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240 秋です 6
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ここはサンローラの街です。
わたしとローラ、陽子さんは氷屋さんを後にして、猫耳亭に向かっています。
ん? 猫?
違いますね。ぬいぐるみです。白猫のぬいぐるみをスリングに入れた小さな女の子が歩いていました。
そう言えば、街の仕立て屋でぬいぐるみを作っているとマギーさんが話していました。
*
街の宿、猫耳亭に着きました。ランチタイムは終わっています。
中に入ると宿の女将さんがいました。
アンナ「エマさん、こんにちは」
エマ 「アンナさん、いらっしゃい」
宿の食堂が広くなっています。
アンナ「今日は秋に収穫した食材を持ってきました」
私たちは従業員用ダイニングに案内されました。
ノエル「アンナお姉ちゃん、こんにちは」
アンナ「こんにちは」
ノエルちゃん、そしてミラちゃんも、黒猫のぬいぐるみをスリングに入れています。
これはわたしの真似でしょうか。
ローラ「かわいいわね」
ダイニングには、宿の主ザックさんと妹夫婦のパティさんとソニーさんがいます。
ザック「アンナさん、いらっしゃい」
アンナ「皆さん、こんにちは。今日は食材を持ってきました」
わたしは、木箱に入ったサツマイモ、カボチャ、栗、柿、キノコを出しました。
ザック「おお、今ちょうど話していたところだ。
秋の食材で何か作ろうって」
アンナ「レシピありますよ」
ザック「本当か」
アンナ「はい」
ソニー「ザックさん、これ」
ザック「アンナさん、これは柿と言って、食べられない果物だ」
アンナ「商業ギルドでも同じことを言われました」
わたしは柿を切って皮を剥きました。そして最初にわたしが食べます。
アンナ「甘くて美味しいです。皆さんもどうぞ」
ぱくっ。
全員 「甘い」
エマ 「驚いたわ、美味しい」
パティ「デザートに出せば、お客さん驚きますね」
ザック「そうだな。出してみるか」
ソニー「アンナさん、すみません、レシピを・・・」
アンナ「はい」
わたしはレシピを出しました。皆さんでレシピを見ています。
ソニー「色々ありますね」
ザック「そうか、こういう使い方があるのか。
勉強になるなあ」
アンナ「ところで、宿で出しているメニューの一覧はありますか?」
ザック「ソニー君」
ソニー「はい」
ソニーさんがメニューの一覧を持ってきました。わたしは目を通します。
やはり・・・
お米を使った料理が少ないです。
アンナ「料理を作るので、厨房を使ってもいいですか?」
ザック「好きに使ってくれ」
でもその前に、わたしはペットサークルを出して、マオを入れました。
すぐにノエルちゃんとミラが寄って来て、なでなでしています。
厨房に入りました。拡張して広くなったいます。
皆さん、わたしに注目しています。
アンナ「今から作る料理、わたしは親子丼と呼んでいます」
ザック「おやこどん?」
わたしはこの街で醤油を普及させていません。
ツアー客が食事したとき、普段の味付けだと異世界旅行の気分が出ないからです。
今回は、洋風の親子丼にします。
わたしは、スキレットにトマトソースを入れて火にかけます。
次に、下味を付けた鳥肉とスライスしたキノコを入れて少し加熱します。
最後に溶き卵とチーズを加えて蓋をしました。
あとは具材に火が通り、ごはんにかけて完成です。
ザック「これが、おやこどん?」
アンナ「はい、鳥肉と玉子で親子丼です」
ザック「面白い名前だ」
アンナ「味付けや具材は自由です。今回は鳥肉を使いましたが、
切ったカツレツでも美味しいです」
ザック「なるほど」
ソニー「ベーコンや牛肉でも作れますね」
ザック「それもいいな」
パティ「これ、私でも作れそうね」
エマ 「白米のレパートリーが増えるわね」
ザック「白米はカレー用だと思い込んでいた。
柔軟に考えないとだめだな」
ソニー「ザックさん、今日のまかない、これにしませんか?」
ザック「そうしよう」
*
私たちは猫耳亭を出ました。
引き止められましたが、今日は仕事をするより、秋を楽しみたい気分です。
アンナ「街の用事はこれで終了です。
次は景色がきれいなところでおやつにしましょう」
ローラ「いいわね」
アンナ「移動します・・・転移」
* * *
私たちは池の畔に転移しました。
ここは以前、朝美さんと政樹さんが新婚旅行でボート遊びをした池です。
上高地に雰囲気が似ている場所です。
周囲の森は紅葉しています。山は雪化粧をしています。
池は景色が映り込み、まるで絵葉書の写真を見ているようです。
わたしは写真を何枚か撮りました。
ローラ「きれいなところね」
アンナ「はい、紅葉がちょうど見頃です」
わたしは適当なところにテーブルとイスを出しました。
そして赤いコンロとコーヒーのセットを出します。マキネッタです。
アンナ「陽子さん、コーヒーを淹れてください」
陽子 「はい」
陽子さんにはマキネッタの使い方を教えてあります。
わたしはマオに子猫用のおやつをあげます。
コポコポコポ・・・
ローラ「いい香りね」
アンナ「おやつ・・・食べますよね?」
ローラ「当然でしょ」
今日は朝から食べてばかりです。
わたしは人数分のモンブランを出しました。
パン屋さんで試食したときには省略しましたが、おやつのモンブランにはマロングラッセがのっていて、粉砂糖をかけてあります。
モンブランは、たしか白い山と言う意味でしたね。
狙ったわけではありませんが、白い山を見ながらモンブランをいただきます。
コーヒーの用意が出来ました。
三人 「いただきます」
ぱくっ。
ローラ「んー、美味しい」
わたしとローラ、陽子さんは氷屋さんを後にして、猫耳亭に向かっています。
ん? 猫?
違いますね。ぬいぐるみです。白猫のぬいぐるみをスリングに入れた小さな女の子が歩いていました。
そう言えば、街の仕立て屋でぬいぐるみを作っているとマギーさんが話していました。
*
街の宿、猫耳亭に着きました。ランチタイムは終わっています。
中に入ると宿の女将さんがいました。
アンナ「エマさん、こんにちは」
エマ 「アンナさん、いらっしゃい」
宿の食堂が広くなっています。
アンナ「今日は秋に収穫した食材を持ってきました」
私たちは従業員用ダイニングに案内されました。
ノエル「アンナお姉ちゃん、こんにちは」
アンナ「こんにちは」
ノエルちゃん、そしてミラちゃんも、黒猫のぬいぐるみをスリングに入れています。
これはわたしの真似でしょうか。
ローラ「かわいいわね」
ダイニングには、宿の主ザックさんと妹夫婦のパティさんとソニーさんがいます。
ザック「アンナさん、いらっしゃい」
アンナ「皆さん、こんにちは。今日は食材を持ってきました」
わたしは、木箱に入ったサツマイモ、カボチャ、栗、柿、キノコを出しました。
ザック「おお、今ちょうど話していたところだ。
秋の食材で何か作ろうって」
アンナ「レシピありますよ」
ザック「本当か」
アンナ「はい」
ソニー「ザックさん、これ」
ザック「アンナさん、これは柿と言って、食べられない果物だ」
アンナ「商業ギルドでも同じことを言われました」
わたしは柿を切って皮を剥きました。そして最初にわたしが食べます。
アンナ「甘くて美味しいです。皆さんもどうぞ」
ぱくっ。
全員 「甘い」
エマ 「驚いたわ、美味しい」
パティ「デザートに出せば、お客さん驚きますね」
ザック「そうだな。出してみるか」
ソニー「アンナさん、すみません、レシピを・・・」
アンナ「はい」
わたしはレシピを出しました。皆さんでレシピを見ています。
ソニー「色々ありますね」
ザック「そうか、こういう使い方があるのか。
勉強になるなあ」
アンナ「ところで、宿で出しているメニューの一覧はありますか?」
ザック「ソニー君」
ソニー「はい」
ソニーさんがメニューの一覧を持ってきました。わたしは目を通します。
やはり・・・
お米を使った料理が少ないです。
アンナ「料理を作るので、厨房を使ってもいいですか?」
ザック「好きに使ってくれ」
でもその前に、わたしはペットサークルを出して、マオを入れました。
すぐにノエルちゃんとミラが寄って来て、なでなでしています。
厨房に入りました。拡張して広くなったいます。
皆さん、わたしに注目しています。
アンナ「今から作る料理、わたしは親子丼と呼んでいます」
ザック「おやこどん?」
わたしはこの街で醤油を普及させていません。
ツアー客が食事したとき、普段の味付けだと異世界旅行の気分が出ないからです。
今回は、洋風の親子丼にします。
わたしは、スキレットにトマトソースを入れて火にかけます。
次に、下味を付けた鳥肉とスライスしたキノコを入れて少し加熱します。
最後に溶き卵とチーズを加えて蓋をしました。
あとは具材に火が通り、ごはんにかけて完成です。
ザック「これが、おやこどん?」
アンナ「はい、鳥肉と玉子で親子丼です」
ザック「面白い名前だ」
アンナ「味付けや具材は自由です。今回は鳥肉を使いましたが、
切ったカツレツでも美味しいです」
ザック「なるほど」
ソニー「ベーコンや牛肉でも作れますね」
ザック「それもいいな」
パティ「これ、私でも作れそうね」
エマ 「白米のレパートリーが増えるわね」
ザック「白米はカレー用だと思い込んでいた。
柔軟に考えないとだめだな」
ソニー「ザックさん、今日のまかない、これにしませんか?」
ザック「そうしよう」
*
私たちは猫耳亭を出ました。
引き止められましたが、今日は仕事をするより、秋を楽しみたい気分です。
アンナ「街の用事はこれで終了です。
次は景色がきれいなところでおやつにしましょう」
ローラ「いいわね」
アンナ「移動します・・・転移」
* * *
私たちは池の畔に転移しました。
ここは以前、朝美さんと政樹さんが新婚旅行でボート遊びをした池です。
上高地に雰囲気が似ている場所です。
周囲の森は紅葉しています。山は雪化粧をしています。
池は景色が映り込み、まるで絵葉書の写真を見ているようです。
わたしは写真を何枚か撮りました。
ローラ「きれいなところね」
アンナ「はい、紅葉がちょうど見頃です」
わたしは適当なところにテーブルとイスを出しました。
そして赤いコンロとコーヒーのセットを出します。マキネッタです。
アンナ「陽子さん、コーヒーを淹れてください」
陽子 「はい」
陽子さんにはマキネッタの使い方を教えてあります。
わたしはマオに子猫用のおやつをあげます。
コポコポコポ・・・
ローラ「いい香りね」
アンナ「おやつ・・・食べますよね?」
ローラ「当然でしょ」
今日は朝から食べてばかりです。
わたしは人数分のモンブランを出しました。
パン屋さんで試食したときには省略しましたが、おやつのモンブランにはマロングラッセがのっていて、粉砂糖をかけてあります。
モンブランは、たしか白い山と言う意味でしたね。
狙ったわけではありませんが、白い山を見ながらモンブランをいただきます。
コーヒーの用意が出来ました。
三人 「いただきます」
ぱくっ。
ローラ「んー、美味しい」
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