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ゑゐる

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178 代官とサブミス 3(別視点)

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* 別視点 マギー side *

 ここは、街の中。
 
 マギーは氷屋でアイスクリームのレシピを入手した。
 その後、アンナを見かけたら、商業ギルドに来るように、立ち寄り先に依頼した。
 そしてアイスクリームのレシピを仮登録した。
 マギーは代官の元へ、馬で向かっている。


*    *    *


マギー「お代官様、まだ猫耳亭にいるかしら?」

 猫耳亭が見えてきた。
 あれは、お代官様の馬車。ちょうど帰るところみたい。

マギー「お代官様、アイスクリームのレシピを入手しました」
ポール「そうか、よくやったくれた。感謝する」

 私は馬を降りて、レシピを渡しました。

マギー「あとは、ぬいぐるみですね」
ポール「ああ・・・王都への出立は延期にしよう」
マギー「はい」
ポール「私は屋敷に戻る。何かあれば、屋敷に連絡を頼む」
マギー「わかりました」

 お代官様の家族は馬車に乗り、屋敷に帰って行きました。

 あー、疲れた。今日の午後は馬で走ってばかりね。

 さて、私もギルドに帰ります。

     *

 私は厩舎きゅうしゃに馬を戻しました。

マギー「戻りました・・・
    レシピは、お代官様にお渡ししました」
ジーナ「ご苦労様・・・あとは、ぬいぐるみね」
マギー「はい。あとはアンナさん次第です」
ジーナ「いつ来るのかしら?」
マギー「わかりません。気まぐれな人ですから」
ジーナ「早く来てくれないかしら」
マギー「あ・・・アンナさん」

 うわさをすれば・・・

アンナ「村長さんに話を聞いて、伺いました」

ジーナ「奥の部屋へ」
マギー「はい」

 私はアンナさんを応接室に案内しました。

ジーナ「座ってください」
マギー「単刀直入に申します。ぬいぐるみを譲ってください。
    もちろん、おカネはお支払いします」

アンナ「・・・・・・かなり困っていますか?」
マギー「はい。かなり困っています」

アンナ「・・・・・・わかりました。お譲りします」
ジーナ「ありがとうございます」
マギー「ありがとうございます」

 テーブルに黒猫のぬいぐるみが現れました。

マギー「これです。猫耳亭にあったものと同じです。
    アンナさん、これを登録してください」

 テーブルに1枚用紙が現れました。

マギー「これは・・・型紙ですか?」
アンナ「はい。これで登録できますか?」
マギー「はい。できます。
    それと、アイスクリームの登録もお願いします」
アンナ「わかりました」

ジーナ「マギー、あとは私に任せなさい。
    あなたは代官屋敷へ・・・」
マギー「はい」

 私は、ぬいぐるみを持って応接室を出ます。

マギー「失礼します」

 私は、馬で代官屋敷に向かいました。

     *

 代官屋敷に到着しました。
 守衛は私の顔を知っているの、門を開けてくれました。

 私は馬繋ばけいを利用しました。
 そして扉をノックします。

 コン、コン、コン。
 メイドが出てきました。

マギー「ギルドのマギーです。ぬいぐるみの件で伺いました。
    お代官様にお目通り願います」
メイド「少々お待ちください」

 玄関で少し待ちます。

     *

 扉が開きました。

マギー「お代官様」

 お代官様自身が玄関に出向くなんて・・・

ポール「おお、それは・・・娘が欲しがっていた・・・」

ポール「娘に直接渡してくれ」
マギー「はい」

 私はお代官様に案内されました。

 コン、コン、コン。

ポール「私だ、入るぞ」

 リビングです。
 ローテーブルの上には、黒猫の絵が数枚ありました。

マギー「お嬢様、これをどうぞ」

リリー「ああ、ねこ」

 私はぬいぐるみを渡しました。

リリー「ありがとう」
クレア「リリー、よかったわね・・・マギーさん、ありがとう」
マギー「お役に立てて、よかったです」
ポール「ずいぶん早く入手できたな。感謝する」
マギー「ギルドの職務を遂行しただけです」

マギー「王都へは、いつ行かれますか?」
ポール「そうだな・・・明後日の朝はどうだ?」
マギー「はい。大丈夫です」

 王都への出立の日時は、明後日の朝です。

     *

 私はギルドに戻りました。
 そして、ぬいぐるみの件をギルミスに報告しました。

 今日は忙しかったけど、充実した一日だった。


*    *    *


 王都に出立する当日の朝。

 私は代官屋敷の敷地にいます。

 私たちは馬車に乗りました。
 馬車は全部で4台。
 お代官様家族が乗る馬車、私とメイドが乗る馬車、荷馬車、使用人と護衛が乗る馬車。
 馬車の前後は馬に乗った護衛。

ポール「出立」

 使用人たちが見送る中、馬車が動き始めました。



 私たちは、王都に向けて出立しました。
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