異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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109 新婚旅行3日目です 4

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 ここはトンボロの上空です。

 私たち三人は、島を見下ろしています。

朝美 「すごーい。島がハートの形になってる」
政樹 「上から見るまで、気がつかなかった」

アンナ「足場を作って、写真を撮ります。
    朝美さん、スカートを直してください」
朝美 「忘れてた。恥ずかしい」
アンナ「靴も履いてください」

 わたしは空中に、結界の足場を作りました。

 二人の準備が出来たので、二人とハートの島を撮影します。

 カシャ。

 ハートの貝殻に、ハートの島・・・なにか人為的なものを感じますね。

アンナ「コテージに帰りますが、よろしいですか?」
朝美 「ちょっと待って。私も写真撮りたい」

 朝美さんは上空から、島の写真を撮ります。

 カシャ。

朝美 「もういいよ」
政樹 「俺も充分楽しんだ」

 天幕とトイレは回収済みです。

アンナ「それでは、コテージに戻ります」

アンナ「転移」


*    *    *


 私たちはコテージの前に転移しました。

アンナ「砂を落としますので、クリーン魔法を使います。
    もう一度お化粧してください」
朝美 「しょうがないね。いいよ」

アンナ「クリーン」

 私たちはコテージに入り、ルームシューズに履き替えました。

アンナ「客室にご案内します」
二人 『?』

 階段で2階に上がると通路に陽子さんが待っています。

陽子 「お帰りなさいませ。政樹様はこちらでございます」

 陽子さんは、政樹さんを隣の客室に案内しました。
 わたしは、朝美さんと二人の客室に入ります。

アンナ「これから撮影をしますので、これに着替えてください」
朝美 「これって・・・」
アンナ「ウェディングドレスです」
朝美 「フォトウェディングをするの?」
アンナ「はい。そうです」
朝美 「このドレスどうしたの?」
アンナ「日本からレンタルしました」
朝美 「高かったでしょう?」
アンナ「お金の心配はいりません」
朝美 「アンナさん、ありがとう」

アンナ「最初は、お化粧からですね」

 朝美さんがドレッサー前に座りました。まずは・・・

アンナ「ヒール」

 小さなシミを消して、全身の肌に張りと潤いを与えました。
 すこし若返ってしまったような・・・
 問題ありません。気にしたら負けです。

 メイクセットは日本からお取り寄せしたものです。
 ブライダルメイクは、陽子さんをモデルにして練習しました。

     *

 お化粧が終りました。

アンナ「どうですか?」
朝美 「うん。すごくいい。若く見える」
アンナ「そうですね」(棒)

 お化粧は魔法でコーティングしておきました。

     *

 次は髪型です。
 わたしは、光学魔法でブライダルヘアを鏡に映します。
 ドレスとの相性も考慮します。

朝美 「どれにしようかな・・・」

朝美 「これにする」
アンナ「わかりました」

 わたしは魔法で髪型をセットします。

アンナ「どうですか?」
朝美 「イメージどおり。すごくいい」

     *

 次はドレスです。
 ドレスを着る前にトイレに行ってもらいました。
 わたしはドレスの着付けを手伝います。

     *

 ドレスの着付けが終わりました。

アンナ「姿見で全身を確認してください」

朝美 「すごくいい。なんだか夢みたい」
アンナ「朝美さん、きれいですよ」
朝美 「ありがとう」

アンナ「ところで、お願いしたものは持参していますか」
朝美 「持ってきたけど、何に使うの?」
アンナ「フォトウェディングで使用します。
    サムシングフォーと言う、欧米に伝わる風習です。
    結婚式で花嫁が身に着けると幸せになると言われています」

     *

Something Old(なにかひとつ古いもの)
Something New(なにかひとつ新しいもの)
Something Borrowed(なにかひとつ借りたもの)
Something Blue(なにかひとつ青いもの)
and a sixpence in her shoe (そして靴の中に6ペンス銀貨を)

     *

 わたしはサムシングフォーの説明をしました。

朝美 「古いものは、お母さんからもらったイヤリング。
    新しいものは、シルクのハンカチ。
    借りたものは、ブレスレット。
    青いものは、魔水晶。銀貨は?」
アンナ「ここは地球ではないので、異世界の銀貨を使います。
    この銀貨を使ってください」
朝美 「ありがとう」

 朝美さんは、イヤリングとブレスレットを着けました。
 そして銀貨を靴の中に入れました。

アンナ「このブーケを使ってください」
朝美 「きれい」

 ブーケは造花です。
 生花は検疫上、持ち帰ることが出来ません。

アンナ「歩き方の練習をしましょう。朝美さん、歩いてください」

 朝美さんは、部屋の中を歩きます。

アンナ「すそを踏まないように気をつけてください」
朝美 「うん。わかった」

 準備が出来ました。

アンナ「少し待っていてください」



 わたしは政樹さんの部屋に向かいます。
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