はこの話、どう思うかな?って。それだけ」
「若い人が増える分にはいいんじゃない?」
佐良はとりあえず楽観的に答えるが、
「でも、丸町や温泉まで足を延ばしてくれるかどうか」
すずは女将の観点が先んじたようで、賛同しかねている風だった。
「とにかく誘致は決まった。電車が通る頃には最低一棟はできると思う。で、大学の前にも新しい駅が……」
「駅?」
すずは再び怪訝な顔で問い返す。
「丸町、徳矢、匠、稲本、西平、その次?」
「えぇ、当時は西平と米市のどっちからも工場に行けたでしょ? その間に駅ができるの。それで、大学の構内に車庫を設けるんだとか」
「若杉さんもハセショーさんも大学誘致の話はしてなかったから、とにかく初耳ね。でも、どうしてそこまで?」
「主人がね、いろいろと話をよこしちゃ、私に聞くもんだから」
「やっぱりこの大学のご関係? 確か公共デザインがどうのって」
すずは看板に見入っている。佐良と七見の問答が続く。
「いえ、今は電車関係」
佐良には思い当たるフシがあった。これを聞くや、
「名前を聞いておくんだったわね。助役のご子息ってのは聞いてたけど、まさか」
と問う。
「ホホ、そのうちわかると思って黙ってたけど、そのまさか。小浦が社長」
「じゃ社長夫人ってことね」
「まだしっくり来ないけど、一応ね」
行楽というよりも、下見会のような態だが、不思議と開放的な気分になっていた。三人は昔話に興じつつ、電車がまた走り出すイメージを膨らませながら、停留所に戻るまでの時間を楽しむのだった。
「何か言いたいことがあったら伝えるわよ」
「あの名助役のご遺志を継いでるってことならきっとうまくやってくれるでしょ。それに七見ちゃんがついてるんだし。安心だわ」
「ダメよ、逆に心配。突拍子ないから」
小笑いするすずに対して、七見は至って真面目にこう結んだ。
「とにかく二人からはお知恵を拝借することもあろうかと。主人もそう言ってたし」
程なく温泉行きの急行バスが入ってきた。ここからはちょっとした小旅行になる訳だが、話題は相変わらず電車復活にまつわるあれこれである。
「歩道橋、いや跨線橋の最終日って、どうだった?」
「主人と一緒に出かけたけど、特にセレモニーとかもなくて。JRの終電車が出た後にさっさとどかしちゃったみたいね」
「まぁ、佐良ちゃんにとってはなじみ深いかも知れないけど、架かった当時は『今更?』って感じもあったわよね」
「そうね。でも、歩道橋として使ってた人にとっちゃ、かけがえがなかったんじゃないの?」
「かけがえのない橋? でも架け替えられなかった」
七見は可笑しいようなそうでないような顔をしながら呟く。逆にすずと佐良は思わず吹き出してしまうのだった。
「と、とにかくよ。取り壊しちゃった以上はちゃんと走らせてもらわないと。ね? 佐良ちゃん」
「皆、利用するかしら?」
「年寄りが増えてるんだから、走り出せば利用するわよ」
「年寄り? 私たち?」
「私たちは別よ。オホホ」
社長が小浦氏であると知って、少なからず安堵を得た佐良だったが、かねてから気に懸かっていた一件をここで聞いてもらうことにした。話せばきっと吹っ切れるものもある、そう思ったからだ。
「そうよね、電車任せの前にね。受け容れ体制ってことかしらね」
「確かにお客を呼び込むには、地元挙げてその、ムードを高めていかないと、ってのはあるわね」
七見もすずも即座に同調し、佐良の気持ちに応えた。二人の立場からすれば、電車ありきで良さそうだが、ここは廃線の苦渋を知る者どうし。同じ轍は踏みたくない、という思いが口から出た恰好となった。
「ありがとう。おかげでスッキリしたわ。前向きに考えることにする」
自分でも思いがけなかったが、こうした言葉が自然に出たのは何よりの証しである。佐良の心の中では、すでに出発の喚呼は高まっていたのだ。
「佐良ちゃんは、今まで走らせる方だったから余計にそう思うのね。今は自分で乗りたいって思わない?」
「よく考えると私自身が困ってるんだった」
「そうそう、私だって動けるなら動きたいもの。篭りたくて宿にいる訳じゃないんだし」
「これだけ必要とされてるなら言うことなしね。学生さんや大学関係者が来るとなれば、尚更だわ」
七見の一言は、説得力があった。互いに顔を見合わせて頷く佐良とすずである。
初夏の陽射しは午後半ばを過ぎてなお強く、沿道の緑を煌かせていた。時折、顔をのぞかせる廃線の道床や築堤も今日は眩しく見える。
幸か不幸か、丘線の沿線は大規模なテコ入れがなされぬまま年数を重ねてきたため、いわゆる鉄道遺跡のようなものが散見できる。無論、徳久や庄らの保全活動の賜物でもあるのだが、単に時代に置き去られただけ、という見方もなくはない。だが、その放過され加減が今は追い風になった。線路の記憶をとどめるように、遊歩道や自転車専用道が多く占めているのもまた事を利している。単線であればいつでも再整備は可能、というのが協議会の見立てでもあった。
沿線風景に思いを馳せていた三人は、宿に着いてからもしばし昔話で盛り上がる。雑木林に埋もれるように建っていた木造の駅舎、踏切のない参道、線路の両脇を固めるように並んでいた板張りの家屋連、電車の速さほどの勢いを時に見せる用水、そして車窓いっぱいに広がる田圃――。
「あ、私、やるわ」
「佐良ちゃんはすぐそうやって。ここのことは私に任せて」
すずは急須に茶葉を足すと、湯を注ぎ入れた。温泉に浸かりに行くにはまだ少々時間がある。
「ところで佐良さん、海線の方の駅って、覚えてる?」
丘線の話がひと区切りしたところで、七見は話題を切り換えた。
「駅前、長橋、北江、藤田、中社、神石、金原、野寺。終点は港」
「さすが、よく覚えてらっしゃる。それでその港駅なんだけど、レールパークって言って鉄道公園みたいなのを造る計画があるんですって」
「へぇ、港に?」
「そこの呼び物として、今、記念館に停まってる旧車両を持っていくんだとか言ってたわ。今度はそっちで時々走らせるって」
「そうか、丸町から先も営業区間にするんですものね」
「あら、丸町からいなくなってしまうの? 寂しいわね」
すずは淡々とこう言って、茶を含む。
「動かせるうちに動かすとしましょ。夏休みとか連休は特にね」
「佐良ちゃんたら」
「まぁ、とにかく今夜はパァっと、ね?」
七見のこの景気付けに、佐良はどこか救われるものを感じ、喜々となっていた。
そうこうするうちに、やれ温泉だ、やれ食事だとあわただしくなる。女三人の夜はたちどころに更けていく。
「じゃ、おすずさん、また」
「佐良ちゃんは近いんだから、またいつでも。招待するわよ」
「そんな、悪いわ」
「あんまり具合良くないんでしょ?」
「きっと季節の変わり目のせいよ」
「うちの孫がそちらでお世話になってるんだし、いいのよ」
「じゃあ、ほんの湯治ってことで」
「湯治? 温泉浴よ。私がちゃんと指導したげる」
「そりゃどうも。自分で車両走らせておじゃまするわ」
七見は二人の会話を黙って、否、笑いをこらえながら聞いていた。
ターミナル行きのバスが来た。遅い春の短い行楽はこうしてお開きとなった。
「まぁまぁ、おすずさん、大したお客じゃないんだから、気負わなくてよくてよ」
「宿の者としてはそういう訳に行かないわ。ちゃんとおもてなしさせてもらわなきゃ」
「それじゃ羽伸ばせないじゃない?」
「たまには客の立場になってみるのもいいかも知れないって思ったけど、どうしてもね。かえって皆に気遣わせちゃうから」
二人は乗客の少ないバスに揺られ、かつて沿線の一大拠点だった繊維工場の跡地をめざしていた。もう一人の仲間、小浦七見の住所地だが、行楽ついでにまずは当地を案内したいという申し出が本人からあったため、斯様な行程になっている。庄の車から眺めるのと違い、高さがあるバスからの風景は見応えがある。佐良は話半分で、さっきから遠くを見ていた。
「あら? いつの間にかずいぶんと整地して」
「あ、もう着くわね」
かつての殷賑は見る影なく、そこには漠々とした敷地が拡がっているばかりだった。ただ、その敷地の向かい側の沿道には少なからず郊外型の商店などが軒を連ねているため、寂れた印象はない。七見は、そんなアンバランスな一帯にある停留所で二人を待っていた。
「佐良さん、すずさん、お久しぶり」
「相変わらず、若々しくて結構なことね」
「オホホ」
すずと七見はそのまま何やら話しながら歩き始め、佐良は少し遅れてついていく。向かう先はよくわからないが、かつての線路跡に沿うように今は歩いている。
車窓からは見えなかったが、敷地の一角には大きな看板が掲げられていた。七見がまず案内したかったのはここのようだった。
「どう? 大学が来るって言うの。耳寄りでしょ?」
情報通を自負する七見らしい一幕だが、そのために呼び出された方は呆気にとられるしかない。だが、これには相応の理由がありそうだ。
「七見ちゃん、あなたこの件と何か関係でもあるの?」
「お二人はこの話、どう思うかな?って。それだけ」
「若い人が増える分にはいいんじゃない?」
佐良はとりあえず楽観的に答えるが、
「でも、丸町や温泉まで足を延ばしてくれるかどうか」
すずは女将の観点が先んじたようで、賛同しかねている風だった。
「とにかく誘致は決まった。電車が通る頃には最低一棟はできると思う。で、大学の前にも新しい駅が……」
「駅?」
すずは再び怪訝な顔で問い返す。
「丸町、徳矢、匠、稲本、西平、その次?」
「えぇ、当時は西平と米市のどっちからも工場に行けたでしょ? その間に駅ができるの。それで、大学の構内に車庫を設けるんだとか」
「若杉さんもハセショーさんも大学誘致の話はしてなかったから、とにかく初耳ね。でも、どうしてそこまで?」
「主人がね、いろいろと話をよこしちゃ、私に聞くもんだから」
「やっぱりこの大学のご関係? 確か公共デザインがどうのって」
すずは看板に見入っている。佐良と七見の問答が続く。
「いえ、今は電車関係」
佐良には思い当たるフシがあった。これを聞くや、
「名前を聞いておくんだったわね。助役のご子息ってのは聞いてたけど、まさか」
と問う。
「ホホ、そのうちわかると思って黙ってたけど、そのまさか。小浦が社長」
「じゃ社長夫人ってことね」
「まだしっくり来ないけど、一応ね」
行楽というよりも、下見会のような態だが、不思議と開放的な気分になっていた。三人は昔話に興じつつ、電車がまた走り出すイメージを膨らませながら、停留所に戻るまでの時間を楽しむのだった。
「何か言いたいことがあったら伝えるわよ」
「あの名助役のご遺志を継いでるってことならきっとうまくやってくれるでしょ。それに七見ちゃんがついてるんだし。安心だわ」
「ダメよ、逆に心配。突拍子ないから」
小笑いするすずに対して、七見は至って真面目にこう結んだ。
「とにかく二人からはお知恵を拝借することもあろうかと。主人もそう言ってたし」
程なく温泉行きの急行バスが入ってきた。ここからはちょっとした小旅行になる訳だが、話題は相変わらず電車復活にまつわるあれこれである。
「歩道橋、いや跨線橋の最終日って、どうだった?」
「主人と一緒に出かけたけど、特にセレモニーとかもなくて。JRの終電車が出た後にさっさとどかしちゃったみたいね」
「まぁ、佐良ちゃんにとってはなじみ深いかも知れないけど、架かった当時は『今更?』って感じもあったわよね」
「そうね。でも、歩道橋として使ってた人にとっちゃ、かけがえがなかったんじゃないの?」
「かけがえのない橋? でも架け替えられなかった」
七見は可笑しいようなそうでないような顔をしながら呟く。逆にすずと佐良は思わず吹き出してしまうのだった。
「と、とにかくよ。取り壊しちゃった以上はちゃんと走らせてもらわないと。ね? 佐良ちゃん」
「皆、利用するかしら?」
「年寄りが増えてるんだから、走り出せば利用するわよ」
「年寄り? 私たち?」
「私たちは別よ。オホホ」
社長が小浦氏であると知って、少なからず安堵を得た佐良だったが、かねてから気に懸かっていた一件をここで聞いてもらうことにした。話せばきっと吹っ切れるものもある、そう思ったからだ。
「そうよね、電車任せの前にね。受け容れ体制ってことかしらね」
「確かにお客を呼び込むには、地元挙げてその、ムードを高めていかないと、ってのはあるわね」
七見もすずも即座に同調し、佐良の気持ちに応えた。二人の立場からすれば、電車ありきで良さそうだが、ここは廃線の苦渋を知る者どうし。同じ轍は踏みたくない、という思いが口から出た恰好となった。
「ありがとう。おかげでスッキリしたわ。前向きに考えることにする」
自分でも思いがけなかったが、こうした言葉が自然に出たのは何よりの証しである。佐良の心の中では、すでに出発の喚呼は高まっていたのだ。
「佐良ちゃんは、今まで走らせる方だったから余計にそう思うのね。今は自分で乗りたいって思わない?」
「よく考えると私自身が困ってるんだった」
「そうそう、私だって動けるなら動きたいもの。篭りたくて宿にいる訳じゃないんだし」
「これだけ必要とされてるなら言うことなしね。学生さんや大学関係者が来るとなれば、尚更だわ」
七見の一言は、説得力があった。互いに顔を見合わせて頷く佐良とすずである。
初夏の陽射しは午後半ばを過ぎてなお強く、沿道の緑を煌かせていた。時折、顔をのぞかせる廃線の道床や築堤も今日は眩しく見える。
幸か不幸か、丘線の沿線は大規模なテコ入れがなされぬまま年数を重ねてきたため、いわゆる鉄道遺跡のようなものが散見できる。無論、徳久や庄らの保全活動の賜物でもあるのだが、単に時代に置き去られただけ、という見方もなくはない。だが、その放過され加減が今は追い風になった。線路の記憶をとどめるように、遊歩道や自転車専用道が多く占めているのもまた事を利している。単線であればいつでも再整備は可能、というのが協議会の見立てでもあった。
沿線風景に思いを馳せていた三人は、宿に着いてからもしばし昔話で盛り上がる。雑木林に埋もれるように建っていた木造の駅舎、踏切のない参道、線路の両脇を固めるように並んでいた板張りの家屋連、電車の速さほどの勢いを時に見せる用水、そして車窓いっぱいに広がる田圃――。
「あ、私、やるわ」
「佐良ちゃんはすぐそうやって。ここのことは私に任せて」
すずは急須に茶葉を足すと、湯を注ぎ入れた。温泉に浸かりに行くにはまだ少々時間がある。
「ところで佐良さん、海線の方の駅って、覚えてる?」
丘線の話がひと区切りしたところで、七見は話題を切り換えた。
「駅前、長橋、北江、藤田、中社、神石、金原、野寺。終点は港」
「さすが、よく覚えてらっしゃる。それでその港駅なんだけど、レールパークって言って鉄道公園みたいなのを造る計画があるんですって」
「へぇ、港に?」
「そこの呼び物として、今、記念館に停まってる旧車両を持っていくんだとか言ってたわ。今度はそっちで時々走らせるって」
「そうか、丸町から先も営業区間にするんですものね」
「あら、丸町からいなくなってしまうの? 寂しいわね」
すずは淡々とこう言って、茶を含む。
「動かせるうちに動かすとしましょ。夏休みとか連休は特にね」
「佐良ちゃんたら」
「まぁ、とにかく今夜はパァっと、ね?」
七見のこの景気付けに、佐良はどこか救われるものを感じ、喜々となっていた。
そうこうするうちに、やれ温泉だ、やれ食事だとあわただしくなる。女三人の夜はたちどころに更けていく。
「じゃ、おすずさん、また」
「佐良ちゃんは近いんだから、またいつでも。招待するわよ」
「そんな、悪いわ」
「あんまり具合良くないんでしょ?」
「きっと季節の変わり目のせいよ」
「うちの孫がそちらでお世話になってるんだし、いいのよ」
「じゃあ、ほんの湯治ってことで」
「湯治? 温泉浴よ。私がちゃんと指導したげる」
「そりゃどうも。自分で車両走らせておじゃまするわ」
七見は二人の会話を黙って、否、笑いをこらえながら聞いていた。
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