心の交差。

ゆーり。

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みんなでキャンプ。

みんなでキャンプ⑥

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キャンプ場へ着き、そこでのみんなの会話。

結人「それじゃあ、決めた係に分かれて早速作業に取りかかろうか」
椎野「おっけー。 じゃあ俺、テントの荷物持ってくるわ」
御子紫「俺も行くー!」

そんな中、伊達は結人に近寄った。

伊達「ユイ」
結人「ん?」
伊達「俺は何したらいい?」
結人「いや、伊達は何もしなくていいよ。 だから、そこらへんで遊んでいて」
伊達「でも俺だけ何もしないっていうのも」
結人「あ、藍梨ー!」

その呼びかけによって、藍梨はこちらへ来る。

結人「藍梨、伊達と一緒にいてくんね? 二人は何もしなくていいからさ」
伊達「でも」
結人「大丈夫だから。 そんじゃ、また後でな」
伊達「あ、おい!」

そう言いながら、結人は二人の前から去ってしまった。 伊達はこの後彼女と一緒にどうしようかと悩んでいると、タイミングよく二人は呼び止められる。

真宮「お二人さん! 手、空いてる?」
伊達「あぁ、空いているけど」
北野「だったら俺たちと一緒に来てくれない?」
伊達「えっと・・・。 二人はレクリエーションだっけ? 何するの?」
真宮「ちょっくら駅まで、荷物を取りに行こうと思ってさ」
北野「手が空いているなら、一緒に行こうよ」

真宮と北野に誘われ、伊達と藍梨は二人に付いていくことにした。 彼ら4人が駅へ向かっている中、テントを担当している4人も作業を開始していた。

夜月「ユイー! ちょっとそっち引っ張って」
結人「あぁ、了解」
夜月「もうちょっと右ー。 あ、そこでストップ」
結人「・・・夜月はこういうテントを張ったりすんの、得意なのか?」
夜月「得意って何だよ。 そんなんじゃねぇけど、小さい頃よくキャンプとかへ行っていたから、何となく憶えているだけだ」
結人「あぁ・・・。 小さい頃か」
夜月「未来と悠斗と一緒によく行っていた。 つか、言わなくても分かるだろ」
結人「まぁな。 お前ら3人、小学校の時とかすげぇ仲よかったからな」
夜月「・・・あんま思い出させんな」
結人「悪い悪い」

御子紫「椎野ー。 次はこれ、どうすりゃいいのー?」
椎野「じゃあ、この杭を使って固定してー」
御子紫「・・・分からん」
椎野「だーかーらー、ここに固定すんの。 支えているから打ち込んで?」
御子紫「ん、分かった。 ・・・つか、椎野はこんな大変なことを小学生の時にやっていたのか?」
椎野「ん? ボーイスカウトのこと?」
御子紫「そうそう」
椎野「んー。 大変だったけど仲間もいたし、協力したりして達成感とかもあったし、結構楽しかったけどな」
御子紫「へぇ。 そういうもん?」
椎野「そういうもん。 よし、ここは完了!」
御子紫「あー! 何で俺はテントなんだよ! 俺といったらレクリエーションだろ、普通!?」

そう――――御子紫はレクリエーションをやりたいと言っていたが、真宮に止められテント係へ移ったのだ。

椎野「まぁなー。 俺だって、テントよりもレクリエーションの方がよかったわ」
御子紫「いや、椎野はテントを張るのに必要な存在だからいいんだよ。 でも何で俺!? “椎野と仲がいいから”って理由で、テント係になんなくてもよくね!?」
夜月「椎野ー。 次は何やりゃいいー?」
椎野「あぁ、じゃあ次はねー」
御子紫「俺の話は無視か・・・ッ!」

4人が懸命にテントを張っている中、料理係も頑張っていた。

未来「野菜洗ってきたよー」
コウ「さんきゅ。 じゃあ、野菜切ってくれる? つか切れる?」
悠斗「野菜なら俺が切るよ。 ご飯の方は準備できたから」
コウ「ん、分かった。 ありがとな。 じゃあバーベキューの火おこしは・・・」
未来「あ、火おこしならできるから俺がやる!」
コウ「じゃあ、それは未来に任せるよ」
優「どうして火おこしができるのー?」
未来「ん? 小さい頃、悠斗と夜月と一緒によくキャンプへ行っていたんだよ」
優「へぇー。 夜月とも結構仲がよかったんだね」
未来「何だよ、『夜月とも』って。 小学校の頃は、よく5人で一緒に行動していたっつーの」
優「5人? 未来と悠斗と夜月とユイと・・・北野?」
未来「あー・・・。 いや、北野じゃないけど」
優「じゃあ誰?」
未来「・・・さぁ。 誰だったかな」
優「?」
コウ「優ー。 カレー作るから手伝って」
優「あ、うん!」
悠斗「今日二人が採ってきたものは何に使うの?」
コウ「一応、そのままバーベキューで焼いたりカレーに入れたりする予定だよ」
優「コウー! 野菜はこれ、全部入れちゃっていいの?」
コウ「あぁ、野菜を入れて炒めておいて。 ちょっと俺、魚やってくるから」
優「はーい。 ・・・未来ー、未来はどうして料理係に入ったのー? 未来なら、レクリエーションの方へ行きそうだったのに」
未来「んー? よく考えてみろよ。 テントはまず大変だろ、そんでレクリエーションは楽だけど、何か期待されてプレッシャーがかかるだろ」
優「そんな理由!?」
未来「そ。 そんな理由」
悠斗「優、これも入れて」
優「あ、はーい!」


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