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第8章 第1話 解体魔人エリシア
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『桃香…あなたは相変わらずゲーム?』
『unreal survival、面白いよ』
鼎が仮想現実専門の探偵として依頼をこなす一方、桃香はVRMMOに夢中になっていた。賭場の再建も一応終わったので、やる事がなくなったのだ。
『私はオンラインゲームは当分いいや…』
桃香はunreal survivalで、着実にランクを上げていた。アクション性の高いRPGで、桃香にとってはやり込む価値があった。
ーー
(桃香・グリフィン…またランキング上がってる)
新人プレイヤーの成績をチェックしていたのは『解体魔人』の異名で知られているエリシアだった。現実の体にダメージは無いとはいえ、PvPコンテンツで相手プレイヤーの体を容赦無く壊すことからつけられた二つ名だった。
(初心者なのにかなり強い…普段は何してるんだろう…)
彼女を不審に思ったエリシアは、彼女の特徴であるピンク髪の猫耳アバターの少女についての情報を検索した。殆どがアニメキャラのコスプレの画像だったが、いくつかブラックエリアで撮影されたと思われる写真も確認できた。
(これが普段の桃香…)
写真の桃香は普段と同じ可愛らしい顔だったが、不敵な笑みを浮かべていた。彼女がブラックエリアの実力者である事は間違い無さそうだ。
(単なる下っ端じゃなさそう…それどころか施設の責任者…)
無法地帯を潜り抜けて来た人物なら、戦いの経験をゲームにも活かせるだろう。彼女がこのゲームを始めた理由はただの暇つぶしなのだろうか…
(どちらにせよ…一度会ってみよう)
ーー
(強敵ミッション…ボク一人で挑むのは無謀かな)
桃香はミッションに協力して挑むプレイヤーを募集した。ただ昼間だったので、集まってくれるプレイヤーは少なかった。
(一人でも攻略できる別のミッションに…ってあれ、来てくれた)
現れたのは、角が生えた黒髪の少女のアバターだった。装備はそこそこ強い物をもっていたので、実力もありそうだ。
「プレイヤー名は…エリシアだね。よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ーー
「なんかグロい見た目のボスだねー」
「あなたも強いみたいだし、さっさと倒しましょう」
桃香の武器は剣で、エリシアの武器は大斧だった。どちらも接近戦用の武器でバランスが悪そうだが、速攻を仕掛ける分には問題は無かった。
「ふんっ!」
「お~パワフル。ボクも負けてられないね」
エリシアの戦い方は、大斧を振り回す豪快なものだった。桃香の方は剣を使って的確に弱点を突くヒット&アウェイ戦法をとっていた。
「なんか血みたいの吐いてくるし…どこまでグロいの…」
「確かに見た目は良くない…早く倒しましょう」
エリシアは大斧を振り回して、ボスモンスターの右腕を切り落とした。桃香は断面に剣を突き立てて、ダメージはさらに加速する。
グオおおおッ…
ボスモンスターは怯みながら呻き声をあげている。次の瞬間、モンスターは左腕を乱暴に振って桃香を攻撃した。
「うわっ!」
「桃香っ!」
「ボクは大丈夫!それより…」
「…迎え撃つ!」
グロテスクな見た目のモンスターは、エリシアの眼前に迫っていた。彼女は冷静に大斧で斬り上げる為の構えを取った。
「…せいっ!」
「すごい…真っ二つだ」
モンスターは見事に股間から二つに分かれていた。当然、討伐成功という事でミッションクリアとなる。
「勝てた…あなたもお疲れ様」
「君強いんだね」
エリシアの一撃を見た桃香は、素直に称賛していた。報酬に関しても、彼女に多く分配しようと思っていた。
ーー
「始めたばかりなのに、すごい才能ですね」
「そうかな~プロのゲーマーとして生計を立てるのも悪くないかも~」
既にエリシアは桃香がブラックエリアで活動している事を知っている。そこで彼女は、大胆な質問をしてみる事にした。
「あなたはブラックエリアで何をしているの?」
『unreal survival、面白いよ』
鼎が仮想現実専門の探偵として依頼をこなす一方、桃香はVRMMOに夢中になっていた。賭場の再建も一応終わったので、やる事がなくなったのだ。
『私はオンラインゲームは当分いいや…』
桃香はunreal survivalで、着実にランクを上げていた。アクション性の高いRPGで、桃香にとってはやり込む価値があった。
ーー
(桃香・グリフィン…またランキング上がってる)
新人プレイヤーの成績をチェックしていたのは『解体魔人』の異名で知られているエリシアだった。現実の体にダメージは無いとはいえ、PvPコンテンツで相手プレイヤーの体を容赦無く壊すことからつけられた二つ名だった。
(初心者なのにかなり強い…普段は何してるんだろう…)
彼女を不審に思ったエリシアは、彼女の特徴であるピンク髪の猫耳アバターの少女についての情報を検索した。殆どがアニメキャラのコスプレの画像だったが、いくつかブラックエリアで撮影されたと思われる写真も確認できた。
(これが普段の桃香…)
写真の桃香は普段と同じ可愛らしい顔だったが、不敵な笑みを浮かべていた。彼女がブラックエリアの実力者である事は間違い無さそうだ。
(単なる下っ端じゃなさそう…それどころか施設の責任者…)
無法地帯を潜り抜けて来た人物なら、戦いの経験をゲームにも活かせるだろう。彼女がこのゲームを始めた理由はただの暇つぶしなのだろうか…
(どちらにせよ…一度会ってみよう)
ーー
(強敵ミッション…ボク一人で挑むのは無謀かな)
桃香はミッションに協力して挑むプレイヤーを募集した。ただ昼間だったので、集まってくれるプレイヤーは少なかった。
(一人でも攻略できる別のミッションに…ってあれ、来てくれた)
現れたのは、角が生えた黒髪の少女のアバターだった。装備はそこそこ強い物をもっていたので、実力もありそうだ。
「プレイヤー名は…エリシアだね。よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ーー
「なんかグロい見た目のボスだねー」
「あなたも強いみたいだし、さっさと倒しましょう」
桃香の武器は剣で、エリシアの武器は大斧だった。どちらも接近戦用の武器でバランスが悪そうだが、速攻を仕掛ける分には問題は無かった。
「ふんっ!」
「お~パワフル。ボクも負けてられないね」
エリシアの戦い方は、大斧を振り回す豪快なものだった。桃香の方は剣を使って的確に弱点を突くヒット&アウェイ戦法をとっていた。
「なんか血みたいの吐いてくるし…どこまでグロいの…」
「確かに見た目は良くない…早く倒しましょう」
エリシアは大斧を振り回して、ボスモンスターの右腕を切り落とした。桃香は断面に剣を突き立てて、ダメージはさらに加速する。
グオおおおッ…
ボスモンスターは怯みながら呻き声をあげている。次の瞬間、モンスターは左腕を乱暴に振って桃香を攻撃した。
「うわっ!」
「桃香っ!」
「ボクは大丈夫!それより…」
「…迎え撃つ!」
グロテスクな見た目のモンスターは、エリシアの眼前に迫っていた。彼女は冷静に大斧で斬り上げる為の構えを取った。
「…せいっ!」
「すごい…真っ二つだ」
モンスターは見事に股間から二つに分かれていた。当然、討伐成功という事でミッションクリアとなる。
「勝てた…あなたもお疲れ様」
「君強いんだね」
エリシアの一撃を見た桃香は、素直に称賛していた。報酬に関しても、彼女に多く分配しようと思っていた。
ーー
「始めたばかりなのに、すごい才能ですね」
「そうかな~プロのゲーマーとして生計を立てるのも悪くないかも~」
既にエリシアは桃香がブラックエリアで活動している事を知っている。そこで彼女は、大胆な質問をしてみる事にした。
「あなたはブラックエリアで何をしているの?」
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