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祖父からの謎 1

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冒険への決意を固めた私は、まず日記を手に入れる事にした。 
祖父は私にこの仕事を託したんだ。彼は私に謎を解き明かしてもらう事を望んでいる。
そう考えた私は、家族に部屋から退出してもらった。
これで一人の空間ができた。ここからが私の力の見せどころ。
いいスタートダッシュを切りたい。
そう思いながら、日記入手に取りかかった。


祖父からの手紙が置かれていた机には、2つの鍵のついた引き出しがある。
一つは、3桁桁のダイヤルがついている。ダイヤル一つ一つは、は0から9までの10桁で構成されている。

地道に合わせれば、開く気もしたが、祖父はそんな事望んでないだろうし、こんな事しかできない私は絶対に途中で挫折するだろう。



こうして私は、しっかりと正攻法を取ることに決めた。

もう一つの引き出しは、鍵穴がついている。この鍵穴には特に特徴がないように見えた。ダメ元で、引き出しを引いてみるもしっかり鍵がかかっている。

まだヒントはありそうだ。

上段のダイヤル式の引き出しには、一つイラストのようなものがあった。
彼はそれが何かすぐに理解した。これは、ネフェリウス文明を表すナーカラスという鳥である。
しかし、これと何の関連性があるのかは分からなかった。 
またダイヤルの上と下に文字が書かれている。
上には「進発年」、下には「法展官」と書かれている。
やはり、理解不能だ。




このヒントがあっても、リアンは何を意味しているのか全くわからなかった。
まだ手がかりがあることを信じて、もう少し詳しく机を調べることにした。
とても古びた机であり、動かす事ができないよう固定されている。
机の下に手を突っ込んでみる。

実は机の裏側は、蜘蛛の糸が大量に張っていた。
私は大きな奇声を上げてしまった。大嫌いな蜘蛛がいることを恐れた。そして、糸を急いで振り払った。だが、取れるどころかどんどん広がっていく。
私は、こんなじゃいつか挫折すると分かっていた。そんなのは嫌だ。蜘蛛なんかに負けたくない。祖父の願いを叶えるんだ。
そういう強い思いから、躊躇しながらももう一度机の下に手をいれた。
とても気持ち悪い感触に襲われながらも、手を左右に動かて手ががりがないか探してみる。

すると、蜘蛛の糸より太い糸に触れた感触がした。その瞬間自分の勇気が、報われた気がした。

その手に触れた糸を引っ張ってみると、糸の先には謎の紙切れがくっついていた。

この紙にはこう書かれていた。
「これからの謎を解く上で、ナーウルス大百科を重宝することだろう。机の上に置いてある分厚い本だ。大事に使いなさい。謎解きのヒントは869ページに残した。」

リアンは、机の上にあるナーウルス大百科を手に取った。
彼は、持った瞬間驚愕した。
この百科事典は約9000ページある。その分厚さとは思えないほど軽い。どうやら、超軽量素材が使われているそうだ。 

その百科事典の869ページを開いた。膨大のページ数だけあって、狙ったページを開くのも一苦労だった。

そのページには一つのメモが挟まっていた。メモには、ダイヤル式の机のイラストがかかれていた。そして、その机にはミズハリザルのイラストが描かれており、ダイヤルの上下の文字は同じだった。そしてダイヤルの番号は、「637」。

リアンはこれが例を提示していると気がついた。
つまり、ミズハリザルはなにかの文明を表す動物なのだ。

869ページには、文明の説明と動物の挿絵が載っていた。
ページの一番上には、
「文明は今に至るまでにも沢山存在してきたとされている。その文明の発展度を、現代文明を0とした時に0から9で表す。又、現代を10として、0から10で文明の古さを表す『年官』といものがある。又、文明によって数学や天文学に違いがあった。このような基礎情報から発展した内容までまとめてあります。」
と書かれていた。

まずは、ネフェリウス文明について書かれている。
「象徴 : ナーカラス
発展度 : 9
進法 : 7進法
暦 :  不明
年官 : 0

この文明は、ナーカラスという鳥を象徴にしている。未だにわからないことが多い。秘伝のエナジードリンクが作られていたという伝説が残されている。このドリンクを飲んだ者は、未知なる力を得るものとされている。現在は、この文明に関連する洞窟が残されているが、探検した者の多くは消息を絶っており謎に包まれている。現在見つかった資料は、縦に『エナジードリンク』と書かれた物だけである。」

やはり、謎が多い文明だと痛感する。そんな文明を調査する事が余計に楽しみになってきた。

次は、フェーランス文明。
「象徴 : モラルキャット
発展度 : 3
進法 : 5進法
暦 :  太陽暦
年官 : 4

この文明は、モラルキャットという兎を象徴にしている。兎を世界各地に送り出した。動物を優しい文明であるが、送られた兎は環境に適合できず絶滅してしまった。それとともにこの文明は衰えていった。モラルキャットは、人と会話できたという伝説が残されている。現在モラルキャットは、世界の何処に何らかの方法で生き延びていという言い伝えもある。」
 
これもなかなか興味深い文明だ。モラルキャットの保存場所についてもっと詳しく調べたい気持ちもあったが、今はそれを抑え、謎解きに専念することにした。

その次を見ると、ミネラル文明といういうミズハリザルを象徴とする文明の説明であっ。これで、秘密が分かるかもしれないと、胸を踊らせた。

「象徴 : ミズハリザル
発展度 : 3
進法 : 6進法
暦 :  太陰暦
年官 : 7

この文明は、ミズハリザルという猿を象徴にしている。この文明の民族は、綺麗好きだったとされている。この文明は、同種民族内での争いがきっかけで滅びたとされている。この文明の大きな特徴としては、数少ない文字の縦書きを採用していることである。現在は、この文明に関する資料はほとんど残されていない。」
 
この説明を読み、リアンは頭を悩ませた。確かにこれが関連していることは間違いない。
しかし、「ミズハリザル」、「進発年」、「法展官」、そして、「637」どんな関係があるのか。

リアンは、もう一度机の文字とイラストの配置を見て、あることに気づくのだった。



<次回、謎の答え明らかになる!!>
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