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【案内された部屋】
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「助かるー! ホントに来てくれた!」
広いリビングリームのような所に通された。
エプロン姿の女性は三十半ばに見える。髪をお団子にした、活発そうな人だった。
人見知りの海翔は緊張して座り、愛想笑いをしていた。
「そんなに忙しそうに見えないんですけど・・・」
「向こうのドアから出てずっと歩いてみて、海水浴場があるから! 凄い繁盛してるんだよ~ バイトなんて見つからないから本当嬉しい」
「アサミさんは?」
「アサミは海の家で焼きそば作ってる」
いったいどんな知り合いなんだろう、と海翔は思った。
親戚か何かだろうか。
どうも高校生の拓真と三十代半ばのペンションオーナーの繋がりが分からない。
「あ、私、マコです。ここのオーナーだよ、宜しく、海翔君」
「あっ、はい。宜しくお願いします!」
何故か名前は知られていた。
マコは二人に二階の部屋を案内する。
「こっちは私たちの部屋だから、入っちゃだめよ」
悪戯っぽくマコが拓真に言う。
拓真は大人びた笑みで、
「分かってますよ」
と答えていた。
海翔はきょろきょろしながら二人に続いて歩く。
ここで2週間泊まるのか、とわくわくしてくる。
廊下に沿って左右に部屋がある。客室らしい。
半分以上は入っているようだ。部屋の中から話し声も聞こえてきた。
マコの部屋から一番離れた奥の部屋を案内してくれた。
部屋はこじんまりしていたが、二人だと思うと充分な広さだった。
拓真はリビング、浴室、トイレ、と案内され、寝室のドアを開けて閉める。
そしてマコをじっと見つめた。
「いい部屋でしょ?」
「そうですね」
「しっかり働いてね!」
マコはそう言って笑顔で出て行く。
広いリビングリームのような所に通された。
エプロン姿の女性は三十半ばに見える。髪をお団子にした、活発そうな人だった。
人見知りの海翔は緊張して座り、愛想笑いをしていた。
「そんなに忙しそうに見えないんですけど・・・」
「向こうのドアから出てずっと歩いてみて、海水浴場があるから! 凄い繁盛してるんだよ~ バイトなんて見つからないから本当嬉しい」
「アサミさんは?」
「アサミは海の家で焼きそば作ってる」
いったいどんな知り合いなんだろう、と海翔は思った。
親戚か何かだろうか。
どうも高校生の拓真と三十代半ばのペンションオーナーの繋がりが分からない。
「あ、私、マコです。ここのオーナーだよ、宜しく、海翔君」
「あっ、はい。宜しくお願いします!」
何故か名前は知られていた。
マコは二人に二階の部屋を案内する。
「こっちは私たちの部屋だから、入っちゃだめよ」
悪戯っぽくマコが拓真に言う。
拓真は大人びた笑みで、
「分かってますよ」
と答えていた。
海翔はきょろきょろしながら二人に続いて歩く。
ここで2週間泊まるのか、とわくわくしてくる。
廊下に沿って左右に部屋がある。客室らしい。
半分以上は入っているようだ。部屋の中から話し声も聞こえてきた。
マコの部屋から一番離れた奥の部屋を案内してくれた。
部屋はこじんまりしていたが、二人だと思うと充分な広さだった。
拓真はリビング、浴室、トイレ、と案内され、寝室のドアを開けて閉める。
そしてマコをじっと見つめた。
「いい部屋でしょ?」
「そうですね」
「しっかり働いてね!」
マコはそう言って笑顔で出て行く。
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