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番外編 ベリンダ
03.
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案内された客室でベリンダはぐったりとソファに凭れていた。
隣のソファではリマがぷりぷりと抑えられないらしい怒りを露わにしている。
「はあ……」
「嬢ちゃま、どうしました?」
「……疲れたわ」
「そうでしょう、そうでしょう。長旅でしたからねえ」
「……」
リマはうんうん頷いて目の前のお茶に口をつけた。
──あの後、面食らった辺境伯から半ば強引に許しを勝ち取り、疲れたからと足早に城内へと上がり込んだ。
勢いに押されたらしい使用人たちも、テキパキと仕事に励んでくれた。
夕飯はどうするかと聞かれたので、部屋で取ると返せば、何故か複雑そうな顔をしていたが……
「……嬢ちゃま」
「何?」
見ればリマはカップを見つめたまま俯いていた。
「……?」
具合でも悪いのだろうかと身を乗り出せば、リマはいつもの笑顔でにっこりと笑った。
「……何でもありません」
「そう? あなたも疲れているだろうから、早く休みなさい」
「そうですねえ……もうすぐ嬢ちゃまの結婚式ですもんねえ。風邪でも引いたら一大事ですよ」
「……そうね」
ちらりと視線を部屋の端に向ける。
客間に用意された花嫁衣装は、急ぎ作らせたものにしては美しかった。侯爵家の見栄だろうか。
五日後、自分は辺境伯夫人になる──
『ベリンダ、お前は王太子妃になるのだ』
そう父に言われたのは十四歳の頃だった。
自分が王族に嫁ぐと聞かされて、ベリンダは直ぐに筆を取った。
『リマ、私の結婚式には絶対に来てよね!』
そして母より、父よりも偉い人を味方に付けて、いつかリマを傍に戻すのだ。
父母が良い顔をしないだろうから、リマへの手紙は限られていた。その中でこれはと思える話を綴る事が出来て、ベリンダの胸は弾んだ。
『私の嬢ちゃまが王太子妃だなんて……リマは必ず行きますとも。嬢ちゃまの晴れ舞台に、必ず駆けつけますとも……!』
リマの返事を見て、ベリンダはにっこりと笑った。
◇
身内だけのささやかな式を挙げ、ベリンダはヘルマンの妻となった。
披露宴とは名ばかりの顔合わせで、この地で主要な人物の顔と名前を一致させる。
面倒な事にベリンダの悪評はここまで届いているようだ。皆一様に表情が固い。……一方、屋敷の使用人たちの眼差しが生温かいのは、会場の端でにこにこしているリマのせいだ。
式場では人目も憚らずズビズバ泣いていた。
『うう、嬢ちゃま。とってもとってもお綺麗ですぅ~』
『リマ、ありがとう。分かったからもう泣かないで』
『わがっでまずうう~』
そんな彼女の人柄のお陰か、ベリンダはこの五日間、随分快適に過ごす事が出来た。
今迄気を張って生きてきた反動か、結婚という最終目的を目前にして、ベリンダはすっかり腑抜けていた。
だからほぼ部屋でぼんやりと過ごしていただけだったが、不思議と退屈はしなかった。
気づくと時間が経ち、リマがいて笑い掛けてくれる日々。
それだけでもう、ベリンダは何をする気も起きなかった。
……しかし今はヘルマンの隣で愛想笑いをしなければならない。作り笑いを顔面に貼り付け、ベリンダは王都を離れて実に二十日振りに気合いをいれた。
それにしても何とも不躾な視線は思いの外居心地が悪い。
王都にいた頃は優越感に浸っていたというのに……
「いやあ、それにしても閣下はこれ程に若い令嬢をご所望だったとは。これではウチの娘ではご納得頂けないのも仕方ありませんな」
酒で顔を赤らめた男の挨拶に、ベリンダはふと意識を戻した。
男はこちらをじろじろと眺めながら、自分の娘を辺境伯夫人に据えられ無かった未練を口にする。
「……ジェシル卿のご息女には想う相手がいるだろう」
「いやあ、それが何だというのです。親の権限でそんなもの別れさせますよ。しかしまあ、仕方がないですなあ。首都で磨かれた美しい令嬢だ。閣下が骨抜きにされるのも仕方ありますまい」
ふっと笑う目の前の男のいやらしい顔にはベリンダの醜聞を見透かしているようだ。
手の届く場所にいたにも関わらず王族に見染められず、不興を買い辺境送りにされた女──そう蔑む事で自身の虚栄心を満たしているのだろう。
ベリンダは扇で男の顔を張ってやろうかと力を込めたが──止めた。
リマが見ている。
折角機嫌良く過ごしているのに、これ以上泣かせたくない。
代わりににっこりと笑ってやった。
「ありがとうございます。首都ではわたくし程度は霞んでしまって、殿下たちの目になど留まりませんでしたわ。それで私、すっかり自分の容姿に自信がなくなってしまって……どこか王都から離れた嫁ぎ先はないものかと探していたところ、閣下に情けを頂いたのです。本当に閣下にはいくら感謝しても足りません。北の辺境伯様は懐の深く、慈悲深いお方ですわね」
ジェシルが目を見開いたのでベリンダは内心で勝ち誇った。
ベリンダの容姿は侯爵家で丁寧に磨かれ群を抜いている。だから彼らの婚約者候補に毎度並んできたのだ。
『愚かであれ』
父の命に応じ、ベリンダは今まで知恵を見せてこなかった。──まあ元来直上的で頭も悪いのは自覚しているし、無い袖を振れなかったのもあるのだが……
だからこそライバルを叩き落とす為、ベリンダは形振り構ってこなかった。
侯爵家の権威を使い、令嬢たちを脅すに脅した。
(権力の使い方だけは得意なのよ)
褒められない理由でベリンダはフフンと胸を張る。
ジェシルの娘がどんな女かは知らないが、容姿だけでベリンダに敵うとは思えない。加えてヘルマンの器を付け加えてこの男の立場上、否やは言えまい。
すると隣からフハッと息を吐く音が聞こえベリンダは耳を疑った。
「そうだな。こんな美しい令嬢を娶る事ができ、私は運がいいようだ」
自分は驚愕に近い顔で、隣の夫を見上げていたのではなかろうか。
(同意を、された……?)
ベリンダにとっては驚くべき事だった。
取り巻きの令嬢たち以外で自分の言葉に頷くなど……
けれどヘルマンは何事も無かったように澄ました顔で、眼差しは初日に会った頃と変わらないように見える。
「……閣下のご慧眼と幸運に祝福申し上げます」
遠吠えともとれるジェシルの捨て台詞に取り敢えずベリンダは満足したが、隣に立つヘルマンの気配に、何故か胸がそわそわした。
隣のソファではリマがぷりぷりと抑えられないらしい怒りを露わにしている。
「はあ……」
「嬢ちゃま、どうしました?」
「……疲れたわ」
「そうでしょう、そうでしょう。長旅でしたからねえ」
「……」
リマはうんうん頷いて目の前のお茶に口をつけた。
──あの後、面食らった辺境伯から半ば強引に許しを勝ち取り、疲れたからと足早に城内へと上がり込んだ。
勢いに押されたらしい使用人たちも、テキパキと仕事に励んでくれた。
夕飯はどうするかと聞かれたので、部屋で取ると返せば、何故か複雑そうな顔をしていたが……
「……嬢ちゃま」
「何?」
見ればリマはカップを見つめたまま俯いていた。
「……?」
具合でも悪いのだろうかと身を乗り出せば、リマはいつもの笑顔でにっこりと笑った。
「……何でもありません」
「そう? あなたも疲れているだろうから、早く休みなさい」
「そうですねえ……もうすぐ嬢ちゃまの結婚式ですもんねえ。風邪でも引いたら一大事ですよ」
「……そうね」
ちらりと視線を部屋の端に向ける。
客間に用意された花嫁衣装は、急ぎ作らせたものにしては美しかった。侯爵家の見栄だろうか。
五日後、自分は辺境伯夫人になる──
『ベリンダ、お前は王太子妃になるのだ』
そう父に言われたのは十四歳の頃だった。
自分が王族に嫁ぐと聞かされて、ベリンダは直ぐに筆を取った。
『リマ、私の結婚式には絶対に来てよね!』
そして母より、父よりも偉い人を味方に付けて、いつかリマを傍に戻すのだ。
父母が良い顔をしないだろうから、リマへの手紙は限られていた。その中でこれはと思える話を綴る事が出来て、ベリンダの胸は弾んだ。
『私の嬢ちゃまが王太子妃だなんて……リマは必ず行きますとも。嬢ちゃまの晴れ舞台に、必ず駆けつけますとも……!』
リマの返事を見て、ベリンダはにっこりと笑った。
◇
身内だけのささやかな式を挙げ、ベリンダはヘルマンの妻となった。
披露宴とは名ばかりの顔合わせで、この地で主要な人物の顔と名前を一致させる。
面倒な事にベリンダの悪評はここまで届いているようだ。皆一様に表情が固い。……一方、屋敷の使用人たちの眼差しが生温かいのは、会場の端でにこにこしているリマのせいだ。
式場では人目も憚らずズビズバ泣いていた。
『うう、嬢ちゃま。とってもとってもお綺麗ですぅ~』
『リマ、ありがとう。分かったからもう泣かないで』
『わがっでまずうう~』
そんな彼女の人柄のお陰か、ベリンダはこの五日間、随分快適に過ごす事が出来た。
今迄気を張って生きてきた反動か、結婚という最終目的を目前にして、ベリンダはすっかり腑抜けていた。
だからほぼ部屋でぼんやりと過ごしていただけだったが、不思議と退屈はしなかった。
気づくと時間が経ち、リマがいて笑い掛けてくれる日々。
それだけでもう、ベリンダは何をする気も起きなかった。
……しかし今はヘルマンの隣で愛想笑いをしなければならない。作り笑いを顔面に貼り付け、ベリンダは王都を離れて実に二十日振りに気合いをいれた。
それにしても何とも不躾な視線は思いの外居心地が悪い。
王都にいた頃は優越感に浸っていたというのに……
「いやあ、それにしても閣下はこれ程に若い令嬢をご所望だったとは。これではウチの娘ではご納得頂けないのも仕方ありませんな」
酒で顔を赤らめた男の挨拶に、ベリンダはふと意識を戻した。
男はこちらをじろじろと眺めながら、自分の娘を辺境伯夫人に据えられ無かった未練を口にする。
「……ジェシル卿のご息女には想う相手がいるだろう」
「いやあ、それが何だというのです。親の権限でそんなもの別れさせますよ。しかしまあ、仕方がないですなあ。首都で磨かれた美しい令嬢だ。閣下が骨抜きにされるのも仕方ありますまい」
ふっと笑う目の前の男のいやらしい顔にはベリンダの醜聞を見透かしているようだ。
手の届く場所にいたにも関わらず王族に見染められず、不興を買い辺境送りにされた女──そう蔑む事で自身の虚栄心を満たしているのだろう。
ベリンダは扇で男の顔を張ってやろうかと力を込めたが──止めた。
リマが見ている。
折角機嫌良く過ごしているのに、これ以上泣かせたくない。
代わりににっこりと笑ってやった。
「ありがとうございます。首都ではわたくし程度は霞んでしまって、殿下たちの目になど留まりませんでしたわ。それで私、すっかり自分の容姿に自信がなくなってしまって……どこか王都から離れた嫁ぎ先はないものかと探していたところ、閣下に情けを頂いたのです。本当に閣下にはいくら感謝しても足りません。北の辺境伯様は懐の深く、慈悲深いお方ですわね」
ジェシルが目を見開いたのでベリンダは内心で勝ち誇った。
ベリンダの容姿は侯爵家で丁寧に磨かれ群を抜いている。だから彼らの婚約者候補に毎度並んできたのだ。
『愚かであれ』
父の命に応じ、ベリンダは今まで知恵を見せてこなかった。──まあ元来直上的で頭も悪いのは自覚しているし、無い袖を振れなかったのもあるのだが……
だからこそライバルを叩き落とす為、ベリンダは形振り構ってこなかった。
侯爵家の権威を使い、令嬢たちを脅すに脅した。
(権力の使い方だけは得意なのよ)
褒められない理由でベリンダはフフンと胸を張る。
ジェシルの娘がどんな女かは知らないが、容姿だけでベリンダに敵うとは思えない。加えてヘルマンの器を付け加えてこの男の立場上、否やは言えまい。
すると隣からフハッと息を吐く音が聞こえベリンダは耳を疑った。
「そうだな。こんな美しい令嬢を娶る事ができ、私は運がいいようだ」
自分は驚愕に近い顔で、隣の夫を見上げていたのではなかろうか。
(同意を、された……?)
ベリンダにとっては驚くべき事だった。
取り巻きの令嬢たち以外で自分の言葉に頷くなど……
けれどヘルマンは何事も無かったように澄ました顔で、眼差しは初日に会った頃と変わらないように見える。
「……閣下のご慧眼と幸運に祝福申し上げます」
遠吠えともとれるジェシルの捨て台詞に取り敢えずベリンダは満足したが、隣に立つヘルマンの気配に、何故か胸がそわそわした。
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