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1章
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自分の気持ちに気づいてから、僕の心は仁さん一色だった。
恋とは、とても幸せになれるもので…、時に残酷すぎる時を与える。
自分が自分でなくなってしまいそうな、そんな残酷なときを。
□
重なり合う身体。
毀れ落ちる甘く淫靡な吐息。
シーツがこすれる音が、耳に残る。
目の前に広がる淫靡な空気に僕の心は高ぶるわけでもなく、真っ暗な洞穴に落ちていくようだった。
じゃりじゃりと、砂が口の中に入ったような気持ち悪い感覚は今でもはっきり思い出すことができる。
「…まりん…、好きだ…。お前を愛してる…」
「あ…、じん…」
甘い睦言に女は濡れた吐息を零し、満足そうに男の首元に腕を回す。
ベッドの上で絡み合う女はまりん、男は僕が好きな仁さんだった。
仁さんは、僕の実の姉、まりんに恋をしていた。
まりんは綺麗で可愛らしい。
まりんが側にいて、好きにならない人間なんていない。
それは仁さんだって例外ではなくて。
いつの間にか仁さんはまりんに心奪われ、他の人と同じようにまりんを愛するようになっていた。
「まりん…」
優しく囁くその声色に…、僕はショックで目の前が真っ暗になるという経験を初めてした。
人はショックをうけると、あんなふうに目の前がみえなくなるんだ…と、絡み合う二人を見て呆然と思った。
「愛してる…君を…」
愛しげに囁いて髪を撫でるその仕草を、多分僕は一生忘れないだろう。
仁さんは少し生真面すぎる気質もあるが、美丈夫だ。
キリリとした眉毛に高い鼻梁。
少しうすい唇は、セクシーで、女の子にもてていた。
何度も告白されているのを見たし、実際女の子は、よりどりみどりだっただろう。
それでも仁さんは、よりにもよってまりんを選んだ。
僕の実の姉であるまりんと付き合う様になったのだ。
僕が仁さんしか見ていなかったように、仁さんもまた、まりんしか見ていなかった。
仁さんの瞳の先には、気付いたらいつだって、まりんがいた。
僕がその瞳に映ることはなかった。
仁さんのフィルターは寸分の狂いもなく、正しくまりんだけに向けられていた。
「…じん…」
まりんは可愛い。
でも
「じん、好きよ…」
まりんはとても嘘つきなんだ。
嘘つきの自分が一番のお人形なんだ。
「貴方が、好き」
愛が欲しいが為に、平気でうそをつく。
平気で愛の言葉を、綺麗な歌の様に小鳥のように綺麗な声で歌う人。
「貴方が好き。私を真っ直ぐにいつも見てくれる貴方が…私は好きなの…」
まりんの好きなんて、他の男にも与えているとても軽いもののくせに。
仁さんはまりんしか愛していないし、凄く大事にされているのに。
沢山愛されているのに、どうして次々と男と付き合っていくのだろう。
僕には仁さんだけしかいないのに。
まりんはどうして、僕の欲しいものを簡単にものにできるんだろう。
両親の愛情も、周りからの愛情も、仁さんの愛情すら貰うことができるんだろう。
両親は、まりんのような子供がもうひとり欲しいといって僕を詰ったが、僕だってまりんのようになりたかった。
誰からも好かれ、愛されるまりんのような人間になりたかった。
「仁…あのね、私欲しいものがあるの…」
「なにがほしい?」
「指輪が欲しいの。この間ね、百貨店で見つけて…凄く可愛かったんだけど、高くて…」
「わかった。今度プレゼントする…。ちょうど付き合って1年だから…」
「ありがとう、仁。大好き」
まりんがちゅっとキスをすると、仁さんはそれに答え、嬉しそうに深く唇を合わせた。
僕は、仁さんしかいらないのに。
ほかには何もいらないのに。
僕の唯一ほしいものも、まりんは愛らしい顔で何事もなく奪っていく。
すべてもっているのに。
有り余る愛があるのに。
それでも足りないといい、愛を奪っていく。
愛を切望し、今ある愛を持て余していく。
ズルい女
「あ…じん。あんまり痕つけないで…」
まりんの喜色ばんだ声。
仁さんはまりんの首筋に口を充て、そこに赤い鬱血が残っていた。
キスマーク。仁さんの所有印。
まりんは、すべてに愛されて。
僕は唯一だった人も簡単に魅了する。
「駿…俺、まりんと付き合うことになったから…」
仁さんがまりんに想いを告げて、付き合ったとき。
僕の心は張り裂けるかと思うくらい傷んだ。
まりんを抱き締める仁さんをみたとき。
まりんに愛してると囁いている仁さんをみたとき。
ぱきり、ぱきりと音をたてて痛んでいく。
何度も何度も、壊れていく。
『まりんなんて…なんでよ』
『駿』
『仁さんは騙されているんだよ、あの女に。
あの女狐に…あんな女…。なんで…なんでよ。まりんは仁さんのことなんも思ってないよ…。
まりんは他にも沢山付き合っている人、いるもん。
まりんは愛しても愛し返してくれないよ…。仁さんの想いだってからかうだけって決まってる』
まりんと付き合うことに忠告する僕に対し仁さんは。
『まりんは、可愛いぞ。それに優しい…』
『顔だけだよ、あんな女。あんな女…』
『駿』
『まりんが可愛い?優しい?幻でも見たんじゃないの?まりんの優しさなんて、〝気まぐれ〟なのに…。
そんなの嘘っぱちなのに…なのに』
仁さんは何も悪くない。
ただ、まりんを好きになっただけ。
なのに、僕は口汚くまりんを好きになったと告げた仁さんをなじっていた。
『やめないか…!』
仁さんは僕の言葉にぴしゃりと怒鳴りつけ
『…実の姉だろう?何があったか知らないが、これ以上悪くいうのはやめないか。不愉快だ』
そういって、僕に背中を向けて立ち去った。
それ以来、優しく僕に微笑んでくれなくなってしまった。
心なんて壊れればいいのに。
傷つくだけの心なら。
傷んで、なにも感じなくなったらいいのに。
この恋は、ただただ辛く苦しいものだった。
「愛してる…。まりん…」
つがいをみつけた狼のように、ただまりんだけを愛しくみつめ愛を囁く仁さん。
こんな想い、報われないだけなのに。
僕も、仁さんも。
空しい恋のやじるしきごう。
僕が完全な女だったら。
男でも綺麗だったら。
そしたら、仁さんに抱いて貰えていただろうか。まりんのように好きになってもらえただろうか。
すべては、ただの、妄想であり僕は「それ」を望めないのに。
僕はありもしない空想を描いた。
仁さんと幸せに、ずっと一緒にいるという、叶いもしない夢を。
まりんの愛は1つじゃない。
まりんの愛は、たくさんある。
たくさんの人から与えられる愛に、ニコニコと笑いながら愛を返すまりん。
まりんの相手は仁さんだけじゃなかった。
それなりのステータスがある男ならば、手当たり次第、欲しがった。
『みんなが好きだから。
だから、みんなを愛しているの。
それをみんな望んでいるの…だって誰かと付き合うのって楽しいじゃない。デートしたり、欲しいもの貰ったり好きって言って甘やかして貰ったり。相手も満足してるならいいことづくしじゃない。誰かなんて選べない』
そういって、告白する人を全て受け入れて。
まるで、なにかを探すかのようにまりんは恋愛を繰り返した。
時にそれは、仁さんにも隠さずに
まりんは浮気をした。
「まりん、浮気してるよ…」
「そうだな…」
「いいの…?仁さんはまりんしか好きじゃないのに。まりんは」
「そう…だな」
まりんがいくら浮気しても、仁さんはまりんしか好きじゃない。
いくら、僕がまりんには他の人間がいるといっても。
「俺はどんなまりんも好きだから、いつかまりんが俺だけをみるようになるかもしれないだろ」
仁さんはそう悲しく笑うから…
仁さんは一途にまりんを思っているから、僕も辛かった。
狼は一途。
番を見つけたら、ずっと愛し続ける。
ただ、相手を信じて愛すのだ。死ぬまで。
僕も仁さんが見ていないところでひっそりと泣いた。
なんて、不毛な、思いだろうか―。
僕も、仁さんも。
一途に仁さんを想う僕も、浮気されてもまりんが好きな仁さんも。
嗚呼、なんて、不毛な恋愛劇。
仁さん、貴方の番が僕であればいいのに…。
何故、僕は貴方の番にはなれないんだろう。
自分の気持ちに気づいてから、僕の心は仁さん一色だった。
恋とは、とても幸せになれるもので…、時に残酷すぎる時を与える。
自分が自分でなくなってしまいそうな、そんな残酷なときを。
□
重なり合う身体。
毀れ落ちる甘く淫靡な吐息。
シーツがこすれる音が、耳に残る。
目の前に広がる淫靡な空気に僕の心は高ぶるわけでもなく、真っ暗な洞穴に落ちていくようだった。
じゃりじゃりと、砂が口の中に入ったような気持ち悪い感覚は今でもはっきり思い出すことができる。
「…まりん…、好きだ…。お前を愛してる…」
「あ…、じん…」
甘い睦言に女は濡れた吐息を零し、満足そうに男の首元に腕を回す。
ベッドの上で絡み合う女はまりん、男は僕が好きな仁さんだった。
仁さんは、僕の実の姉、まりんに恋をしていた。
まりんは綺麗で可愛らしい。
まりんが側にいて、好きにならない人間なんていない。
それは仁さんだって例外ではなくて。
いつの間にか仁さんはまりんに心奪われ、他の人と同じようにまりんを愛するようになっていた。
「まりん…」
優しく囁くその声色に…、僕はショックで目の前が真っ暗になるという経験を初めてした。
人はショックをうけると、あんなふうに目の前がみえなくなるんだ…と、絡み合う二人を見て呆然と思った。
「愛してる…君を…」
愛しげに囁いて髪を撫でるその仕草を、多分僕は一生忘れないだろう。
仁さんは少し生真面すぎる気質もあるが、美丈夫だ。
キリリとした眉毛に高い鼻梁。
少しうすい唇は、セクシーで、女の子にもてていた。
何度も告白されているのを見たし、実際女の子は、よりどりみどりだっただろう。
それでも仁さんは、よりにもよってまりんを選んだ。
僕の実の姉であるまりんと付き合う様になったのだ。
僕が仁さんしか見ていなかったように、仁さんもまた、まりんしか見ていなかった。
仁さんの瞳の先には、気付いたらいつだって、まりんがいた。
僕がその瞳に映ることはなかった。
仁さんのフィルターは寸分の狂いもなく、正しくまりんだけに向けられていた。
「…じん…」
まりんは可愛い。
でも
「じん、好きよ…」
まりんはとても嘘つきなんだ。
嘘つきの自分が一番のお人形なんだ。
「貴方が、好き」
愛が欲しいが為に、平気でうそをつく。
平気で愛の言葉を、綺麗な歌の様に小鳥のように綺麗な声で歌う人。
「貴方が好き。私を真っ直ぐにいつも見てくれる貴方が…私は好きなの…」
まりんの好きなんて、他の男にも与えているとても軽いもののくせに。
仁さんはまりんしか愛していないし、凄く大事にされているのに。
沢山愛されているのに、どうして次々と男と付き合っていくのだろう。
僕には仁さんだけしかいないのに。
まりんはどうして、僕の欲しいものを簡単にものにできるんだろう。
両親の愛情も、周りからの愛情も、仁さんの愛情すら貰うことができるんだろう。
両親は、まりんのような子供がもうひとり欲しいといって僕を詰ったが、僕だってまりんのようになりたかった。
誰からも好かれ、愛されるまりんのような人間になりたかった。
「仁…あのね、私欲しいものがあるの…」
「なにがほしい?」
「指輪が欲しいの。この間ね、百貨店で見つけて…凄く可愛かったんだけど、高くて…」
「わかった。今度プレゼントする…。ちょうど付き合って1年だから…」
「ありがとう、仁。大好き」
まりんがちゅっとキスをすると、仁さんはそれに答え、嬉しそうに深く唇を合わせた。
僕は、仁さんしかいらないのに。
ほかには何もいらないのに。
僕の唯一ほしいものも、まりんは愛らしい顔で何事もなく奪っていく。
すべてもっているのに。
有り余る愛があるのに。
それでも足りないといい、愛を奪っていく。
愛を切望し、今ある愛を持て余していく。
ズルい女
「あ…じん。あんまり痕つけないで…」
まりんの喜色ばんだ声。
仁さんはまりんの首筋に口を充て、そこに赤い鬱血が残っていた。
キスマーク。仁さんの所有印。
まりんは、すべてに愛されて。
僕は唯一だった人も簡単に魅了する。
「駿…俺、まりんと付き合うことになったから…」
仁さんがまりんに想いを告げて、付き合ったとき。
僕の心は張り裂けるかと思うくらい傷んだ。
まりんを抱き締める仁さんをみたとき。
まりんに愛してると囁いている仁さんをみたとき。
ぱきり、ぱきりと音をたてて痛んでいく。
何度も何度も、壊れていく。
『まりんなんて…なんでよ』
『駿』
『仁さんは騙されているんだよ、あの女に。
あの女狐に…あんな女…。なんで…なんでよ。まりんは仁さんのことなんも思ってないよ…。
まりんは他にも沢山付き合っている人、いるもん。
まりんは愛しても愛し返してくれないよ…。仁さんの想いだってからかうだけって決まってる』
まりんと付き合うことに忠告する僕に対し仁さんは。
『まりんは、可愛いぞ。それに優しい…』
『顔だけだよ、あんな女。あんな女…』
『駿』
『まりんが可愛い?優しい?幻でも見たんじゃないの?まりんの優しさなんて、〝気まぐれ〟なのに…。
そんなの嘘っぱちなのに…なのに』
仁さんは何も悪くない。
ただ、まりんを好きになっただけ。
なのに、僕は口汚くまりんを好きになったと告げた仁さんをなじっていた。
『やめないか…!』
仁さんは僕の言葉にぴしゃりと怒鳴りつけ
『…実の姉だろう?何があったか知らないが、これ以上悪くいうのはやめないか。不愉快だ』
そういって、僕に背中を向けて立ち去った。
それ以来、優しく僕に微笑んでくれなくなってしまった。
心なんて壊れればいいのに。
傷つくだけの心なら。
傷んで、なにも感じなくなったらいいのに。
この恋は、ただただ辛く苦しいものだった。
「愛してる…。まりん…」
つがいをみつけた狼のように、ただまりんだけを愛しくみつめ愛を囁く仁さん。
こんな想い、報われないだけなのに。
僕も、仁さんも。
空しい恋のやじるしきごう。
僕が完全な女だったら。
男でも綺麗だったら。
そしたら、仁さんに抱いて貰えていただろうか。まりんのように好きになってもらえただろうか。
すべては、ただの、妄想であり僕は「それ」を望めないのに。
僕はありもしない空想を描いた。
仁さんと幸せに、ずっと一緒にいるという、叶いもしない夢を。
まりんの愛は1つじゃない。
まりんの愛は、たくさんある。
たくさんの人から与えられる愛に、ニコニコと笑いながら愛を返すまりん。
まりんの相手は仁さんだけじゃなかった。
それなりのステータスがある男ならば、手当たり次第、欲しがった。
『みんなが好きだから。
だから、みんなを愛しているの。
それをみんな望んでいるの…だって誰かと付き合うのって楽しいじゃない。デートしたり、欲しいもの貰ったり好きって言って甘やかして貰ったり。相手も満足してるならいいことづくしじゃない。誰かなんて選べない』
そういって、告白する人を全て受け入れて。
まるで、なにかを探すかのようにまりんは恋愛を繰り返した。
時にそれは、仁さんにも隠さずに
まりんは浮気をした。
「まりん、浮気してるよ…」
「そうだな…」
「いいの…?仁さんはまりんしか好きじゃないのに。まりんは」
「そう…だな」
まりんがいくら浮気しても、仁さんはまりんしか好きじゃない。
いくら、僕がまりんには他の人間がいるといっても。
「俺はどんなまりんも好きだから、いつかまりんが俺だけをみるようになるかもしれないだろ」
仁さんはそう悲しく笑うから…
仁さんは一途にまりんを思っているから、僕も辛かった。
狼は一途。
番を見つけたら、ずっと愛し続ける。
ただ、相手を信じて愛すのだ。死ぬまで。
僕も仁さんが見ていないところでひっそりと泣いた。
なんて、不毛な、思いだろうか―。
僕も、仁さんも。
一途に仁さんを想う僕も、浮気されてもまりんが好きな仁さんも。
嗚呼、なんて、不毛な恋愛劇。
仁さん、貴方の番が僕であればいいのに…。
何故、僕は貴方の番にはなれないんだろう。
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