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異形編
#29 牛〜Kentauros〜
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「にしても最近、欠席者が多くないか?」
僕はクラスメイトである東雷豪に尋ねられる。
「まぁ季節の変わり目だし、色々あるんじゃない?」
「そうかぁ?」
「それにしては女子ばっかりが休んでるが」
「たまたまじゃない?」
いや多分原因はみんな怪人になってあいつらに協力してるんだろうけど。
ってかあのパン屋破壊するの忘れてた!
ま、まぁ天狐を助ければなんとかなるでしょ。
「小雨も来ないから不安なんだよなぁ」
「ほんと衣笠さんのこと大事に思ってるよね」
「い、妹みたいなもんだからな」
「本当にぃ?」
「そ、そんなことより!今日は音楽だろ?」
「あっそうだっけ」
「もう半年経つんだぞ」
「覚えとけって」
「ごめんごめん」
しょうがないだろ最近戦闘ばっかでリソースさけないんだって。
大体あいつらが怪人だけじゃなくて異形やでも送り込んでくるせいでこちとら対処するべきことが増えたんだよなぁ。
「星井さん?」
「えっあっ何ですか?」
「なんか最近ぼーっとしてること増えたわね」
「そ、そうですかね?」
「なんか悩み事とかあったら遠慮なく相談してよ?」
「そ、そうですね」
相談できるような内容じゃないっての!
「そういえば、今日はお客さんが来るとかなんとか」
「えっそうなんですか?」
「えぇ、確か名前は」
「上春です」
いや誰がどう見てもウェパルやんか!
「よろしくお願いします」
うっわぁこいつ媚びてるよ。
これ下手に刺激したらやばそうだな、気をつけよ。
ってかなんでこうも学校に来るのかな。
「ねぇ、上春さん!」
同じ講座の女子が話しかけに行っていた。
理由がないからやめとけとか言えないが、絶対やばいって。
「どうする?星井」
「どうするって言ってもな」
「とりあえずは見とくしかないでしょ」
「確かに、一旦そうするとしよう」
そのまま授業は進んでいく。
ギターの構造や、配線について説明がされる。
「それじゃあ作業してみようか!」
その声と同時に作業を開始するみんな。
あちこちでウェパルについて話す声が聞こえる。
「ねぇ、そこのあなた?」
「な、何?上春さん」
「独特な色ね」
「あるキャラをイメージしながら組んでるからね」
「他と違う感じ、貴方らしいわ」
「照と上春さんは知り合いなのか?」
「僕は初めて見たな」
「あら?一度会ってるじゃない」
「そうか?」
「それよりも、なんでここに来たの?」
「それは、この学校について知っておこうと思って」
「なんで知る必要が?」
「だってわたし、ここに編入したいんだもの」
「マジで?」
「冗談とでも?」
「その返ってことはマジなんだな」
面倒ごとが増えていくよ……デスマリッジ達の存在からあいつらに協力してるのは確定だし。
どうやってとめたらいいんだか。
「なんか嫌なことでも?」
「いや?別に何もないよ」
「そう、じゃあ」
「あんなことをしても大丈夫、と?」
「なんのこと?」
「あら、とぼけるのね」
「何か言えない理由があるのか、それとも本当に覚えていないのかどうかはわからないけど」
「私はあの人たちと違って男女問わず変化させられるのよ?」
「何が言いたい」
「さぁ?自分で想像したら?」
「お前!」
「照、落ち着けって」
「んなこと言ってもよ!」
「いいか、先に言うが」
「俺のダチに何か危害を加えようとしたらら貴様を滅する!」
「照、どうしたんだ?」
「貴方に恨まれることがないように気をつけようかしら」
「そうしてればいいさ」
そうして、授業も終わり放課後へ。
「怖くないか?」
「そりゃ怖いよ」
「やっぱり星井も怖いんだな」
「あぁ」
「誰だって目の前に悪魔がいれば怖いよな」
「あいつの口調的に僕の友達に加害を与えるつもりだ」
「あとお前と東くらいしか大切な人は残っていない」
「星井!」
「多分だけど次のねらいは東だ」
「東が?」
「多分だけど天狐と小雨を利用して誘い出しつつみたいな感じだと思う」
「だから僕らには止める手立てはない」
「何かないのか?」
「あいつらが誰にも言わないでとか言っていたら僕らは知ることができない」
「強いていうならあいつが嬉しそうにしてたらこそっと尾行するくらいか?」
「それで行くしかないよな」
「星井!」
「え?」
叫ばれて咄嗟にバックステップを踏むと目の前に
『ウウゥゥゥゥラァァァァァ!』
「け、ケンタウロス?!」
『オレ、オマエ、タオス』
『オレ、ホメテモラウ』
槍を持ったケンタウロスが再度こちらに向かってくる。
「やるしかないか!」
「玲!」
「おうよ!」
「変身!」
≪融合承認!≫
「壱式!」
「断影剣・氷!」
氷の斬撃刃を飛ばす。
それは確実にケンタウロスの体に当たった――――
『ブルルルァァァ!』
「効いてない?!」
『フン!』
思い切り体当たりされ、吹き飛ばされるり
『オマエ、カルイ、ナ』
「言ってくれるじゃないの!」
「速化!」
速度を上げ、ケンタウロスの反応できない速度で攻撃を続ける。
『ガァァァァ!』
「しまっ――」
攻撃をしに行ったタイミングで運悪く振り回された腕に当たって吹き飛んでしまう。
『ヤハリ、オレノ、テキジャナイ』
『ヨユウ』
「カタコトなのムカつく……な!」
「断衝撃!」
刀を地面に突き立て振動波をケンタウロスにぶつける!
『ナニ?!』
軽く吹き飛ぶケンタウロス。
「やっとダメージか?」
『チョウシニ……ノルナ!』
「断影剣・雷!」
雷を放つ!
『ナンノ……コレシキ!』
『オマエ、コワス!』
「残念ながら壊れるのはお前だ!」
「断罪剣・炎!」
炎を纏った刀でケンタウロスを切り付ける。
『アツイ!イタイ!』
「まだまだ!」
連続で当て続ける。
「必殺!」
「連赤撃!」
高速移動と切りつけを繰り返し行い――
「トドメだ!」
「断縁斬!」
「一・刀・両・断!」
縦に斬り捨てる。
その斬り口から人間が排出され、ケンタウロスは爆散する。
「ケンタウロスのパワーやばかったな」
「だな」
玲と融合を解除し、お互いにほっと息をつく。
「さっさとこの場を離れようか」
そうして、僕らは高校生としての僕らに戻るのだった。
僕はクラスメイトである東雷豪に尋ねられる。
「まぁ季節の変わり目だし、色々あるんじゃない?」
「そうかぁ?」
「それにしては女子ばっかりが休んでるが」
「たまたまじゃない?」
いや多分原因はみんな怪人になってあいつらに協力してるんだろうけど。
ってかあのパン屋破壊するの忘れてた!
ま、まぁ天狐を助ければなんとかなるでしょ。
「小雨も来ないから不安なんだよなぁ」
「ほんと衣笠さんのこと大事に思ってるよね」
「い、妹みたいなもんだからな」
「本当にぃ?」
「そ、そんなことより!今日は音楽だろ?」
「あっそうだっけ」
「もう半年経つんだぞ」
「覚えとけって」
「ごめんごめん」
しょうがないだろ最近戦闘ばっかでリソースさけないんだって。
大体あいつらが怪人だけじゃなくて異形やでも送り込んでくるせいでこちとら対処するべきことが増えたんだよなぁ。
「星井さん?」
「えっあっ何ですか?」
「なんか最近ぼーっとしてること増えたわね」
「そ、そうですかね?」
「なんか悩み事とかあったら遠慮なく相談してよ?」
「そ、そうですね」
相談できるような内容じゃないっての!
「そういえば、今日はお客さんが来るとかなんとか」
「えっそうなんですか?」
「えぇ、確か名前は」
「上春です」
いや誰がどう見てもウェパルやんか!
「よろしくお願いします」
うっわぁこいつ媚びてるよ。
これ下手に刺激したらやばそうだな、気をつけよ。
ってかなんでこうも学校に来るのかな。
「ねぇ、上春さん!」
同じ講座の女子が話しかけに行っていた。
理由がないからやめとけとか言えないが、絶対やばいって。
「どうする?星井」
「どうするって言ってもな」
「とりあえずは見とくしかないでしょ」
「確かに、一旦そうするとしよう」
そのまま授業は進んでいく。
ギターの構造や、配線について説明がされる。
「それじゃあ作業してみようか!」
その声と同時に作業を開始するみんな。
あちこちでウェパルについて話す声が聞こえる。
「ねぇ、そこのあなた?」
「な、何?上春さん」
「独特な色ね」
「あるキャラをイメージしながら組んでるからね」
「他と違う感じ、貴方らしいわ」
「照と上春さんは知り合いなのか?」
「僕は初めて見たな」
「あら?一度会ってるじゃない」
「そうか?」
「それよりも、なんでここに来たの?」
「それは、この学校について知っておこうと思って」
「なんで知る必要が?」
「だってわたし、ここに編入したいんだもの」
「マジで?」
「冗談とでも?」
「その返ってことはマジなんだな」
面倒ごとが増えていくよ……デスマリッジ達の存在からあいつらに協力してるのは確定だし。
どうやってとめたらいいんだか。
「なんか嫌なことでも?」
「いや?別に何もないよ」
「そう、じゃあ」
「あんなことをしても大丈夫、と?」
「なんのこと?」
「あら、とぼけるのね」
「何か言えない理由があるのか、それとも本当に覚えていないのかどうかはわからないけど」
「私はあの人たちと違って男女問わず変化させられるのよ?」
「何が言いたい」
「さぁ?自分で想像したら?」
「お前!」
「照、落ち着けって」
「んなこと言ってもよ!」
「いいか、先に言うが」
「俺のダチに何か危害を加えようとしたらら貴様を滅する!」
「照、どうしたんだ?」
「貴方に恨まれることがないように気をつけようかしら」
「そうしてればいいさ」
そうして、授業も終わり放課後へ。
「怖くないか?」
「そりゃ怖いよ」
「やっぱり星井も怖いんだな」
「あぁ」
「誰だって目の前に悪魔がいれば怖いよな」
「あいつの口調的に僕の友達に加害を与えるつもりだ」
「あとお前と東くらいしか大切な人は残っていない」
「星井!」
「多分だけど次のねらいは東だ」
「東が?」
「多分だけど天狐と小雨を利用して誘い出しつつみたいな感じだと思う」
「だから僕らには止める手立てはない」
「何かないのか?」
「あいつらが誰にも言わないでとか言っていたら僕らは知ることができない」
「強いていうならあいつが嬉しそうにしてたらこそっと尾行するくらいか?」
「それで行くしかないよな」
「星井!」
「え?」
叫ばれて咄嗟にバックステップを踏むと目の前に
『ウウゥゥゥゥラァァァァァ!』
「け、ケンタウロス?!」
『オレ、オマエ、タオス』
『オレ、ホメテモラウ』
槍を持ったケンタウロスが再度こちらに向かってくる。
「やるしかないか!」
「玲!」
「おうよ!」
「変身!」
≪融合承認!≫
「壱式!」
「断影剣・氷!」
氷の斬撃刃を飛ばす。
それは確実にケンタウロスの体に当たった――――
『ブルルルァァァ!』
「効いてない?!」
『フン!』
思い切り体当たりされ、吹き飛ばされるり
『オマエ、カルイ、ナ』
「言ってくれるじゃないの!」
「速化!」
速度を上げ、ケンタウロスの反応できない速度で攻撃を続ける。
『ガァァァァ!』
「しまっ――」
攻撃をしに行ったタイミングで運悪く振り回された腕に当たって吹き飛んでしまう。
『ヤハリ、オレノ、テキジャナイ』
『ヨユウ』
「カタコトなのムカつく……な!」
「断衝撃!」
刀を地面に突き立て振動波をケンタウロスにぶつける!
『ナニ?!』
軽く吹き飛ぶケンタウロス。
「やっとダメージか?」
『チョウシニ……ノルナ!』
「断影剣・雷!」
雷を放つ!
『ナンノ……コレシキ!』
『オマエ、コワス!』
「残念ながら壊れるのはお前だ!」
「断罪剣・炎!」
炎を纏った刀でケンタウロスを切り付ける。
『アツイ!イタイ!』
「まだまだ!」
連続で当て続ける。
「必殺!」
「連赤撃!」
高速移動と切りつけを繰り返し行い――
「トドメだ!」
「断縁斬!」
「一・刀・両・断!」
縦に斬り捨てる。
その斬り口から人間が排出され、ケンタウロスは爆散する。
「ケンタウロスのパワーやばかったな」
「だな」
玲と融合を解除し、お互いにほっと息をつく。
「さっさとこの場を離れようか」
そうして、僕らは高校生としての僕らに戻るのだった。
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