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番外編 ベリンダ
01.
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※ ざまあではありません。
※ 障がいに関するセンシティブな表現が含まれます。
ガタン
大きく揺れる馬車にベリンダは顔を顰めた。
侯爵家で用意された馬車は快適なものだ。
悪いのは道。
まともに舗装されていない悪路は北の辺境領へと続く。
そこでベリンダは五十路近い男鰥と結婚する事になった。
理由は諸々あるが、わざわざ辺境へ嫁すのは王都に居られなくなったから。
第三王子の不興を買っただけでなく、先王陛下にまで不敬を働いた。更に兄殿下たちからの評判も頗る悪く。もう王都にベリンダの居場所は無かった。
父は頭に怒りが昇った状態ではあったが、何とか娘の婚家を探し出した。
修道院では外聞が悪すぎる。
悪い事をしたと言っているようなものだ。
──いや、はっきり言ってそうなのだが、第三王子からの「温情」で、あの日ベリンダが吐いた言葉には目を瞑って貰う事になった。
だからどうしてもレーゼント侯爵家はベリンダの嫁ぎ先を見つけなければならない。しかし彼女の悪評は思っていた以上に酷かった。加えて年齢が行き遅れである。
釣り合わないという理由で断られ、或いは高貴な方の婚約者候補だった令嬢を娶るような家ではないからと。嫌味のように遠回しに首を横に振られては、行き着いたのが後妻という役どころ。
北の辺境伯は十年以上も前に奥方を亡くして独り身。妻を悼み随分長らく独身でいたが、いよいよ重い腰を上げる事にしたようだ。
彼は後継者にも恵まれ無かったので、父がベリンダの腹を売り文句に縁談を押し通した。
そんな父は見送りに顔を出す事は無いままに。
結婚式にも出ない。
このままもう二度と会う事も無いだろう。
母は馬車に座るベリンダを見上げ、無言のまま娘を送り出した。
「ああ! もう!」
腹立ち紛れに目の前の椅子をドカッと蹴る。
「どうして、私が……っ!」
何度も吐いた台詞に肩が震える。
怒りのまま拳を叩きつけるべく腕を振り上げたところで向かいから声が掛かった。
「ありゃまあまあ嬢ちゃま。そんなに暴れたら馬車が壊れてしまいますからねえ。もう少し我慢したら着きますから、大人しくしていて下さいねえ」
「……っ、ばあや……!」
振り上げた拳を収め、ベリンダは視線を彷徨わせた。
「……寝ていたのよね、悪かったわ」
「いいんですよお。ばあは少し驚いただけですからねえ」
にこにことした笑顔が素の顔のような老人はリマ。ベリンダの乳母だ。
年をとってから雇われた人で、ベリンダの面倒を見ていた頃は四十手前だった。それでも何人かいた乳母の中で、最後までベリンダの近くにいたのは彼女だけだった。
「楽しみですねえ、嬢ちゃまの花嫁姿」
「!」
笑顔の乳母から、ベリンダは顔を背けた。
◇
「腰、痛……」
王都から馬車で片道二週間。
馬車を降りる度、伸ばした身体に痛みが走る。
今はもう辺境伯が住む城は目前だ。初対面の挨拶に余裕を持ちたいからと、ベリンダは御者に一休みを命じた。背を逸らし、身体をほぐす。
「ばあや、あなたも少し外の空気を吸いなさい」
「……ばあは億劫ですから、このままでいいです」
「駄目よ、ほら」
そう手を差し伸べれば御者は目を丸くしていた。
護衛が慌てて駆け寄ったが、その手が届く前にリマがベリンダの手を取った。
「ゆっくり降りなさい」
「はいはい」
ちらりと横目で見れば、リマは杖に凭れてふぅと息を吐いている。心なしか幾分顔色も良くなったようだ。
(……気分が悪いなら、そう言えばいいのに)
ベリンダはふと前に向き直った。
北の辺境伯の城はもう、水平線から顔を出していた。
──ベリンダが八歳の頃。
リマが足を悪くしたのは走り回るベリンダに追いつききれず、階段から足を滑らせたからだ。
不自由に足を引き摺るリマが見苦しいと、母はリマを解雇しようとした。
『もう乳母に甘える年ではないでしょう』
リマを乳母として雇ったのは母だ。
年若い女が家の中にいれば父に目をつけられるのは目に見えていたから。侯爵婦人としての対面上か、面白くなかったからか……いずれもそうなのかもしれないが、レーゼント侯爵家の使用人に若い娘はいなかった。
兄妹もないベリンダの周りには歳の近い者は無く、ベリンダが好きに振る舞っても誰も咎めなかった。ベリンダにとって使用人は皆空気のような存在。
けれど、リマがいなくなるのは嫌だ。
リマだけはいつも、ベリンダの意識の中にいた。
『……そうねお母様。リマは今まで良くやってくれたもの。だから領地の屋敷でのんびりさせてやりましょう』
母は少し目を見開いたけれど、それ以上は追及はせず。それもそうねと頷いて去って行った。
侯爵家を辞めればリマには退職金が渡される。
けれどそれは、不自由な身体で生涯自分を賄っていくのに足りる額だろうか。
使用人たちのお喋りで聞いた事がある。
もう少し働いてから、お金が貯まってから、それでも何かしら仕事を探さないと、退職金だけで貯金を切り崩し暮らしてはいけないのだ、と。
(リマ……)
リマは独り身だ。
正確には結婚していたけれど、流行病で夫と子供を亡くしたと聞いている。病がうつっては困るからと、前の勤め先から追い出されたところ、侯爵家が恩を売った。
その頃にはリマが放浪して半年が経っていたし、彼女に病気の兆候が無い事は明らかだった。侯爵家の主治医も問題なしと診断した。
リマはベリンダを大事に育ててくれた。
だから遠ざけなければならないと分かった。
きっと父はリマを目に留めれば問答無用で追い出すだろう。障がい者を快く思わない者は多い。母は一定の理解を示したが、残念ながら父はそうは取らないだろう。家に寄り付かない父がいない間に、早く──
『嬢ちゃま、申し訳ありません……』
リマは後ろ髪を引かれるように何度も振り返り、馬車に乗り領地へと旅立って行った。
リマがいなくなって、ベリンダの周りには空気しかなくなった。生きていくのに必要な存在。けれど無機質。
父は家に寄り付かない。
今まで気付かなかったが、母の傍にはいつも見知らぬ男性がいた。
リマがいない屋敷では、今まで彼女が遮ってきた声が沢山聞こえるようになった。
どの声も不愉快でしかない。
そして不思議と一番マシだと思ったのは父の言葉だった。
外聞を気にする貴族らしく、父は家にいる間はレーゼント侯爵として振る舞う。
しかし父がいる時だけ夫人らしく振る舞う母には嫌悪感があった。……父も同じ事を外でしているのだとしても、娘の目も憚らない母よりはと、子供心にそう思ったのかもしれない。
『ベリンダ、女は賢い必要はない。賢しい女は男の興を削ぐ』
『はい、お父様』
そう答えると父はベリンダの頭を優しく撫でた。
『そうだ、従順である事も大切だ。いずれお前を娶る男は家宝者だな』
『……ありがとうございます』
リマのいない屋敷の中、ベリンダが縋るものはもう、この手しか無かった。
「──はあ、どっこいしょ。よい気晴らしになりましたね嬢ちゃま。そろそろ行きましょうかねえ」
「……ええ、そうね」
馬車に乗り込む際、御者がベリンダとリマに手を貸した。「ありがとねえ」と笑顔を向けられ、御者は戸惑いながら首をこくこくと振っていた。
「……リマ、あなたどうしてついてきたの?」
馬車に再び腰を下ろし、悪路に揺られ窓の外からリマへと視線を向けて。ベリンダは口を開いた。
誰もがベリンダについて来るのを嫌がった。
贔屓にしていた侍女も、部屋付きのメイドも。
辺境領なんて、ベリンダと一緒になんて、行きたくないと。
扇をへし折る勢いで握りしめたが、どれほど威圧しても首を縦に振る者はいなかった。父の意向で往路には人を用意して貰えたが、ベリンダは実質一人で輿入れする事になっていた。
別に誰に縋るつもりも無かったが。
けれど突きつけられた現実は、ベリンダを益々孤独にした。あの屋敷の中で、空気たちは所詮ベリンダの気まぐれな施しにしか興味が無かったと知ったから。
侯爵家の威光、父の威光、それを翳すベリンダなど、誰も、少しも、見ていなかった。ベリンダこそ、彼らにとって空気だったのだ。
※ 障がいに関するセンシティブな表現が含まれます。
ガタン
大きく揺れる馬車にベリンダは顔を顰めた。
侯爵家で用意された馬車は快適なものだ。
悪いのは道。
まともに舗装されていない悪路は北の辺境領へと続く。
そこでベリンダは五十路近い男鰥と結婚する事になった。
理由は諸々あるが、わざわざ辺境へ嫁すのは王都に居られなくなったから。
第三王子の不興を買っただけでなく、先王陛下にまで不敬を働いた。更に兄殿下たちからの評判も頗る悪く。もう王都にベリンダの居場所は無かった。
父は頭に怒りが昇った状態ではあったが、何とか娘の婚家を探し出した。
修道院では外聞が悪すぎる。
悪い事をしたと言っているようなものだ。
──いや、はっきり言ってそうなのだが、第三王子からの「温情」で、あの日ベリンダが吐いた言葉には目を瞑って貰う事になった。
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北の辺境伯は十年以上も前に奥方を亡くして独り身。妻を悼み随分長らく独身でいたが、いよいよ重い腰を上げる事にしたようだ。
彼は後継者にも恵まれ無かったので、父がベリンダの腹を売り文句に縁談を押し通した。
そんな父は見送りに顔を出す事は無いままに。
結婚式にも出ない。
このままもう二度と会う事も無いだろう。
母は馬車に座るベリンダを見上げ、無言のまま娘を送り出した。
「ああ! もう!」
腹立ち紛れに目の前の椅子をドカッと蹴る。
「どうして、私が……っ!」
何度も吐いた台詞に肩が震える。
怒りのまま拳を叩きつけるべく腕を振り上げたところで向かいから声が掛かった。
「ありゃまあまあ嬢ちゃま。そんなに暴れたら馬車が壊れてしまいますからねえ。もう少し我慢したら着きますから、大人しくしていて下さいねえ」
「……っ、ばあや……!」
振り上げた拳を収め、ベリンダは視線を彷徨わせた。
「……寝ていたのよね、悪かったわ」
「いいんですよお。ばあは少し驚いただけですからねえ」
にこにことした笑顔が素の顔のような老人はリマ。ベリンダの乳母だ。
年をとってから雇われた人で、ベリンダの面倒を見ていた頃は四十手前だった。それでも何人かいた乳母の中で、最後までベリンダの近くにいたのは彼女だけだった。
「楽しみですねえ、嬢ちゃまの花嫁姿」
「!」
笑顔の乳母から、ベリンダは顔を背けた。
◇
「腰、痛……」
王都から馬車で片道二週間。
馬車を降りる度、伸ばした身体に痛みが走る。
今はもう辺境伯が住む城は目前だ。初対面の挨拶に余裕を持ちたいからと、ベリンダは御者に一休みを命じた。背を逸らし、身体をほぐす。
「ばあや、あなたも少し外の空気を吸いなさい」
「……ばあは億劫ですから、このままでいいです」
「駄目よ、ほら」
そう手を差し伸べれば御者は目を丸くしていた。
護衛が慌てて駆け寄ったが、その手が届く前にリマがベリンダの手を取った。
「ゆっくり降りなさい」
「はいはい」
ちらりと横目で見れば、リマは杖に凭れてふぅと息を吐いている。心なしか幾分顔色も良くなったようだ。
(……気分が悪いなら、そう言えばいいのに)
ベリンダはふと前に向き直った。
北の辺境伯の城はもう、水平線から顔を出していた。
──ベリンダが八歳の頃。
リマが足を悪くしたのは走り回るベリンダに追いつききれず、階段から足を滑らせたからだ。
不自由に足を引き摺るリマが見苦しいと、母はリマを解雇しようとした。
『もう乳母に甘える年ではないでしょう』
リマを乳母として雇ったのは母だ。
年若い女が家の中にいれば父に目をつけられるのは目に見えていたから。侯爵婦人としての対面上か、面白くなかったからか……いずれもそうなのかもしれないが、レーゼント侯爵家の使用人に若い娘はいなかった。
兄妹もないベリンダの周りには歳の近い者は無く、ベリンダが好きに振る舞っても誰も咎めなかった。ベリンダにとって使用人は皆空気のような存在。
けれど、リマがいなくなるのは嫌だ。
リマだけはいつも、ベリンダの意識の中にいた。
『……そうねお母様。リマは今まで良くやってくれたもの。だから領地の屋敷でのんびりさせてやりましょう』
母は少し目を見開いたけれど、それ以上は追及はせず。それもそうねと頷いて去って行った。
侯爵家を辞めればリマには退職金が渡される。
けれどそれは、不自由な身体で生涯自分を賄っていくのに足りる額だろうか。
使用人たちのお喋りで聞いた事がある。
もう少し働いてから、お金が貯まってから、それでも何かしら仕事を探さないと、退職金だけで貯金を切り崩し暮らしてはいけないのだ、と。
(リマ……)
リマは独り身だ。
正確には結婚していたけれど、流行病で夫と子供を亡くしたと聞いている。病がうつっては困るからと、前の勤め先から追い出されたところ、侯爵家が恩を売った。
その頃にはリマが放浪して半年が経っていたし、彼女に病気の兆候が無い事は明らかだった。侯爵家の主治医も問題なしと診断した。
リマはベリンダを大事に育ててくれた。
だから遠ざけなければならないと分かった。
きっと父はリマを目に留めれば問答無用で追い出すだろう。障がい者を快く思わない者は多い。母は一定の理解を示したが、残念ながら父はそうは取らないだろう。家に寄り付かない父がいない間に、早く──
『嬢ちゃま、申し訳ありません……』
リマは後ろ髪を引かれるように何度も振り返り、馬車に乗り領地へと旅立って行った。
リマがいなくなって、ベリンダの周りには空気しかなくなった。生きていくのに必要な存在。けれど無機質。
父は家に寄り付かない。
今まで気付かなかったが、母の傍にはいつも見知らぬ男性がいた。
リマがいない屋敷では、今まで彼女が遮ってきた声が沢山聞こえるようになった。
どの声も不愉快でしかない。
そして不思議と一番マシだと思ったのは父の言葉だった。
外聞を気にする貴族らしく、父は家にいる間はレーゼント侯爵として振る舞う。
しかし父がいる時だけ夫人らしく振る舞う母には嫌悪感があった。……父も同じ事を外でしているのだとしても、娘の目も憚らない母よりはと、子供心にそう思ったのかもしれない。
『ベリンダ、女は賢い必要はない。賢しい女は男の興を削ぐ』
『はい、お父様』
そう答えると父はベリンダの頭を優しく撫でた。
『そうだ、従順である事も大切だ。いずれお前を娶る男は家宝者だな』
『……ありがとうございます』
リマのいない屋敷の中、ベリンダが縋るものはもう、この手しか無かった。
「──はあ、どっこいしょ。よい気晴らしになりましたね嬢ちゃま。そろそろ行きましょうかねえ」
「……ええ、そうね」
馬車に乗り込む際、御者がベリンダとリマに手を貸した。「ありがとねえ」と笑顔を向けられ、御者は戸惑いながら首をこくこくと振っていた。
「……リマ、あなたどうしてついてきたの?」
馬車に再び腰を下ろし、悪路に揺られ窓の外からリマへと視線を向けて。ベリンダは口を開いた。
誰もがベリンダについて来るのを嫌がった。
贔屓にしていた侍女も、部屋付きのメイドも。
辺境領なんて、ベリンダと一緒になんて、行きたくないと。
扇をへし折る勢いで握りしめたが、どれほど威圧しても首を縦に振る者はいなかった。父の意向で往路には人を用意して貰えたが、ベリンダは実質一人で輿入れする事になっていた。
別に誰に縋るつもりも無かったが。
けれど突きつけられた現実は、ベリンダを益々孤独にした。あの屋敷の中で、空気たちは所詮ベリンダの気まぐれな施しにしか興味が無かったと知ったから。
侯爵家の威光、父の威光、それを翳すベリンダなど、誰も、少しも、見ていなかった。ベリンダこそ、彼らにとって空気だったのだ。
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