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みんなでキャンプ。
みんなでキャンプ⑦
しおりを挟む―――よし、これでみんなは一通り役目を終えたかな。
「みんな集合ー!」
結人はリーダーとして、仲間を集合させる。 夜月たちと張ったテントも3つ共完成し、先程までどこかへ行っていた真宮たちも戻ってきた。
どうやら藍梨と伊達も、二人と一緒に行動していたようだ。
「バーベキューの支度の方はどうだ?」
「一通りは終わったよ。 カレーも作ったし魚も今焼いているし、あとは肉や野菜を焼いたりするだけかな」
「お、マジで!?」
「腹減ったー。 ユイ、もう食おうぜ?」
コウが代表してそう答え、お腹を空かせた仲間はすぐ話に食い付いてきた。 だが、そんな彼らにはもう少しの間我慢してもらおう。
「飯の前に、今夜共にするテントのチーム分けを発表するぞ!」
「あぁ、北野があみだくじで決めてくれたんだっけ?」
「うん、決めてきたよ。 ズルとかは何もしていないから、文句はなしね。 あ、でもユイと藍梨さんは一緒のテントにしておいたから」
「おう、さんきゅ」
「藍梨さんと一緒になりますように藍梨さんと一緒になりますように・・・!」
―――・・・どうせ、そんな不気味な呪文を唱えてんのは未来だろ。
そんなことを思いつつ、結人は隣にいる少年を見た。 そんな彼を見て“やっぱりか”と思い、苦笑しながら軽く溜め息をつく。
―――でも伊達と一緒のテントだと、それもちょっと気まずいよな・・・。
「じゃあ、発表するよ。 まずAチームが、御子紫、優、椎野、伊達」
「お、伊達と一緒か」
「何かいいねー、のほほんとしたこのチーム」
「御子柴がいてどこがのほほんとしただよ」
御子紫の発言に椎野がすぐさま突っ込みを入れた。
―――伊達とは違うチームか。
―――・・・何か、残念な気もするけど。
「次はBチームね。 コウ、悠斗、藍梨さん、ユイ」
「はぁ!? 北野! それ本当にインチキしていないよな!?」
こんな発言をするのも、未来しかいない。
「していないよ。 俺だって、藍梨さんと違うチームなんだし」
―――それもそうだ。
「悠斗! チーム代われー!」
「じゃあ最後ね。 Cチームは、夜月、真宮、未来、俺」
―――仲のいい奴らが見事に分かれた感じだな。
―――優とコウが分かれて、未来と悠斗も分かれたのか。
―――まぁ、御子紫と椎野の二人は分かれていないけど。
「悠斗頼むからー!」
「未来、さっきからうるさいよ」
「何で俺にだけ冷たい態度をとるんだよ、悠斗!」
「それじゃあ、自分の荷物をテントに運んだ者からバーベキューな!」
「お、じゃあ俺おっ先ー!」
「あ、待てよ御子紫!」
結人の発言により、みんなは一斉に荷物の方へと走っていった。 未来と同じテントだと色々とあれなため、結人は悠斗でよかったと思っている。
―――・・・ごめんな?
―――未来。
御子紫「まずは肉だろ! 肉!」
椎野「肉が焼き上がるまで、俺はカレー!」
御子紫「あ、椎野! 俺の分のカレーも取ってきて!」
椎野「おっけー。 それじゃあ俺の分の肉も、確保よろしく! 任せたぜ!」
御子紫「おう、任されたぜ!」
優「このカレーめっちゃ美味しい!」
北野「うん、カレー凄く美味しいね。 これはコウが作ったの?」
コウ「みんなで手分けして作ったよ。 作り方とかは、全部俺が指示したけど」
北野「いいなぁ。 こんなに美味しいものを、優はずっと食べていられるんだから」
優「へへっ。 コウは俺のもんだしー」
夜月「流石だなコウは。 俺、料理なんてできないわ」
悠斗「料理以外だったら何でもできるくせに」
夜月「コウと一緒にすんなよ。 俺にだって、勝てない相手なんだから」
コウ「・・・その言葉、夜月に言われてもなぁ」
悠斗「まぁ、二人共完璧に近い人間だからね」
夜月「俺は完璧じゃない。 そんなこと、悠斗は分かっているはずだろ」
悠斗「・・・」
コウ「ん?」
結人「藍梨、ちゃんと肉も食えよー?」
藍梨「嫌だよ、美味しくないもん」
結人「駄目だってちゃんと食え! 血になんないぞ!」
藍梨「だってー」
未来「何々ー? 藍梨さん、肉苦手なのか?」
結人「この前焼肉屋へ行った時も、藍梨あまり肉を食わなかっただろ?」
未来「あぁ、確かに食っていなかったな。 じゃあ野菜とかは食べられる? 俺持ってくるよ」
結人「いや、いいよ。 藍梨は今、皿に盛った肉をちゃんと食うこと! いいな?」
藍梨「結人の意地悪!」
結人「俺は藍梨のことを思って言っているんだ。 まぁここで待っていろよ、カレーも持ってきてやるからさ」
未来「ユイは藍梨さんに厳しいな。 でも、もうちょっと藍梨さんは肉付けた方がいいかもよー?」
藍梨「私は別にこのままでいいもん」
真宮「伊達ー。 美味いか?」
伊達「え? あぁ、美味しいよ」
真宮「だよなー。 流石コウって感じ」
伊達「コウ? このカレーはコウが作ったのか?」
真宮「うん、コウが作ったけど他のみんなも手伝ったって感じかな」
伊達「へぇ・・・。 コウって、料理が上手いんだ」
真宮「そうだよ。 俺もコウの手料理を何度か食わせてもらったことがあるけど、どれもめっちゃ美味かったし」
伊達「そうなんだ。 憧れるな、コウにも」
真宮「あ、じゃあさ、いつか一緒にコウん家へ行って飯作ってもらおうぜ! 優も二日に一回は、飯食わせてもらっているみたいだしー」
伊達「え、そうなのか?」
真宮「あの二人、よく一緒に泊まったりしているみたいだからな」
伊達「ふーん・・・。 あの二人、そんなに仲がいいんだ」
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