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【海でキス】
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じりじりとした太陽の下、海に入ると心地よい気持ちよさだった。
「冷たい! 気持ちいい!」
海翔ははしゃぐ。
周囲はそこかしこの宿泊施設から集まった観光客で溢れている。
きっとこのどこかに海翔に襲いかかった奴もいるんだろうな、と拓真は気を抜くことができなかった。
一緒に居ればいいことだ。
一人にするから危ないのだ。
海翔はするすると器用に泳ぎ、どんどん沖に出て行く。
拓真もその後を追った。
「どこまでいくんだよ」
「もうちょっと先ー!」
海翔の背中のあと数メートル先にこれより先遊泳禁止を示す、丸いボールが浮かんでいる。「海翔、そこまでだ」
海翔は泳ぐのをやめ、振り返った。
拓真は海翔の側まで泳ぎ、嬉しそうに笑う海翔に近づく。
軽くキスをした。
あたりには誰も居なかった。
「ここでしようか?」
拓真が微笑して海翔に言う。
海翔ははにかんで笑って、今度は砂浜に向かって泳ぎ出す。
「ちょっと、無理だよ」
拓真が自分の腕を掴んできたので、海翔は困惑したように言った。
そのはぐらかす様子が誘っているように見えるのだった。
だから危ない目に遭うんだよ、と海翔は思う。
思わせぶりに見えるのだ。
「海翔」
海翔は拓真に抱きしめられ、深い口づけを交わす。
逆らうことはしなかった。
舌が絡んできても受け入れた。
昨日の夜を申し訳なく思っているのだ。
海翔は自分の中の不思議な気持ちに気がついていて、それに溺れてしまいたいと思った。
誰かを自分の心の内に入れてしまうことが、こんなに心地よいとは海翔は知らなかった。
「拓真」
名前を呼んだだけで嬉しいなんて。
海翔は気持ちが高ぶり潤んだ瞳で拓真を見る。
「おいで」
拓真はそういい、二人は何度も飽きることなく唇を重ねた。
「冷たい! 気持ちいい!」
海翔ははしゃぐ。
周囲はそこかしこの宿泊施設から集まった観光客で溢れている。
きっとこのどこかに海翔に襲いかかった奴もいるんだろうな、と拓真は気を抜くことができなかった。
一緒に居ればいいことだ。
一人にするから危ないのだ。
海翔はするすると器用に泳ぎ、どんどん沖に出て行く。
拓真もその後を追った。
「どこまでいくんだよ」
「もうちょっと先ー!」
海翔の背中のあと数メートル先にこれより先遊泳禁止を示す、丸いボールが浮かんでいる。「海翔、そこまでだ」
海翔は泳ぐのをやめ、振り返った。
拓真は海翔の側まで泳ぎ、嬉しそうに笑う海翔に近づく。
軽くキスをした。
あたりには誰も居なかった。
「ここでしようか?」
拓真が微笑して海翔に言う。
海翔ははにかんで笑って、今度は砂浜に向かって泳ぎ出す。
「ちょっと、無理だよ」
拓真が自分の腕を掴んできたので、海翔は困惑したように言った。
そのはぐらかす様子が誘っているように見えるのだった。
だから危ない目に遭うんだよ、と海翔は思う。
思わせぶりに見えるのだ。
「海翔」
海翔は拓真に抱きしめられ、深い口づけを交わす。
逆らうことはしなかった。
舌が絡んできても受け入れた。
昨日の夜を申し訳なく思っているのだ。
海翔は自分の中の不思議な気持ちに気がついていて、それに溺れてしまいたいと思った。
誰かを自分の心の内に入れてしまうことが、こんなに心地よいとは海翔は知らなかった。
「拓真」
名前を呼んだだけで嬉しいなんて。
海翔は気持ちが高ぶり潤んだ瞳で拓真を見る。
「おいで」
拓真はそういい、二人は何度も飽きることなく唇を重ねた。
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