無表情ドールマスター

妖魔五人衆

「妖魔五人衆？」
「はい、三日月さんは妖魔国を囲む山々に住む妖怪達の長、涼蘭さんは陰陽師などの術師を育てる学校の理事長、達磨さんは農業・商業組合の組合長、蜜丸さんは妖魔国の警備隊の総隊長、閻羅さんは冒険者組合の組合長をしています」
「なるほど、五人それぞれが主要な所を管理してるんですね」
「はい、そうですね」
すだちはおはぎを一口食べ
「美味しい」
シャリー微笑みながら
「そうですか、それはよかったです」
翠の皿が空になったのを見たシャリーは
「翠さん、お代わりはどうですか？」
「あぁ、ありがとう」
シャリーは皿を受け取り
おはぎを二つ乗せて
翠へと渡した
「妖魔五人衆ってどんな方達なんですか？」
「三日月さんは厳格な方で規則を重んじる方ですね」
「規則？」
「はい、山にはいくつか規則がありまして、それを破ると三日月さんから罰が与えられるんです」
「どんな罰？」
「そうですね、聞いた話では高い木の枝に三日間吊らされるとかですかね？」
「それはすごい罰ですね」
「そうですね、涼蘭さんは綺麗な女性で親バカですかね？」
「親バカって？」
「涼蘭さんには晴はれさんと言う人間の息子さんがいるんですけど、術師としての才能があったので学校を作ったんです」
「それは親バカですね、あれ？確か涼蘭さんは九尾なのに人間の子供なんですか？」
「人間と妖怪の間に産まれた子供はどちらかの種族になるそうです」
「そうなんですか」
「はい、達磨さんは気さくなおじさんで、先見の目がありますね」
「先見の目？」
「はい、どんな作物がよく育つとかこの商品は売れるとか」
「それは凄いですね」
「凄いですよね、蜜丸さんは妖魔国に詳しいお兄さんですかね？」
「詳しいってどういうことですか？」
「蜜丸さんは職業柄どこを通ればいち速く現場に着く道を知っていたり、どこにどんな店があるかとか把握してるんです」
「なるほど」
「最後に閻羅さんは性別、年齢が不明です」
「どういうことですか？不明って」
「閻羅さんはある時は少女、ある時は初老の男性、ある時はは妖艶な美女と姿を変えてるんです」
「別人じゃないんですか？」
「それが本当に同一人物か検証班が調べた結果全員同一人物だったんです」
「そうなんですか、検証班ってなんですか？」