異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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039 チョコレートです 3

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 ここは天界です。
 カカオからチョコレートを作っています。

 種の発酵と乾燥が終わりました。
 わたしは、作業台上のバットに、種を移し替えました。

 ローラは、カカオワインを飲みながら、わたしの作業を見ています。

 次は焙煎です。

アンナ「ヒート・・・鑑定」

 わたしは魔法で鑑定しながらカカオを焙煎します。
 
     *

 焙煎が終了しました。チョコレートの香りがします。

ローラ「いい香りね」

 わたしは種の中身だけを、魔法で寸胴鍋に転移させます。
 殻は水槽に残っています。寸胴鍋2個分のカカオニブが出来ました。

 次は、魔法でカカオニブを粉砕します。
 寸胴鍋2個分のカカオマスが出来ました。

 わたしは、カカオマスが入った寸胴鍋1個を魔法で持ち上げました。
 そしてカカオマスに魔法で圧力をかけます。

アンナ「プレス」

 圧力をかけた寸胴鍋を傾けて、出て来た液体を別の寸胴鍋に入れます。
 液体はカカオバターです。
 カカオバターを抽出した残りが、カカオパウダーです。
 これでカカオマス・カカオバター・カカオパウダーが出来ました。

     *

 さて、最初に作るのはカカオ50%のビターチョコレートにします。
 ボウルにカカオマス・カカオバター・砂糖を入れました。
 それを魔法で混ぜて精錬します。

     *

 精錬の後は、温度調整をしました。

     *

 温度調整終了後、型に流し込みます。
 後は、魔法で冷却と熟成をさせて完成です。

     *

 わたしはチョコレートを型から取り出して、皿にのせました。

ローラ「できたの?」
アンナ「はい。飲み物を用意します」

 わたしは、マグカップ2個とホットミルクを用意しました。
 マグカップにカカオパウダー・砂糖・ホットミルクを入れて、かき混ぜます。

アンナ「チョコレートの試食をしましょう」

ぱくっ。

ローラ「美味しいわ」

 わたしもチョコレートを食べました。
 美味しいです。初めてにしては上出来です。

アンナ「飲み物もどうぞ」

 ローラはココアを飲みました。

ローラ「これも美味しいわ。飲むチョコレートね」
アンナ「はい。ココアと言います」
ローラ「・・・・・・」

 ローラは席を立って、わたしに抱きつきました。

ローラ「ありがとう。アンナ」
アンナ「泣いてるんですか?」
ローラ「だって、嬉しいんだもの。アウローラ初のチョコレートよ。
    歴史的な一日よ」
アンナ「大袈裟ですよ」


*    *    *


 この後わたしは、ホワイトチョコレート・ミルクチョコレート・ハイカカオチョコレートを作りました。

 そしてローラと一緒に食べました。どれも美味しくできました。

ローラ「アンナにお願いがあるの。
    地上にチョコレート作りを普及させてほしいの」
アンナ「魔法が使えないと難しいと思いますよ」
ローラ「それは私がなんとかするわ」

 チョコレートが普及すれば、異世界独自のお菓子ができるかもしれません。楽しみです。

アンナ「わかりました。やってみます」
ローラ「ありがとう」

ローラ「アンナには明日の朝、リューキの教会に行ってほしの。
    そこで、チョコレートの作り方を教えてね」
アンナ「はい」

 道具類はアイテムボックスに収納します。

 わたしはリューキの街に戻りました。

 雨は、やんでいます。
 空には大きな虹が出ていました。

 わたしは、市場で買い物の続きをして、その後、歩いて街の外に出ました。



 明日の朝、教会に行きます。
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