11 / 42
前編
11. 幸せに笑う
しおりを挟む
「うふふ、目の色は主人似ね。ルビーみたいに綺麗な色」
「……あの」
うっとりと目を細めるラーシャに、リリーシアは恐る恐る声を掛けた。
「ん? どうしたの?」
「何故、エアラさんも髪と目の色が変わってしまったのでしょうか……?」
ラーシャはきょとんと首を傾げた。
「え、そりゃ。幼体から成体になるタイミングに、あれだけ近くにいれば、魔力に当てられるでしょう。心配しなくても少しすれば元に戻るわよ」
さも当然と目を丸くするラーシャに、リリーシアも段々と自分の無知を恥じるようになってきた。もじもじと両手を擦り合わせ、そうですかと口にするのがやっとだ。
「さて……」
エミリオの発った方角に、ラーシャが安堵の息を吐くのを横目で見ていると、彼女は明るく振り返った。
「じゃあ私たちも行きましょうか」
にやにやと笑い出すラーシャに対し、オフィールオは忌々しそうに唸り声を上げてから、こほりと空咳を打つ。
「行こうか、……ご令嬢」
熱心に水鏡を見るリリーシアとラーシャを、オフィールオはずっと背後で見守ってくれていた。
リリーシアは気になっていた事を口にする。
「でも、医師、お仕事は……?」
「辞めてきた」
「ええ?!」
即答されて目を丸くする。
「元々短期の雇用契約だったからな、問題ない」
「そう、ですか……?」
もしかして自分のせいで辞めた、とか……
まさかと思いながらも、気になってしまう。
そもそも本人が気にしていないのに、リリーシアが気を揉んでも仕方がないだろうけれど。
オフィールオはいつものように長い髪と髭で顔を隠した、もっさりとした風貌だ。……でも、こんな場面だからだろうか、何だか緊張してしまう。
「……令嬢、お手を」
「あ、ありがとうござい……ます」
差し出された手をそっと掴み、気恥ずかしさから逸らした視線の先で水鏡が視界に入った。その中でアレクシオが何かを叫んでいる。
「……未練があるか?」
そう言われて思わず顔を跳ね上げた。
思いの外近くにあった顔に、リリーシアはパッと視線を逸らす。
「いえ……そんなものは、ありません」
自分は既に国から拒絶されたのだ。例え聖女がまやかしだったとしても……もうこの国で自分が何か出来るとは思えない。
「あの人たちは私の事なんてどうでもいいのですから、これ以上関わるつもりはありませんし、」
本当はここで国の為に奮起するのが次期王妃の役割なのだろう。
けれど国が一丸となってリリーシアを拒んだのはすっかり身に染みていて、とてもそんな気力は湧いてきそうにない。
結局、自分は王妃の器などでは無かったのだ。
「……そんな力もありません」
ラーシャは少しだけ悲しそうに顔を歪めたけれど、何かを振り払うように頭を振って口を開いた。
「全く、見る目が無いにも程があるよね! リリーちゃんはこんなに可愛くていい子なのにさ! ……あ、ねえリリーちゃん? 身内贔屓かもしれないけど、オフィールオも今はこんなだけどさ。きちんと身繕いをすれば、案外見てくれは悪くないのよ?」
「っ、おい! 姉さん!」
慌てるオフィールオにリリーシアはきょとんと首を傾げる。
「……え? 知っていますよ?」
そう言うと今度はオフィールオが眼鏡の奥で目を丸くした。
確かに無愛想だけれど、診察は丁寧でどんな患者も邪険にしない。身分を重んじる者たちに診察を断られる事はあっても、自分からは断らない。嫌だと思ったら診察後、もう来るなと声を掛ける。そんな人で──
眼鏡の奥の瞳は見えにくいけれど、いつだって真摯で真剣で──綺麗だった。
「皆見る目が無いって、勿体無いと思っていました。医師はこんなに素敵な人なのに。宮廷にドレスコードがあるのは、本質を見る目を養う為でもあるのに……だから、その……あなたは、とてもカッコいいと思いますし……私はあまり、見た目は気にしていないといいますか、整えなくてもあなたは綺麗な人だと……」
もにょとにょと上手く纏まらない言葉を続けていると、オフィールオに繋いだ手をきゅっと握り込まれる。
「そうなのか」
「は、……はい」
驚いた顔をするオフィールオにこくりと頷くと、何故かソワソワと目を逸らされた。
「その……故郷に着いたら、またあなたの主治医にして貰えるだろうか」
その言葉にリリーシアは口元を引き結び首を横に振る。
「いいえ」
そう言うとオフィールオは何だか傷ついた顔をした。
「私はずっと、あなたに労られていたのに……」
リリーシアは一つ決意を込め、口を開く。
思えば彼はずっと診察の時、励ましてくれていた。語れない事情に苛立ちながらも、彼だけがリリーシアを気にかけてくれていたのだ。
「気付かずにいた事を恥ずかしく思っています。だからもし、あなたの故郷に行き傍にいる事を許されるなら、もっと知りたい。あなたの気遣いや、思っている事を……私こそ、あなたの為に何でもいい。力に、なりたい」
「……っ」
我ながら不思議だった。
今迄確かにそう思う事はあったけれど、口には出来なかったのに。溢れる思いが零れるように、感謝の言葉が止まらない。
目が覚めてから今日までずっと、この人に……気に掛けて貰いたいと、その目に留まりたいと強く願っている。
そう言って小さく笑みを浮かべれば、オフィールオは毛に覆われていないところを真っ赤に染め上げていた。
……リリーシアの感情はオフィールオが齎した血の契約が大きく関わっている。それでも拒絶する事もできるのだ。抵抗し、抗う事も……
でもそれが無かったという事を──
(……期待して、しまう)
更に赤くなる顔を押さえていると、ラーシャがニマニマと背中を叩いてきた。
「丁度、手伝いで来ていた助手が膝を痛めてお休みしてるから? 暫く代わりに手伝って貰ったらいいんじゃ無いの~?」
流石に恥ずかしくてじろりとラーシャを睨む。
「どうかなリリーちゃん? 私たちの故郷では貴族令嬢として扱ってあげられないけど、勿論うちを宿代わりにして貰っても構わない。……だから、このバカの面倒をさ、見て貰えないかな?」
ラーシャとオフィールオは帝国の辺境領の一画で暮らしているらしい。リリーシアは帝国なんて大国という知識しか無く、勿論足を踏み入れた事もない。一応カーフィ国とは同盟国ではあるが、限りなく従国の色が強い関係なので、交流らしいものはほぼなかったのだ。
そんな国へ行くのは緊張するが、この厚意に甘えない選択肢は自分には無い。
「も、勿論です。ありがとうございます頑張ります!」
それからくるりとオフィールオに視線を向ける。
「……あの、いいでしょうか、医師?」
「っあ、ああ勿論。助かる。こちらこそよろしく頼む」
ぎくしゃくと挨拶をするオフィールオにラーシャがツツツと近寄った。
「一生面倒見てもらえるように頑張りなさいよ」
こそっと何かを耳打ちするラーシャにオフィールオがゴホッと咽せた後、肩を怒らせている。
久しぶりに誰かと同じ空気を過ごせる感動を、そしてきっと初めて、自分という個を求められて迎えられて。
幸せだなと、リリーシアは頬を緩めた。
※
前編終了です
「……あの」
うっとりと目を細めるラーシャに、リリーシアは恐る恐る声を掛けた。
「ん? どうしたの?」
「何故、エアラさんも髪と目の色が変わってしまったのでしょうか……?」
ラーシャはきょとんと首を傾げた。
「え、そりゃ。幼体から成体になるタイミングに、あれだけ近くにいれば、魔力に当てられるでしょう。心配しなくても少しすれば元に戻るわよ」
さも当然と目を丸くするラーシャに、リリーシアも段々と自分の無知を恥じるようになってきた。もじもじと両手を擦り合わせ、そうですかと口にするのがやっとだ。
「さて……」
エミリオの発った方角に、ラーシャが安堵の息を吐くのを横目で見ていると、彼女は明るく振り返った。
「じゃあ私たちも行きましょうか」
にやにやと笑い出すラーシャに対し、オフィールオは忌々しそうに唸り声を上げてから、こほりと空咳を打つ。
「行こうか、……ご令嬢」
熱心に水鏡を見るリリーシアとラーシャを、オフィールオはずっと背後で見守ってくれていた。
リリーシアは気になっていた事を口にする。
「でも、医師、お仕事は……?」
「辞めてきた」
「ええ?!」
即答されて目を丸くする。
「元々短期の雇用契約だったからな、問題ない」
「そう、ですか……?」
もしかして自分のせいで辞めた、とか……
まさかと思いながらも、気になってしまう。
そもそも本人が気にしていないのに、リリーシアが気を揉んでも仕方がないだろうけれど。
オフィールオはいつものように長い髪と髭で顔を隠した、もっさりとした風貌だ。……でも、こんな場面だからだろうか、何だか緊張してしまう。
「……令嬢、お手を」
「あ、ありがとうござい……ます」
差し出された手をそっと掴み、気恥ずかしさから逸らした視線の先で水鏡が視界に入った。その中でアレクシオが何かを叫んでいる。
「……未練があるか?」
そう言われて思わず顔を跳ね上げた。
思いの外近くにあった顔に、リリーシアはパッと視線を逸らす。
「いえ……そんなものは、ありません」
自分は既に国から拒絶されたのだ。例え聖女がまやかしだったとしても……もうこの国で自分が何か出来るとは思えない。
「あの人たちは私の事なんてどうでもいいのですから、これ以上関わるつもりはありませんし、」
本当はここで国の為に奮起するのが次期王妃の役割なのだろう。
けれど国が一丸となってリリーシアを拒んだのはすっかり身に染みていて、とてもそんな気力は湧いてきそうにない。
結局、自分は王妃の器などでは無かったのだ。
「……そんな力もありません」
ラーシャは少しだけ悲しそうに顔を歪めたけれど、何かを振り払うように頭を振って口を開いた。
「全く、見る目が無いにも程があるよね! リリーちゃんはこんなに可愛くていい子なのにさ! ……あ、ねえリリーちゃん? 身内贔屓かもしれないけど、オフィールオも今はこんなだけどさ。きちんと身繕いをすれば、案外見てくれは悪くないのよ?」
「っ、おい! 姉さん!」
慌てるオフィールオにリリーシアはきょとんと首を傾げる。
「……え? 知っていますよ?」
そう言うと今度はオフィールオが眼鏡の奥で目を丸くした。
確かに無愛想だけれど、診察は丁寧でどんな患者も邪険にしない。身分を重んじる者たちに診察を断られる事はあっても、自分からは断らない。嫌だと思ったら診察後、もう来るなと声を掛ける。そんな人で──
眼鏡の奥の瞳は見えにくいけれど、いつだって真摯で真剣で──綺麗だった。
「皆見る目が無いって、勿体無いと思っていました。医師はこんなに素敵な人なのに。宮廷にドレスコードがあるのは、本質を見る目を養う為でもあるのに……だから、その……あなたは、とてもカッコいいと思いますし……私はあまり、見た目は気にしていないといいますか、整えなくてもあなたは綺麗な人だと……」
もにょとにょと上手く纏まらない言葉を続けていると、オフィールオに繋いだ手をきゅっと握り込まれる。
「そうなのか」
「は、……はい」
驚いた顔をするオフィールオにこくりと頷くと、何故かソワソワと目を逸らされた。
「その……故郷に着いたら、またあなたの主治医にして貰えるだろうか」
その言葉にリリーシアは口元を引き結び首を横に振る。
「いいえ」
そう言うとオフィールオは何だか傷ついた顔をした。
「私はずっと、あなたに労られていたのに……」
リリーシアは一つ決意を込め、口を開く。
思えば彼はずっと診察の時、励ましてくれていた。語れない事情に苛立ちながらも、彼だけがリリーシアを気にかけてくれていたのだ。
「気付かずにいた事を恥ずかしく思っています。だからもし、あなたの故郷に行き傍にいる事を許されるなら、もっと知りたい。あなたの気遣いや、思っている事を……私こそ、あなたの為に何でもいい。力に、なりたい」
「……っ」
我ながら不思議だった。
今迄確かにそう思う事はあったけれど、口には出来なかったのに。溢れる思いが零れるように、感謝の言葉が止まらない。
目が覚めてから今日までずっと、この人に……気に掛けて貰いたいと、その目に留まりたいと強く願っている。
そう言って小さく笑みを浮かべれば、オフィールオは毛に覆われていないところを真っ赤に染め上げていた。
……リリーシアの感情はオフィールオが齎した血の契約が大きく関わっている。それでも拒絶する事もできるのだ。抵抗し、抗う事も……
でもそれが無かったという事を──
(……期待して、しまう)
更に赤くなる顔を押さえていると、ラーシャがニマニマと背中を叩いてきた。
「丁度、手伝いで来ていた助手が膝を痛めてお休みしてるから? 暫く代わりに手伝って貰ったらいいんじゃ無いの~?」
流石に恥ずかしくてじろりとラーシャを睨む。
「どうかなリリーちゃん? 私たちの故郷では貴族令嬢として扱ってあげられないけど、勿論うちを宿代わりにして貰っても構わない。……だから、このバカの面倒をさ、見て貰えないかな?」
ラーシャとオフィールオは帝国の辺境領の一画で暮らしているらしい。リリーシアは帝国なんて大国という知識しか無く、勿論足を踏み入れた事もない。一応カーフィ国とは同盟国ではあるが、限りなく従国の色が強い関係なので、交流らしいものはほぼなかったのだ。
そんな国へ行くのは緊張するが、この厚意に甘えない選択肢は自分には無い。
「も、勿論です。ありがとうございます頑張ります!」
それからくるりとオフィールオに視線を向ける。
「……あの、いいでしょうか、医師?」
「っあ、ああ勿論。助かる。こちらこそよろしく頼む」
ぎくしゃくと挨拶をするオフィールオにラーシャがツツツと近寄った。
「一生面倒見てもらえるように頑張りなさいよ」
こそっと何かを耳打ちするラーシャにオフィールオがゴホッと咽せた後、肩を怒らせている。
久しぶりに誰かと同じ空気を過ごせる感動を、そしてきっと初めて、自分という個を求められて迎えられて。
幸せだなと、リリーシアは頬を緩めた。
※
前編終了です
13
お気に入りに追加
526
あなたにおすすめの小説
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
逆行転生した悪役令嬢だそうですけれど、反省なんてしてやりませんわ!
九重
恋愛
我儘で自分勝手な生き方をして処刑されたアマーリアは、時を遡り、幼い自分に逆行転生した。
しかし、彼女は、ここで反省できるような性格ではなかった。
アマーリアは、破滅を回避するために、自分を処刑した王子や聖女たちの方を変えてやろうと決意する。
これは、逆行転生した悪役令嬢が、まったく反省せずに、やりたい放題好き勝手に生きる物語。
ツイッターで先行して呟いています。
悪『役』令嬢ってなんですの?私は悪『の』令嬢ですわ。悪役の役者と一緒にしないで………ね?
naturalsoft
恋愛
「悪役令嬢である貴様との婚約を破棄させてもらう!」
目の前には私の婚約者だった者が叫んでいる。私は深いため息を付いて、手に持った扇を上げた。
すると、周囲にいた近衛兵達が婚約者殿を組み従えた。
「貴様ら!何をする!?」
地面に押さえ付けられている婚約者殿に言ってやりました。
「貴方に本物の悪の令嬢というものを見せてあげますわ♪」
それはとても素晴らしい笑顔で言ってやりましたとも。
記憶を失くした婚約者
桜咲 京華
恋愛
侯爵令嬢エルザには日本人として生きていた記憶があり、自分は悪役令嬢であると理解していた。
婚約者の名前は公爵令息、テオドール様。
ヒロインが現れ、テオドールと恋に落ちれば私は排除される運命だったからなるべく距離を置くようにしていたのに、優しい彼に惹かれてしまう自分を止められず、もしかしたらゲームの通りにはならないのではないかと希望を抱いてしまった。
しかしゲーム開始日の前日、テオドール様は私に関する記憶だけを完全に失ってしまった。
そしてゲームの通りに婚約は破棄され、私は酷い結末を迎える前に修道院へと逃げ込んだのだった。
続編「正気を失っていた婚約者」は、別の話として再連載開始する為、このお話は完結として閉じておきます。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
最後に報われるのは誰でしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
散々婚約者に罵倒され侮辱されてきたリリアは、いい加減我慢の限界を迎える。
「もう限界だ、きみとは婚約破棄をさせてもらう!」と婚約者に突きつけられたリリアはそれを聞いてラッキーだと思った。
限界なのはリリアの方だったからだ。
なので彼女は、ある提案をする。
「婚約者を取り替えっこしませんか?」と。
リリアの婚約者、ホシュアは婚約者のいる令嬢に手を出していたのだ。その令嬢とリリア、ホシュアと令嬢の婚約者を取り替えようとリリアは提案する。
「別にどちらでも私は構わないのです。どちらにせよ、私は痛くも痒くもないですから」
リリアには考えがある。どっちに転ぼうが、リリアにはどうだっていいのだ。
だけど、提案したリリアにこれからどう物事が進むか理解していないホシュアは一も二もなく頷く。
そうして婚約者を取り替えてからしばらくして、辺境の街で聖女が現れたと報告が入った。
大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?
サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる