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2章
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**************
「すまない、駿」
仁さんは、14日ほどで退院した。
職場には迷惑かけてしまった、と仁さんは凄く反省し自己嫌悪に陥っているようだった。
流石の仁さんも、まさか自分が入院するまで自暴自棄になっていた生活を送っていたとは夢にも思わなかったらしい。
入院中は絶えず、お見舞いにくる人たちにわびを入れていた。
会社でも仁さんの成績はまりんと別れたショックで少し落ちてしまっていたようだ。
仁さんの上司が、お見舞いにきてまた昔の君みたいに戻ってくれよと仁さんを激励していた。
仁さんが恋人と別れたことを知ってる人も中にはいて、入院に同情する人たちもいた。
流石に、子供ができたから別れたって事はしらないようだったけれど。
仁さんはその人たちに
「もうふっきれたから大丈夫。
今まではちょっと、若気のいたりだったよ…」と笑い飛ばしていたけれど、僕からしたら無理しているのはバレバレだった。
仁さんの退院準備や手続きは、ほとんど僕がやった。
僕が勝手にやったことだけど、仁さんはずっと申し訳なさそうにしていた。
謝り続ける仁さんは、なんだか自己嫌悪で消えてしまいそうで。
その仁さんの顔をみると、僕まで泣きたくなるから、僕は仁さんが謝罪をするたびに顔を背け聞かないふりをした。
世話になった看護婦さんに礼をいい、病院を後にする。
仁さんは病み上がりということで、病院から家まではタクシーを使うことにした。
タクシーを待っている間、一生分の頭を使うくらい僕は今後について考えていた。
仁さんのこれからのことを。彼が昔のように戻ってくれること。
きっと、このままじゃだめだ。
このままじゃ、きっと、仁さんは駄目になってしまう。
ふっきれた…って口では言っているけど、どうせ一人になればまた無理するんだ。
仁さんにはちゃんと仁さんを見てくれる〝誰か〟がいないと…。
面倒見のいい仁さんだけど、仁さんだって誰かが支えてあげなきゃダメなのだ。
『約束よ?』
そのとき、謳うような、まりんの声が脳裏を掠めた。
まりんと、僕は仁さんのことで約束したことが1つある。
まりんが怖くて、僕はその約束にずっと従っていた。
まりんが家を出てもずっと…。
でも、もういいかと思う。
ここまで仁さんが傷ついていたら…、もうまりんと交わした約束などと考えることもできなかった。
「仁さん」
「ん?」
「仁さんの家に、僕も連れてって」
「え?」
「家事、残ってるでしょ。だから連れてって。病み上がりでまともに家事なんてできないでしょ」
有無を言わせないように言い放った僕に、仁さんは戸惑い困った顔をした。
「部屋汚いぞ」
「いい」
いつになく強い口調で言い返せば、仁さんはたじろぐ。
タイミングよくタクシーがタクシー乗り場に着いて、ドアが開いた。
「駿、もういいから…俺はちゃんと…」
「いこう」
モタモタしている仁さんの手をひき、タクシーに乗車する。
僕はタクシーの運転手に仁さんの家の場所を行き先として告げた。
部屋汚いといっていた仁さんの言葉は嘘ではなかったようで、家の中は足の踏み場もないくらいごみが散らばっていて汚く、酒の匂いや食べ物の腐った匂いが充満していた。
仁さんは、いつも身の回りをきちんとしている人だった。
こんな食べ物を食べ散らかすことはおろかモノだって散乱させることもなかったのに。
モノが溢れごっちゃりしているそのさまは、まるで仁さんの心の中を表しているようだった。
ごちゃごちゃに荒れて、なにも整理できない状況。
汚い部屋をみられ、仁さんはまいったなと頭をかいて、またお得意の「ごめんな」という謝罪を僕に返した。
「片付けるから。ここ。汚いし。
仁さんは隅にいていいから…」
部屋にはいり、部屋主の了解もなしに室内を物色する。
「うん、ごめんな」
弱弱しく笑う仁さんが、視線の端に映った。
そんな顔、しないで。そんな、飼い主に置いていかれた犬のような顔、しないで。
仁さんはなにも悪くないんだから。
口を開けば、またまりんを悪くいう言葉が出てきそうで、無理やり口を閉じた。
今日はただ、仁さんの部屋を片付けに家に押しかけにきたわけじゃない。
タクシー乗り場で、必死に〝今後〟について考えていた。
普段考えない脳みそを使い、そして、〝ここ〟まできたのだ。
僕は、一度大きく息を吸い込み、それから仁さんに振り替える。
「まりんの思い出も、ここにあるの、全部片付けるから」
まりん、の言葉に仁さんの瞳が揺れた。
構わず僕は言葉を続ける。
「まりんの全てを捨てるから。ここから。
仁さんから。すべて、捨てるから」
目の端にうつる棚の上にあるのはまりんの写真。
戸棚にあるのは、おそらくまりんとおそろいのマグカップ。
2つ綺麗に並べられた御揃いのもの。
部屋にかかっているのは、まりんが選んだであろう、まりんが好きなブランドの服。
まりんが好きそうなものばかりだ。
仁さんの部屋なのに。
この部屋は、まりんの思い出が多すぎた。
一人部屋に戻っても、これじゃあ、まりんを忘れる事なんてできないだろう。
ふとした瞬間に思い出の品が目に入り、思い出してしまう。愛しあっていた日々を。
まりんの思い出が強すぎて、仁さんはきっとこの部屋に囚われたままになっているんだろう。
もうまりんはここにいないのに。
思い出の品たちに苦しめられているんだ。忘れることもできないから。
だから、家にもまともに帰れない。自分の家なのに落ち着くことも忘れることもできない。
寝る事さえもできなくなってしまったんだ。
「駿、俺は一人で…」
「片付けられないくせに」
一人ではまりんのものを片付けられない。
まりんへの愛が深すぎたから。
どうせ、片付けると言っても、片付けないんだろう。口だけだ。
だから、この部屋はふられてからしばらくしても、こんなにも汚いんだろう。
捨てられない想いでだらけで。
どうしようもない葛藤とたたかって、こんなに散らかったままなんだろう。
「ずっと、片付けられなかったくせに、ずっと思い出に浸っていたくせに」
自分の都合のいい妄想を追っている。
それは、仁さんを想い続ける僕だって同じことをしているのだけれど…。
「うざいんだよ、そういうの」
視線にまりんと写ったツーショットが入った写真立てがうつった。
それを手に取ると、今まで弱々しかった仁さんの瞳がぎらりと光った。
「…なにする……」
「捨てる、こんなの…捨ててやる…」
「やめろ!」
なにかにとりつかれた様に叫び、ゴミ箱を探す僕に、仁さんは怒気を隠さず近づき、写真立てを僕から奪い取ろうとする。
僕の写真立てを持つ腕が、仁さんにとられる。
――視線が、合う。釣り上がった瞳。
僕も負けず、仁さんを睨みつけた。
「いつまで、引きずっているのさ?」
「…っ」
「いつまで、このゴミダメにいる気なの?
たった一人で。もうまりんは仁さんの元に戻らないのに。まりんはいないのに…」
まりんは仁さんの下には戻らない。
いくら仁さんが想っていても。
仁さんが思い出の中に浸っていたとしても。
まりんは、もう仁さんを見ていない。
まりんは、仁さんと同じ時を過ごしていない。
ゴミだめの中でまりんの思い出たちと過ごしても、まりんはもうここには戻ってこない。
どんなに愛していても、彼女は別の男の元へといってしまった。
仁さんはごみための中で一人、待っていたけれど…。
どんなに待ってても、荒れて見たところで、まりんは帰ってこない。
「仁さんのものにはならないんだよ。もうまりんはいないんだ」
まりんはいない。
いくら幻想をおったところで、あるのは空しさだけだ。
背伸びをして、噛み付くようにキスをする。
あんなにキスしたいと思っていた唇は、こんなにも簡単に奪えるものだった。
いつかしたいなと思い切望していた唇は、甘く少し苦い。
でも、脳が痺れるくらい嬉しくて、まるで毒のようでもあった。
無理やり唇をこじ開けて、仁さんの舌に自分の舌を絡ませる。
「…っ…駿…!」
仁さんはキスをしかけた僕の身体を素早く引き剥がす。
でも、その力さえも弱々しい。病み上がりだからだろう。
ふらつく仁さんを押し倒し、無我夢中でキスを奪った。
カタリと、手にしていた写真立てが床に音をたてて落ちた。
写真たてが地面に落ちたとき、裏返しに落ちたため、写真の中のまりんと仁さんは見えなくなった。
「仁さんがまりんに対して代わりにすればいいと言ったように、僕も代わりにすればいい。まりんのー」
「駿」
「こんな仁さん、見たくないんだよ。
僕は……」
まりんの代わりなんて、本当は嫌だった。
愛してる、って言って僕を愛してほしかった。
でも、仁さんがまりんしか見えていない。せいぜい僕なんて仁さんにとっては弟だろう。
そこに恋愛感情なんてない。
「すまない、駿」
仁さんは、14日ほどで退院した。
職場には迷惑かけてしまった、と仁さんは凄く反省し自己嫌悪に陥っているようだった。
流石の仁さんも、まさか自分が入院するまで自暴自棄になっていた生活を送っていたとは夢にも思わなかったらしい。
入院中は絶えず、お見舞いにくる人たちにわびを入れていた。
会社でも仁さんの成績はまりんと別れたショックで少し落ちてしまっていたようだ。
仁さんの上司が、お見舞いにきてまた昔の君みたいに戻ってくれよと仁さんを激励していた。
仁さんが恋人と別れたことを知ってる人も中にはいて、入院に同情する人たちもいた。
流石に、子供ができたから別れたって事はしらないようだったけれど。
仁さんはその人たちに
「もうふっきれたから大丈夫。
今まではちょっと、若気のいたりだったよ…」と笑い飛ばしていたけれど、僕からしたら無理しているのはバレバレだった。
仁さんの退院準備や手続きは、ほとんど僕がやった。
僕が勝手にやったことだけど、仁さんはずっと申し訳なさそうにしていた。
謝り続ける仁さんは、なんだか自己嫌悪で消えてしまいそうで。
その仁さんの顔をみると、僕まで泣きたくなるから、僕は仁さんが謝罪をするたびに顔を背け聞かないふりをした。
世話になった看護婦さんに礼をいい、病院を後にする。
仁さんは病み上がりということで、病院から家まではタクシーを使うことにした。
タクシーを待っている間、一生分の頭を使うくらい僕は今後について考えていた。
仁さんのこれからのことを。彼が昔のように戻ってくれること。
きっと、このままじゃだめだ。
このままじゃ、きっと、仁さんは駄目になってしまう。
ふっきれた…って口では言っているけど、どうせ一人になればまた無理するんだ。
仁さんにはちゃんと仁さんを見てくれる〝誰か〟がいないと…。
面倒見のいい仁さんだけど、仁さんだって誰かが支えてあげなきゃダメなのだ。
『約束よ?』
そのとき、謳うような、まりんの声が脳裏を掠めた。
まりんと、僕は仁さんのことで約束したことが1つある。
まりんが怖くて、僕はその約束にずっと従っていた。
まりんが家を出てもずっと…。
でも、もういいかと思う。
ここまで仁さんが傷ついていたら…、もうまりんと交わした約束などと考えることもできなかった。
「仁さん」
「ん?」
「仁さんの家に、僕も連れてって」
「え?」
「家事、残ってるでしょ。だから連れてって。病み上がりでまともに家事なんてできないでしょ」
有無を言わせないように言い放った僕に、仁さんは戸惑い困った顔をした。
「部屋汚いぞ」
「いい」
いつになく強い口調で言い返せば、仁さんはたじろぐ。
タイミングよくタクシーがタクシー乗り場に着いて、ドアが開いた。
「駿、もういいから…俺はちゃんと…」
「いこう」
モタモタしている仁さんの手をひき、タクシーに乗車する。
僕はタクシーの運転手に仁さんの家の場所を行き先として告げた。
部屋汚いといっていた仁さんの言葉は嘘ではなかったようで、家の中は足の踏み場もないくらいごみが散らばっていて汚く、酒の匂いや食べ物の腐った匂いが充満していた。
仁さんは、いつも身の回りをきちんとしている人だった。
こんな食べ物を食べ散らかすことはおろかモノだって散乱させることもなかったのに。
モノが溢れごっちゃりしているそのさまは、まるで仁さんの心の中を表しているようだった。
ごちゃごちゃに荒れて、なにも整理できない状況。
汚い部屋をみられ、仁さんはまいったなと頭をかいて、またお得意の「ごめんな」という謝罪を僕に返した。
「片付けるから。ここ。汚いし。
仁さんは隅にいていいから…」
部屋にはいり、部屋主の了解もなしに室内を物色する。
「うん、ごめんな」
弱弱しく笑う仁さんが、視線の端に映った。
そんな顔、しないで。そんな、飼い主に置いていかれた犬のような顔、しないで。
仁さんはなにも悪くないんだから。
口を開けば、またまりんを悪くいう言葉が出てきそうで、無理やり口を閉じた。
今日はただ、仁さんの部屋を片付けに家に押しかけにきたわけじゃない。
タクシー乗り場で、必死に〝今後〟について考えていた。
普段考えない脳みそを使い、そして、〝ここ〟まできたのだ。
僕は、一度大きく息を吸い込み、それから仁さんに振り替える。
「まりんの思い出も、ここにあるの、全部片付けるから」
まりん、の言葉に仁さんの瞳が揺れた。
構わず僕は言葉を続ける。
「まりんの全てを捨てるから。ここから。
仁さんから。すべて、捨てるから」
目の端にうつる棚の上にあるのはまりんの写真。
戸棚にあるのは、おそらくまりんとおそろいのマグカップ。
2つ綺麗に並べられた御揃いのもの。
部屋にかかっているのは、まりんが選んだであろう、まりんが好きなブランドの服。
まりんが好きそうなものばかりだ。
仁さんの部屋なのに。
この部屋は、まりんの思い出が多すぎた。
一人部屋に戻っても、これじゃあ、まりんを忘れる事なんてできないだろう。
ふとした瞬間に思い出の品が目に入り、思い出してしまう。愛しあっていた日々を。
まりんの思い出が強すぎて、仁さんはきっとこの部屋に囚われたままになっているんだろう。
もうまりんはここにいないのに。
思い出の品たちに苦しめられているんだ。忘れることもできないから。
だから、家にもまともに帰れない。自分の家なのに落ち着くことも忘れることもできない。
寝る事さえもできなくなってしまったんだ。
「駿、俺は一人で…」
「片付けられないくせに」
一人ではまりんのものを片付けられない。
まりんへの愛が深すぎたから。
どうせ、片付けると言っても、片付けないんだろう。口だけだ。
だから、この部屋はふられてからしばらくしても、こんなにも汚いんだろう。
捨てられない想いでだらけで。
どうしようもない葛藤とたたかって、こんなに散らかったままなんだろう。
「ずっと、片付けられなかったくせに、ずっと思い出に浸っていたくせに」
自分の都合のいい妄想を追っている。
それは、仁さんを想い続ける僕だって同じことをしているのだけれど…。
「うざいんだよ、そういうの」
視線にまりんと写ったツーショットが入った写真立てがうつった。
それを手に取ると、今まで弱々しかった仁さんの瞳がぎらりと光った。
「…なにする……」
「捨てる、こんなの…捨ててやる…」
「やめろ!」
なにかにとりつかれた様に叫び、ゴミ箱を探す僕に、仁さんは怒気を隠さず近づき、写真立てを僕から奪い取ろうとする。
僕の写真立てを持つ腕が、仁さんにとられる。
――視線が、合う。釣り上がった瞳。
僕も負けず、仁さんを睨みつけた。
「いつまで、引きずっているのさ?」
「…っ」
「いつまで、このゴミダメにいる気なの?
たった一人で。もうまりんは仁さんの元に戻らないのに。まりんはいないのに…」
まりんは仁さんの下には戻らない。
いくら仁さんが想っていても。
仁さんが思い出の中に浸っていたとしても。
まりんは、もう仁さんを見ていない。
まりんは、仁さんと同じ時を過ごしていない。
ゴミだめの中でまりんの思い出たちと過ごしても、まりんはもうここには戻ってこない。
どんなに愛していても、彼女は別の男の元へといってしまった。
仁さんはごみための中で一人、待っていたけれど…。
どんなに待ってても、荒れて見たところで、まりんは帰ってこない。
「仁さんのものにはならないんだよ。もうまりんはいないんだ」
まりんはいない。
いくら幻想をおったところで、あるのは空しさだけだ。
背伸びをして、噛み付くようにキスをする。
あんなにキスしたいと思っていた唇は、こんなにも簡単に奪えるものだった。
いつかしたいなと思い切望していた唇は、甘く少し苦い。
でも、脳が痺れるくらい嬉しくて、まるで毒のようでもあった。
無理やり唇をこじ開けて、仁さんの舌に自分の舌を絡ませる。
「…っ…駿…!」
仁さんはキスをしかけた僕の身体を素早く引き剥がす。
でも、その力さえも弱々しい。病み上がりだからだろう。
ふらつく仁さんを押し倒し、無我夢中でキスを奪った。
カタリと、手にしていた写真立てが床に音をたてて落ちた。
写真たてが地面に落ちたとき、裏返しに落ちたため、写真の中のまりんと仁さんは見えなくなった。
「仁さんがまりんに対して代わりにすればいいと言ったように、僕も代わりにすればいい。まりんのー」
「駿」
「こんな仁さん、見たくないんだよ。
僕は……」
まりんの代わりなんて、本当は嫌だった。
愛してる、って言って僕を愛してほしかった。
でも、仁さんがまりんしか見えていない。せいぜい僕なんて仁さんにとっては弟だろう。
そこに恋愛感情なんてない。
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