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第2章 第11話 テロ組織の襲撃 少女の名はナガレ
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「車が爆発したぞー‼︎」
「これはテロだ!間違いない!」
「テロ…?!早く逃げないと!」
「おいなんだ…やめろ押すな!」
ーー
「パニックだ…色々言いたい事はあるけど、今は騒ぎを止めないと!」
鼎達は爆発が発生した場所の近くのカフェにいたが、咄嗟に遮蔽物の陰に隠れたので爆風を受ける事は無かった。鼎はすぐに犯人達を探そうとしたが、彼らは向こうから姿を現した。
「かなりの重装備…あれは本格的なテロ組織だね。アンタは本当に知らないの?」
桃香は研究施設の管理人を疑っていたが、彼は本当に困っている様子になっていた。管理人は素早く仮想空間の変化を計測して、苦々しい顔になっていた。
「私は知りませんが…今の爆発プログラムによって、この辺りのエリアは汚染状態になりました。あなた方も、早く離れた方が良いと思います」
「嫌だね。逃げる前にアンタをあの連中の前に突き出してやる」
桃香は管理人を拘束しようとした…が、管理人はうまく体を逸らして、桃香から距離を空けた。逃げようとした管理人だったが、偵察していたテロ組織の一員と目が合ってしまった。
ーー
数分前…
テロ組織のメンバー達は、防護服の上からアーマーを身につけていた。防護服は見た目だけでは無く、有害なプログラムからアバターを守る機能が備わっている物だった。
「アナザーアースの開発者の1人が、このストリートの何処かに潜んでいる筈だ。徹底的に調べろ」
「はい!」
「みんな、頑張ってね~」
「ナガレ、他の者達だけでなく君も頑張らないといけない…分かっているな?」
テロ組織はすぐにアナザーアースの開発者を探し始めた。パニックに陥った群衆の中で、邪魔になりそうなアバターには容赦なく攻撃を加えた。
「まったく、わざわざこんな人が多い時間にやらなくても…って」
愚痴を言いながら捜索していた新人だったが、頭が透き通ったスーツ姿の男が視界に入った。スーツ姿の男と目が合った瞬間に、新人はナガレにメッセージを送信した。
ーー
「離して下さい!早く逃げないとマズイ…」
「見つけた…ネネ、今回は逃がさないよ!」
困惑している隙を突かれて、腕を掴まれた管理人の前に降り立ったのは、テロ組織の一員でナガレと呼ばれていた少女だった。普段は穏やかなナガレだったが管理人の事をネネと呼び、明確な敵意を向けていた。
「ネネ…?こいつの名前?」
「知りませんよ、人違いではないでしょうか!」
鼎は管理人に確認しようとしたが、彼は必死に知らないフリをしていた。しかし発言がわざとらし過ぎたので、桃香は管理人がネネという人物で間違い無いと判断した。
「いやそんな変なアバター使ってるからいけないんでしょ。人違いならちゃんとあの子に説明したら?」
「いや、話し合いでどうにかなる状況じゃないです。離してください!」
管理人は桃香を乱暴に振り払って逃げ出そうとしたが、彼の前に向けられたのは浮遊する6丁の銃だった。ナガレとしても、彼をこのまま逃すつもりなど無かった。
「どこに行こうとしてるの?私達について来てもらうよ!」
「先程は遅れを取ってしまいましたが、もう止められませんよ」
桃香と距離を取った管理人のアバターは、再び特殊機能を使える様になった。今なら銃弾を喰らっても、ほとんどダメージは無いだろう。
「くっ…」ダダダダッ!
「リロードはかなり早いみたいですが、やはり何発撃っても抜け殻相手には効果は無いでしょうね」
管理人は普段は他者が放棄したアバターである"抜け殻"を用いて活動している。現実世界における死体同然の抜け殻に対しては、打撃はほとんど意味を成さないのだ。
「では、私は帰らせてもらいましょう。貴方も暴れるのは程々にした方がいいと思いますよ」
「…今回は、そう言われて素直に退く訳無いんだよね」
管理人は余裕を取り戻していたが、ナガレは直ぐにテロ組織のメンバーに指示を出した。すぐに管理人の周囲に向かって、組織のメンバーが集まり始めた。
「おっと…無理矢理取り押さえるつもりですね」
「死体である事以外に、特異性は無いんでしょ?」
管理人は驚くこともなく、冷静に周囲を見回してテロ組織のメンバーの数を確認していた。向こうが動かないと判断したナガレはデバイスで指示を出し、組織のメンバーが一斉に管理人を取り押さえようとした。
「その程度で私を止められると思うな!」
管理人が力任せにテロ組織の前衛を吹っ飛ばすと、即座に後衛が発砲する。しかし銃弾を喰らっても、管理人は気にしていなかった。
「やっぱり効かない…!」
「甘かったのは貴方の方ですね。私はこれで失礼させて貰いますよ」
管理人はそう言うと素早く跳躍して、ビルの上へと去っていった。ナガレ達はすぐには後を追わず、他のエリアで待機しているメンバーにメッセージを送信した。
「まだ近くに隠れているはず!邪魔な建物は破壊しても構わない、何としても拘束するよ!」
「ちょっと待て、ストリートを更地にするのは論外!」
ーー
管理人…ネネを探そうとするナガレの前に立ち塞がったのは、桃香と鼎だった。ナガレにとっては彼女達はよく知らない邪魔者でしかなかった。
(猫耳の子供とこれと言って特徴のない女…私1人でも対処出来る)
ナガレは複数の砲塔を召喚して、一斉に弾丸を射出した。
「これはテロだ!間違いない!」
「テロ…?!早く逃げないと!」
「おいなんだ…やめろ押すな!」
ーー
「パニックだ…色々言いたい事はあるけど、今は騒ぎを止めないと!」
鼎達は爆発が発生した場所の近くのカフェにいたが、咄嗟に遮蔽物の陰に隠れたので爆風を受ける事は無かった。鼎はすぐに犯人達を探そうとしたが、彼らは向こうから姿を現した。
「かなりの重装備…あれは本格的なテロ組織だね。アンタは本当に知らないの?」
桃香は研究施設の管理人を疑っていたが、彼は本当に困っている様子になっていた。管理人は素早く仮想空間の変化を計測して、苦々しい顔になっていた。
「私は知りませんが…今の爆発プログラムによって、この辺りのエリアは汚染状態になりました。あなた方も、早く離れた方が良いと思います」
「嫌だね。逃げる前にアンタをあの連中の前に突き出してやる」
桃香は管理人を拘束しようとした…が、管理人はうまく体を逸らして、桃香から距離を空けた。逃げようとした管理人だったが、偵察していたテロ組織の一員と目が合ってしまった。
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数分前…
テロ組織のメンバー達は、防護服の上からアーマーを身につけていた。防護服は見た目だけでは無く、有害なプログラムからアバターを守る機能が備わっている物だった。
「アナザーアースの開発者の1人が、このストリートの何処かに潜んでいる筈だ。徹底的に調べろ」
「はい!」
「みんな、頑張ってね~」
「ナガレ、他の者達だけでなく君も頑張らないといけない…分かっているな?」
テロ組織はすぐにアナザーアースの開発者を探し始めた。パニックに陥った群衆の中で、邪魔になりそうなアバターには容赦なく攻撃を加えた。
「まったく、わざわざこんな人が多い時間にやらなくても…って」
愚痴を言いながら捜索していた新人だったが、頭が透き通ったスーツ姿の男が視界に入った。スーツ姿の男と目が合った瞬間に、新人はナガレにメッセージを送信した。
ーー
「離して下さい!早く逃げないとマズイ…」
「見つけた…ネネ、今回は逃がさないよ!」
困惑している隙を突かれて、腕を掴まれた管理人の前に降り立ったのは、テロ組織の一員でナガレと呼ばれていた少女だった。普段は穏やかなナガレだったが管理人の事をネネと呼び、明確な敵意を向けていた。
「ネネ…?こいつの名前?」
「知りませんよ、人違いではないでしょうか!」
鼎は管理人に確認しようとしたが、彼は必死に知らないフリをしていた。しかし発言がわざとらし過ぎたので、桃香は管理人がネネという人物で間違い無いと判断した。
「いやそんな変なアバター使ってるからいけないんでしょ。人違いならちゃんとあの子に説明したら?」
「いや、話し合いでどうにかなる状況じゃないです。離してください!」
管理人は桃香を乱暴に振り払って逃げ出そうとしたが、彼の前に向けられたのは浮遊する6丁の銃だった。ナガレとしても、彼をこのまま逃すつもりなど無かった。
「どこに行こうとしてるの?私達について来てもらうよ!」
「先程は遅れを取ってしまいましたが、もう止められませんよ」
桃香と距離を取った管理人のアバターは、再び特殊機能を使える様になった。今なら銃弾を喰らっても、ほとんどダメージは無いだろう。
「くっ…」ダダダダッ!
「リロードはかなり早いみたいですが、やはり何発撃っても抜け殻相手には効果は無いでしょうね」
管理人は普段は他者が放棄したアバターである"抜け殻"を用いて活動している。現実世界における死体同然の抜け殻に対しては、打撃はほとんど意味を成さないのだ。
「では、私は帰らせてもらいましょう。貴方も暴れるのは程々にした方がいいと思いますよ」
「…今回は、そう言われて素直に退く訳無いんだよね」
管理人は余裕を取り戻していたが、ナガレは直ぐにテロ組織のメンバーに指示を出した。すぐに管理人の周囲に向かって、組織のメンバーが集まり始めた。
「おっと…無理矢理取り押さえるつもりですね」
「死体である事以外に、特異性は無いんでしょ?」
管理人は驚くこともなく、冷静に周囲を見回してテロ組織のメンバーの数を確認していた。向こうが動かないと判断したナガレはデバイスで指示を出し、組織のメンバーが一斉に管理人を取り押さえようとした。
「その程度で私を止められると思うな!」
管理人が力任せにテロ組織の前衛を吹っ飛ばすと、即座に後衛が発砲する。しかし銃弾を喰らっても、管理人は気にしていなかった。
「やっぱり効かない…!」
「甘かったのは貴方の方ですね。私はこれで失礼させて貰いますよ」
管理人はそう言うと素早く跳躍して、ビルの上へと去っていった。ナガレ達はすぐには後を追わず、他のエリアで待機しているメンバーにメッセージを送信した。
「まだ近くに隠れているはず!邪魔な建物は破壊しても構わない、何としても拘束するよ!」
「ちょっと待て、ストリートを更地にするのは論外!」
ーー
管理人…ネネを探そうとするナガレの前に立ち塞がったのは、桃香と鼎だった。ナガレにとっては彼女達はよく知らない邪魔者でしかなかった。
(猫耳の子供とこれと言って特徴のない女…私1人でも対処出来る)
ナガレは複数の砲塔を召喚して、一斉に弾丸を射出した。
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