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〈悪戯の日〉
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「ラスーって商人とどうやって出会ったんだ?」
「ラスーさんとは《惑わしの森》で出会ったんです」
「《惑わしの森》に?いくら護衛が居るからって無茶な奴だな」
「いえ、出会った時はラスーさん一人でした」
「一人って随分無茶をする商人なんだな、ラスーっていうのは」
「いえ、出会った時は商人じゃなくて冒険者でした」
「冒険者?ちょっと待て、元冒険者の商人で名前がラスー?もしかして」
「あぁ、ラスーは愛称でラスーリーガンって言うんです」
「ラスーリーガン!?あのラスーリーガン商会の会長のか?」
「知ってるんですか?カイナさん」
「知ってるもなにも一代で大商会へとなった人だぞ、大通りにある一際デカイ店があるだろ?そこの会長だぞ」
「そんなに凄い人だったんですね、僕から見たら全部が大きいですけど」
カイナはため息をつきながら
「そりゃそうかもしらないが、全く」
「そういや、どうしてラスーリーガンは《惑わしの森》に入ったんだい?」
「ラスーさんが言ってたんですけど、冒険者に限界を感じて、最後に《惑わしの森》を冒険してみようと思ったらしいです、そして、その日は丁度〈悪戯の日〉だったんです」
「〈悪戯の日〉ってなんだい?」
「〈悪戯の日〉というのは、精霊は元々悪戯が好きなんですけど、あまりに悪戯が過ぎるので精霊の母が一年に1日だけ悪戯をしてもいいという規則を作ったんです、その日だけはどんな悪戯も許されるんです、その悪戯のひとつが森から出れなくなる魔法です」
「おや、それじゃあ、入った人間はどうなるんだい?」
「出ることが出来なくなり、奥へと進むこともできません、もちろん魔法の効果は1日だけですが」
「ラスーリーガンは入ったと」
「はい、本当はその日だけ人が入らないように結界の塔を発動させるのが僕達小人の役目だったんですけど、その日の当番のカルゥが寝坊をしてしまい、結界を張るのを遅れたのです」
「それで運悪く入ってしまったと」
「はい、結界を発動させた後、カルゥに相談されて、僕と数人の友達で森に入った人間が居ないか、見て回り、森の中で倒れているラスーさんを見つけたんです」
「倒れてたって大丈夫なのかよ?」
「はい、念のために姿消しの魔法を掛けて近寄ったら息をしていたので」
「それは、良かったね」
「はい、このままにしとくのは駄目だと思った僕は、友達たちと共に長老に相談にいきました、長老はそのままにしとくのもかわいそうだから、村に連れてくるようにと言ってくれたんです」
「連れてくるようにって」
カイナはポルクを見て
「無理だろ」
「もちろん、僕達だけでは無理なので森の動物達に頼んで運んでもらいました」
「それで?」
「目を覚ましたラスーさんは助けてくれたお礼をしたいと言ったので、村長達は相談をして水をいつでも飲めるようにして欲しいと伝えました」
「水をいつでも飲めるようにして欲しい?」
「はい、僕達が住んでいる村の近くには水場がないので、遠い水場まで行かないといけないんです」
「ほう、それでラスリーガンはどうしたんだい?」
「少し考えたあと、準備があるので後日また来てもいいか?と聞いたので、村長は分かったと答えて〈導きの石〉を渡しました」
「〈導きの石〉ってなんだい?」
「あぁ〈導きの石〉というのは迷わずに目的地の場所へと導いてくれる石なんです」
「そんな便利な石があるんだねぇ」
「はい、でも作ることができるのは村の人間でも一部なんです」
「そうなのかい、ラスリーガンは後日やってきたのかい?」
「はい、馬車に乗ってやってきました」
「ラスーさんとは《惑わしの森》で出会ったんです」
「《惑わしの森》に?いくら護衛が居るからって無茶な奴だな」
「いえ、出会った時はラスーさん一人でした」
「一人って随分無茶をする商人なんだな、ラスーっていうのは」
「いえ、出会った時は商人じゃなくて冒険者でした」
「冒険者?ちょっと待て、元冒険者の商人で名前がラスー?もしかして」
「あぁ、ラスーは愛称でラスーリーガンって言うんです」
「ラスーリーガン!?あのラスーリーガン商会の会長のか?」
「知ってるんですか?カイナさん」
「知ってるもなにも一代で大商会へとなった人だぞ、大通りにある一際デカイ店があるだろ?そこの会長だぞ」
「そんなに凄い人だったんですね、僕から見たら全部が大きいですけど」
カイナはため息をつきながら
「そりゃそうかもしらないが、全く」
「そういや、どうしてラスーリーガンは《惑わしの森》に入ったんだい?」
「ラスーさんが言ってたんですけど、冒険者に限界を感じて、最後に《惑わしの森》を冒険してみようと思ったらしいです、そして、その日は丁度〈悪戯の日〉だったんです」
「〈悪戯の日〉ってなんだい?」
「〈悪戯の日〉というのは、精霊は元々悪戯が好きなんですけど、あまりに悪戯が過ぎるので精霊の母が一年に1日だけ悪戯をしてもいいという規則を作ったんです、その日だけはどんな悪戯も許されるんです、その悪戯のひとつが森から出れなくなる魔法です」
「おや、それじゃあ、入った人間はどうなるんだい?」
「出ることが出来なくなり、奥へと進むこともできません、もちろん魔法の効果は1日だけですが」
「ラスーリーガンは入ったと」
「はい、本当はその日だけ人が入らないように結界の塔を発動させるのが僕達小人の役目だったんですけど、その日の当番のカルゥが寝坊をしてしまい、結界を張るのを遅れたのです」
「それで運悪く入ってしまったと」
「はい、結界を発動させた後、カルゥに相談されて、僕と数人の友達で森に入った人間が居ないか、見て回り、森の中で倒れているラスーさんを見つけたんです」
「倒れてたって大丈夫なのかよ?」
「はい、念のために姿消しの魔法を掛けて近寄ったら息をしていたので」
「それは、良かったね」
「はい、このままにしとくのは駄目だと思った僕は、友達たちと共に長老に相談にいきました、長老はそのままにしとくのもかわいそうだから、村に連れてくるようにと言ってくれたんです」
「連れてくるようにって」
カイナはポルクを見て
「無理だろ」
「もちろん、僕達だけでは無理なので森の動物達に頼んで運んでもらいました」
「それで?」
「目を覚ましたラスーさんは助けてくれたお礼をしたいと言ったので、村長達は相談をして水をいつでも飲めるようにして欲しいと伝えました」
「水をいつでも飲めるようにして欲しい?」
「はい、僕達が住んでいる村の近くには水場がないので、遠い水場まで行かないといけないんです」
「ほう、それでラスリーガンはどうしたんだい?」
「少し考えたあと、準備があるので後日また来てもいいか?と聞いたので、村長は分かったと答えて〈導きの石〉を渡しました」
「〈導きの石〉ってなんだい?」
「あぁ〈導きの石〉というのは迷わずに目的地の場所へと導いてくれる石なんです」
「そんな便利な石があるんだねぇ」
「はい、でも作ることができるのは村の人間でも一部なんです」
「そうなのかい、ラスリーガンは後日やってきたのかい?」
「はい、馬車に乗ってやってきました」
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