異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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110 新婚旅行3日目です 5

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 ここは飛行島のコテージ、客室前です。

 コン、コン、コン。

アンナ「アンナです」
政樹 「どうぞ。」
アンナ「準備出来ていますね。確認します」

 わたしは、政樹さんの身支度みじたくをチェックしました。問題ありません。

政樹 「あの、これって・・・」
アンナ「説明はあとです・・・転移」


*    *    *


 転移先はグンマー帝国、リューキの教会、礼拝堂前です。

政樹 「教会?」
アンナ「ここで待っていてください・・・転移」


*    *    *


 政樹さんを教会に残し、わたしだけコテージの客室前に転移しました。

 コン、コン、コン。

アンナ「アンナです」
朝美 「どうぞ」

アンナ「最終確認をします」

 わたしは、朝美さんの全身をチェックしました。
 問題ありません。

アンナ「座ってください」

 わたしは、花嫁のベールダウンをしました。
 本来はお母様の役割ですが、仕方がありません。

アンナ「それでは立ってください」

 わたしは靴に履き替えます。

アンナ「魔法で移動します・・・転移」


*    *    *


 転移先はリューキの教会、礼拝堂前です。
 政樹さんが待っていました。

朝美 「政樹・・・かっこいい」
政樹 「朝美こそ・・・すごくきれいだ」

 周辺には人がたくさんいます。特に10代の女性が多いです。
 うわさを聞いて集まったようですね。

アンナ「せっかくなので、お二人で見物人に手を振ってください」

 二人は見物人に手を振ります。

 キャー・・・
 キャー・・・
 キャー・・・

政樹 「アイドルかよ」
朝美 「なんか恥ずかしい」
アンナ「写真を撮ります。腕を組んでください」

 わたしは礼拝堂の前で写真を撮ります。

 カシャ。

アンナ「次は礼拝堂に入ります」

アンナ「扉を開けてください」

 礼拝堂の扉が開きます。

 音楽が流れます。
 メンデルスゾーン作曲「結婚行進曲」です。

二人 『?』
アンナ「祭壇のところまで、ゆっくり進んでください」

 二人は礼拝堂に入り、青い絨毯じゅうたんの上をゆっくり進みます。
 わたしはその後ろを歩きます。
 礼拝堂の中はウェディング用に、白と青の装飾を施してあります。

朝美 「美波? 聖子?・・・友達、お母さん・・・」
政樹 「え? どういうこと?」
朝美 「フォトウェディングのはず・・・」(泣)
アンナ「うそをつきました。サプライズウェディングです」
政樹 「なんでみんないるの?」
アンナ「召喚しました。」
政樹 「・・・・・・」

女性 「朝美きれい」
男性 「政樹かっこいいぞ」
女性 「朝美よかったね」
男性 「政樹うらやましいいいぞ」

 ゲストが二人を出迎え、声をかけます。
 男性の友人が動画の撮影をしています。

朝美 「みんな、ありがと・・・」(泣)
政樹 「みんな、ありがとう」

 二人は祭壇の前に着きました。
 わたしは、二人の後ろで介添人をします。
 それと、カメラで撮影もします。

ソフィ「私は、この教会に司祭ソフィです」
クララ「私は、助祭のクララです」

ソフィ「これから結婚式を始めます」
クララ「新郎新婦以外は着席してください」

 ゲストが着席します。

ソフィ「お二人に質問をします。
    結婚とは、お互いが愛し合い、助け合い、
    強い絆で結ばれることを意味します。
    朝美さんは、政樹さんとの結婚を希望しますか?」
政樹 「はい。希望します」

ソフィ「政樹さんは、朝美さんとの結婚を希望しますか?」
朝美 「はい。希望します。」

 クララさんが二人に宣誓書を渡します。

ソフィ「その宣誓書を黙読して、異論がなければ読み上げてください」

 二人は黙読します。

アンナ「政樹さんからです」(小声)

政樹 「ま)毎日二人で楽しい生活をします。
    さ)最善を尽くし、努力します。
    き)記念日には、デートをします。」

アンナ「朝美さんです」(小声)

朝美 「あ)暖かい家庭を築きます。
    さ)支え合い、助け合いながら生活します。
    み)皆さんのおかげで結婚できることを感謝します」(泣)

アンナ「お二人で」(小声)

二人 「私たちは結婚して夫婦となり、幸せになることを誓います」
アンナ「名前を」(小声)
政樹 「新郎、政樹」
朝美 「新婦、朝美」

ソフィ「宣誓書と証明書にサインをしてください」

 二人は宣誓書と結婚証明書にサインをしました。
 それをクララさんがソフィさんのところに持って行きます。

ソフィ「確認しました。指輪を交わしてください」

 クララさんが指輪を差し出しました。
 白いリングピローの上に青い指輪が二個乗っています。
 わたしがドラゴンのうろこで作ったものです。

アンナ「最初は、政樹さんから朝美さんに」(小声)

アンナ「次は、朝美さんから政樹さんに」(小声)

 二人は指輪をはめました。

ソフィ「結婚のちぎりを交わしてください」

アンナ「ベールを上げて、キスしてください」(小声)

 二人は契りを交わします。

ソフィ「司祭ソフィの名において、
    政樹さんと朝美さん、二人の結婚成立を宣言します」

 ソフィさんが宣誓書と結婚証明書にサインをしました。

ソフィ「これを受け取ってください。」

 政樹さんが受け取りました。
 それは、結婚証明書、ゲストの寄せ書き、宣誓書を一つにまとめた三つ折りのものです。

クララ「一言ずつ、お願いします」

政樹 「司祭様、ゲストの皆さん、ありがとうございました」
朝美 「ありがとうございました」(泣)



ソフィ「以上で結婚式を終了します」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

*補足

聖子 25歳 (朝美と政樹の友人)
美波 23歳 (朝美が勤める会社の後輩)
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