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しおりを挟むでもわかった所でどうするんだ?
俺は男で、あいつも男だ。
今はまだ
「諦めるしか...」
帰り道、さっきの事を考えながら下を向いて歩いていた。
「...!」
最近は少し離れていてもすぐに分かるようになった。
相手との心の距離が近くなる程、匂いはより強く感じるようになるのかもな...
「清川!」
「あ、やっぱり榊原!!」
すぐに分かったと嬉しそうにする笑顔を見れば、嫌われてないっていうのは分かる。
ただ、俺のこの気持ちとは違うんだろうな。
帰り、俺は清川と一緒に帰った。
話を聞くと、家はそこそこ近いらしい。
「なぁ榊原」
「どうした?」
「お前の名前長いじゃん?」
「ああ確かにな」
「だからさ、」
向こうからしたらただの友達なんだって分かってる。
それでもこの想いはきっと捨てることは出来ない。
「 湊 って呼んでいい?」
ドクンッと心臓の音が聞こえた。
血の流れが変わっている気がした。
「ぁ......」
自覚する。
この想いは、理性とか捨てるとかそんなんじゃどうしようもない。
まだ引き切らない熱が
俺の身体を
全身を駆けていく。
「...いいよ
じゃ、俺も 悠介 って呼ぶな?」
「...おう!仲良くしような、湊!!」
頬を少し染めた姿が綺麗だ。
だけどそれは俺のものじゃない。
きっとこれから名前を呼ぶ度に、俺は胸を痛めるのだろう。
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