6 / 36
6
しおりを挟む
翌朝、あれだけ寝付きが悪かったにもかかわらず、笑ってしまいそうなほど体調が良かった。
ここまで来ると、さすがにマイカの手料理に何か関係があるのではと疑ってしまう……。
居間に行くと、すでにマイカが起きていて、朝食の準備を始めていた。
「あ、おはようございます」
「おはよう、早いね」
「実は、昨日の夜からシチューの残りをパンと一緒にたべようと考えていまして……へへ」
照れくさそうに笑うマイカ。
「ふふ、なるほど、それじゃあ仕方ないよね」
と、僕は調子を合わせ、
「サラダ用の野菜を採ってくるね」と、畑に向かった。
「な、なにこれ……⁉」
思わず自分の目を疑う。
まだ、夢でも見ているのかと目を擦った。
「何が起きてるんだ……?」
畑の野菜やハーブが信じられないぐらい育っている。
キャベツなんてラフレシアみたいだ。
僕は慌てて家に戻り、マイカに状況を説明した。
「と、とにかく、どれも恐ろしいぐらいおっきくなってて……」
「え⁉」
二人で畑に行き、小さな森のような畑を前に呆然と立ち尽くす。
「すごい……ですね」
「うん」
「で、でも、すくすく育つことはいいことですよね?」
「うん」
「あ、あの、私、お水をあげたくらいで……何もしてませんよ?」
「うん、大丈夫、わかってる」
もしかして、マイカがお水を……いや、さすがにそれはないか。
僕の体調が良くなったのは、何か偶然が重なっただけかも知れないし……。
「シチリ、これ……すごく美味しそうです」
見ると、マイカがおっきなトマトを見せる。
確かに色艶も良いな……。
「原因はわかりませんが、これならいっぱい食べてもなくなりませんね」
「まあ、考えようによってはそういうことになるよね」
僕達は顔を見合わせる。
そして、どちらからともなく笑みがこぼれた。
「「ふふっ」」
「このキャベツも食べてみようよ」
「ちょっと大きすぎる気が……あ、ピウスにあげましょうか?」
「それもいいね、当分ピウスの餌にも困らないな」
「ふふ、きっと喜びます」
いいや、考えても原因なんてわからない。
今はこの天からの恵みを美味しくいただくとしよう。
*
「こりゃ余裕で足りちゃうな……」
モーレスさんの注文メモを見ながら、指定された薬草を見繕う。
普段ならかなりキツめの注文だが、天の恵みのお陰で余裕を持って揃えることができた。
だが、このままモーレスさんのところに持って行けば、恐らくまた禁忌の森に入ったのかと問い詰められるに違いない……。
荷馬車一杯に積んだハーブやポーションを眺めながら、どうしたものかと考えを巡らせる。
「どうかしたのですか?」
中々出発しないのが気になったのか、マイカが家から出て来た。
「ん? ああ、ちょっとね……急にこれだけの品物を揃えられるようになるのも変かなぁって」
「でも、シチリは悪いことはしてませんよね?」
「まあ、そうなんだけどさ……」
あの森のことは話題に出したくないし、わざわざ説明するつもりもなかった。
「いつも、モーレスさんに卸しているのですよね?」
「うん、父さんの時からずっとだね」
僕は腕組みをしたまま答えた。
「では、新しい取引相手を探してみてはどうでしょうか?」
「新しい取引相手か……考えたこともなかった」
「シチリの育てたハーブやお野菜はとても美味しいですから、きっとモーレスさん以外にも買いたい方がいると思いますよ」
「ホントに?」
「はい、この私が保証します!」
マイカは誇らしげに胸に手を当てた。
「そっか……うん、わかった、ありがとうマイカ、町で探してみるよ」
確かに良い考えかも知れないな……。
モーレスさんに頼ってばかりじゃ、いつまでたっても一人前と認めてもらえない。
ちゃんと自立してこそ、恩返しも出来るってもんだ。
「見つかるように祈ってますね。シチリ、頑張ってください」
「うん、ありがとう。じゃあ、行ってくるね」
「いってらっしゃい」
小さく手を振るマイカに、僕は何度も振り返りながら手を振った。
あ……また、洋服を渡しそびれてしまった……。
帰ったら渡さなきゃ。
「ピウス、マイカに洋服渡すの覚えておいてくれよ」
『ブルル……』
荷馬車は緩やかに坂道を下り、オルディネの町へ向かう。
上機嫌なピウスの足取りは、跳ねるように軽やかだった。
*
馬車に積まれた荷を見て、モーレスさんが驚いた様子で僕を見た。
「おいおい、内緒で畑でも広げてたのか?」
「い、いやぁ、それもありますけど、良い群生地を見つけたので……」
「……沢は渡ってねぇだろうな?」
「も、もちろんですよ! 約束したじゃないですか」
「ならいいんだけどよ……」
二人で荷を店先に運び終えた後、簡単な仕分け作業を手伝っていると、モーレスさんの奥さんが顔を出した。
「あらシチリ、調子はどう?」
「どうも、おかげさまで何とか」
僕はアンナさんに会釈をした。
小柄で愛想が良く、小さい頃は何かと世話を焼いてもらった人だ。
「ちょっと見ない間に、ずいぶん顔色が良くなったわねぇ?」
「そうですか?」
「アンナ、いいからお前も手伝え」
モーレスさんが言うと、アンナさんはやれやれと肩を竦めて、
「はいはい、そのつもりですよ」と薬草を仕分ける籠を並べた。
皆で薬草を選り分けていると、モーレスさんが僕の隣に座っておもむろに口を開いた。
「あそこはな、昔……ホムンクルス工場があったんだ」
「あの森のことですか?」
「ああ、最後の聖女ってわかるだろ?」と、モーレスさんは僕だけに聞こえるように囁く。
「……はい、小さい頃、父から少しだけですが」
「最後の聖女様が亡くなられてから、一向に次の聖女様が現れなかった。結局、今じゃ聖女不在が当たり前の時代になっちまったが、当時は違ったのさ……」
モーレスさんはポケットから煙草を取り出して咥えると、手で覆い隠すようにしながらマッチで火を点けた。
「ふぅー……」
白い煙を吐き、モーレスさんが続ける。
「当時の国王は錬金術に造詣が深くてな、国王主導であの森にホムンクルス工場を作らせた……だが、聖女のホムンクルスを造るなんて――」
「ちょっとあんた! 今の子にそんな話をするんじゃないよ、まったく……、誰が聞いてるかわかりゃしないんだから!」
アンナさんが作業の手を止め、たしなめるように口を挟んだ。
「うるせぇな、わかってるよ! ったく……ま、何にせよ、あの森には入っちゃならねぇってこった。さ、もう仕分けは十分だ。ありがとよ、シチリ」
僕の肩をポンポンと叩いて、モーレスさんが作業に戻る。
「あ、じゃあ僕はこれで……」
「シチリ、今度は彼女も連れておいで」
「えっ⁉」
「なんだ、お前、やっぱり女ができたのか?」
「ちょっと! 野暮なこといわないの。ちゃんとご飯を作ってくれる人がいるから、これだけ顔色が良くなってるのよ。ほら、前と全然違うじゃない」
「そう言われると、確かになぁ。へぇ、シチリも隅に置けねぇじゃねぇか。わはは!」
「も、もう! ホントに違いますからね! じゃあまた来週来ますから」
「おう、嫁さんにもよろしくなぁ!」
モーレスさんの茶化す声から、僕は逃げるように店を後にした。
ここまで来ると、さすがにマイカの手料理に何か関係があるのではと疑ってしまう……。
居間に行くと、すでにマイカが起きていて、朝食の準備を始めていた。
「あ、おはようございます」
「おはよう、早いね」
「実は、昨日の夜からシチューの残りをパンと一緒にたべようと考えていまして……へへ」
照れくさそうに笑うマイカ。
「ふふ、なるほど、それじゃあ仕方ないよね」
と、僕は調子を合わせ、
「サラダ用の野菜を採ってくるね」と、畑に向かった。
「な、なにこれ……⁉」
思わず自分の目を疑う。
まだ、夢でも見ているのかと目を擦った。
「何が起きてるんだ……?」
畑の野菜やハーブが信じられないぐらい育っている。
キャベツなんてラフレシアみたいだ。
僕は慌てて家に戻り、マイカに状況を説明した。
「と、とにかく、どれも恐ろしいぐらいおっきくなってて……」
「え⁉」
二人で畑に行き、小さな森のような畑を前に呆然と立ち尽くす。
「すごい……ですね」
「うん」
「で、でも、すくすく育つことはいいことですよね?」
「うん」
「あ、あの、私、お水をあげたくらいで……何もしてませんよ?」
「うん、大丈夫、わかってる」
もしかして、マイカがお水を……いや、さすがにそれはないか。
僕の体調が良くなったのは、何か偶然が重なっただけかも知れないし……。
「シチリ、これ……すごく美味しそうです」
見ると、マイカがおっきなトマトを見せる。
確かに色艶も良いな……。
「原因はわかりませんが、これならいっぱい食べてもなくなりませんね」
「まあ、考えようによってはそういうことになるよね」
僕達は顔を見合わせる。
そして、どちらからともなく笑みがこぼれた。
「「ふふっ」」
「このキャベツも食べてみようよ」
「ちょっと大きすぎる気が……あ、ピウスにあげましょうか?」
「それもいいね、当分ピウスの餌にも困らないな」
「ふふ、きっと喜びます」
いいや、考えても原因なんてわからない。
今はこの天からの恵みを美味しくいただくとしよう。
*
「こりゃ余裕で足りちゃうな……」
モーレスさんの注文メモを見ながら、指定された薬草を見繕う。
普段ならかなりキツめの注文だが、天の恵みのお陰で余裕を持って揃えることができた。
だが、このままモーレスさんのところに持って行けば、恐らくまた禁忌の森に入ったのかと問い詰められるに違いない……。
荷馬車一杯に積んだハーブやポーションを眺めながら、どうしたものかと考えを巡らせる。
「どうかしたのですか?」
中々出発しないのが気になったのか、マイカが家から出て来た。
「ん? ああ、ちょっとね……急にこれだけの品物を揃えられるようになるのも変かなぁって」
「でも、シチリは悪いことはしてませんよね?」
「まあ、そうなんだけどさ……」
あの森のことは話題に出したくないし、わざわざ説明するつもりもなかった。
「いつも、モーレスさんに卸しているのですよね?」
「うん、父さんの時からずっとだね」
僕は腕組みをしたまま答えた。
「では、新しい取引相手を探してみてはどうでしょうか?」
「新しい取引相手か……考えたこともなかった」
「シチリの育てたハーブやお野菜はとても美味しいですから、きっとモーレスさん以外にも買いたい方がいると思いますよ」
「ホントに?」
「はい、この私が保証します!」
マイカは誇らしげに胸に手を当てた。
「そっか……うん、わかった、ありがとうマイカ、町で探してみるよ」
確かに良い考えかも知れないな……。
モーレスさんに頼ってばかりじゃ、いつまでたっても一人前と認めてもらえない。
ちゃんと自立してこそ、恩返しも出来るってもんだ。
「見つかるように祈ってますね。シチリ、頑張ってください」
「うん、ありがとう。じゃあ、行ってくるね」
「いってらっしゃい」
小さく手を振るマイカに、僕は何度も振り返りながら手を振った。
あ……また、洋服を渡しそびれてしまった……。
帰ったら渡さなきゃ。
「ピウス、マイカに洋服渡すの覚えておいてくれよ」
『ブルル……』
荷馬車は緩やかに坂道を下り、オルディネの町へ向かう。
上機嫌なピウスの足取りは、跳ねるように軽やかだった。
*
馬車に積まれた荷を見て、モーレスさんが驚いた様子で僕を見た。
「おいおい、内緒で畑でも広げてたのか?」
「い、いやぁ、それもありますけど、良い群生地を見つけたので……」
「……沢は渡ってねぇだろうな?」
「も、もちろんですよ! 約束したじゃないですか」
「ならいいんだけどよ……」
二人で荷を店先に運び終えた後、簡単な仕分け作業を手伝っていると、モーレスさんの奥さんが顔を出した。
「あらシチリ、調子はどう?」
「どうも、おかげさまで何とか」
僕はアンナさんに会釈をした。
小柄で愛想が良く、小さい頃は何かと世話を焼いてもらった人だ。
「ちょっと見ない間に、ずいぶん顔色が良くなったわねぇ?」
「そうですか?」
「アンナ、いいからお前も手伝え」
モーレスさんが言うと、アンナさんはやれやれと肩を竦めて、
「はいはい、そのつもりですよ」と薬草を仕分ける籠を並べた。
皆で薬草を選り分けていると、モーレスさんが僕の隣に座っておもむろに口を開いた。
「あそこはな、昔……ホムンクルス工場があったんだ」
「あの森のことですか?」
「ああ、最後の聖女ってわかるだろ?」と、モーレスさんは僕だけに聞こえるように囁く。
「……はい、小さい頃、父から少しだけですが」
「最後の聖女様が亡くなられてから、一向に次の聖女様が現れなかった。結局、今じゃ聖女不在が当たり前の時代になっちまったが、当時は違ったのさ……」
モーレスさんはポケットから煙草を取り出して咥えると、手で覆い隠すようにしながらマッチで火を点けた。
「ふぅー……」
白い煙を吐き、モーレスさんが続ける。
「当時の国王は錬金術に造詣が深くてな、国王主導であの森にホムンクルス工場を作らせた……だが、聖女のホムンクルスを造るなんて――」
「ちょっとあんた! 今の子にそんな話をするんじゃないよ、まったく……、誰が聞いてるかわかりゃしないんだから!」
アンナさんが作業の手を止め、たしなめるように口を挟んだ。
「うるせぇな、わかってるよ! ったく……ま、何にせよ、あの森には入っちゃならねぇってこった。さ、もう仕分けは十分だ。ありがとよ、シチリ」
僕の肩をポンポンと叩いて、モーレスさんが作業に戻る。
「あ、じゃあ僕はこれで……」
「シチリ、今度は彼女も連れておいで」
「えっ⁉」
「なんだ、お前、やっぱり女ができたのか?」
「ちょっと! 野暮なこといわないの。ちゃんとご飯を作ってくれる人がいるから、これだけ顔色が良くなってるのよ。ほら、前と全然違うじゃない」
「そう言われると、確かになぁ。へぇ、シチリも隅に置けねぇじゃねぇか。わはは!」
「も、もう! ホントに違いますからね! じゃあまた来週来ますから」
「おう、嫁さんにもよろしくなぁ!」
モーレスさんの茶化す声から、僕は逃げるように店を後にした。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
【完結】前世聖女の令嬢は【王太子殺害未遂】の罪で投獄されました~前世勇者な執事は今世こそ彼女を救いたい~
蜜柑
恋愛
エリス=ハウゼンはエルシニア王国の名門ハウゼン侯爵家の長女として何不自由なく育ち、将来を約束された幸福な日々を過ごしていた。婚約者は3歳年上の優しい第2王子オーウェン。エリスは彼との穏やかな未来を信じていた。しかし、第1王子・王太子マーティンの誕生日パーティーで、事件が勃発する。エリスの家から贈られたワインを飲んだマーティンが毒に倒れ、エリスは殺害未遂の罪で捕らえられてしまう。
【王太子殺害未遂】――身に覚えのない罪で投獄されるエリスだったが、実は彼女の前世は魔王を封じた大聖女・マリーネだった。
王宮の地下牢に閉じ込められたエリスは、無実を証明する手段もなく、絶望の淵に立たされる。しかし、エリスの忠実な執事見習いのジェイクが、彼女を救い出し、無実を晴らすために立ち上がる。ジェイクの前世は、マリーネと共に魔王を倒した竜騎士ルーカスであり、エリスと違い、前世の記憶を引き継いでいた。ジェイクはエリスを救うため、今まで隠していた力を開放する決意をする。
異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
蜜柑
ファンタジー
*第13回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。ありがとうございました。*
レイラは生まれた時から強力な魔力を持っていたため、キアーラ王国の大神殿で大司教に聖女として育てられ、毎日祈りを捧げてきた。大司教は国政を乗っ取ろうと王太子とレイラの婚約を決めたが、王子は身元不明のレイラとは結婚できないと婚約破棄し、彼女を国外追放してしまう。
――え、もうお肉も食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?
追放される道中、偶然出会った冒険者――剣士ステファンと狼男のライガに同行することになったレイラは、冒険者ギルドに登録し、冒険者になる。もともと神殿での不自由な生活に飽き飽きしていたレイラは美味しいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
その一方、魔物が出るようになったキアーラでは大司教がレイラの回収を画策し、レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※序盤1話が短めです(1000字弱)
※複数視点多めです。
※小説家になろうにも掲載しています。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる