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ここは教会の隣、孤児院です。
ここの子供達は午前中に街の清掃や教会のお手伝いをしています。
街の清掃は、わたしがギルド経由で報酬を支払っています。
午後は勉強をしたり、遊んだりしているそうです。
子供の数は男の子6人、女の子6人、計12人です。
年齢は、下が5歳、上は10歳です。
ここの孤児院は、わたしが異世界ツアーを実施する際、検疫の練習に協力してもらいました。
そのお礼の意味で、教会に寄付をしたり、建物の補修、キララ窓の改装、トイレの設置を行いました。
それ以外に、食材、古着、文房具などの提供もしています。
孤児といえば一般的に貧しいイメージですが、ここの子供達は人並みの生活をしています。
*
わたしは今日、陽子さんに街を見せて回っています。幼女ローラも一緒です。
アンナ「ローラ、マオを降ろしてください。ペットサークルを出します」
ローラ「わかったわ」
わたしはペットサークルとひんやりシート、お水を出しました。
そして、ひんやりシートの上にマオをのせます。涼しくて気持ちいいと思います。
マオは早速、お水を飲んでいます。
*
さて、今日は晴れていますが、雲が多いのであまり気温は上昇していません。
湿度も日本のように高くないので、スポーツをしても大丈夫です。
わたしはアイテムボックスからバスケットを出します。
中には、柔らかい樹脂製のカラーボールが10個入っています。
このボールは、わたしが天然樹脂から作ったものです。カラフルな着色をしてあります。
アンナ「皆さんに、これから手打ち野球を教えます」
わたしはイラストを見せながら子供達にルールを説明しました。
手打ち野球とは、1チーム5人以上でプレイする野球です。ピッチャーとキャッチャーは、いません。
打者は自分でボールを持ち、握りこぶしでボールを打ちます。ほかのルールは普通の野球とほぼ同じです。
自由にボールが打てるので、三振とホームランはありません。盗塁もありません。
自分の手で打つので、手打ち野球と言います。バットとグラブが不用なので、気軽に遊ぶことができます。
*
陽子 「手打ち野球、ルール、記録しました」
ローラ「私も、やりたい」
アンナ「わかりました。陽子さんも参加してください」
陽子 「はい」
わたしは、男女混合にして適当に7人ずつのチームをつくりました。
次にダイヤモンドとベースを土魔法で描きました。
アンナ「皆さん、集まってください」
アンナ「陽子さんは内野に、ローラは1塁についてください」
陽子 「はい」
ローラ「わかったわ」
二人が守備に着きました。
わたしはバッターボックスで打ち方の見本を見せます。
アンナ「右利きの人は、左手でボールを軽く上げて、右手で打ちます」
ぽん。
わたしはボールを打って、1塁に走ります。
セーフ
アンナ「ボールより早くベースに着けばセーフ、遅れたらアウトです。
皆さん、二人一組になって、ボールを投げる、取る、打つ、
の練習をしましょう」
わたしはボールを配りました。
子供達は練習を開始します。
ローラ「陽子ちゃん、一緒にやりましょう」
陽子 「はい」
その間に攻撃陣のベンチを用意します。
わたしは天幕に人数分のイスを一列に並べました。
テーブルの上には、スポーツドリンクと人数分のコップを用意します。
次はスコアボードです。
前もって作っておいた長方形の黒板とチョークを用意しました。
チーム名はリーダーの名前がいいですね。あとで聞きましょう。
*
10分経ちました。
アンナ「チームごとに集まってください」
二つのチームに分かれました。
アンナ「キャプテンを決めてください」
*
キャプテンが決まりました。
10歳の男の子ケンと10歳の女子メリーです。
アンナ「皆さんで話し合って、打順と守備位置を決めてください」
*
決まりました。
アンナ「ジャンケンで先攻と後攻を決めてください」
この世界にもジャンケンがあります。
ジャン・ケン・ポン。
ケンが勝ちました。
アンナ「先攻、後攻、どちらにしますか?」
ケン 「先攻で」
アンナ「わかりました」
アンナ「ケンチームはベンチに、メリーチームは守備についてください」
アンナ「最初の打者は打席に入ってください」
ちなみに、ローラはケンチーム、陽子さんはメリーチームです。
わたしは審判とルールのアドバイザーをします。
試合は9回だと長いので、今回は5回にしました。
5回あれば打順が2回以上回ってきます。
*
両チーム共、準備が整いました。
アンナ「ケンチーム対メリーチーム、5回行います」
アンナ「プレイボール!」
試合が始まりました。
*********************************
余談
筆者は子供のころ、手打ち野球をして遊びました。
子供達の間では「手打ち」と呼ばれていました。
大人になって、昔のことを思い出し、ネットで「手打ち」を検索したところ、表示されたのは、手打ちうどん、手打ちそばです。ちょっとショックでした。
今まで横浜だけのローカルな遊びだと、ずっと思っていました。
ところが先日、日本だけではなく、世界中に手打ち野球の競技者がいることを知り、驚愕しました。
皆さんは手打ち野球をご存知ですか?
ここの子供達は午前中に街の清掃や教会のお手伝いをしています。
街の清掃は、わたしがギルド経由で報酬を支払っています。
午後は勉強をしたり、遊んだりしているそうです。
子供の数は男の子6人、女の子6人、計12人です。
年齢は、下が5歳、上は10歳です。
ここの孤児院は、わたしが異世界ツアーを実施する際、検疫の練習に協力してもらいました。
そのお礼の意味で、教会に寄付をしたり、建物の補修、キララ窓の改装、トイレの設置を行いました。
それ以外に、食材、古着、文房具などの提供もしています。
孤児といえば一般的に貧しいイメージですが、ここの子供達は人並みの生活をしています。
*
わたしは今日、陽子さんに街を見せて回っています。幼女ローラも一緒です。
アンナ「ローラ、マオを降ろしてください。ペットサークルを出します」
ローラ「わかったわ」
わたしはペットサークルとひんやりシート、お水を出しました。
そして、ひんやりシートの上にマオをのせます。涼しくて気持ちいいと思います。
マオは早速、お水を飲んでいます。
*
さて、今日は晴れていますが、雲が多いのであまり気温は上昇していません。
湿度も日本のように高くないので、スポーツをしても大丈夫です。
わたしはアイテムボックスからバスケットを出します。
中には、柔らかい樹脂製のカラーボールが10個入っています。
このボールは、わたしが天然樹脂から作ったものです。カラフルな着色をしてあります。
アンナ「皆さんに、これから手打ち野球を教えます」
わたしはイラストを見せながら子供達にルールを説明しました。
手打ち野球とは、1チーム5人以上でプレイする野球です。ピッチャーとキャッチャーは、いません。
打者は自分でボールを持ち、握りこぶしでボールを打ちます。ほかのルールは普通の野球とほぼ同じです。
自由にボールが打てるので、三振とホームランはありません。盗塁もありません。
自分の手で打つので、手打ち野球と言います。バットとグラブが不用なので、気軽に遊ぶことができます。
*
陽子 「手打ち野球、ルール、記録しました」
ローラ「私も、やりたい」
アンナ「わかりました。陽子さんも参加してください」
陽子 「はい」
わたしは、男女混合にして適当に7人ずつのチームをつくりました。
次にダイヤモンドとベースを土魔法で描きました。
アンナ「皆さん、集まってください」
アンナ「陽子さんは内野に、ローラは1塁についてください」
陽子 「はい」
ローラ「わかったわ」
二人が守備に着きました。
わたしはバッターボックスで打ち方の見本を見せます。
アンナ「右利きの人は、左手でボールを軽く上げて、右手で打ちます」
ぽん。
わたしはボールを打って、1塁に走ります。
セーフ
アンナ「ボールより早くベースに着けばセーフ、遅れたらアウトです。
皆さん、二人一組になって、ボールを投げる、取る、打つ、
の練習をしましょう」
わたしはボールを配りました。
子供達は練習を開始します。
ローラ「陽子ちゃん、一緒にやりましょう」
陽子 「はい」
その間に攻撃陣のベンチを用意します。
わたしは天幕に人数分のイスを一列に並べました。
テーブルの上には、スポーツドリンクと人数分のコップを用意します。
次はスコアボードです。
前もって作っておいた長方形の黒板とチョークを用意しました。
チーム名はリーダーの名前がいいですね。あとで聞きましょう。
*
10分経ちました。
アンナ「チームごとに集まってください」
二つのチームに分かれました。
アンナ「キャプテンを決めてください」
*
キャプテンが決まりました。
10歳の男の子ケンと10歳の女子メリーです。
アンナ「皆さんで話し合って、打順と守備位置を決めてください」
*
決まりました。
アンナ「ジャンケンで先攻と後攻を決めてください」
この世界にもジャンケンがあります。
ジャン・ケン・ポン。
ケンが勝ちました。
アンナ「先攻、後攻、どちらにしますか?」
ケン 「先攻で」
アンナ「わかりました」
アンナ「ケンチームはベンチに、メリーチームは守備についてください」
アンナ「最初の打者は打席に入ってください」
ちなみに、ローラはケンチーム、陽子さんはメリーチームです。
わたしは審判とルールのアドバイザーをします。
試合は9回だと長いので、今回は5回にしました。
5回あれば打順が2回以上回ってきます。
*
両チーム共、準備が整いました。
アンナ「ケンチーム対メリーチーム、5回行います」
アンナ「プレイボール!」
試合が始まりました。
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余談
筆者は子供のころ、手打ち野球をして遊びました。
子供達の間では「手打ち」と呼ばれていました。
大人になって、昔のことを思い出し、ネットで「手打ち」を検索したところ、表示されたのは、手打ちうどん、手打ちそばです。ちょっとショックでした。
今まで横浜だけのローカルな遊びだと、ずっと思っていました。
ところが先日、日本だけではなく、世界中に手打ち野球の競技者がいることを知り、驚愕しました。
皆さんは手打ち野球をご存知ですか?
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