12 / 33
1章
・
しおりを挟む
*
「…っと、」
そっと、疾風は己のベッドに里桜を寝かせる。
前髪をかきあげ、かけていた眼鏡を奪うと、いつもは前髪で隠れた目元が露わになる。
目元を縁取る、長い睫毛。
少し開かれキスを誘うような、くちびる。
鈴と双子だから似ている筈なのに…その印象はかなり違って見える。
鈴が明るい太陽ならば、里桜は月。
鈴が兔ならば、里桜は猫なのだ。
控えめに輝いて、辺りを照らす、美しい月。
華奢で小柄なで、でも女のような肉付きもしていないし、子供っぽい身体。
しかし、欲が灯ればなまめかしく疾風を誘う。
本当はただ優しくしたいだけなのに、疾風は里桜の身体に触れればタカが外れてしまい、やるはずもなかった暴挙をおかしてしまう。
長い片思いの期間が、疾風の暴走に拍車をかけた。
鈴が万人に甘えられる性格なのに対し、里桜は甘えるのも下手ですぐに虚勢を張る。
欲しいものも、欲しいといえずただ見ているだけ。
それを、ずっと疾風は見てきた。今まで、ずっと…。
里桜はきっと知ることもないだろうけれど。
「…っくそっ…」
自分は、里桜にどう見られているのだろうか。
無理やり抱いた最低な担任か。
自重できなかった自分に、ほとほと嫌気が差す。
「あいつなら…、もっと優しくできるんだろうな…」
自分の弟を思い出し、疾風は苦笑する。
今まで自分は自分、弟は弟、でコンプレックスや僻んだりをしたことはなかった。
女に告白された回数は、弟よりも多いかもしれない。
けれど…気持ちをうまく伝える面では駄目だった。
好きであればあるほど、空回りして本心を告げることができない。
隼人は、ずっと鈴に優しく甘やかしているのに、自分は初めて会った時から泣かせてばかり。
隼人は悪い大人…ではないが、口も上手いし、頭の回転も早い。
今頃ぽやぽやの鈴は隼人にいいように丸めこまれ、初エッチでもしているんではないだろうか。
それに引き替え自分は、嫌われていく一方で…。
「はぁ…」
深いため息とともに、尻ポケットに入れていた携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると、隼人からだった。
うんざりとした気分で、疾風は通話ボタンを押す。
すると、予想通り弾むような声で電話口から「もしもし…?」と隼人の声がした。
「もしもし…、ああ、兄貴?俺だよ、俺」
俺だよ、俺、なんて白々しい。
いつもは、自分のことを〝私〟という癖に。
よっぽど浮かれているのか…。
笑いを含んだその声は、実に機嫌のいいものだった。
「…なんだよ…」
「今、どこにいると思う…?」
「…どこって…」
家にかえるといっていたから、隼人たちの家か里桜と鈴の家だろう。
そう答えてやれば、くく、と隼人は笑い、
「違うよ」
という。
「兄貴もずっと鈴と行きたいと思っていた場所だよ」
「…はぁ…?」
「すっごいいいところ。
鈴とようやく行けたんだ。悪いね、兄貴」
「ちょっと待て、いいところって…」
「鈴と行くならとっても楽しい、いいところ、だよ」
鈴と…?
はて…?と首を傾げながら、疾風は頭をかく。
鈴と行きたかった場所…。てんで、検討がつかない。
「どこだよ…。鈴と行きたかった場所って…」
「わからない…?」
「わっかんねぇよ。
ってか、お前とクイズしている暇なんてねぇ…きる」
「今、ラブホにいる。…抱いたよ、鈴を」
「ラブホ…?」
「…そう…。鈴と、あれから行ったの。二人で…」
「…!おまえ…」
「抱いたよ…。
いい加減、我慢も出来なかった。ずっと好きだったんだ。愛しいんだよ、鈴が。
鈴ね、可愛かったよ、泣いて、もっとしてっていって…。
ねぇ、兄貴…
鈴は、誰にも渡さないから…。兄貴にも、誰にも…」
きっと、電話先の隼人は、ほの暗い笑みを浮かべてるんだろう。
この笑いをするとき、隼人はいつもの温和な隼人ではなくなる。
自分勝手で冷酷で傲慢な人間になるのだ。
疾風以上に、傲慢で自分本位で、鬼畜。それが隼人の本性だと疾風は思っている。
弟は優しく見えて、ドがつくほど腹黒な鬼畜眼鏡なのだ。
「…お前…鈴は…」
「もちろん、合意だよ…。ちゃんとならしたし…。
ちょっと暴走しちゃったけど、うまくやれたと思う」
「うまくやれたって……」
隼人は貴公子然とした王子様のような顔して、実は絶倫だ…と、大学の時の女の友人に聞いたことがある。
寝たら次の日は確実におきれなくなるとかなんとか…。
純粋な里桜や鈴が知ったら、軽蔑されること間違いなしなほど昔、隼人は派手に遊んでいた。
「お前…鈴によくやれたな…。あのぽけぽけの鈴に…」
「やだなぁ。兄貴。俺はだいぶ待ったよ?
初めて会った時から今まで。褒めてほしいくらいだよ」
「なにが褒めてほしい、だ。
昔から、不埒なことをしてたくせに」
隼人は鈴が警戒しないことをいいことに、昔からキスや一緒にお風呂入ったりと色々際どいこともしていた。
鈴は気づきもしなかっただろう。
優しいお兄さんが実は飢えた狼であったなどと。
「兄貴だって…、鈴のストーカーしていただろう?」
憤慨だ…とばかりに、隼人は返す。
鈴のストーカーなんて、していない。
見ていたのは、里桜だ。
だが、隼人は勘違いしている。
疾風も鈴を好きだと思っているのだ。
恋するものは周りを見えなくするのか…。
「あのなぁ…、俺はーー」
「ああ、ごめん、鈴がまた起きそうだから。きるよ」
隼人は一方的に電話を切ってしまった。
「ホテル…ね…」
案の定、疾風はラブホテルに鈴を誘い、ベッドで抱いたらしい。
予想していた通りだ。
まさか…とは思っていたが…。
兄弟になった途端、手が早すぎやしないか。
未成年の、それもド天然の鈴に。
「―くそっ…、」
忌々しい、腹立たしい。
別に、疾風は鈴のことは好きではないし、抱きたいとも思ったことはない。
可愛いな…とは思ったことはあるが、それは〝弟分〟として、だ。
でも…
「抱いた、だぁ?ふざけんじゃねぇよ…」
自分がもたもたしている間に、弟である隼人は長年の思いを実らせた。
それが腹立たしかった。
自分だって、隼人以上に相手を見ているし、好きなのに…。
長年煮え湯を飲まされているのに…。
なのに、どうして…
「―どうして、俺じゃねぇんだよ…。馬鹿里桜…」
里桜は隼人が好きだ。
〝優しい〟隼人が好きらしい。
小さい頃から、鈴と同じく、里桜は隼人ばかり見ていた。
そんな里桜を、ずっと疾風だって見てきたのだ。
ずっと…。
里桜が隼人に恋していた時間、疾風も里桜に恋をしていた。
だから、身を以てわかる。
隼人は鈴しか見ていない。
鈴も、疾風しか見えていないようだった。
通じない想い。実らない恋。
なら、いつかは、里桜も諦めて、自分を見てくれるかもしれない。
思い続けて、早数年。
里桜は未だに隼人だけを見つめ、隼人は鈴を愛し、鈴は隼人しか見えず…
そして、自分も里桜を変わらず自分をみてくれない相手を思い続けていた。
「―なんだって、俺たちはうまくいかねぇんだよ…」
同じ弟たちは、今夜めでたく思いが実り、結ばれたというのに…。
なのに自分たちは…行き場のない思いを持て余している。
「―ああああ、くそ、ふざけんな…」
身体だけでも良かった。
里桜が自分の学校の生徒になったとき、チャンスだと思った。
心が無理なら、身体だけでも、ものにしよう、なんて。
実際、やってみれば実に空しい。
快楽に身体はすっきりとするものの…終わった後はどうしようもない虚無感が襲いかかる。
ただ性欲を処理しているだけ。
身体は近いのに心はどんどん遠くなっていく。
かといって、今更好きだったなんて言っても、冗談としか受け取られないだろう。
始まりがもっとまともであったならば、里桜は少しは自分を意識してくれただろうか。
「里桜、」
寝ている里桜の顔を両手で包み、そっと顔を近づける。
長い睫毛に縁取られた、形のよい瞳。
ふっくらとした桜色の唇。
目にすれば、全てが欲しくなる。
まるで、麻薬のようだ。
「里桜」
ちゅ、と、音をたてて唇を吸う。
里桜はよっぽど疲れているのか、散々疾風がキスしても起きなかった。
疾風はしばらく眠っている里桜の唇を堪能し…
意識のない身体に軽く悪戯をする。
「―起きねぇな…、くそ…つまんねぇ…」
悪戯しても反応がなければ、つまらない。
人形にしているのと同じだ。
今頃隼人は鈴の可愛らしい反応を見て、にやにやしているんだろうか。
考えただけでイライラが募る。
今夜は、呑まなきゃ、やってられない。
「―あああ、もう、今夜は呑む。呑むぞー」
疾風はそう宣言し、ビールを次々と開けていった。
「…っと、」
そっと、疾風は己のベッドに里桜を寝かせる。
前髪をかきあげ、かけていた眼鏡を奪うと、いつもは前髪で隠れた目元が露わになる。
目元を縁取る、長い睫毛。
少し開かれキスを誘うような、くちびる。
鈴と双子だから似ている筈なのに…その印象はかなり違って見える。
鈴が明るい太陽ならば、里桜は月。
鈴が兔ならば、里桜は猫なのだ。
控えめに輝いて、辺りを照らす、美しい月。
華奢で小柄なで、でも女のような肉付きもしていないし、子供っぽい身体。
しかし、欲が灯ればなまめかしく疾風を誘う。
本当はただ優しくしたいだけなのに、疾風は里桜の身体に触れればタカが外れてしまい、やるはずもなかった暴挙をおかしてしまう。
長い片思いの期間が、疾風の暴走に拍車をかけた。
鈴が万人に甘えられる性格なのに対し、里桜は甘えるのも下手ですぐに虚勢を張る。
欲しいものも、欲しいといえずただ見ているだけ。
それを、ずっと疾風は見てきた。今まで、ずっと…。
里桜はきっと知ることもないだろうけれど。
「…っくそっ…」
自分は、里桜にどう見られているのだろうか。
無理やり抱いた最低な担任か。
自重できなかった自分に、ほとほと嫌気が差す。
「あいつなら…、もっと優しくできるんだろうな…」
自分の弟を思い出し、疾風は苦笑する。
今まで自分は自分、弟は弟、でコンプレックスや僻んだりをしたことはなかった。
女に告白された回数は、弟よりも多いかもしれない。
けれど…気持ちをうまく伝える面では駄目だった。
好きであればあるほど、空回りして本心を告げることができない。
隼人は、ずっと鈴に優しく甘やかしているのに、自分は初めて会った時から泣かせてばかり。
隼人は悪い大人…ではないが、口も上手いし、頭の回転も早い。
今頃ぽやぽやの鈴は隼人にいいように丸めこまれ、初エッチでもしているんではないだろうか。
それに引き替え自分は、嫌われていく一方で…。
「はぁ…」
深いため息とともに、尻ポケットに入れていた携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると、隼人からだった。
うんざりとした気分で、疾風は通話ボタンを押す。
すると、予想通り弾むような声で電話口から「もしもし…?」と隼人の声がした。
「もしもし…、ああ、兄貴?俺だよ、俺」
俺だよ、俺、なんて白々しい。
いつもは、自分のことを〝私〟という癖に。
よっぽど浮かれているのか…。
笑いを含んだその声は、実に機嫌のいいものだった。
「…なんだよ…」
「今、どこにいると思う…?」
「…どこって…」
家にかえるといっていたから、隼人たちの家か里桜と鈴の家だろう。
そう答えてやれば、くく、と隼人は笑い、
「違うよ」
という。
「兄貴もずっと鈴と行きたいと思っていた場所だよ」
「…はぁ…?」
「すっごいいいところ。
鈴とようやく行けたんだ。悪いね、兄貴」
「ちょっと待て、いいところって…」
「鈴と行くならとっても楽しい、いいところ、だよ」
鈴と…?
はて…?と首を傾げながら、疾風は頭をかく。
鈴と行きたかった場所…。てんで、検討がつかない。
「どこだよ…。鈴と行きたかった場所って…」
「わからない…?」
「わっかんねぇよ。
ってか、お前とクイズしている暇なんてねぇ…きる」
「今、ラブホにいる。…抱いたよ、鈴を」
「ラブホ…?」
「…そう…。鈴と、あれから行ったの。二人で…」
「…!おまえ…」
「抱いたよ…。
いい加減、我慢も出来なかった。ずっと好きだったんだ。愛しいんだよ、鈴が。
鈴ね、可愛かったよ、泣いて、もっとしてっていって…。
ねぇ、兄貴…
鈴は、誰にも渡さないから…。兄貴にも、誰にも…」
きっと、電話先の隼人は、ほの暗い笑みを浮かべてるんだろう。
この笑いをするとき、隼人はいつもの温和な隼人ではなくなる。
自分勝手で冷酷で傲慢な人間になるのだ。
疾風以上に、傲慢で自分本位で、鬼畜。それが隼人の本性だと疾風は思っている。
弟は優しく見えて、ドがつくほど腹黒な鬼畜眼鏡なのだ。
「…お前…鈴は…」
「もちろん、合意だよ…。ちゃんとならしたし…。
ちょっと暴走しちゃったけど、うまくやれたと思う」
「うまくやれたって……」
隼人は貴公子然とした王子様のような顔して、実は絶倫だ…と、大学の時の女の友人に聞いたことがある。
寝たら次の日は確実におきれなくなるとかなんとか…。
純粋な里桜や鈴が知ったら、軽蔑されること間違いなしなほど昔、隼人は派手に遊んでいた。
「お前…鈴によくやれたな…。あのぽけぽけの鈴に…」
「やだなぁ。兄貴。俺はだいぶ待ったよ?
初めて会った時から今まで。褒めてほしいくらいだよ」
「なにが褒めてほしい、だ。
昔から、不埒なことをしてたくせに」
隼人は鈴が警戒しないことをいいことに、昔からキスや一緒にお風呂入ったりと色々際どいこともしていた。
鈴は気づきもしなかっただろう。
優しいお兄さんが実は飢えた狼であったなどと。
「兄貴だって…、鈴のストーカーしていただろう?」
憤慨だ…とばかりに、隼人は返す。
鈴のストーカーなんて、していない。
見ていたのは、里桜だ。
だが、隼人は勘違いしている。
疾風も鈴を好きだと思っているのだ。
恋するものは周りを見えなくするのか…。
「あのなぁ…、俺はーー」
「ああ、ごめん、鈴がまた起きそうだから。きるよ」
隼人は一方的に電話を切ってしまった。
「ホテル…ね…」
案の定、疾風はラブホテルに鈴を誘い、ベッドで抱いたらしい。
予想していた通りだ。
まさか…とは思っていたが…。
兄弟になった途端、手が早すぎやしないか。
未成年の、それもド天然の鈴に。
「―くそっ…、」
忌々しい、腹立たしい。
別に、疾風は鈴のことは好きではないし、抱きたいとも思ったことはない。
可愛いな…とは思ったことはあるが、それは〝弟分〟として、だ。
でも…
「抱いた、だぁ?ふざけんじゃねぇよ…」
自分がもたもたしている間に、弟である隼人は長年の思いを実らせた。
それが腹立たしかった。
自分だって、隼人以上に相手を見ているし、好きなのに…。
長年煮え湯を飲まされているのに…。
なのに、どうして…
「―どうして、俺じゃねぇんだよ…。馬鹿里桜…」
里桜は隼人が好きだ。
〝優しい〟隼人が好きらしい。
小さい頃から、鈴と同じく、里桜は隼人ばかり見ていた。
そんな里桜を、ずっと疾風だって見てきたのだ。
ずっと…。
里桜が隼人に恋していた時間、疾風も里桜に恋をしていた。
だから、身を以てわかる。
隼人は鈴しか見ていない。
鈴も、疾風しか見えていないようだった。
通じない想い。実らない恋。
なら、いつかは、里桜も諦めて、自分を見てくれるかもしれない。
思い続けて、早数年。
里桜は未だに隼人だけを見つめ、隼人は鈴を愛し、鈴は隼人しか見えず…
そして、自分も里桜を変わらず自分をみてくれない相手を思い続けていた。
「―なんだって、俺たちはうまくいかねぇんだよ…」
同じ弟たちは、今夜めでたく思いが実り、結ばれたというのに…。
なのに自分たちは…行き場のない思いを持て余している。
「―ああああ、くそ、ふざけんな…」
身体だけでも良かった。
里桜が自分の学校の生徒になったとき、チャンスだと思った。
心が無理なら、身体だけでも、ものにしよう、なんて。
実際、やってみれば実に空しい。
快楽に身体はすっきりとするものの…終わった後はどうしようもない虚無感が襲いかかる。
ただ性欲を処理しているだけ。
身体は近いのに心はどんどん遠くなっていく。
かといって、今更好きだったなんて言っても、冗談としか受け取られないだろう。
始まりがもっとまともであったならば、里桜は少しは自分を意識してくれただろうか。
「里桜、」
寝ている里桜の顔を両手で包み、そっと顔を近づける。
長い睫毛に縁取られた、形のよい瞳。
ふっくらとした桜色の唇。
目にすれば、全てが欲しくなる。
まるで、麻薬のようだ。
「里桜」
ちゅ、と、音をたてて唇を吸う。
里桜はよっぽど疲れているのか、散々疾風がキスしても起きなかった。
疾風はしばらく眠っている里桜の唇を堪能し…
意識のない身体に軽く悪戯をする。
「―起きねぇな…、くそ…つまんねぇ…」
悪戯しても反応がなければ、つまらない。
人形にしているのと同じだ。
今頃隼人は鈴の可愛らしい反応を見て、にやにやしているんだろうか。
考えただけでイライラが募る。
今夜は、呑まなきゃ、やってられない。
「―あああ、もう、今夜は呑む。呑むぞー」
疾風はそう宣言し、ビールを次々と開けていった。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
愛する者の腕に抱かれ、獣は甘い声を上げる
すいかちゃん
BL
獣の血を受け継ぐ一族。人間のままでいるためには・・・。
第一章 「優しい兄達の腕に抱かれ、弟は初めての発情期を迎える」
一族の中でも獣の血が濃く残ってしまった颯真。一族から疎まれる存在でしかなかった弟を、兄の亜蘭と玖蘭は密かに連れ出し育てる。3人だけで暮らすなか、颯真は初めての発情期を迎える。亜蘭と玖蘭は、颯真が獣にならないようにその身体を抱き締め支配する。
2人のイケメン兄達が、とにかく弟を可愛がるという話です。
第二章「孤独に育った獣は、愛する男の腕に抱かれ甘く啼く」
獣の血が濃い護は、幼い頃から家族から離されて暮らしていた。世話係りをしていた柳沢が引退する事となり、代わりに彼の孫である誠司がやってくる。真面目で優しい誠司に、護は次第に心を開いていく。やがて、2人は恋人同士となったが・・・。
第三章「獣と化した幼馴染みに、青年は変わらぬ愛を注ぎ続ける」
幼馴染み同士の凛と夏陽。成長しても、ずっと一緒だった。凛に片思いしている事に気が付き、夏陽は思い切って告白。凛も同じ気持ちだと言ってくれた。
だが、成人式の数日前。夏陽は、凛から別れを告げられる。そして、凛の兄である靖から彼の中に獣の血が流れている事を知らされる。発情期を迎えた凛の元に向かえば、靖がいきなり夏陽を羽交い締めにする。
獣が攻めとなる話です。また、時代もかなり現代に近くなっています。
愛こそすべて - 変人近藤紀夫の苦闘の日々
南 夕貴
恋愛
紀夫は子供の時から運動が苦手で体育の授業や運動会などで辛く苦しく、また惨めな思いをしてきた。また女性についても一途で独特な考え方を持っているせいか、また出会う女性が独特で難しい女性が多いせいか、しばしば翻弄され、苦闘が続いていた。しかもそんな妙なところで苦労している紀夫には、他の人たちとは違ったことが気になってしまう面があり、その最たるものが環境問題だ。紀夫はまだ環境問題のことが日本ではほとんど話題になっておらず、人々も全く省みていない頃から環境問題に関心を持っており、どんどん生活が便利になっていくのを多くの人々が手放しで喜んでいる中で大きな疑問を持ち、ついには環境問題に少しでも貢献できるようにととんでもない計画を思いつく。しかしその頃知り合ったある女性は違った考えを持っており、自分の信念と女性の間で板挟みになって大いに悩んだ挙句、紀夫はある結論に達するのであった。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる