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先行投資・俺だけの人。
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「こちらです」
「ああ、どうも…」
看護師に案内されて診察室に入ると、大きなデスクと、革張りの高そうなイス。
そこに座る一人の眼鏡の男。
この男が、院長代理だろう。
先ほど、受付にいる看護婦がイケメンと言っていたが、確かにイケメンかもしれない。
年は30代くらい…か。
私より年上だろう。
少し日に焼けた浅黒い肌に、整ったくっきりとした顔。
筋肉質ながっちりとした身体で、およそ医者らしくない。
きている白衣から、なんとか医者と判断できるくらいだ。
切れ長の鋭い瞳に、少し堀の深い顔。
髭…、は生えていないが、その容姿は刑事ドラマなんかに出てきそうな、ワイルドで危険な匂いのする容姿だった。
医者にしては、体型がいいし色気がありすぎる。
「あ~、っと、戸塚…さん…か…」
腰にくるようなテノールボイス。
医者は、かけていたメガネを取って、カルテとともに、私の顔にじろじろとぶしつけな視線を送った。
眼鏡を取ると、その美貌がより凄む…。
しかし…な、なんだ。
そのじろじろとした視線は…。
まるで品定めされているようで、気分が悪い。
私を商品か何かのように見ていないか?
自意識過剰だろうか…
「今日はどうしました?」
「え…、と、最近、胃が…痛いようで…」
「ふぅん…胃ねぇ…、何か最近あった?」
「最近…?いや、とくには…」
「ふぅん…、」
医者は何かをパソコンに打ち込んでいく。
それから、カルテにも何か書き込んでいた。
「ふぅん…」
医者のことを見つめる医者の目は、笑っていた。
私に何の因果があってこんなじろじろ…。
それにそんな含んだ笑いで…。気分悪い。
「っと、君、今から内々的に患者さんと話がしたいから、出て行ってくれないかな」
医者は私の背後にいる看護婦に何を思ったかそう指示した。
「…えっ…」
内々的に…話…?
私に話なんてないのだが…。
「あの、私は…」
「ん~、胃が痛いっていうのは、心のSOSかもしれないからね。
原因を調べないと…な…」
いやいや、べつに原因なんて…っ。
神経外科じゃないんだから。
それに原因なんてあるわけない。
ただの、不健全な生活がたたっただけだ。
私の叫びをよそに、看護婦は、わかりました、と一ついうと下がってしまう。
診察室には、私と医者の二人きり…。
静かなのがまた、居心地が悪い
「あの、」
「ふむ」
医者は、イスを私の方へ移動させ間をつめてきた。
その距離、50センチくらい…。
近すぎじゃないか…?これ…。
「最近、なんかイライラとか、モヤモヤしたりしたこと、ある?」
「イライラ…モヤモヤ…」
「そうそう、溜めてない?いらいらとか」
あるといえば…ある。
樹との関係についてだ。
このままではいけないと、私らしからぬ後悔を抱いていて…、でも、それとストレスとは…。
私の思案した顔に気づいた医者は、意味深に笑う。
「へぇ…。その顔じゃ、あんだな…」
「そ…れは、」
「あんた見たいな綺麗な人もストレスとかたまんだねェ…。
その容姿じゃ、きっとくそまじめな仕事についてんだろ?
いいねぇ……。弁護士とか?
こうストイックな仕事、すっげぇ似合いそうだ。
どう、俺と寝てみない?
こんな場所でなんだけど、俺、あんたの容姿すっげぇ好みなんだわ。
真面目系のストイックって感じの、いかにも鉄壁症なタイプ。
あんたみたいないかにも真面目クン、が、案外衣服を脱げば淫乱だったりするんだよな。
しっかも一度抱くとすっげぇ一途なの。
でも淫乱なのに、気恥ずかしがったりすんのがまた可愛いんだよな。
どう…?俺と一発、どかん、と」
「ふざけるな…、診察しないなら…」
あまりの言い草に頭にきて席を立つ。
具合悪くて病院にきたのに、何故からかわれなくてはいけない?
ナンパされる為に病院にきた訳じゃない。
しかも人を…女のように…
キッと強く睨むと医者は、ごめんごめん…、と詫びを入れてた。
「ああ、わかった、診察するって。
もう。気の強い美人も好きだけどさ。そんな早いと俺の、持たないぜ?」
「ふざけるな」
嫌悪混じった視線で睨みつけても、医者はへらへらした笑顔を浮かべたまま。
くそ、こんな怒っている私が馬鹿みたいじゃないか。
「んじゃ、医者らしく診察しますか、ほい、胸出して。
それとも恥ずかしい?
おっぱい見られるの、嫌?」
首にかけた聴診器を身に着けて、私の前でちょいちょい、と動かす。
こんなからかって…。胸くらい…べつに。
女じゃないんだから
私は半ば医者の言葉に意地になって、きていたシャツを胸元まで、勢いよくたくし上げる…
しかし…
「…あ、」
すぐに、それを後悔した。
「ふぅん…?すっごいね…そこ」
医者は、いやらしい笑みを浮かべた。
すっかり忘れていた。
昨日、散々樹にやられて…、その痕が残っていた。
それも一つや二つじゃない。
腹や胸…至るところについている。
樹は、こうやってキスマークを残すの好きだから…。
しかし、こんな…ありありとした情事の痕を他人に見せたことなかった。
急いで服を下ろすが…
ガシ、っとそれを阻むように手を掴まれた。
「随分と、情熱的な恋人だネェ。戸塚さん…?」
「…、」
「この痕、女じゃないでしょ?
女にしては、やり過ぎな気がするし…戸塚さんにはこんな激しい女じゃなくて、男の方が似合ってる」
言いながらそっと、空いた手でキスマークが散った脇腹を下から上へねっとりとなでる。
私の肌ざわりを確認するかのような触り方。
医者はそれを何度か繰り返した。
ぞくぞく…と肌が泡立つ。
樹以外にこんな風に触れられたことなかったから…。
「…っん、」
「すっげぇ…数。よっぽど、独占欲強いか…それとも…、」
「はな…」
「年下…かな…?」
樹のこと見透かされたようで、大げさにびくりと体が揺れた。
そんな私を見て、医者は「ビンゴか…」と、笑った。
「年下の独占欲強い彼氏…ね…。
若いなら尚更だ。
しかもこぉんな、美人な恋人だもんな。
俺だったら、毎日やるね。ガツガツ。
顔見ただけで勃つもんな。
ねえ、戸塚さん、案外さ…、ストレス、この彼氏のことなんじゃないの?
案外いるんだよねぇ…。恋人の事でストレス貯めちゃう人
なんか、悩みあったり、しねぇ…?」
「ない、離せっ、」
樹に不満なんてない。
樹は可愛い。
私なんかには勿体ないほど
当初は樹を抱く予定だったが…、今では抱かれるこの状態も悪くないと思っている。
綺麗な樹。
カッコイイ樹。
その樹を独占している。
これ以上、何を望む?
何が不満なんだ。
私は…私は今のままで幸せなんだ。
いつ、樹に手を離されるかわからないけれど…。
でも…。
「ふぅん、んじゃ、」
「なっ…」
スッ、っとシャツの間に聴診器を潜り込まされた。
「…な、なにを…」
「診察だよ、戸塚さん。俺があんたの悩んでいるのをどうにかしてやるよ。
本当に満足しているのか。
それと、あんたの本性も…ね…
なぁに、あんたが恋人に不満がなければすぐ終わるさ。
あんたが本当に不満がなければ…ね」
男は妖しく笑むと、聴診器を胸元に移動させる。
ぴとり…、と冷たい聴診器が胸にあたる。
冷たくて、無機質な感覚。
医者は乳輪部分を円を描くように、聴診器を当てていく。
ふにゅ…ふにゅ…っと…
ゆっくりと、明らかに治療の範囲を超えて、撫でる、ソレ。
「な…にを…」
「すっごいどきどきしてる…、心臓の音。今、どう…?」
「どうって…冷たいだけだ」
「そう、じゃ…」
ふに…、と、聴診器の端で、乳首を軽く潰された。
ふに…ふに……。
カリカリカリ。
くすぐったい…むずかゆい、ソレ。
つんつん…、と聴診器で乳首を叩く。
まだ反応していない乳首をおこすように。
医者はツンツン…と聴診器をあてる。
時折、爪でカリカリ、とかきながら。
「なんだ、陥没乳首じゃないんだね~、残念だ」
「なに…が…」
「陥没乳首なら眠っている乳首をびんびんにたたき起こして、泣くまで虐めてあげようと思ったのに…まぁ…、でも…」
ふに、ふに。
ふにゅ、ふに。
医者は聴診器を持つ手を止めない。
たまに、乳頭部分に医者の白衣が当たり、擦れる
「ほら、ぴん…、ってしてきたね…?戸塚さん。わかる?乳首、立ってきたよ、つつましやかで…、すっげぇ可愛い。ここ舐めたらどうなるかな…?」
いいながら、やわらかく、医者は乳首をつまんだ。
そして、つまんだ先の乳頭を、やんわりと指の腹で円を描くように撫でた。
「ば…」
「ぎゅって、触ってほしくない?今、むずかゆくない?
どうせなら、もっと気持ちよく…なりたくない?」
医者は私の耳元に顔をよせ、言う。
まるで、悪魔の誘惑のように。
むずかゆい…、
触ってほしい。
もっと、ちゃんと…、こんなものじゃなくて…。
もっと…。
でも…こいつは樹じゃない。
こいつはただの…医者なのに…。
切ないもどかしい快楽に、自然と腰がもじもじと揺れる。
…、私は…。
「離…せ…っ、」
「あら、意地はっちゃって。触ってほしく、ないの…?」
「…ない…」
「ここ、ぴんとしてるよ?ぎゅって、触ったら、気持ちいいよ?」
「馬鹿に…する…な…」
息が荒い
も、もしかして…私は聴診器で悪戯されて…感じてしまっている…?
馬鹿な…。
でも、頬に赤みも差しているし…この、乳首も…。
「すきあり」
「っ!」
不意に、聴診器があたっていない左側の乳首を、きゅっとつまむ。
そのまま、潰されるくらいに、きゅっと指で、押しつぶされる。
痛い…、痛い…けど…。
切ない痛みに、身体がじんじんする。
身体に力が入らなくなり、医者の身体に凭れ掛かった。
医者はぐったりとした私の身体を支え、耳元で
「ねぇ…、彼氏って、あんまり、ここ、弄らない方?あんまり乱暴にされたことない…?」
と囁きながら、くりくりと、胸を弄った。
密着した、身体。
なんとか…離れないと、いけないのに…。
指でクリクリと乳首を弄られる度に身体の力が抜ける。
「ほら、こっちも、ぴんとしてきた。
触られて、嬉しいって。
戸塚さん、あんたマゾの気でもあるのかもね…?ここ、虐められると気持ちいいでしょ?
初めてあった医者に弄られて、ぴんとたたせて」
左乳首は人差し指と親指で、潰される。
くりくりと、擦りあわせるように。
かと思えば、小指で優しく乳頭を擽ったり押し込んだり。
乳首は医者の指に反発するように、ピン、と芯をもっていく。
こんな…反応なんかしたくないのに……
「ここ、気持ちいいだろう?
感じているんだろ?たってるし。身体は感じてんだよ。素直に、なれよ。な?」
「や…っ…も…」
耳たぶを甘噛みされた。
ぞくぞく…、と身体に何かが駆け巡る…。
得体のしれない、なにか…。
なに…、これ…。なにこれ……。
怖い……、
こんなの…知らない……
…樹……怖い………。
樹……
「も…やめて…くれ…」
こんな…私は、ただ、具合が悪いから…医者にきただけなのに…。
こんな…こんな、反応して…。
よく知りもしない男に抗えず、乳首を立たせて。
私は…。
私は…
「ああ、どうも…」
看護師に案内されて診察室に入ると、大きなデスクと、革張りの高そうなイス。
そこに座る一人の眼鏡の男。
この男が、院長代理だろう。
先ほど、受付にいる看護婦がイケメンと言っていたが、確かにイケメンかもしれない。
年は30代くらい…か。
私より年上だろう。
少し日に焼けた浅黒い肌に、整ったくっきりとした顔。
筋肉質ながっちりとした身体で、およそ医者らしくない。
きている白衣から、なんとか医者と判断できるくらいだ。
切れ長の鋭い瞳に、少し堀の深い顔。
髭…、は生えていないが、その容姿は刑事ドラマなんかに出てきそうな、ワイルドで危険な匂いのする容姿だった。
医者にしては、体型がいいし色気がありすぎる。
「あ~、っと、戸塚…さん…か…」
腰にくるようなテノールボイス。
医者は、かけていたメガネを取って、カルテとともに、私の顔にじろじろとぶしつけな視線を送った。
眼鏡を取ると、その美貌がより凄む…。
しかし…な、なんだ。
そのじろじろとした視線は…。
まるで品定めされているようで、気分が悪い。
私を商品か何かのように見ていないか?
自意識過剰だろうか…
「今日はどうしました?」
「え…、と、最近、胃が…痛いようで…」
「ふぅん…胃ねぇ…、何か最近あった?」
「最近…?いや、とくには…」
「ふぅん…、」
医者は何かをパソコンに打ち込んでいく。
それから、カルテにも何か書き込んでいた。
「ふぅん…」
医者のことを見つめる医者の目は、笑っていた。
私に何の因果があってこんなじろじろ…。
それにそんな含んだ笑いで…。気分悪い。
「っと、君、今から内々的に患者さんと話がしたいから、出て行ってくれないかな」
医者は私の背後にいる看護婦に何を思ったかそう指示した。
「…えっ…」
内々的に…話…?
私に話なんてないのだが…。
「あの、私は…」
「ん~、胃が痛いっていうのは、心のSOSかもしれないからね。
原因を調べないと…な…」
いやいや、べつに原因なんて…っ。
神経外科じゃないんだから。
それに原因なんてあるわけない。
ただの、不健全な生活がたたっただけだ。
私の叫びをよそに、看護婦は、わかりました、と一ついうと下がってしまう。
診察室には、私と医者の二人きり…。
静かなのがまた、居心地が悪い
「あの、」
「ふむ」
医者は、イスを私の方へ移動させ間をつめてきた。
その距離、50センチくらい…。
近すぎじゃないか…?これ…。
「最近、なんかイライラとか、モヤモヤしたりしたこと、ある?」
「イライラ…モヤモヤ…」
「そうそう、溜めてない?いらいらとか」
あるといえば…ある。
樹との関係についてだ。
このままではいけないと、私らしからぬ後悔を抱いていて…、でも、それとストレスとは…。
私の思案した顔に気づいた医者は、意味深に笑う。
「へぇ…。その顔じゃ、あんだな…」
「そ…れは、」
「あんた見たいな綺麗な人もストレスとかたまんだねェ…。
その容姿じゃ、きっとくそまじめな仕事についてんだろ?
いいねぇ……。弁護士とか?
こうストイックな仕事、すっげぇ似合いそうだ。
どう、俺と寝てみない?
こんな場所でなんだけど、俺、あんたの容姿すっげぇ好みなんだわ。
真面目系のストイックって感じの、いかにも鉄壁症なタイプ。
あんたみたいないかにも真面目クン、が、案外衣服を脱げば淫乱だったりするんだよな。
しっかも一度抱くとすっげぇ一途なの。
でも淫乱なのに、気恥ずかしがったりすんのがまた可愛いんだよな。
どう…?俺と一発、どかん、と」
「ふざけるな…、診察しないなら…」
あまりの言い草に頭にきて席を立つ。
具合悪くて病院にきたのに、何故からかわれなくてはいけない?
ナンパされる為に病院にきた訳じゃない。
しかも人を…女のように…
キッと強く睨むと医者は、ごめんごめん…、と詫びを入れてた。
「ああ、わかった、診察するって。
もう。気の強い美人も好きだけどさ。そんな早いと俺の、持たないぜ?」
「ふざけるな」
嫌悪混じった視線で睨みつけても、医者はへらへらした笑顔を浮かべたまま。
くそ、こんな怒っている私が馬鹿みたいじゃないか。
「んじゃ、医者らしく診察しますか、ほい、胸出して。
それとも恥ずかしい?
おっぱい見られるの、嫌?」
首にかけた聴診器を身に着けて、私の前でちょいちょい、と動かす。
こんなからかって…。胸くらい…べつに。
女じゃないんだから
私は半ば医者の言葉に意地になって、きていたシャツを胸元まで、勢いよくたくし上げる…
しかし…
「…あ、」
すぐに、それを後悔した。
「ふぅん…?すっごいね…そこ」
医者は、いやらしい笑みを浮かべた。
すっかり忘れていた。
昨日、散々樹にやられて…、その痕が残っていた。
それも一つや二つじゃない。
腹や胸…至るところについている。
樹は、こうやってキスマークを残すの好きだから…。
しかし、こんな…ありありとした情事の痕を他人に見せたことなかった。
急いで服を下ろすが…
ガシ、っとそれを阻むように手を掴まれた。
「随分と、情熱的な恋人だネェ。戸塚さん…?」
「…、」
「この痕、女じゃないでしょ?
女にしては、やり過ぎな気がするし…戸塚さんにはこんな激しい女じゃなくて、男の方が似合ってる」
言いながらそっと、空いた手でキスマークが散った脇腹を下から上へねっとりとなでる。
私の肌ざわりを確認するかのような触り方。
医者はそれを何度か繰り返した。
ぞくぞく…と肌が泡立つ。
樹以外にこんな風に触れられたことなかったから…。
「…っん、」
「すっげぇ…数。よっぽど、独占欲強いか…それとも…、」
「はな…」
「年下…かな…?」
樹のこと見透かされたようで、大げさにびくりと体が揺れた。
そんな私を見て、医者は「ビンゴか…」と、笑った。
「年下の独占欲強い彼氏…ね…。
若いなら尚更だ。
しかもこぉんな、美人な恋人だもんな。
俺だったら、毎日やるね。ガツガツ。
顔見ただけで勃つもんな。
ねえ、戸塚さん、案外さ…、ストレス、この彼氏のことなんじゃないの?
案外いるんだよねぇ…。恋人の事でストレス貯めちゃう人
なんか、悩みあったり、しねぇ…?」
「ない、離せっ、」
樹に不満なんてない。
樹は可愛い。
私なんかには勿体ないほど
当初は樹を抱く予定だったが…、今では抱かれるこの状態も悪くないと思っている。
綺麗な樹。
カッコイイ樹。
その樹を独占している。
これ以上、何を望む?
何が不満なんだ。
私は…私は今のままで幸せなんだ。
いつ、樹に手を離されるかわからないけれど…。
でも…。
「ふぅん、んじゃ、」
「なっ…」
スッ、っとシャツの間に聴診器を潜り込まされた。
「…な、なにを…」
「診察だよ、戸塚さん。俺があんたの悩んでいるのをどうにかしてやるよ。
本当に満足しているのか。
それと、あんたの本性も…ね…
なぁに、あんたが恋人に不満がなければすぐ終わるさ。
あんたが本当に不満がなければ…ね」
男は妖しく笑むと、聴診器を胸元に移動させる。
ぴとり…、と冷たい聴診器が胸にあたる。
冷たくて、無機質な感覚。
医者は乳輪部分を円を描くように、聴診器を当てていく。
ふにゅ…ふにゅ…っと…
ゆっくりと、明らかに治療の範囲を超えて、撫でる、ソレ。
「な…にを…」
「すっごいどきどきしてる…、心臓の音。今、どう…?」
「どうって…冷たいだけだ」
「そう、じゃ…」
ふに…、と、聴診器の端で、乳首を軽く潰された。
ふに…ふに……。
カリカリカリ。
くすぐったい…むずかゆい、ソレ。
つんつん…、と聴診器で乳首を叩く。
まだ反応していない乳首をおこすように。
医者はツンツン…と聴診器をあてる。
時折、爪でカリカリ、とかきながら。
「なんだ、陥没乳首じゃないんだね~、残念だ」
「なに…が…」
「陥没乳首なら眠っている乳首をびんびんにたたき起こして、泣くまで虐めてあげようと思ったのに…まぁ…、でも…」
ふに、ふに。
ふにゅ、ふに。
医者は聴診器を持つ手を止めない。
たまに、乳頭部分に医者の白衣が当たり、擦れる
「ほら、ぴん…、ってしてきたね…?戸塚さん。わかる?乳首、立ってきたよ、つつましやかで…、すっげぇ可愛い。ここ舐めたらどうなるかな…?」
いいながら、やわらかく、医者は乳首をつまんだ。
そして、つまんだ先の乳頭を、やんわりと指の腹で円を描くように撫でた。
「ば…」
「ぎゅって、触ってほしくない?今、むずかゆくない?
どうせなら、もっと気持ちよく…なりたくない?」
医者は私の耳元に顔をよせ、言う。
まるで、悪魔の誘惑のように。
むずかゆい…、
触ってほしい。
もっと、ちゃんと…、こんなものじゃなくて…。
もっと…。
でも…こいつは樹じゃない。
こいつはただの…医者なのに…。
切ないもどかしい快楽に、自然と腰がもじもじと揺れる。
…、私は…。
「離…せ…っ、」
「あら、意地はっちゃって。触ってほしく、ないの…?」
「…ない…」
「ここ、ぴんとしてるよ?ぎゅって、触ったら、気持ちいいよ?」
「馬鹿に…する…な…」
息が荒い
も、もしかして…私は聴診器で悪戯されて…感じてしまっている…?
馬鹿な…。
でも、頬に赤みも差しているし…この、乳首も…。
「すきあり」
「っ!」
不意に、聴診器があたっていない左側の乳首を、きゅっとつまむ。
そのまま、潰されるくらいに、きゅっと指で、押しつぶされる。
痛い…、痛い…けど…。
切ない痛みに、身体がじんじんする。
身体に力が入らなくなり、医者の身体に凭れ掛かった。
医者はぐったりとした私の身体を支え、耳元で
「ねぇ…、彼氏って、あんまり、ここ、弄らない方?あんまり乱暴にされたことない…?」
と囁きながら、くりくりと、胸を弄った。
密着した、身体。
なんとか…離れないと、いけないのに…。
指でクリクリと乳首を弄られる度に身体の力が抜ける。
「ほら、こっちも、ぴんとしてきた。
触られて、嬉しいって。
戸塚さん、あんたマゾの気でもあるのかもね…?ここ、虐められると気持ちいいでしょ?
初めてあった医者に弄られて、ぴんとたたせて」
左乳首は人差し指と親指で、潰される。
くりくりと、擦りあわせるように。
かと思えば、小指で優しく乳頭を擽ったり押し込んだり。
乳首は医者の指に反発するように、ピン、と芯をもっていく。
こんな…反応なんかしたくないのに……
「ここ、気持ちいいだろう?
感じているんだろ?たってるし。身体は感じてんだよ。素直に、なれよ。な?」
「や…っ…も…」
耳たぶを甘噛みされた。
ぞくぞく…、と身体に何かが駆け巡る…。
得体のしれない、なにか…。
なに…、これ…。なにこれ……。
怖い……、
こんなの…知らない……
…樹……怖い………。
樹……
「も…やめて…くれ…」
こんな…私は、ただ、具合が悪いから…医者にきただけなのに…。
こんな…こんな、反応して…。
よく知りもしない男に抗えず、乳首を立たせて。
私は…。
私は…
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