異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

文字の大きさ
上 下
221 / 243

221 修学旅行3日目です 1

しおりを挟む
 ここは飛行島のコテージです。

 修学旅行3日目の朝です。
 わたしは日課にトレーニングを終えてあと、シャワーを浴びました。

アンナ「陽子さん、マオにフードとお水をあげてください」
陽子 「はい」

 わたしは朝食の準備をします。

     *

 今日の朝食はモロッコ料理です。
 ハリラ、ベルベルオムレツ、ホブスです。

ハリラ
 豆、野菜、肉などで作るとろみのあるスープです。北アフリカで広く食べられています。
 地域や家庭ごとに様々なレシピがあります。日本で言えば味噌汁のような料理です。
 作り方は、鍋にオリーブ油を入れて牛肉炒めます。そこに刻んだ玉ネギ、ニンニク、ショウガを加えて炒めます。
 玉ネギがしんなりしたら、水、トマトペースト、ひよこ豆、レンズ豆を入れて煮込みます。
 具材が柔らかくなったら、クスクス、水で溶いた小麦粉、塩、ターメリック、クミンなどの香辛料を加えて、とろみがついたら完成です。

ベルベルオムレツ
 タジン鍋にオリーブ油を入れて、刻んだ玉ネギとトマトを炒めます。
 トマトの水分が少なくなったら、塩と胡椒を入れた溶き卵を入れて、軽くかき混ぜます。
 そこにチーズとパセリ加えて、蒸し焼きにします。

ホブス
 モロッコで日常的に食べる円形のパンです。
 ホブスはたくさんの種類があります。
 今回は、小麦粉、砂糖、塩、オリーブ油、酵母で作るオーソドックスなパンにしました。
 焼きたては、外がカリカリ、中がモチモチです。ちぎってハリラやオムレツと一緒に食べます。

     *

 朝食の準備が出来ました。
 皆さん着席しています。
 わたしは料理の結界を解除しました。

アンナ「いただきます」
全員 「いただきます」

 ぱくぱく・・・

女子 「美味しいね」
女子 「うん」

 わたしは料理の説明をします。

女子 「このパン、焼きたて」
女子 「本当だ。いい匂い」

男子 「スープがうまい」
男子 「からそうに見えたけど、あんまり辛くない」

高木 「いいですね。こういう朝ごはん」
志村 「ホテルの朝食と違って、素朴そぼくな味です」
加藤 「海外で食べる、家庭の朝ごはんみたいな感じですね」

 インターネットの旅行ガイドを見ると、ホテルやレストランで食べる観光客向けの朝食が紹介させていますが、地元の人が食べる朝食の情報は少ないです。

ローラ「これ、かわいい鍋ね」
アンナ「モロッコのタジン鍋です」
高木 「私、これ持っています。
    2回だけ使って、それっきりですけど」
アンナ「鍋料理や蒸し料理に使えて便利ですよね」

 修学旅行のために、わざわざ作りました。

加藤 「ベルベルオムレツのベルベルって、何ですか?」
アンナ「北アフリカの民族ベルベル人が考案したオムレツ
    と言われています」
加藤 「ベルベル人、なるほど」

     *

 朝食が終わりました。

アンナ「ごちそうさまでした」
全員 「ごちそうさまでした」

 わたしは陽子さんと食器を片付けます。
 生徒の皆さんはツアーに出掛ける準備をします。

 わたしは、キャリーバッグにマオを入れてコテージの外に出ます。ローラと陽子さんも一緒です。
 外では生徒が整列して待っていました。
 わたしはMTVを出しました。
 そして搭乗します。ローラとマオは先頭の席です。
 生徒に続き、志村先生も搭乗しました。MTVのタラップは収納しました。

アンナ「出発します」

 MTVはゆっくりと上昇します。B組のMTVもついてきます。

アンナ「魔法で移動します・・・転移」


*    *    *


 転移先は、鳴き砂の海岸に近い、海の上空です。
 
 わたしはMTVに光学迷彩をかけます。
 MTVは、ゆっくりと高度を下げて着水しました。そのまま海中に潜航します。
 ここは砂地の浅い海です。古代生物が生息しています。

男子 「変な海草」
アンナ「あれは海綿の仲間です」

アンナ「それからあそこの海底にいるのが三葉虫です」

 わたしはMTVを三葉虫に近づけます。

女子 「あ、こっちにもいる」

 大きな生き物がこちらに近づいてきました。

アンナ「あちらをご覧ください」

女子 「何あれ?」
アンナ「アノマロカリスです。5億年前のカンブリア紀に
    地球でも生息していました」
女子 「こんなのが地球にもいたんだ」
男子 「CGで見たことある」
ローラ「面白い生き物ね」

 全長1mのアノマロカリスは海底に近づき、小さな三葉虫を触手で捕食しました。

男子 「すげえ」

 わたしはMTVをアノマロカリスに近づけます。
 アノマロカリスは海底から浮上して、再び泳ぎ始めました。

女子 「目が大きい」
アンナ「あの目は、昆虫と同様の複眼です。
    周囲360度を見ることが可能です」
女子 「すごい」

 今度は下に回り込みます。

男子 「下はこうなっているのか」
男子 「あの丸いのは、くち?」
アンナ「はい、そうです」
男子 「なんかやばい」

 わたしはアノマロカリスから離れます。B組も近くで見たいはずです。

 B組のMTVがアノマロカリスに近づきました。
 同様に観察しています。

     *

 そろそろ移動しましょう。
 わたしはMTVを沖に向かって進めました。MTVは沈降します。
 周囲がだんだん暗くなってきました。
 わたしはMTVの周囲に、光魔法で複数の照明を作りました。

女子 「暗くなってきたね」
アンナ「ここは水深200m付近です。太陽光はほとんど届きません」

 見えてきました。

アンナ「あれをみてください」

女子 「なにあれ?」



アンナ「巨大アンモナイト、パラプゾシアです」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが

米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。 その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。 更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。 果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!? この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

神の使いでのんびり異世界旅行〜チート能力は、あくまで自由に生きる為に〜

和玄
ファンタジー
連日遅くまで働いていた男は、転倒事故によりあっけなくその一生を終えた。しかし死後、ある女神からの誘いで使徒として異世界で旅をすることになる。 与えられたのは並外れた身体能力を備えた体と、卓越した魔法の才能。 だが骨の髄まで小市民である彼は思った。とにかく自由を第一に異世界を楽しもうと。 地道に進む予定です。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

処理中です...