生贄令嬢は怠惰に生きる~小動物好き竜王陛下に日々愛でられてます~

雪野ゆきの

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二章

ルフス様とデート

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 休憩中に家に来たルフス様と隣同士に座って寛ぐ。

「そうだ、休みが取れそうだから今度一緒に出掛けないか?」
「! お出かけですか!」

 ルフス様にお出かけに誘われちゃいました!

「この前リアの手料理を食べさせてもらったから、その礼も兼ねてな。どうだ?」
「ぜひ行きたいです!」

 この前のが私の手料理かどうかは審議が必要ですけどね。ほぼほぼお母さんが作ってましたから。
 ルフス様が後ろを振り向く。

「オリビアさんとアルフさんもどうだ?」
「「!?」」

 ルフス様の誘いにお母さんとお父さんが驚く。お父さんもルフス様と同じように休憩時間で帰ってきていたのだ。
 なんでそんなに驚いてるんでしょう。

「えっと、私達も同行していいのかしら……?」

 お母さんがおずおずとルフス様に問いかける。

「もちろんだ」
「え、でも……それってデートじゃないのかしら……?」

 でーと……でーと……。
 お母さんの言葉が頭の中でリフレインする。デート? あの噂の?
 自分には全く縁がないと思っていた単語が出てきて驚く。

「ははは、確かにデートだな。リア、エスコートは俺に任せてくれ」

 ルフス様は笑うと、おちゃらけたように私の手を取った。なんだ、あっさりとデートって認めたから驚いたけど冗談ですか。
 ……なんか、ホッとしたような、残念なような複雑な気持ちです。
 こちらを見ている両親もなんとも言えない顔をしている。

「どうせ護衛は山ほどつける予定だから二人がいてもあまり変わらないし」
「え、護衛がつくんですか?」

 今まではいなかったのに。首を傾げると、ルフス様に苦笑された。

「今までだって見えない所にはちゃんと護衛を配備してたぞ? あまり人気のない場所にしか行かなかったからそれで十分だったんだが、今回はリアに城下町を案内しようと思ってな」
「城下町……」

 城下町は遠くからだけど見たことがある。そういえば今まで一度も行ったことなかったですね。
 確かに私がよく行く場所と言えば竜舎くらい。あとはちょっとしたピクニックに行ったことがあるくらいですかね。……あれ? 思ったより外出してない? 竜舎が外出かと言われると正直微妙な所ですし。

「ああ、リアをまだ一度も街に連れて行ったことがないと言ったら宰相に信じられないと言われてな。あいつにそこまで言われるなら余程のことだと思った」
「そうなんですか」

 ルフス様達の配慮のおかげで特に不便は感じてないですけど。

「リアを衆目に晒したら絶対騒ぎになるし、その騒音でリアが弱りそうだからできれば避けたかったんだが……」
「そこまで弱くないですって」
「ああ、それはやっと理解した。だが、いろんな可能性を考えると心配で心配で……」

 俯いて頭を抱えてしまうルフス様。街に行くくらいでそんなに危険なんてないと思いますけど。やっぱり過保護というか心配性というか……。
 このままだと街に行くのをやっぱり止めようとか言い出しそうなので両親に視線で助けを求める。

「確かに心配ね」
「うちの子はかわいいし、か弱いからすぐに誘拐されそうだしな」

 おっと、二人ともそっち側でしたか。そういえば二人とも過保護でしたね。

 この後、あわやお出かけが中止になるかと思ったところで宰相さんが割って入ってくれ、無事に出かけは決行することになった。
 楽しみです!

 









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