8 / 36
8
しおりを挟む
「ただいまー」
「おかえりなさい、シチリ」
トトトと軽やかな足音を立てて、マイカが駆け寄ってくる。
「ごはんできてますよ。今日は、ミネストローネを作ってみました」
「へぇ! それは楽しみだなぁ」
荷物を置き、顔と手を洗ってからテーブルに向かう。
テーブルにはミネストローネとパンとサラダが並んでいた。ふと、見ると壁の棚にオレンジ色のナスタチウムの花が一輪挿しに飾られている。
マイカが飾ってくれたのか……。
「うーん、良い匂い。それに花があると部屋が明るくなるね」
「葉をサラダにしたので、花の方は綺麗だったから飾ってみたんです。あ、スープはちゃんとローリエも入れて、あとはタマネギ、じゃがいも、にんじん、キャベツ……いっぱい入れてみました」
「うわー、美味しそう。食べてもいい?」
「もちろんです、どうぞ」
「いただきます、へへ……」
木匙でスープを掬い、口に運ぶ。
あれ……? 奇妙な味がしない。それどころか、とても美味しい!
「マイカ、これ最っ高~に、美味しいよ!」
「ほ、本当ですか⁉ 嬉しい……です」
照れているのか、俯いたマイカの頬がちょっと赤くなっている。
その表情を見た瞬間、じっとしていられないくらい胸をぎゅっと掴まれたような気がした。
――次の日。
僕とマイカは少し離れた草原に来ていた。
少しずつだけど、マイカがピウスに乗る練習をしているのだ。
「もう少し背筋を伸ばして、そう、いいよ、そのまま姿勢を保って……」
「うわぁ! 高くて気持ちがいいです!」
「じゃあ、少し歩いてみよう。頸を軽く叩いてあげて、足でお腹をやさしく押してみて」
「こ、こうでしょうか……きゃっ!」
『ブルルッ……』
マイカの合図でピウスが歩き始めた。
「お、いいね。そのままゆっくり……ピウスと息を合わせて、そう、上手だね。このまま向こうの木の近くまで行ってみよう」
僕はピウスの手綱を持ちながら隣を歩く。
「うわ、わわっ……あはぁっ、すごい! ねぇ、シチリ、見てください、歩いてます!」
「あはは、その調子」
「楽しいっ! 景色が違って見えます!」
マイカは今まで見せたことのない笑顔を見せてはしゃいでいる。
ピウスもえらく上機嫌だ。そういえば、マイカが食事を担当するようになってから、ピウスの状態も見違えるように良くなった。町では毛艶を褒められ、どんな飼い葉を与えてるんだと聞かれることもあったくらいだ。
本当に不思議な子だな……。
そのままマイカのはしゃぐ姿を眺めながら、木の側に着く。
「あー、もう着いてしまいました……」と、しょんぼりするマイカ。
「あまりやると明日が辛いよ。体が慣れるまでは少しずつ練習しようね」
「じゃ、じゃあ、明日もいいですか……?」
「うん、もちろん」
「わあ! やったぁ! ありがとうございます、シチリ!」
馬上で両手を挙げたマイカに驚き、ピウスが前脚を上げて立ち上がった。
『ブルルッ!』
「きゃっ⁉」
「マイカッ!」
僕は咄嗟に振り落とされたマイカを抱きとめた。
「――っ⁉」
そのまま地面に背中から落ちる。
少し息が止まったが、何とか間に合ったようだ。
「シ、シチリ⁉ 大丈夫ですか?」
腕の中でマイカが心配そうに僕を見る。
「うん……大丈夫、マイカはどこも怪我してない?」
「……」
マイカは泣きそうな顔で何度も頷いた。
「良かった、君が無事で……」
僕はそっとマイカにハグをした。
「シチリ……あ、ありがとうございます……」
心なしかマイカが熱い。
気付くと唇が触れそうな距離になっていた。
「あわわ! わーっ! ご、ごめん! 僕、そ、そんなつもりじゃ……」
慌ててマイカを芝生の上に座らせる。
『フルル……』
ピウスが申し訳なさそうにマイカに鼻を当てる。
「大丈夫よ、ピウスのせいじゃないわ。私が驚かせてしまったから……ごめんね」
優しく顔を撫で、僕を見て笑う。
良かった。ピウスに乗るのが怖くなったらどうしようかと思ったけど、心配はいらなかったな。
「じゃあ、帰りは僕が……いっ⁉ あ、あれ……?」
腰に鈍痛を覚えた。上手く体に力が入らない。
「シチリ⁉」
「あ、うん……だ、大丈夫、少し休めば平気だよ」
心配するマイカに手を向け、僕は起き上がろうとした。
「くっ……!」
やはり痛む。打ち所が悪かったのかな……。
見ると、地面に血の付いた尖った石があった。
慌てて腰を押さえると、手に赤い血がつく――。
「た、大変、シチリ、動いては駄目です。そのままじっとしてください!」
マイカが僕の上着を脱がし、腰の状態を見る。
「ひどい……血を止めないと……」
マイカは「ごめんなさい」と言って僕の上着を破り、傷口をきつく縛った。
「ごめんなさい……わたしのせいで、ごめんなさい、シチリ……」
涙ぐみながら手当をするマイカの手を取り、僕は黙って握った。
「シチリ……」
「大丈夫だよ、マイカ。自分だからわかるんだ、傷はたいしたことないよ」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、嘘なんて言わないよ」
僕はそう言って、「手を貸してもらえる?」とマイカに頼んだ。
「よっ……いちちち……あはは、やっぱ痛むね」
「しっかり掴まってくださいね」
マイカの手を借りて、どうにか立ち上がると、僕はピウスに掴まった。
「うん、これなら何とかなりそうだ」
「どうしましょう、このまま歩けますか?」
「良い考えがある」
僕はマイカをピウスに乗せ、その後ろに乗った。
ピウスに乗るのはかなり大変だったけど、これくらいで動けなくなるような鍛え方はしていない。
「手綱をしっかりね、ゆっくりでいいから」
「わかりました、気をしっかりしてくださいね」
「うん……」
痛みはもう麻痺している。
ただ、かなり血が出ていたのか、段々と頭がぼうっとしてきた。
「シチリ、苦しかったら、遠慮せず私に凭れてください」
「うん……ありがとう」
華奢な背中に身を寄せると、とても穏やかな気持ちになった。
マイカの香りがする。
ピウスの足音……機嫌良さそうな音だな……ったく……。
そのまま僕は、眠りに落ちるように気を失ってしまった。
「おかえりなさい、シチリ」
トトトと軽やかな足音を立てて、マイカが駆け寄ってくる。
「ごはんできてますよ。今日は、ミネストローネを作ってみました」
「へぇ! それは楽しみだなぁ」
荷物を置き、顔と手を洗ってからテーブルに向かう。
テーブルにはミネストローネとパンとサラダが並んでいた。ふと、見ると壁の棚にオレンジ色のナスタチウムの花が一輪挿しに飾られている。
マイカが飾ってくれたのか……。
「うーん、良い匂い。それに花があると部屋が明るくなるね」
「葉をサラダにしたので、花の方は綺麗だったから飾ってみたんです。あ、スープはちゃんとローリエも入れて、あとはタマネギ、じゃがいも、にんじん、キャベツ……いっぱい入れてみました」
「うわー、美味しそう。食べてもいい?」
「もちろんです、どうぞ」
「いただきます、へへ……」
木匙でスープを掬い、口に運ぶ。
あれ……? 奇妙な味がしない。それどころか、とても美味しい!
「マイカ、これ最っ高~に、美味しいよ!」
「ほ、本当ですか⁉ 嬉しい……です」
照れているのか、俯いたマイカの頬がちょっと赤くなっている。
その表情を見た瞬間、じっとしていられないくらい胸をぎゅっと掴まれたような気がした。
――次の日。
僕とマイカは少し離れた草原に来ていた。
少しずつだけど、マイカがピウスに乗る練習をしているのだ。
「もう少し背筋を伸ばして、そう、いいよ、そのまま姿勢を保って……」
「うわぁ! 高くて気持ちがいいです!」
「じゃあ、少し歩いてみよう。頸を軽く叩いてあげて、足でお腹をやさしく押してみて」
「こ、こうでしょうか……きゃっ!」
『ブルルッ……』
マイカの合図でピウスが歩き始めた。
「お、いいね。そのままゆっくり……ピウスと息を合わせて、そう、上手だね。このまま向こうの木の近くまで行ってみよう」
僕はピウスの手綱を持ちながら隣を歩く。
「うわ、わわっ……あはぁっ、すごい! ねぇ、シチリ、見てください、歩いてます!」
「あはは、その調子」
「楽しいっ! 景色が違って見えます!」
マイカは今まで見せたことのない笑顔を見せてはしゃいでいる。
ピウスもえらく上機嫌だ。そういえば、マイカが食事を担当するようになってから、ピウスの状態も見違えるように良くなった。町では毛艶を褒められ、どんな飼い葉を与えてるんだと聞かれることもあったくらいだ。
本当に不思議な子だな……。
そのままマイカのはしゃぐ姿を眺めながら、木の側に着く。
「あー、もう着いてしまいました……」と、しょんぼりするマイカ。
「あまりやると明日が辛いよ。体が慣れるまでは少しずつ練習しようね」
「じゃ、じゃあ、明日もいいですか……?」
「うん、もちろん」
「わあ! やったぁ! ありがとうございます、シチリ!」
馬上で両手を挙げたマイカに驚き、ピウスが前脚を上げて立ち上がった。
『ブルルッ!』
「きゃっ⁉」
「マイカッ!」
僕は咄嗟に振り落とされたマイカを抱きとめた。
「――っ⁉」
そのまま地面に背中から落ちる。
少し息が止まったが、何とか間に合ったようだ。
「シ、シチリ⁉ 大丈夫ですか?」
腕の中でマイカが心配そうに僕を見る。
「うん……大丈夫、マイカはどこも怪我してない?」
「……」
マイカは泣きそうな顔で何度も頷いた。
「良かった、君が無事で……」
僕はそっとマイカにハグをした。
「シチリ……あ、ありがとうございます……」
心なしかマイカが熱い。
気付くと唇が触れそうな距離になっていた。
「あわわ! わーっ! ご、ごめん! 僕、そ、そんなつもりじゃ……」
慌ててマイカを芝生の上に座らせる。
『フルル……』
ピウスが申し訳なさそうにマイカに鼻を当てる。
「大丈夫よ、ピウスのせいじゃないわ。私が驚かせてしまったから……ごめんね」
優しく顔を撫で、僕を見て笑う。
良かった。ピウスに乗るのが怖くなったらどうしようかと思ったけど、心配はいらなかったな。
「じゃあ、帰りは僕が……いっ⁉ あ、あれ……?」
腰に鈍痛を覚えた。上手く体に力が入らない。
「シチリ⁉」
「あ、うん……だ、大丈夫、少し休めば平気だよ」
心配するマイカに手を向け、僕は起き上がろうとした。
「くっ……!」
やはり痛む。打ち所が悪かったのかな……。
見ると、地面に血の付いた尖った石があった。
慌てて腰を押さえると、手に赤い血がつく――。
「た、大変、シチリ、動いては駄目です。そのままじっとしてください!」
マイカが僕の上着を脱がし、腰の状態を見る。
「ひどい……血を止めないと……」
マイカは「ごめんなさい」と言って僕の上着を破り、傷口をきつく縛った。
「ごめんなさい……わたしのせいで、ごめんなさい、シチリ……」
涙ぐみながら手当をするマイカの手を取り、僕は黙って握った。
「シチリ……」
「大丈夫だよ、マイカ。自分だからわかるんだ、傷はたいしたことないよ」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、嘘なんて言わないよ」
僕はそう言って、「手を貸してもらえる?」とマイカに頼んだ。
「よっ……いちちち……あはは、やっぱ痛むね」
「しっかり掴まってくださいね」
マイカの手を借りて、どうにか立ち上がると、僕はピウスに掴まった。
「うん、これなら何とかなりそうだ」
「どうしましょう、このまま歩けますか?」
「良い考えがある」
僕はマイカをピウスに乗せ、その後ろに乗った。
ピウスに乗るのはかなり大変だったけど、これくらいで動けなくなるような鍛え方はしていない。
「手綱をしっかりね、ゆっくりでいいから」
「わかりました、気をしっかりしてくださいね」
「うん……」
痛みはもう麻痺している。
ただ、かなり血が出ていたのか、段々と頭がぼうっとしてきた。
「シチリ、苦しかったら、遠慮せず私に凭れてください」
「うん……ありがとう」
華奢な背中に身を寄せると、とても穏やかな気持ちになった。
マイカの香りがする。
ピウスの足音……機嫌良さそうな音だな……ったく……。
そのまま僕は、眠りに落ちるように気を失ってしまった。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
【完結】前世聖女の令嬢は【王太子殺害未遂】の罪で投獄されました~前世勇者な執事は今世こそ彼女を救いたい~
蜜柑
恋愛
エリス=ハウゼンはエルシニア王国の名門ハウゼン侯爵家の長女として何不自由なく育ち、将来を約束された幸福な日々を過ごしていた。婚約者は3歳年上の優しい第2王子オーウェン。エリスは彼との穏やかな未来を信じていた。しかし、第1王子・王太子マーティンの誕生日パーティーで、事件が勃発する。エリスの家から贈られたワインを飲んだマーティンが毒に倒れ、エリスは殺害未遂の罪で捕らえられてしまう。
【王太子殺害未遂】――身に覚えのない罪で投獄されるエリスだったが、実は彼女の前世は魔王を封じた大聖女・マリーネだった。
王宮の地下牢に閉じ込められたエリスは、無実を証明する手段もなく、絶望の淵に立たされる。しかし、エリスの忠実な執事見習いのジェイクが、彼女を救い出し、無実を晴らすために立ち上がる。ジェイクの前世は、マリーネと共に魔王を倒した竜騎士ルーカスであり、エリスと違い、前世の記憶を引き継いでいた。ジェイクはエリスを救うため、今まで隠していた力を開放する決意をする。
異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
【完結】聖女召喚の聖女じゃない方~無魔力な私が溺愛されるってどういう事?!
未知香
恋愛
※エールや応援ありがとうございます!
会社帰りに聖女召喚に巻き込まれてしまった、アラサーの会社員ツムギ。
一緒に召喚された女子高生のミズキは聖女として歓迎されるが、
ツムギは魔力がゼロだった為、偽物だと認定された。
このまま何も説明されずに捨てられてしまうのでは…?
人が去った召喚場でひとり絶望していたツムギだったが、
魔法師団長は無魔力に興味があるといい、彼に雇われることとなった。
聖女として王太子にも愛されるようになったミズキからは蔑視されるが、
魔法師団長は無魔力のツムギをモルモットだと離そうとしない。
魔法師団長は少し猟奇的な言動もあるものの、
冷たく整った顔とわかりにくい態度の中にある優しさに、徐々にツムギは惹かれていく…
聖女召喚から始まるハッピーエンドの話です!
完結まで書き終わってます。
※他のサイトにも連載してます
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
蜜柑
ファンタジー
*第13回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。ありがとうございました。*
レイラは生まれた時から強力な魔力を持っていたため、キアーラ王国の大神殿で大司教に聖女として育てられ、毎日祈りを捧げてきた。大司教は国政を乗っ取ろうと王太子とレイラの婚約を決めたが、王子は身元不明のレイラとは結婚できないと婚約破棄し、彼女を国外追放してしまう。
――え、もうお肉も食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?
追放される道中、偶然出会った冒険者――剣士ステファンと狼男のライガに同行することになったレイラは、冒険者ギルドに登録し、冒険者になる。もともと神殿での不自由な生活に飽き飽きしていたレイラは美味しいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
その一方、魔物が出るようになったキアーラでは大司教がレイラの回収を画策し、レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※序盤1話が短めです(1000字弱)
※複数視点多めです。
※小説家になろうにも掲載しています。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる