異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

文字の大きさ
上 下
144 / 243

144 恐竜ツアー2日目です 4

しおりを挟む
 ここは白い砂浜の上空です。

 私たちはオパビニアがいた海から転移してきました。
 ここは以前、無料招待で訪れた鳴き砂の海岸です。
 わたしはMTVを着地させました。

アンナ「すみません。MTVの空気を入れ替えます」

 うそです。空気は、アイテムボックスに収納してある空気と入れ替えることが出来ます。
 本当の目的は、お花摘みです。
 わたしはMTVの側面を開放して、離れたところにトイレを出しました。
 吉田さんはトイレに向かいます。

 ぎゅっ、ぎゅっ・・・

中村 「なんだこれ? 音がするぞ」
アンナ「鳴き砂と言います」
西川 「異世界の砂って、音がするんだ」
アンナ「鳴き砂の海岸は、日本にもありますよ」
西川 「そうなんだ」
中村 「俺も知らなかった」

     *

 トイレと水分補給が終わりました。

アンナ「きれいな海岸なので、写真を撮りましょう」

 わたしは、三人と海の写真を撮ります。なぜか今回も吉田さんが真ん中です。

 カシャ。

アンナ「それでは出発しましょう」

 私たちはMTVに乗り込みました。
 MTVは砂浜を滑るように進みます。そしてそのまま海上をボートのように航行しました。
 わたしはMTVの速度を落として、海中に潜航しました。
 少し進むと見えてきました。

西川 「いた」
中村 「すげえ」

 アノマロカリスです。全長1mの甲殻類です。上側は青緑色、下側は白色です。
 側面にある、たくさんのヒレで泳ぎます。前方にある二本のおおきな触手が特徴です。

 私たちは撮影を開始しました。様々なアングルで撮影します。

西川 「すごい。本物だ。感動です」
中村 「CGみたいだな」
吉田 「うん」
西川 「CGと泳ぎ方が同じだ」

 皆さん、大興奮です。

西川 「これがカンブリア紀の地球にいたんです。やばいです」

 アノマロカリスが泳ぐ先に、小さなアンモナイトがプカプカただよっています。
 触手を伸ばして・・・

 ぱくり。

 アンモナイトを殻ごとバリバリ食べています。

西川 「CGと同じ食べ方だ。すごい」
中村 「あの触手と口、やばい。」
西川 「吉田さん、アノマロカリスをどう思う?」
吉田 「・・・か、かっこいい」
西川 「やっぱりそう思うよね」
吉田 「うん」

アンナ「記念撮影をしましょう」
西川 「何枚か撮って」
アンナ「わかりました」

 写真を撮ります。今回も吉田さんが真ん中です。

 カシャ。

アンナ「アングルを替えます」

 カシャ。

アンナ「もう一枚」

 カシャ。

西川 「写真見せて」
アンナ「はい」

 わたしはカメラの液晶画面を見せました。

西川 「よく撮れてる。いい記念になったよ」
アンナ「帰ったら写真のデータを差し上げます」
西川 「うん。ありがとう」

西川 「そうだ、吉田さん・・・吉田さんが見たい生き物は何かな?」
吉田 「・・・ス、ステゴ・・・サウルス」
西川 「僕の好きな恐竜だ」
中村 「いいな、ステゴ。俺も見たい」
アンナ「わかりました。ちょっと待ってください」

 わたしは千里眼で場所を確認します・・・・・・いました。

アンナ「次はステゴサウルスを見に行きます」

 吉田さんは笑顔です。

アンナ「その前に・・・近くの深海に巨大アンモナイト、パラプゾシアがいますが、
    どうしますか?」
西川 「見たい」
中村 「俺も」
吉田 「わ、私も」

アンナ「それでは、先にアンモナイトを見に行きます」

 わたしはMTVを高速で潜航させて、深海に向かいました。

     *

 陽光が届かなくなり、周囲が暗くなってきました。ライトの魔法で明るくします。

 見えてきました。前回より浅いところにいます。

西川 「うわっ、でかい」
中村 「でけえ」

 巨大アンモナイト、パラプゾシアです。殻は直径は2mで色はベージュ、うすい縞模様があります。
 殻の開口部から白い触手がたくさん伸びています。

 私たちは撮影を開始しました。様々アングルで撮影します。

西川 「オウムガイと比べて、触手の数が少ないですね」
中村 「ああ、10本くらいか。しかも太い」
西川 「殻をかぶったイカみたいですね」
中村 「そうだな。」
西川 「現在、地球にいるオウムガイはアンモナイトから進化した
    わけではないんですよね」
中村 「そうだ。むしろ逆で、アンモナイトがオウムガイから分化した
    というのが通説だ」
西川 「オウムガイの方が古いわけですね」
中村 「まさに生きた化石だな」

アンナ「記念写真を撮りましょう」

 わたしは、三人と巨大アンモナイトの写真を撮ります。

 カシャ。

 いい写真が撮れました。

アンナ「ステゴサウルスを見に行く前に、食事にしませんか?
    お腹すきましたよね」
中村 「そういえば腹減ったな」
西川 「はい」
吉田 「うん」
アンナ「それでは、地上に戻って昼食にします」

アンナ「転移」



 次は昼食です。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ミミック派遣会社 ~ダンジョンからのご依頼、承ります!~

月ノ輪
ファンタジー
ダンジョンと言えば宝探し、宝探しと言えば宝箱。冒険者達は今日もそれを探しにダンジョンに潜る。 だが、そんな冒険者達の心をへし折る存在がいる。それは『ミミック』。宝箱を始めとした色んなものに化け、潜み、不意打ちをしかけるあの魔物である。 そんなミミックを取り扱う会社がある。その名も、『ミミック派遣会社』 社長を務めるは上位ミミックの“ミミン”、そして彼女の秘書として補佐するは悪魔族女性“アスト” 彼女達2人は今日も依頼を受け、各地のダンジョンを巡っていく―! ※他各サイトとの重複投稿となります。 ※季節のネタを含んでいるため、お読みになる際は周囲との気温差にご注意ください。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

烙印騎士と四十四番目の神

赤星 治
ファンタジー
生前、神官の策に嵌り王命で処刑された第三騎士団長・ジェイク=シュバルトは、意図せず転生してしまう。 ジェイクを転生させた女神・ベルメアから、神昇格試練の話を聞かされるのだが、理解の追いつかない状況でベルメアが絶望してしまう蛮行を繰り広げる。 神官への恨みを晴らす事を目的とするジェイクと、試練達成を決意するベルメア。 一人と一柱の前途多難、堅忍不抜の物語。 【【低閲覧数覚悟の報告!!!】】 本作は、異世界転生ものではありますが、 ・転生先で順風満帆ライフ ・楽々難所攻略 ・主人公ハーレム展開 ・序盤から最強設定 ・RPGで登場する定番モンスターはいない  といった上記の異世界転生モノ設定はございませんのでご了承ください。 ※【訂正】二週間に数話投稿に変更致しましたm(_ _)m

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

処理中です...