異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

文字の大きさ
上 下
177 / 243

177 代官とサブミス 2(別視点)

しおりを挟む
* 別視点 ポール side *

 ここは、街の中。

 ポールは猫耳亭を出て、商業ギルドに向かっていた。
 氷屋の前に人集ひとだかりが出来ている。
 ポールは馬車を降りて、氷屋に向かった。


*    *    *


ポール「なんの騒ぎだ?」
スミス「お代官様」

 みな静かになった。

スミス「新商品の販売です」
ポール「新商品とは、いま手に持っているものか?」
スミス「はい。アイスクリームといいます」
ポール「ひとつくれ」

 私は、カネを支払い、アイスクリームを受け取った。食べてみる。

ポール「うまい。ギルドでレシピを買ったのか?」
スミス「いいえ。アンナさんに直接教えてもらいました」
ポール「そうか」

客たち「売ってくれ・・・」

 騒ぎになるはずだ。これは、うまい。器は焼き菓子で出来ている。よく考えたものだ。

 私は馬車に戻った。

ポール「商業ギルドに向かってくれ」

 馬車が動き始めた。

 この冷たい菓子は、夏に食べるものだ。レシピを季節はずれに献上するわけにはいかない。
 すぐにレシピを入手する必要がある。

 ぬいぐるみとアイスクリームのレシピ、入手出来なければ、王都への出立を延期しなければならない。
 商業ギルドに情報があるだろうか。

     *

 商業ギルドに馬車が到着した。私は中に入った。

ポール「マギーは、いるか?」
マギー「お代官様」

 私はマギーにアイスクリームとぬいぐるみのことを尋ねた。


*    *    *


* 別視点 マギー side *

マギー「アイスクリームとぬいぐるみ、情報と登録がありません。
    申し訳ない思いです」
ポール「なんとしても、入手したい」
ジーナ「マギー、すぐに氷屋に向かって、
    そのあと、アンナさんが立ち寄る場所に行って話を・・・
    馬を使いなさい」
マギー「はい」

 わたしはギルドを出て、馬で氷屋に向います。

     *

 氷屋に到着です。
 私は馬繋ばけいに馬を停めました。

 すごい人気にんきね。私も食べたい。
 私は工房に向かった。

マギー「ライラさん、こんにちは。
    アイスクリームのレシピ、ありますか?」
ライラ「はい。アンナさんが書いたものですが」
マギー「必ず返しますので、貸してください」
ライラ「はい」

 いま作っているのが、アイスクリームね。

ライラ「これがレシピです」
マギー「確認します」

 アンナさんが書いたレシピです。間違いありません。

マギー「お借りします」

マギー「それと・・・1個売ってください」
ライラ「はい」

 私はおカネを支払い、アイスクリームを受け取りました。食べます。

マギー「美味しい」

 冷たくて、甘くて、最高。手で持つ器が焼き菓子で出来ているのね。

ライラ「想像以上の忙しさです」
マギー「人を雇ったほうがいいですよ」
ライラ「はい。焼き菓子を作る人と店頭で売る人が必要ですね」

 アイスクリームが食べ終わりました。

 次は、ぬいぐるみの現物を確認するため、猫耳亭に向かいます。

     *

 猫耳亭に到着しました。

 ちょうどランチタイムが終わったみたいです。私は中に入りました。

マギー「エマさん、こんにちは。ぬいぐるみを見せてください」
エマ 「はい。娘たちが持っています。
    客室にいるので、ご案内します」
マギー「お願いします」

 私は客室に案内されました。

 コン、コン、コン。

エマ 「エマです。ギルドのマギーさんをお連れしました」
クレア「どうぞ」
エマ 「失礼します」
マギー「失礼します」

 ぬいぐるみはテーブルとベッドの上にありました。
 子供達はベッドに座り、黒猫の絵を描いています。

マギー「これがぬいぐるみ・・・かわいい。
    アンナさんが連れていた猫にそっくり」
クレア「大人でも欲しくなります」
マギー「はい。私も欲しいです」

マギー「触ってもいいですか?」
エマ 「どうぞ」

マギー「柔らかい・・・それに軽い」

 外側は、肌触りがいい布製、中身は綿? 羽毛かしら?
 足と尻尾が動くようになっている。
 特徴は、わかった。

クレア「手に入るかしら?」
マギー「アンナさんが来たら、交渉してゆずってもらいます」
クレア「お願いするわ」
マギー「はい」

     *

 私は猫耳亭を出ました。
 そして、アンナさんが立ち寄る場所すべてを回り、声をかけてギルドに戻りました。

マギー「アイスクリームのレシピを入手しました。
    それから、アンナさんを見かけたらギルドに来るよう、
    街の人に伝えました」
ジーナ「お土産は? 」
マギー「氷魔法で作るお菓子です。
    溶けるので、持ち帰ることはできません」
ジーナ「仕方ないわね・・・レシピを仮登録したら、
    お代官様のところに行きなさい」
マギー「はい」

     *

 私はアイスクリームのレシピを写して、仮登録をしました。

マギー「お代官様にアイスクリームのレシピを届けてきます」
ジーナ「頼むわね」



 私は、馬でお代官様のところに向かいます。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し

gari
ファンタジー
 突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。  知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。  正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。  過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。  一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。  父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!  地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……  ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!  どうする? どうなる? 召喚勇者。  ※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。  

転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜

上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】  普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。 (しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます) 【キャラクター】 マヤ ・主人公(元は如月真也という名前の男) ・銀髪翠眼の少女 ・魔物使い マッシュ ・しゃべるうさぎ ・もふもふ ・高位の魔物らしい オリガ ・ダークエルフ ・黒髪金眼で褐色肌 ・魔力と魔法がすごい 【作者から】 毎日投稿を目指してがんばります。 わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも? それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。

ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。 飲めないお酒を飲んでぶったおれた。 気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。 その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

処理中です...