小人のポルク

けんはる

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アップルパイ

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ギルドを出たポルクはキャルに乗り
薬師ギルドへと向かった
ギルドへ入ると
「おっポルクとキャルじゃないか、どうしたんだ?」
犬耳の男性が話し掛けてきた
「あっカイナさん、スズさんのアップルパイを食べにきました」
カイナさんはスズさんの孫で立派な薬師になるために修行に来ている
「そうか、じゃあ待ってて」
カイナは奥の部屋へと向かった
キャルがカウンターに降りると
ポルクもカウンターへと降りた
待っているとスズさんが現れた
「ポルク、キャル、よく来てくれたね、もう少し時間が掛かるから、私の部屋でおいで」
と言いながら、手を出してきたので
「はい」
ポルクはスズの手のひらに乗り
キャルはスズの肩にとまった
扉にギルドマスターと書かれた部屋に入ると
壁には色々な薬草の絵が貼り付けられていて
棚には瓶に入った薬草や難しそうな分厚い図鑑等が並べられていた
部屋の中央には
長机とソファーが並べられていた
長机の真ん中には花が飾られていた
ポルクは机と降り
スズはソファーへと座った
キャルはスズの肩に乗ったままだ
「お茶を持ってきたよ」
カイナはお盆にポットとカップを乗せて
入ってきた
「ありがとう、カイナ、あんたも座りなさい」
「まだ、仕事が残ってるだよ」
「そうかい、さっさと終わらせておいで」
「わかったよ」
カイナはお盆を机に置くと部屋を出ていった
スズはお茶を入れながら
「ポルクもいるだろ?」
「はい、貰います」
ポルクは鞄からコップを取り出し
お盆の上へと置いた
スズはティースプーンを使い
1滴だけ注いだ
「いただきます」
ポルクは一口飲み
「美味しいです、このお茶」
「そうかい、それは良かった、このお茶はね、私がブレンドしたハーブティーなんだよ」
「そうなんですか、今ってブレンドが普通なんですか?」
「どういことだい?」
「実はハリルさんもコーヒーをブレンドしていたので」
「あぁ、ハリルにブレンドのことを教えたのは私だからね」
「そうなんですか!?」
「あぁ、ハリルから中々好みのコーヒーがないんだけど、どうしたらいいかな?って相談されてね」
「それでブレンドを教えたんですか?」
「そうだよ、どうやらアップルパイが焼けたようだね」
「どうしてわかったんですか?」
スズは壁を指差し
「あぁ、あれのおかげだよ」
指された方を見ると
壁に貼られた赤い紙があった
「紙?」
スズは紙に近付き、触れると
白紙へと戻った
「どうして白になったの?」
「この紙には設定した時間が来ると色が変わる術式が組み込まれているんだよ」
スズはそういうと部屋を出ていった
(へぇ、便利だなぁ、今度ナタリさんに頼んでみようかな)
ポルクがそう思っていると
スズがアップルパイとナイフと皿をお盆に乗せて戻ってきた
「待たせたね」
お盆を机に置くと
キャルは肩からポルクの隣に降りた
「早速、切り分けようかね」
スズはアップルパイを切り分け
さらに切り分けたのを先の方を3㎝くらい切ったのを
皿に移し、ポルクの前置いた
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます、手を洗いたいので水を貰えないですか?」
スズは人差し指を出し
先に1㎝位の水球を出し
ポルクの前に出した
「これでいいかい?」
「ありがとうございます♪」
ポルクは鞄から綺麗な布を出し
水球に手を入れて洗い終わると
布で手を拭いた
「もういいのかい?」
「はい、大丈夫です」
「そうかい」
スズはそういうと水球は一瞬で蒸発した
ポルクは靴を脱ぎ、皿へと乗ると
キャルはキュイっと鳴き声を上げた
「はいはい、キャルにも上げるね」
スズは同じように切り分け、皿へと置いた
「いただきます」
「はい、どうぞ」
ポルクは両手でアップルパイを持ち、一口食べ
キャルはついばみ始めた
「とても、美味しいです♪スズさん」
「そうかい、それは良かった」
そういうとスズも残った方のアップルパイを食べ始めた
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