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第10章 第9話 エリア666 崩壊災害
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エリア666はそこに住んでいた人々と共に消滅した。当然ながら世界中がパニックに陥る事態である。
「エリア015のジオフロントは安全な状況だと我々が確認しました。どうかご安心ください」
エンシャント財団代表の秋亜が、自ら市民に説明していた。彼女も市民に少しでも落ち着いて欲しいと思っているのだ。
だが世界中のエリアで、人々のパニックは続いている。彼らは自分達が暮らしている場所の地面が、突然吹き飛ぶ恐怖に怯え始めている。
それは桃香と鼎が暮らしているエリア003も例外ではなかった。666と同じような災害が起きた時に何処に逃げればいいのか、誰にも分からないのだ。
「とんでもない状況だね…この世界の何処にも逃げ場なんてないよ」
「エリア700のジオフロントの外の町なら大丈夫かも知れない…あそこ色々不便だけど」
桃香と鼎も、流石に今回の惨事には衝撃を受けていた。もはや自分達に出来る事は無いのかも知れないと考えていた。
エリア666で生存者の捜索が行われたが、無意味だった。あれ程の爆風の中で生きていられる生命体がいるはずも無いのだ。
ーー
「巴、エリア666にアナザーアースの立体映像が現れた件だけど…」
「今はそこに立ち入る事ができなくなってるよ。原因はまだ不明」
鼎は巴の研究室に来て、アナザーアースの状況について尋ねていた。巴の方も、連日の事件にかなり疲れている様子だった。
「そこにいたユーザーは…?」
「強制的にログアウトさせられたみたいだけど、特に問題は無さそう」
爆発で人々が吹き飛ばされたエリア666の上空に現れたアナザーアースの立体映像。どういった原理で投影されたのか、まだ解明できていない。
「エリア666からログインしてたユーザーは…」
「消えたよ。現実の肉体が木っ端微塵になったんだからね」
巴は調査に追われていて、かなり疲れている様子だった。鼎は研究室を後にして、アナザーアースからログアウトした。
ーー
『今回のエリア666で起きた災害の犠牲者は、500万人以上とされています。事前にエリア015に避難していた入院患者や医療関係者の無事は確認されており…』
そのニュースはまだ各地で報道されており、人々は不安を募らせている。自分達が彼らの様に死ぬかもしれないという恐怖に襲われているのだ。
「当分この混乱は続きそうね…」
「エリア003でも陰謀論が飛び交う愉快な惨状になってるよ」
桃香は力無く笑っていたが、明らかに情勢は悪化していた。普通に暮らしていても突然死ぬ可能性を、人類は改めて知る事になったのだ。
「アナザーアースへの長時間のログインも増えてるみたい」
「仮想現実への逃避…か」
元々多かったが、仮想現実のユーザー数は増加傾向にある。現実世界での不安から、誰もが逃避したがっているのだ。
(メッセージ…巴から…)
着信音が鳴ってデバイスを確認すると、巴からのメッセージを受信していた。鼎はいつもと変わらずに、巴のメッセージを確認した。
『ストリートにテロ組織が現れた』
(このタイミング…何が目的?)
まだまだアナザーアースも現実世界も混乱が続いている。その隙にテロ活動などされれば、甚大な被害が出る恐れがある。
「テロ組織が動き始めたんだね。こっちで動けるのは…」
「私達だけ」
プログラマーである巴やエンシャント財団は事態の収拾に追われている。現在は依頼が無い鼎とブラックエリアを追われた桃香だけが、テロ組織に対処出来る。
「勝てる見込みあるの、鼎サン?」
「取り敢えず会ってみよう。聞きたい事、色々あるし」
鼎と桃香は今回の惨禍について探る為に、アナザーアースにログインした…
「エリア015のジオフロントは安全な状況だと我々が確認しました。どうかご安心ください」
エンシャント財団代表の秋亜が、自ら市民に説明していた。彼女も市民に少しでも落ち着いて欲しいと思っているのだ。
だが世界中のエリアで、人々のパニックは続いている。彼らは自分達が暮らしている場所の地面が、突然吹き飛ぶ恐怖に怯え始めている。
それは桃香と鼎が暮らしているエリア003も例外ではなかった。666と同じような災害が起きた時に何処に逃げればいいのか、誰にも分からないのだ。
「とんでもない状況だね…この世界の何処にも逃げ場なんてないよ」
「エリア700のジオフロントの外の町なら大丈夫かも知れない…あそこ色々不便だけど」
桃香と鼎も、流石に今回の惨事には衝撃を受けていた。もはや自分達に出来る事は無いのかも知れないと考えていた。
エリア666で生存者の捜索が行われたが、無意味だった。あれ程の爆風の中で生きていられる生命体がいるはずも無いのだ。
ーー
「巴、エリア666にアナザーアースの立体映像が現れた件だけど…」
「今はそこに立ち入る事ができなくなってるよ。原因はまだ不明」
鼎は巴の研究室に来て、アナザーアースの状況について尋ねていた。巴の方も、連日の事件にかなり疲れている様子だった。
「そこにいたユーザーは…?」
「強制的にログアウトさせられたみたいだけど、特に問題は無さそう」
爆発で人々が吹き飛ばされたエリア666の上空に現れたアナザーアースの立体映像。どういった原理で投影されたのか、まだ解明できていない。
「エリア666からログインしてたユーザーは…」
「消えたよ。現実の肉体が木っ端微塵になったんだからね」
巴は調査に追われていて、かなり疲れている様子だった。鼎は研究室を後にして、アナザーアースからログアウトした。
ーー
『今回のエリア666で起きた災害の犠牲者は、500万人以上とされています。事前にエリア015に避難していた入院患者や医療関係者の無事は確認されており…』
そのニュースはまだ各地で報道されており、人々は不安を募らせている。自分達が彼らの様に死ぬかもしれないという恐怖に襲われているのだ。
「当分この混乱は続きそうね…」
「エリア003でも陰謀論が飛び交う愉快な惨状になってるよ」
桃香は力無く笑っていたが、明らかに情勢は悪化していた。普通に暮らしていても突然死ぬ可能性を、人類は改めて知る事になったのだ。
「アナザーアースへの長時間のログインも増えてるみたい」
「仮想現実への逃避…か」
元々多かったが、仮想現実のユーザー数は増加傾向にある。現実世界での不安から、誰もが逃避したがっているのだ。
(メッセージ…巴から…)
着信音が鳴ってデバイスを確認すると、巴からのメッセージを受信していた。鼎はいつもと変わらずに、巴のメッセージを確認した。
『ストリートにテロ組織が現れた』
(このタイミング…何が目的?)
まだまだアナザーアースも現実世界も混乱が続いている。その隙にテロ活動などされれば、甚大な被害が出る恐れがある。
「テロ組織が動き始めたんだね。こっちで動けるのは…」
「私達だけ」
プログラマーである巴やエンシャント財団は事態の収拾に追われている。現在は依頼が無い鼎とブラックエリアを追われた桃香だけが、テロ組織に対処出来る。
「勝てる見込みあるの、鼎サン?」
「取り敢えず会ってみよう。聞きたい事、色々あるし」
鼎と桃香は今回の惨禍について探る為に、アナザーアースにログインした…
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