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【1人だけの絶頂】

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 海翔のペニスに触れると、柔らかいままだった。
「なにするんだよ」
 困惑した声で海翔は言い、拓真の腕を引きはがそうとする。
 拓真は海翔の両手首を掴んで腕を上げさせ、シーツに押さえつけた。
 海翔の手首は驚くほど細く、簡単に押さえつけることができた。
 舌で、海翔の背中の中央をなぞった。
「あっ・・・あぁ」
 押し殺した声で海翔は喘いだ。拓真がもう一度海翔のペニスに触れると、少し感じてきたのか固くなってきたようだった。
 不思議だった。
 やっぱり男なんだな、という感想だった。
 男でも女でもない、海翔、という別のなにか、というイメージだった。
 しかし、愛撫すれば反応するし、ペニスは立つ。
 自分と同じ物がついていて、同じ反応をするのを不思議に思ってしまった。
「いやだ」
「何、何が」
「くすぐったいし・・・」
「立ってるじゃん、気持ちいいの間違いだろ?」
「・・・だって、それは、仕方ないじゃん」
 手で包んで愛撫すると、海翔は体を震わせて耐えた。
「あっ、駄目、はぁっ・・・」
 押さえつけた手が逃げだしたそうに動いていた。
 ペニスを愛撫すると、涙混じりの嗚咽を漏らす。
 華奢な体が自分の下で悶え震えているのは、可哀想でもあったが同時にもっと責めたいと思わせるのだった。
「出ちゃうよ、止めてよ!」
「でも、ここで止めたら中途半端になるじゃん」
 拓真は自分の勃起したものを、どうするか一瞬悩む。
 海翔の体を起こし、こちらを自分の膝の上に座らせた。
 裸で向かい合って密着して抱き合い、座る。
 立ち上がった拓真のペニスが丁度、海翔の尻の辺りに触れ、海翔は驚いて体を浮かした。
「中に入れたい」
 率直に拓真は言ってみた。反応を見ようと思ったのだ。
「無理だよ、無理。絶対駄目」
 海翔のペニスはさっきまで愛撫されていて、中途半端な状況になっている。
 止めて、と言ったことを海翔はもう後悔している。
 自分の尻にさっき当たった拓真のペニスは、自分と比べると大きさも太さも全く違った。あれが体の中に入るはずがない。
「むしろ、今までの彼女って凄いよね・・・入るんだね」
「まあ、頑張って貰ったら」
 拓真は膝立ちになってしまった海翔の腰を下ろそうとする。
「ごめん、ほんとに、ちょっと!」
「駄目?」
「うん。怖い」
 拓真は少し黙って、
「じゃあ、そっちからキスしてみてよ」
 と命じる。海翔は緊張した顔で、拓真に軽くキスをした。
「続けて」
 海翔がまたキスをすると、拓真は海翔の口内に舌を絡ませる。
 そして、中断していた愛撫を再会し、海翔は繰り返される快楽にあっという間に絶頂に向かっていく。
「んっ、んんっ!」
 精液がお互いの腹にかかり、海翔は長いキスから解放される。
 自分だけ気持ちよくなってしまった海翔は、気まずい気持ちで拓真から目を逸らした。
 
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