ただの孤児だった私がなぜか女侯爵家の跡継ぎになってしまいました。あと、イケおじな使用人達が有能すぎるのですが……?

雉子鳥 幸太郎

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第一章

招待状 2

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「ほんとに大丈夫なのかなぁ……」

 私は厨房のカウンターに座り、頬杖をつきながら短く息を吐いた。
 ジョンが器用にジャガイモの皮を剥きながら尋ねてくる。

「どうした? さっきからため息ばっかついて」
「うん……王室のパーティーに出席するんだけど……お金大丈夫なのかなぁって」
「はっはっは、何だ、そんな心配してたのか?」
「だって、この家にお金があるってのはわかってるけど……それがどのくらいなのかって私にはわかんないし」

「ふぅん……そっか、まぁ、金のことは俺も知らんが、ロイドがいりゃ大丈夫だろ」
 あっけらかんと笑うジョン。

「でも、心配じゃない? その、無理とかしてないのかなぁって……」
「聞いてみりゃいいじゃねぇか」
「それは……」

「――ご安心を」

「ひっ⁉」

 突然、後ろから声がする。
 ビクッと肩を震わせ、振り返るとアルフレッドが私を見下ろしていた。

「も、もう……アルフレッドは鈴とか付けといてよ……」
「余計な心配をするよりも、このデータに目を通しておいてください」

 そう言って、アルフレッドは書類の入った封筒をカウンターに置いた。

「これは……」
「参加する貴族の中で、影響力のある者のデータを集めました。今回はウィルギスからの参加も想定して調べてあります、必ず頭に入れておくようにしてください」
「わ、わかったわ……」

 アルフレッドは小さく頷くと、足早に厨房を去って行った。

「ジジイも忙しそうだな」
「うん……」
「そんな顔すんなよ、ロイドなら心配ねぇさ」
「うん、そうだよね……今は自分にできることやってみる、じゃあ、ありがとね」
「おぅ、がんばれ」

 私はジョンに手を振って厨房を後にした。
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