ひーやん

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小学6年生までの話

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 陸上大会が終わったあたりから、ひーやんはスクールバスでよく私の近くに座るようになった。授業中に目が合うことが多くなった。
 ひーやんがバスを降りた後、バスは私とちっぴーが降りる次の停留所へと向かう。走り出したバスの中で振り返ると、バスを降りたひーやんと目が合う。どんどん小さくなっていくひーやんは、下ろした左腕を上げることなく、左手のひらをちょっとだけあげて小さく振った。
 私はひーやんが見えるようにバスの左側の席に乗るようになった。
 そのまま夏休みに入った。
 二学期の始業式、ひーやんの姿はなかった。
 一週間経ってもひーやんは学校に来なかった。担任の先生は体調不良だと言った。突然姿を消した人気者にさまざまな憶測が飛び交っていた。
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