心の交差。

ゆーり。

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みんなでキャンプ。

みんなでキャンプ⑨

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二人にプレゼントを渡し終えた後、みんなで花火をしそれぞれキャンプ場に備わっている風呂に入って、あとは寝るだけとなった。
だが――――みんながこのまま、素直に寝付くわけもなく。

未来「よーし! みんなでトランプしようぜー!」
未来が結人・藍梨・コウ・悠斗のいるテントに、トランプを持ちながら勝手に入ってくる。
結人「わ、びっくりした。 驚かすなよ」
未来「別に驚かしてなんかねぇよ?」
コウ「トランプすんの? いいね、楽しそうだな」
未来「おう! ここにいるみんなでやろうぜ」
藍梨「私もやるー!」
悠斗「コウ、優もここへ連れてきたら?」
未来「あ、それはいいかもな。 優を連れてこいよ。 二人ペアになって、勝負しようぜ」
コウ「ん、そうだな。 優を連れてくるよ」
結人「おう、いてらー」

その頃、御子紫・優・椎野・伊達のテントには北野・夜月・真宮が集まっていた。
椎野「今から人生ゲームすっぞ!」
御子紫「いいねー! じゃあ人数多いから、二人で1チームにする?」
真宮「それじゃあ、適当に椎野から右の人とペアってことで」
夜月「何だよ、そしたら俺一人じゃんか」
優「夜月は何でもできるし、きっとゲームでも強いんでしょー?」
北野「そうだね。 じゃあ大丈夫だ」
夜月「何を言ってんだよ。 ゲームなんて運ゲーだろ」
御子紫「それじゃあ、俺たちチームから! えいっ! ・・・お、4ですねー。 1、2、3、4と」
北野「あ、職に就けるって!」
御子紫「おぉ、詩人! 幸先いいねー」
真宮「じゃあ次は俺たちチーム! てことで・・・ん?」
真宮がルーレットを回そうとすると、突然テントの入口が開いた。 そこから顔を出したのはコウだ。
夜月「どうした? コウ」
コウ「あ、人生ゲームをしていたんだ」
優「そうだよ! コウも一緒にやる?」
コウ「・・・いや」
優「?」
椎野「どうしたんだよ、コウ」
コウ「優をしばらくの間、借りてもいい?」
御子紫「あぁ、もちろんだよ」
椎野「いいけど、優は俺たちのもんだからちゃんと返せなー?」
夜月「いや、優はコウのもんじゃね?」
椎野「んー? あれ、そっか・・・」
御子紫「・・・つか、コウは何故今の夜月の一言に否定しないんだッ!」
コウ「え?」
椎野「あれー? もしかしてもしかして!? コウは優のことが好きで、ボーイズがラブっている感じ? 感じ感じ!?」
優「え?」
コウ「・・・」
御子紫「まさかの椎野の発言にも、否定しないとは・・・」
コウ「・・・まぁ、優のことが好きなのは事実だし」
御子紫「おぉ、いいね!」
椎野「男同士の恋愛は見ていて気持ち悪いけど、コウと優のカップルなら見ていても嫌じゃないなぁ・・・」
コウ「いや、別に恋愛感情とかはないから」
真宮「はいはい、ユイたちもコウの帰りを待ってんだろ? だったら、優を連れてさっさと行きな」
コウ「ん、ありがとう」
みんなに見送られ、コウと優はテントから出た。
真宮「伊達ー。 俺らといて楽しいか?」
伊達「あぁ、楽しいよ」
真宮「じゃあ、今日は楽しかったか?」
伊達「今日は?」
真宮「伊達が今日を楽しんでいなきゃ、意味がねぇんだよ」
伊達「え、何で?」
真宮「あれ、ユイから聞いてねぇの? 今日キャンプへ来たのは、伊達とみんなが仲よくなるきっかけを作るためだってこと。 
   そんで感謝しつつ、みんなと一緒にいてこの時間を楽しんでもらうためにユイが思い付いたんだよ。 伊達を誘って、キャンプへ行こうって。
   まぁでも、テントの物とか全部伊達から借りちまったし『感謝したいのにし切れないって感じだよな』って、ユイは言っていたけど」
伊達「・・・そう、なんだ」
真宮「で? 今日は楽しめたか」
伊達「・・・あぁ。 もちろんだよ」

その頃、結人たちのテントでは。
未来「なぁなぁ、ここのみんなはどう並んで寝んの?」
結人「それなんだよー。 藍梨を真ん中にしたいんだけどさ、男に挟まれる藍梨を見るのも、何か心苦しいんだよなー・・・」
未来「んー・・・? 藍梨さんはそうでもなさそうだけど」
藍梨「何ー?」
未来「いや? 別に。 で、悠斗は俺と代わってくれんの?」
悠斗「え? 代わらないよ」
未来「え、どうして!」
悠斗「もう決まったことだし」
未来「藍梨さんがいて、明日寝不足になっても俺は知らないからな!」
悠斗「・・・何で藍梨さんがいて、寝不足になるのかが俺には分からないな」
優「ユイー!」
結人「お、来たか優」
未来「遅かったなー。 優を確保すんの、大変だったか?」
コウ「まぁ、色々と言われていたからな」
悠斗「色々って、何を言われていたの?」
コウ「えっと・・・」
優「あー、コウ! 言わなくていいから!」
コウ「え? ・・・そうか」
未来「んー? まぁいいや。 とにかく、トランプを始めようぜ!」

そんなこんなで、各テントで盛り上がり就寝するのは次の日に回ってからだった。 今日一日とても楽しかった。 伊達も楽しめただろうか。 
―――・・・楽しんでくれていたら、いいな。
藍梨もみんなと仲よくできたし、喧嘩することもなく今日一日を無事に終えることができた。 明日の午前には、もうキャンプ場を出る。
―――俺も、そろそろ寝ようかな。 
―――・・・おやすみ、みんな。 
―――今日も一日、楽しませてくれてありがとうな。


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