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040 教会 (別視点)
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< グンマー帝国、リューキの街、教会 >
< 別視点 教会 side >
教会の礼拝堂では、女性司祭と神官、多く信者祈りを捧げている。
礼拝する人が多いのは訳がある。それは虹。
虹は吉兆の印だと信じている人が多い。神職たちもそう信じていた。
*
皆の礼拝中にそれは起こった。
女神像が突然光り出したのである。
女神「我はアウローラの女神、ローラ」
神職たちは一瞬驚いた。そしてすぐに跪き、こうべを垂れた。
信者たちは唖然とした。
女神「おもてを上げよ」
神職たちは、顔を上げた。
女神「神託を下す」
女神「明日の朝、我の使いがこの教会に来る」
女神「黒髪の少女。名は、アンナ」
女神「アンナはチョコレートと言う菓子の作り方を知っている」
女神「アンナの教えに従い、菓子作りを習得せよ」
女神「我は、チョコレートを所望する」
女神「なお、菓子作りには魔法が必要になるであろう」
女神「よって、司祭には神器を授ける。受け取るがよい」
女性司祭は、目の前に現れた腕輪を受け取った。
手が震えていた。
司祭「あ、ありがたく、頂戴いたします」
腕輪は、チョコレート作りに必要な魔法を使う神器であった。
女神「いずれ神器が無くとも菓子が作れるように精進せよ。」
司祭「はい。精進いたします。」
女神像から光が消えた。
女性司祭は呆然としていた。
信者たちの声が聞こえ、司祭は我に返った。
司祭「使徒様を出迎える準備をしなさい」
神官「はい」
司祭「教会全体の清掃を。厨房は念入りにしなさい」
神官「はい」
司祭は執務室に戻り、手紙を書き始めた。
宛先は、帝都の教会本部とこの街の領主である。
手紙の内容は、女神顕現・神託・神器・使徒について。
一通の手紙が書き終わった。
神官の一人は、手紙を持って冒険者ギルドに向かった。
教会本部への手紙は、冒険者ギルドの伝書鳩を使う。
もう一通の手紙が書き終わり、別の神官が領主へ届けに行った。
司祭は、手紙を書き終えて、礼拝堂の出来事を思い返していた。
どうしてこの教会に神託が下ったのか。
どうして自分に神器が授けられたのか。
チョコレートという菓子はどのようなものか。
司祭が考えてもわからなかった。
あとは使徒が来るのを待つしかなかった。
司祭は、女神から授かった腕輪を見た。
そして、ゆっくりと左腕に装着した。
腕輪を身に付けた瞬間、使い方が理解できた。
司祭は、礼拝堂がその後どうなったか気になり、見に行く事にした。
礼拝堂には、数人の信者が祈りを捧げていた。
混乱した様子はなかった。
信者たちは家に戻り、家族や知人に教会での出来事を伝えた。
その日のうちに女神顕現と神託の話はリューキの街中に広まることになる。
* * *
その後、女神の話を聞いた街の人が事実を確認するため、次々と教会を訪れた。
冒険者ギルド、商業ギルド、領主の使いが教会を訪れた。
なかには、女神顕現に立ち会えず、がっかりする者、泣き出す者まで現れた。
その日、神職たちの対応は夜まで続いた。
* * * * *
翌日の朝。
リューキの教会では、神職たちが朝から緊張していた。
* * *
一方、リューキの街は異様な熱気に包まれていた。
街中の人が、使徒を間近で見たいと思っていた。
そして、教会や街の入口に多くの人が集まっていた。
やがて黒髪の少女がリューキの街に向かって歩いて来た。
< 別視点 教会 side >
教会の礼拝堂では、女性司祭と神官、多く信者祈りを捧げている。
礼拝する人が多いのは訳がある。それは虹。
虹は吉兆の印だと信じている人が多い。神職たちもそう信じていた。
*
皆の礼拝中にそれは起こった。
女神像が突然光り出したのである。
女神「我はアウローラの女神、ローラ」
神職たちは一瞬驚いた。そしてすぐに跪き、こうべを垂れた。
信者たちは唖然とした。
女神「おもてを上げよ」
神職たちは、顔を上げた。
女神「神託を下す」
女神「明日の朝、我の使いがこの教会に来る」
女神「黒髪の少女。名は、アンナ」
女神「アンナはチョコレートと言う菓子の作り方を知っている」
女神「アンナの教えに従い、菓子作りを習得せよ」
女神「我は、チョコレートを所望する」
女神「なお、菓子作りには魔法が必要になるであろう」
女神「よって、司祭には神器を授ける。受け取るがよい」
女性司祭は、目の前に現れた腕輪を受け取った。
手が震えていた。
司祭「あ、ありがたく、頂戴いたします」
腕輪は、チョコレート作りに必要な魔法を使う神器であった。
女神「いずれ神器が無くとも菓子が作れるように精進せよ。」
司祭「はい。精進いたします。」
女神像から光が消えた。
女性司祭は呆然としていた。
信者たちの声が聞こえ、司祭は我に返った。
司祭「使徒様を出迎える準備をしなさい」
神官「はい」
司祭「教会全体の清掃を。厨房は念入りにしなさい」
神官「はい」
司祭は執務室に戻り、手紙を書き始めた。
宛先は、帝都の教会本部とこの街の領主である。
手紙の内容は、女神顕現・神託・神器・使徒について。
一通の手紙が書き終わった。
神官の一人は、手紙を持って冒険者ギルドに向かった。
教会本部への手紙は、冒険者ギルドの伝書鳩を使う。
もう一通の手紙が書き終わり、別の神官が領主へ届けに行った。
司祭は、手紙を書き終えて、礼拝堂の出来事を思い返していた。
どうしてこの教会に神託が下ったのか。
どうして自分に神器が授けられたのか。
チョコレートという菓子はどのようなものか。
司祭が考えてもわからなかった。
あとは使徒が来るのを待つしかなかった。
司祭は、女神から授かった腕輪を見た。
そして、ゆっくりと左腕に装着した。
腕輪を身に付けた瞬間、使い方が理解できた。
司祭は、礼拝堂がその後どうなったか気になり、見に行く事にした。
礼拝堂には、数人の信者が祈りを捧げていた。
混乱した様子はなかった。
信者たちは家に戻り、家族や知人に教会での出来事を伝えた。
その日のうちに女神顕現と神託の話はリューキの街中に広まることになる。
* * *
その後、女神の話を聞いた街の人が事実を確認するため、次々と教会を訪れた。
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なかには、女神顕現に立ち会えず、がっかりする者、泣き出す者まで現れた。
その日、神職たちの対応は夜まで続いた。
* * * * *
翌日の朝。
リューキの教会では、神職たちが朝から緊張していた。
* * *
一方、リューキの街は異様な熱気に包まれていた。
街中の人が、使徒を間近で見たいと思っていた。
そして、教会や街の入口に多くの人が集まっていた。
やがて黒髪の少女がリューキの街に向かって歩いて来た。
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