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妖精編
78.最近多くない?
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今日は宿をとって明日一気にガルダへ行く予定だから、少し見て回って、夕食を食べてから宿へと入った。今回は王都の端っこの宿だ。城で休もうと思えばできるのに、こうやって宿を取ってくれるのはレオの優しさかな。気分が出ていいよね。
さて寝るか、という時に最近気になっていたことを聞いてみた。何も無ければいいんだけど。
「……レオさぁ……最近なんか……性欲、すごくない……? なんかあった?」
「えっ!? 前と変わらないと思うけど……?」
「いや、明らかに増えてるけど」
うそ、だろ……? 前まで三日に一度とかだったのに、最近二日に一度だし時々朝までコースなんですけど……。俺的には結構多いと思ってたんですけど……。そんなことはなかったのか?
「なんか悩んでるのか? 大丈夫?」
レオの肩をがしっと掴んで、顔を覗き込む。その顔には、ちょっとバツが悪そうな、恥ずかしそうな表情が浮かぶ。
「ん、大丈夫。結構キツかった? ごめんね。体調は悪くない?」
「お、俺は大丈夫……。寝不足になるのはちょっと辛いけど、その他はなんともないよ。」
「そっか、よかった……。教えてくれてありがとう。気をつけるね。」
「いや、あの、怒ってるわけじゃないから……うん。なにもないなら、いいんだ。」
何か我慢してて、性欲で発散……とかだといけないなって思っただけだから、レオの心身が健康ならそれでいい。
「今日は何もしないから、一緒に寝よう?」
「? うん?」
俺を気遣ったのか、『何もしないから』なんて言ってさ。そんなこと言わなくても、一緒に寝るつもりだったのに。ていうかそもそも、別に俺、嫌だなんて一言も言ってないからな?
既に横になっているレオの隣に滑り込むと、レオの胸に頬を寄せた。
「嫌だなんて言ってないんだから……気にしなくていいのに。でも俺の事考えてくれてありがと。」
「カイは俺に甘いなぁ。ふふ、おやすみ。」
まったく、甘いのはどっちなんだか。
レオにきゅっと抱きしめられると、いい匂いに包まれて一瞬で眠りに落ちてしまった。
「準備はいい?」
「できてる~!」
今回は馬じゃなくて、馬車でガルダまで向かう。前にこっちに来たときに乗った馬車では寝ちゃって全然景色見れなかったから、今回はしっかり起きてようと思う。
「今回は起きてるんだ?」
「もちろん! 折角の外なのにもったいないだろ。」
「俺の肩によっかかってるのも可愛かったから、俺からしたら絶景だったよ」
「またそういう事言う……」
あんまぁ~~いなぁぁ!! もうずっとこんなかんじだ。俺を可愛いって言うのは慣れたから、俺もやめろとは言わないけど。なんだろ、寂しいのかな? 俺足んない?
レオの隣に移動して、ぴったり横にくっつく。
「レオも一緒に外見てこ?」
「うん……。はぁ~~たまんないな。」
俺の頭にこてっと頭を預けてくる。甘えたいのか。しょうがないなぁ。
◆
途中休みながら、馬車にゴトゴト揺られて暫く。漸くガルダに到着した。季節が変わったガルダは以前いた時とまた違って、新鮮な気持ちにさせる。俺たちが出会ったあの小屋で降りると、馬車はどこかへ行ってしまった。
「王家の紋章入りの馬車なんて目立つからね、街の端に預けるところがあるからそこに預けて、迎えに来る手はずになってるよ。」
「へぇ……。ああそうか、この小屋も秘密? なんだもんな?」
ここを離れた時に教えてもらったけれど、この小屋はレオが冒険者をする時に使う隠れ家みたいなものなんだとか。普段は魔法が掛けられていて隠されている。
「街でゆっくりするのは久々だな、楽しみ!」
「そうだね。俺もたのしみだよ。」
前回は魔物狩りに来たから、街ではギルドしか行かなかったんだよね。今回はジルド達にも会えるし、街を堪能しよう。
俺は荷物を持って小屋に入っていく。レオは早々にソファでくつろぎ始める。
「夕食は食べに行く?」
「ううん、収納魔法でしまってある肉がまだあるから、俺が作るよ。ゆっくりしよ!」
収納魔法は、中に収納したものの時が止まる。本当に便利で助かる。今日はそれを使って俺が作ろう。城のものより拙いけれど、それはそれでよし!
張り切って下ごしらえを始める俺だった。
さて寝るか、という時に最近気になっていたことを聞いてみた。何も無ければいいんだけど。
「……レオさぁ……最近なんか……性欲、すごくない……? なんかあった?」
「えっ!? 前と変わらないと思うけど……?」
「いや、明らかに増えてるけど」
うそ、だろ……? 前まで三日に一度とかだったのに、最近二日に一度だし時々朝までコースなんですけど……。俺的には結構多いと思ってたんですけど……。そんなことはなかったのか?
「なんか悩んでるのか? 大丈夫?」
レオの肩をがしっと掴んで、顔を覗き込む。その顔には、ちょっとバツが悪そうな、恥ずかしそうな表情が浮かぶ。
「ん、大丈夫。結構キツかった? ごめんね。体調は悪くない?」
「お、俺は大丈夫……。寝不足になるのはちょっと辛いけど、その他はなんともないよ。」
「そっか、よかった……。教えてくれてありがとう。気をつけるね。」
「いや、あの、怒ってるわけじゃないから……うん。なにもないなら、いいんだ。」
何か我慢してて、性欲で発散……とかだといけないなって思っただけだから、レオの心身が健康ならそれでいい。
「今日は何もしないから、一緒に寝よう?」
「? うん?」
俺を気遣ったのか、『何もしないから』なんて言ってさ。そんなこと言わなくても、一緒に寝るつもりだったのに。ていうかそもそも、別に俺、嫌だなんて一言も言ってないからな?
既に横になっているレオの隣に滑り込むと、レオの胸に頬を寄せた。
「嫌だなんて言ってないんだから……気にしなくていいのに。でも俺の事考えてくれてありがと。」
「カイは俺に甘いなぁ。ふふ、おやすみ。」
まったく、甘いのはどっちなんだか。
レオにきゅっと抱きしめられると、いい匂いに包まれて一瞬で眠りに落ちてしまった。
「準備はいい?」
「できてる~!」
今回は馬じゃなくて、馬車でガルダまで向かう。前にこっちに来たときに乗った馬車では寝ちゃって全然景色見れなかったから、今回はしっかり起きてようと思う。
「今回は起きてるんだ?」
「もちろん! 折角の外なのにもったいないだろ。」
「俺の肩によっかかってるのも可愛かったから、俺からしたら絶景だったよ」
「またそういう事言う……」
あんまぁ~~いなぁぁ!! もうずっとこんなかんじだ。俺を可愛いって言うのは慣れたから、俺もやめろとは言わないけど。なんだろ、寂しいのかな? 俺足んない?
レオの隣に移動して、ぴったり横にくっつく。
「レオも一緒に外見てこ?」
「うん……。はぁ~~たまんないな。」
俺の頭にこてっと頭を預けてくる。甘えたいのか。しょうがないなぁ。
◆
途中休みながら、馬車にゴトゴト揺られて暫く。漸くガルダに到着した。季節が変わったガルダは以前いた時とまた違って、新鮮な気持ちにさせる。俺たちが出会ったあの小屋で降りると、馬車はどこかへ行ってしまった。
「王家の紋章入りの馬車なんて目立つからね、街の端に預けるところがあるからそこに預けて、迎えに来る手はずになってるよ。」
「へぇ……。ああそうか、この小屋も秘密? なんだもんな?」
ここを離れた時に教えてもらったけれど、この小屋はレオが冒険者をする時に使う隠れ家みたいなものなんだとか。普段は魔法が掛けられていて隠されている。
「街でゆっくりするのは久々だな、楽しみ!」
「そうだね。俺もたのしみだよ。」
前回は魔物狩りに来たから、街ではギルドしか行かなかったんだよね。今回はジルド達にも会えるし、街を堪能しよう。
俺は荷物を持って小屋に入っていく。レオは早々にソファでくつろぎ始める。
「夕食は食べに行く?」
「ううん、収納魔法でしまってある肉がまだあるから、俺が作るよ。ゆっくりしよ!」
収納魔法は、中に収納したものの時が止まる。本当に便利で助かる。今日はそれを使って俺が作ろう。城のものより拙いけれど、それはそれでよし!
張り切って下ごしらえを始める俺だった。
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